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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G10L |
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管理番号 | 1019614 |
審判番号 | 審判1999-803 |
総通号数 | 14 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1990-10-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-01-14 |
確定日 | 2000-08-23 |
事件の表示 | 平成 1年特許願第 82560号「音声信号再生装置」拒絶査定に対する審判事件〔平成 2年10月24日出願公開、特開平 2-262200、平成 7年12月20日出願公告、特公平 7-120158、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1 本願発明 本願は、平成1年3月31日の出願であって、その発明は、当審の拒絶理由に対して補正された特許請求の範囲(請求項の数2)に記載された次のとおりのものである。 【請求項1】予め定められた記録速度で情報記録媒体上に記録された音声信号を再生する音声信号再生装置であって、 前記情報記録媒体上に記録された音声信号を記録速度を越える再生速度で再生する再生手段と、 再生手段に接続され、再生された音声信号を量子化する量子化手段と、 前記量子化手段に接続され、量子化された音声信号を記憶するための所定の記憶容量を有する記憶手段と、 量子化された音声信号を前記記憶手段に書込むための書込アドレスを所定のアドレス増加速度で発生する手段と、 前記記憶手段に記憶された信号を読出すための読出アドレスを前記所定のアドレス増加速度よりも低い速度で発生する手段とを含み、 前記記憶手段は、書込アドレスおよび読出アドレスに応答して量子化された音声信号を記憶および出力し、 前記書込アドレスおよび読出アドレスの一致を検出するための一致検出手段を含み、 前記記憶手段は、前記一致検出手段に応答して量子化された音声信号の記憶動作を開始および停止し、前記開始および停止は、前記一致検出手段に応答して前記記憶手段への書込み動作を開始し、書込アドレスが読出アドレスに一致すると前記記憶手段への書込み動作を停止するが読出し動作は続行し、読出アドレスが書込アドレスに再び一致すると前記記憶手段への書込み動作を再び開始する、音声信号再生装置 【請求項2】予め定められた記録速度で情報記録媒体上に記録された音声信号を再生する音声信号再生装置であって、 前記情報記録媒体上に記録された音声信号を記録速度を越える再生速度で再生する再生手段と、 再生された音声信号を受けるように接続され、 所定の動作サイクルで再生された音声信号の抽出および棄却動作を繰返す抽出手段とを含み、 前記所定の動作サイクルは、抽出のための第1の期間および棄却のための第2の期間を有し、 前記第1の期間を前記抽出手段により抽出される音声信号に含まれている音韻よりも短い期間にする第1の状態と、少なくとも複数の音韻が含まれる期間にする第2の状態とに選択的に切換える期間切換手段と、 前記抽出手段により抽出された音声信号を前記所定の動作サイクル内において時間軸上で伸長する伸長手段とを含む、音声信号再生装置 2 甲第1号証発明 これに対して、原査定の拒絶の理由となった特許異議の決定の理由で引用された甲第1号証である特開昭56-126898号公報には、本願請求項1に記載された発明との関連において、次に掲げる音声信号再生装置(以下「甲第1号証発明」という。)が記載されている。 「予め定められた記録速度で情報記録媒体上に記録された音声信号を再生する音声信号再生装置であって、 前記情報記録媒体上に記録された音声信号を記録速度を越える再生速度で再生する再生手段と、 再生手段に接続され、再生された音声信号を量子化する量子化手段と、 前記量子化手段に接続され、量子化された音声信号を記憶するための所定の記憶容量を有する記憶手段と、 量子化された音声信号を前記記憶手段に書込むための書込アドレスを所定のアドレス増加速度で発生する手段と、 前記記憶手段に記憶された信号を読出すための読出アドレスを前記所定のアドレス増加速度よりも低い速度で発生する手段とを含み、 前記記憶手段は、書込アドレスおよび読出アドレスに応答して量子化された音声信号を記憶および出力し、 前記書込アドレスと読出アドレスとの差を比較手段で比較し、その差が、所定の値αになったら書込み動作を実行し、書込アドレスが読出アドレスを追い抜くことがないようにαより大きい所定の値βになったら書込み動作を停止するが読出し動作は続行する、音声信号再生装置」 3 本願発明と甲第1号証発明との対比 そこで、本願特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下「本願発明」という。)と甲第1号証発明とを対比すると、甲第1号証発明は、本願発明の構成における次に掲げる事項を備えていない。 「一致検出手段に応答して記憶手段への書込み動作を開始し、書込アドレスが読出アドレスに一致すると記憶手段への書込み動作を停止するが読出し動作は続行し、読出アドレスが書込アドレスに再び一致すると記憶手段への書込み動作を再び開始すること」 なお、甲第1号証発明において、所定の値α、βをゼロとすると本願発明と同じになるが、甲第1号証発明は、この値α、βをゼロでない値とすることが主要な事項であって、甲第1号証には、この値α、βをゼロとする記載ないしは示唆もされていない。 そして、本願発明は、上記事項により、その明細書に記載された目的である「音声信号再生装置において、所定の記憶容量を有する記憶手段を用いて、該記憶手段から連続的に音声信号を読出可能である期間長さを実質的に長くすること」を達成し、「書込アドレスと読出アドレスとの一致を検出する一致検出手段を設けて、前記記憶手段は前記一致検出手段に応答して量子化された音声信号の記憶動作を開始および停止するように構成したので、前記記憶手段の記憶容量を越えて音声信号を連続して読出すことが可能となり、これにより、所定の記憶容量を有する記憶手段から連続的に音声信号を読出可能である期間長さを実質的に長くすることができる。」という効果を奏するものである。 4 他の請求項についての検討 本願特許請求の範囲の請求項2に記載された発明については、異議の申し立てがなされておらず、また、他に拒絶すべき理由を発見しない。 5 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、甲第1号証発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2000-07-28 |
出願番号 | 特願平1-82560 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G10L)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 新宮 佳典、小池 正彦 |
特許庁審判長 |
谷川 洋 |
特許庁審判官 |
石川 伸一 橋本 恵一 |
発明の名称 | 音声信号再生装置 |
代理人 | 小池 隆彌 |
代理人 | 木下 雅晴 |