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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H04N
管理番号 1018351
異議申立番号 異議1999-70351  
総通号数 13 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1988-05-13 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-02-03 
確定日 2000-07-04 
異議申立件数
事件の表示 特許第2783282号「画像処理装置」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第2783282号の特許を取り消す。 
理由 1 手続の経緯
本件特許第2783282号に係る発明についての出願は、昭和61年10月27日に出願され、平成10年5月22日にその発明について特許の設定登録され、その後、その特許について、異議申立人 シャープ株式会社 及び 松本 信雄 より特許異議の申し立てがなされ、平成11年6月2日付で取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年8月9日に訂正請求がなされ、平成11年9月22日付で訂正拒絶理由通知がなされたものである。
2 訂正の適否についての判断
(1)訂正請求の趣旨及び内容
訂正請求は、特許請求の範囲の減縮と、明細書の明瞭でない記載の釈明を目的としたものであり、その内容は以下a,bの通りである。
a.特許請求の範囲について
a1)特許請求の範囲の冒頭に「作成済みの文書画像情報に対しその文書の取り扱いを示す付加情報を付して印刷させる画像処理装置であって、」を追加する。
a2)指定手段に関し「前記文書画像情報に前記付加情報の付加を指定する指定手段」のごとく、「文書画像情報」「付加情報」に「前記」を追加する。
a3)合成手段の「付加情報が前記指示手段により指示された付加する位置に印刷出力されるように前記選択手段」のとおり出力に関し印刷出力と限定する。
b.詳細な説明について
b1)「発明が解決しようとする問題点」の部分に関し、
「所望の付加情報を一覧表示で」の部分を「所望の印刷出力された文書の取り扱いを示す付加情報を一覧表示で」と限定する。
「選択された所望とする付加情報が文書画像情報の指定した位置」を「選択された所望とする付加情報が作成済みの文書画像情報の指定した位置」とする。
b2)「問題点を解決するための手段について」の部分に関し
1)冒頭の「この発明に係る画像処理手段は」の後に「作成済みの文書画像情報に対しその文書の取り扱いを示す付加情報を付して印刷させる画像処理装置であって、」を追加する。
2)指定手段に関し「前記文書画像情報に前記付加情報の付加を指定する指定手段」のごとく、「文書画像情報」「付加情報」に「前記」を追加する。
3)合成手段の「付加情報が前記指示手段により指示された付加する位置に印刷出力されるように前記選択手段」の出力に関し印刷出力と限定する。
b3)「作用」の部分に関し
「付加しようとする所望の付加情報を一覧表示で」を「付加しようとする所望の印刷出力された文書の取り扱いを示す付加情報を一覧表示で」とする。
b4)「発明の効果の」の欄に関し
1) 「付加しようとする所望の付加情報を一覧表示で」を「付加しようとする所望の印刷出力された文書の取り扱いを示す付加情報を一覧表示で」とする。
2)「選択された所望とする付加情報が文書画像情報の」を「選択された所望とする付加情報が作成済みの文書画像情報の」に訂正する。
上記訂正a1)については特許明細書には「情報に任意の重みが付加されている。(中略)その資料を受け取る人に対して喚起を促している。」(特許明細書第1頁第2欄第10乃至15行)と記載されているが、直接に明示する記載はない。しかし、前記記載並びに図面第3図及び第4図とその説明から、当業者が当然に理解される範囲のものといえるので特許明細書に記載されていたものと認める。訂正a2)は限定であることは明らかである。また、訂正a3)は特許明細書の図面第1,2図及びその説明から、特許明細書に記載されていたものであり、出力の態様を限定するものと認める。そうすると、a1)乃至a3)は新規事項の追加はなく、実質的に特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
また、訂正b1)、b2)、b3)、b4)については基本的に特許請求の範囲の訂正に伴う訂正であるから、これら訂正は認容できる。
(2)独立特許要件の検討
ア 訂正明細書の発明の要旨
本件訂正明細書の特許請求の範囲の発明の要旨は、同書の特許請求の範囲に記載された下記の通りのものと認める。
(1)作成済みの文書画像情報に対しその文書の取り扱いを示す付加情報を付して印刷させる画像処理装置であって、
前記文書画像情報に前記付加情報の付加を指定する指定手段と、
前記付加情報の付加する位置を指示する指示手段と、
記憶手段に記憶されている複数の付加情報の一覧を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示される付加情報の一覧から前記文書画像情報に付加するべき付加情報を選択する選択手段と、
前記指定手段による指定に基づき、前記選択手段に選択されたにより選択された付加情報と前記文書画像情報とを合成する合成手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
イ 引用刊行物記載の発明
これに対して、当審が訂正拒絶理由通知において示した刊行物1乃至2には、それぞれ以下の如く記載されている。
[刊行物1:特開昭61-15280号公報]
「文書原稿中から画像編集に必要な部分画像を切出し、その部分画像を台紙画像上に柔軟性良く効果的にレイアウトしながら、簡易に所望とする文書画像編集を行うことのできる実用性の高い文書画像編集装置を提供することにある。」(第2頁左下欄第15行〜19行)
「本発明はディスプレイ上の第1の表示領域に表示された編集処理対象とする文書画像中の任意の画像領域を部分画像として切抜き指定し、この切抜き指定された部分画像を前記ディスプレイ上の第2の表示領域に表示すると共に、その部分画像を記憶保持して管理するようにし、しかる後、前記第2の表示領域に表示された部分画像を選択的に指定する共に、前記ディスプレイの前記第1の表示領域に代えて設定される第3の表示領域に表示された台紙画像上の上記選択指定された部分画像を切貼りすべきレイアウト位置を指示し、これらの指示情報に従って前記管理された部分画像中から上記選択指定された部分画像を抽出し、この部分画像を前記台紙画像上の指定されたレイアウト位置に表示して文書画像の編集を行うようにしたものである。」(第2頁右下欄第1行〜第16行)
「このようにしてディスプレイ7の第2の表示領域に前記部分画像を表示し、且つ第3の表示領域に前記台紙画像を表示した状態において、オペレータは上記台紙画像上に貼付けるべき部分画像を、前記指示入力装置9を介して指定指示すると共に、この指定指示した部分画像の前記台紙画像上への貼付け位置を指定指示する。これら指定情報に従って、前記CPU1は前記ページメモリ6bから指定された部分画像を読出し、この部分画像を前記ページメモリ6cの指定位置に転送して格納する。」(第4頁右下欄第9行〜18行)
「 しかして、上述した処理によって画像編集に必要な部分画像のすべてが抽出されたとき、或いはある程度の部分画像の抽出が終了したとき、装置の動作モード前記切抜きモードから貼付けモードに切替えられる。これによってディスプレイ7の表示画面の前記第1の表示領域が、第4図(g)に示すように前記台紙画像を表示する為の第3の表示領域7dとして変更される。尚、この第3の表示領域7dを前記各第1および第2の表示領域7a,7bとは独立に、前記ディスプレイ7の表示画面を区画して設定しておくことも可能である。
しかして、第4図(h)に示すように「領域指定」のコマンド情報を入力し、上記台紙画像に対して部分画像を貼付けるべき領域を指定し、次に同図(i)に示すように「貼り」なるコマンド情報を入力して上記台紙画像上の指定された領域に貼付けるべく部分画像を前記第2の表示領域7bに表示された部分画像中から選択指定する。これによって選択指定された部分画像が、前記台紙画像上の指定領域に書込まれる。」(第5頁右上欄第4行〜第6頁左上欄第1行)
「このようにして、第2の表示領域7bに表示された部分画像を選択し、その選択された部分画像を台紙画像上にレイアウト位置制御して順に貼付けることによって、第4図(j)に示すように複数の部分画像が貼付けられた編集画像が形成される。」(第6頁左上欄第11行〜16行)
[刊行物2:特開昭58-10238号公報]
「第1図はこの発明を文書作成に用いるものに適用した例を示している。図において1は記憶装置で、この記憶装置1は文書を作成するのに必要な文章、図形、表など基本的な情報および既に作成され再利用される情報リストなどを記憶している。この記憶装置1に演算装置2を接続し、この演算装置2に表示装置3および入力装置4を接続している。表示装置3はCRTディスプレイなどからなるもので、同一表示画面上に作成中の文書を表示するための主表示部31および再利用を目的とする情報リストを表示するための補助表示部32を有している。また入力装置4はキーボードなどからなるもので文書作成のための基本情報の指定、再利用のための情報リストの表示、消去の指示、情報リスト中該当する情報の選択および指定位置への情報の埋込み指示、作成情報の再利用のための登録指示などを行うようにしている。」(第2頁右上欄第7行〜左下欄第3行)
「この状態で入力装置4より表示指示のコマンドとともに上記機器構成に関連ある情報リストのファイル名を入力すると記憶装置1より対応する情報リストが読み出され表示装置3の補助表示部31つまり、第2図(a)に示すように作成中の図が表示される主表示部31の右隣りに情報リストが同時に表示される。
次に、機器構成図中に情報リストの中から所望の情報を選んで再利用するには入力装置4よりその旨を指示するコマンドを入力し、また例えば「6.ディスク」を選ぶとすれば数字「6」を入力するか、あるいはカーソル(図示せず)を移動して「6.ディスク」を指定する。次いで機器構成図中の埋め込むべき点、例えば第2図(a)の※点を入力装置4又はカーソルの移動により指示し、実行を指示するコマンドを入力する。これにより演算装置2にて埋め込むべき点が検知され、この点へ「ディスク」に対応する記憶装置1の内容が書き込まれ、第2図(d)に示す機器構成図が作成される。」(第2頁右下欄第8行〜左下欄第6行)
ウ 訂正された発明との対比
(請求項の発明)
本件の訂正された特許請求の範囲に記載された発明(以下前者という)と上記刊行物1記載のもの(以下後者という)とを比較する。
引用刊行物1には「複数枚の画像文書からそれぞれ必要な部分画像を切り抜き、これらの部分画像を1枚の文書画像(台紙画像)上に貼付けて情報整理し、」(引用刊行物1の第2頁左上欄第14行ー第16行)と記載されているが、これによれば、引用刊行物1のものにおいても、作成済みの或る画像文書(例えば第4図の(i)の文書イ)に対し、更に別の文書画像を追加貼付処理を施すものであるといえるから、作成済みの画像文書に対し処理を行う点については共通しているものといえる。また、引用刊行物1の第1図にはプリンタ8を構成要素としているのであるから印刷出力を予定していることは明らかである。
前者の指定手段については、これは後者の切り抜きモードを前提として貼付モードに変更し、貼付することを指令することに対応するものである。
前者の指示手段については、後者の貼付つけるべき領域を指定するもの(引用刊行物1の第5頁右下欄第15行)に相当する。
また、前者の「記憶手段に記憶されている複数の付加情報の一覧を表示する表示手段」は後者の第4図の(j)の複数の切り抜いた画像(部品)を表示する領域である第1の表示領域7aに対応している。
さらに、前者の「表示手段に表示される付加情報の一覧から前記文書画像情報に付加するべき付加情報を選択する選択手段」は、後者の第4図の(j)において貼付をするために複数の切り抜いた画像(部品)を選択する事に対応する。
前者の合成手段は後者の貼付合成する事に対応する。そうすると、以下の点で一致すると言える、即ち、
「作成済みの文書画像情報に対し付加情報を付して印刷させる画像処理装置であって、
前記文書画像情報に前記付加情報の付加するとき、前記付加情報の付加する位置を指示する指示手段と、
記憶手段に記憶されている複数の付加情報の一覧を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示される付加情報の一覧から前記文書画像情報に付加するべき付加情報を選択する選択手段と、
前記指定手段による指定に基づき、前記選択手段に選択されたにより選択された付加情報と前記文書画像情報とを合成する合成手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。」
そして、以下の点で相違する。
[相違点1]
前者においては付加情報の付加を指定する指定手段を有しているのに対し、後者はこれについて記載されていない点。
[相違点2]
画像処理装置が、前者においては、その文書の取り扱いを示す付加情報を付加するものであるのに対し、後者は、選択された編集対象画像を貼付合成するものである点。
相違点の判断
以下、上記相違点について検討する。
(ア)相違点1について
本件特許明細書には指定手段に関して以下の記載がある。
「第3図は、第1図に示した属性情報12aを説明する模式図であり、21は属性イメージファイルで、例えば5つの属性情報12aが格納されている状態を示してある。22は識別番号で、ポインティングデバイス1bにより指示することにより、指示された属性情報12aをイメージメモリ9(第2記憶手段として機能する手段の一例に対応する)に展開することができる。(中略)CRTディスプレイ1に表示された文書画像に対する属性情報12aを割り付けたい場合は、ここで、ポインティングデバイス1bによりCRTディスプレイ1に表示された文書画像に割り付ける属性情報12aの展開位置が指示されるとともに、属性イメージファイル21の読み出しが指定されると、CRTディスプレイ1に属性イメージファイル21が転送経路dを介して表示される。ここで、ポインティングデバイス1bにより、例えば識別番号22のうち「1」を指定すると、「CONFIDENTIaL」がイメージメモリ9に展開される。なお、その展開位置は、上述のポインティングデバイス1bにより指示された位置に対応している。これにより、光ディスク装置11から読み出された文書画像とハードディスク装置12から読み出された属性情報12aがイメージメモリ9で合体されたことになる。ここで、キーボード1aを操作してプリンタ6に対して画像出力指令が入力されると、CPU7が転送経路eを介してイメージメモリ9に展開された画像情報を転送すると、プリンタ6から合体された画像、すなわち第4図に示す画像が出力される。
第5図はこの発明の一実施例を示す画像処理装置の画像処理手順の一例を説明するフローチャートである。なお、(1)から(10)は各ステップを示す。
キーボード1aより検索情報が入力されるのを待機し(1)、検索情報が入力されたらCPU7がハードディスク装置12に格納される管理情報を参照しながら光ディスク装置11に格納されている所望とする文書画像をイメージメモリ9に展開するとともに(2)、イメージメモリ9に展開された文書画像をVRaM2に間引いて展開し、CRTディスプレイ1に縮小画像を表示する(3)。次いで、属性情報の割り付け指定が入力されるのを待機し(4)、入力されたらポインティングデバイス1bにより展開位置が指示されるのを待機し(5)、指示されたらCPU7がハードディスク装置12に格納されている属性イメージファイル21を読み出しCRTディスプレイ1に表示する(6)。次いで、CRTディスプレイ1に表示された属性イメージファイル21の識別番号22が選択されるのを待機し(7)、選択された属性情報12aをステップ(5)で指示される展開位置に応じてイメージメモリ9に合体展開する(8)。次いで、キーボード1aより画像出力指令を待機し(9)、画像出力指令が入力されたら、イメージメモリに展開された画像情報をプリンタ6より出力して(10)、制御を終了する。この様に、この発明の画像処理装置によれば、指定手段による付加する付加情報の位置が指定(ポインティングデバイス1bを操作して所望の付加情報を指定(第5図のステップ(4))する)されると、一覧表示手段が記憶された付加可能な付加情報を表示手段に一覧表示(第5図のステップ(6))させ、所望とする付加情報が選択手段により選択(第5図のステップ(7))されると、合成手段(BMU3がイメージメモリ9上で合体する)が選択された付加情報を指示(ポインティングデバイス1bを操作して所望の位置を指示(第5図のステップ(5))する)された付加する位置に出力されるように、付加情報と前記文書画像情報とを合成(第5図のステップ(8))して、付加しようとする所望の付加情報を一覧表示で視覚的に確認しながら選択された所望とする付加情報が文書画像情報の指定した位置に合成された合成画像情報を容易に得ることを可能とする。」(本件特許公報第2頁第4欄第20行ー第3頁第6欄第4行)
この記載から、指定手段とは実施例においては第5図における割付指定(4)する手段であると解される。ところで、文書作成等に用いる画像処理装置を扱う引用刊行物2には、「機器構成図中に情報リストの中から所望の情報を選んで再利用するには入力装置4よりその旨を指示するコマンドを入力し」(引用刊行物2の第2頁左下欄第15-17行)と記載されている通り、この種の処理装置において付加情報の付加にはそのためのコマンドの入力が必要なことは明白である。
引用刊行物1においても、「切り出しモード」から切り出された画像情報を「貼り付けモード」への移行し、貼付コマンドにより貼り付けていると推認される。
(イ)相違点2について
後者においては画像処理装置が、或る画像に他の画像を貼付コマンドにより貼り付けているが、これが、前者の付加情報を付加することに対応することは前示のとおりである。
そして、コピー禁止、参考配付,confidential等の印刷された文書の取り扱いを示す付加情報を、印刷された出力紙にゴム印等で表示することは、事務処理上の一般的慣行の事項であるといえるから、上記刊行物1における部分画像(部品)、又は引用刊行物2における情報リストにおける情報として上記コピー禁止、参考配布,confi-dential等の文書の取り扱いを表す情報を用いることは、当業者が必要に応じてなす設計的事項であるといえる。
したがって、本件の訂正された特許請求の範囲の請求項に記載された発明の構成は、上記刊行物記載の発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。
また、上記発明の効果は、上記刊行物記載の事項から容易に予測しうる程度のものであって、格別顕著なものとは認められない。
オ むすび
以上の通り、本件訂正明細書の特許請求の範囲に記載された発明は、それぞれ、上記刊行物記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件訂正請求は、特許法第120条の4第3項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するので、当該訂正は認められない。
3 特許異議申し立てについての判断
(1)本件発明の要旨
本件の特許請求の範囲の請求項1の発明は、特許明細書および図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された下記の通りのものと認める。
【請求項1】
前記文書画像情報に前記付加情報の付加を指定する指定手段と、
前記付加情報の付加する位置を指示する指示手段と、
記憶手段に記憶されている複数の付加情報の一覧を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示される付加情報の一覧から前記文書画像情報に付加するべき付加情報を選択する選択手段と、
前記指定手段による指定に基づき、前記選択手段に選択された付加情報が前記指示手段により指示された付加する位置に出力されるように前記選択手段により選択された付加情報と前記文書画像情報とを合成する合成手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
(2)引用刊行物記載の発明
これに対して、当審が取消理由通知において示した刊行物の記載は、上記(2)イ 引用刊行物記載の発明[引用刊行物1-2]に摘示した通りである。
(3)本件発明との対比
(請求項の発明)
本件の特許請求の範囲の請求項に記載された発明(以下前者という)と上記刊行物1記載のもの(以下後者という)とを比較すると、以下の点で相違し、その余の点で一致する。
[相違点]
前者においては付加情報の付加を指定する指定手段を有しているのに対し、後者はこれについて記載されていない点。

(4)相違点について判断
上記相違点について判断は前示の通りである。
(5)むすび
以上のとおり、本件の特許請求の範囲に係る発明は、上記刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、上記特許請求の範囲に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
したがって、本件の特許請求の範囲に係る特許は特許法第113条第1項第2号に該当する。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2000-02-04 
出願番号 特願昭61-253660
審決分類 P 1 651・ 121- Z (H04N)
最終処分 取消  
前審関与審査官 東 次男  
特許庁審判長 水谷 好男
特許庁審判官 小池 正彦
橋本 恵一
登録日 1998-05-22 
登録番号 特許第2783282号(P2783282)
権利者 キヤノン株式会社
発明の名称 画像処理装置  
代理人 木下 雅晴  
代理人 小池 隆彌  
代理人 小林 将高  

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