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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H04N
管理番号 1020308
異議申立番号 異議1998-71505  
総通号数 14 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1989-05-18 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-03-30 
確定日 1999-09-06 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2658086号「カラー画像処理方法」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2658086号の特許を維持する。 
理由 I 手続の経緯
本件特許についての手続の経緯は次のとおりである。
特許出願 昭和62年11月10日
特許権設定登録 平成9年6月6日
特許異議の申立 平成10年3月30日
取消理由通知 平成11年4月27日
訂正請求 平成11年7月8日
II 訂正請求の適否についての判断
1.訂正請求の内容
上記訂正請求は、訂正請求書の「訂正の要旨」に記載されるとおりの訂正事項a〜cに係る訂正を求めるものである。
2.訂正の目的の適否、明細書記載事項からの逸脱及び拡張・変更の存否
(1)上記訂正事項aは、特許請求の範囲の必須の要件項である請求項1において、請求項7の実施態様でいう「前記変倍処理を、Sinc関数による補間式を用いて行う」との限定事項、及び請求項8の実施態様でいう「前記シフト処理を、Sinc関数を用いて行う」との限定事項を取り込み、「前記シフト処理と前記変倍処理の少なくとも一方についてSinc関数を用いて処理を行う」との限定事項を付すと共に、上記請求項7及び8を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
(2)上記訂正事項b、cは、明細書中の「構成」の項と「効果」の項の各記載を上記訂正事項aによる特許請求の範囲の訂正に整合させて明瞭化するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。
(3)また、上記訂正事項a〜cは、いずれも明細書又は図面の記載範囲内のものであることが明らかで、かつ実質的に特許請求の範囲を拡張、変更するものでもない。
3.独立特許要件の判断
(1)訂正後の請求項1に係る発明(訂正後の請求項2〜7記載の実施態様を有する発明、以下これを本件発明という)は、訂正明細書の請求項1に記載されるとおり、「色分解フィルタを規則的に配列した一次元カラー撮像素子を用いる画像読取り手段を有するカラー画像処理装置」を対象とするカラー画像処理方法であって、「基準色に対して他色を所定のシフト量だけシフトした場合の画像データを、複数の画像データを参照して補間することにより求めるステップ(シフト処理)と、少なくとも主走査方向について変倍処理を行うステップと、空間周波数特性(MTF)補正を行うステップ(MTF補正処理)」とを有すると共に、「前記シフト処理と前記変倍処理の少なくとも一方についてSinc関数を用いて処理を行う」ようにしたものである。
これに対し、前記取消理由で引用した特開昭61-154357号公報(異議申立の甲第1号証、以下刊行物1という)には、本件発明でいうのと同様の上記カラー画像処理装置を対象として(第2図、第3図とその説明参照)、本件発明でいう上記シフト処理を行うことが記載され(第4頁右上欄11行〜同頁右下欄15行)、また、同じく取消理由で引用した特開昭62-252260号公報(異議申立の甲第2号証、以下刊行物2という)には、原稿読取装置において、MTF補正処理と主走査方向への画像の変倍処理とを行うことが記載されている(第3頁右上欄5〜10行、第2図)ことが認められるものの、これら刊行物1,2には、本件発明における「前記シフト処理と前記変倍処理の少なくとも一方についてSinc関数を用いて処理を行う」点については記載がなく、示唆されてもいない。そして、上記のSinc関数を用いた処理は、上記シフト処理や変倍処理での画素補間によって画像がなまり、そのシャープネスが低下してしまうのを防ぐという、訂正明細書記載の格別の技術的意義を有するものと認めることができる。
したがって、本件発明が刊行物1,2に記載された発明から容易に想到されたものであるとすることはできない。
(2)また、上記取消理由では、訂正前の請求項1の記載は、明細書の詳細な説明に記載された発明の必須の要件と認められる上記Sinc関数の使用を欠くものである点で不備であるとしたが、この不備は、訂正後の請求項1では上記のとおり解消されている。
(3)以上のように、訂正後の請求項1に係る本件発明は、刊行物1,2記載の発明から容易に想到されたとすることはできないものであり、また、訂正後の請求項1では、上記取消理由で指摘した記載の不備は解消されている。また、他に本件発明が特許を受けることができないものであるとすべき理由は見出せない。
したがって、本件発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとすることはできない。
4.まとめ
以上のとおりであるから、本件で請求する訂正は、特許法第120条の4第2項、及び同条第3項で準用する同法第126条第2〜4項の規定に適合するものである。
III 異議申立についての判断
本件異議申立の理由は、訂正前の請求項1に係る発明について、同発明は上記刊行物1,2の記載から容易に想到される発明であり、また、訂正前の請求項2〜9記載の実施態様の内、請求項2〜6記載の実施態様も刊行物1,2の記載から容易に想到される程度のものであるから、上記発明についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反しているとするものであるところ、この申立理由は、訂正後の請求項1に係る本件発明については、前記II、3.で判断したとおり理由がないものである。
IV むすび
以上のとおり、本件において請求する訂正は適法なものであり、また訂正後の請求項1に係る本件発明の特許について、本件異議申立は理由がないものである。
また、他に同特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
カラー画像処理方法
(57)【特許請求の範囲】
(1)色分解フィルタを規則的に配列した一次元カラー撮像素子を用いる画像読取り手段を有するカラー画像処理装置において、基準色に対して他色を所定のシフト量だけシフトした場合の画像デー夕を、複数の画像データを参照して補間することにより求めるステップ(シフト処理)と、少なくとも主走査方向について変倍処理を行うステップと、空間周波数特性(MTF)補正を行うステップ(MTF補正処理)とを有し、前記シフト処理と前記変倍処理の少なくとも一方についてSinc関数を用いて処理を行う如く構成されたことを特徴とするカラー画像処理方法。
(2)前記シフト処理と、MTF補正処理とを同時に行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載のカラー画像処理方法。
(3)前記シフト処理と、変倍処理とを同時に行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載のカラー画像処理方法。
(4)前記変倍処理と、MTF補正処理とを同時に行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載のカラー画像処理方法。
(5)前記シフト処理と、変倍処理およびMTF補正処理を同時に行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載のカラー画像処理方法。
(6)前記MTF補正処理を、主走査方向と副走査方向とに分けて行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1項ないし第5項のいずれかに記載のカラー画像処理方法。
(7)前記補間を行う際の参照画素数が、4画素以上であることを特徴とする、特許請求の範囲第1項ないし第6項のいずれかに記載のカラー画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
技術分野
本発明はカラー画像処理方法に関し、特にディジタルカラー画像読取り装置等に好適な、カラー画像処理方法に関する。
従来技術
絵柄と文字との混在する原稿では、フルカラー原稿といえども、文字は黒色であることが多い。フルカラー複写機で黒を再現するには、Yellow,Magenta,Cyan(以下、「Y,M,C」という)の3色の色材を重ね合わせる。しかし、Y,M,C3色を重ねても、Y,M,Cのバランスが完全にとれていなければ、多少の色成分は残ってしまう。また、Y,M,Cの各版の位置合わせが不完全で位置ずれがあると、文字の如く高解像性が要求される画像では、著しく画質が劣化する。この不具合の対策として、ディジタルカラー複写機では、Y,M,Cの3色が重なる部分を黒(BK)で置換えるUCR(下色除去)の適用が考えられる。
一方、カラー画像入力方法の例としては、例えば、特開昭60-187180号公報に開示されたダイクロイックプリズムを用い、3個のCCD上に結像させて色信号を得る方法が知られている。この方法では、結像光学系の色収差を完全に無くすることは困難で、原稿の1点が正確に各CCDの所定の位置に結像せず、従って、読取った画素信号のカラーバランスが狂うことになる。また、CCDの位置調整が困難であること、部品数が多く、コスト高である等の欠点もある。
他の例では、特開昭61-61561号公報に、光電変換アレイの素子にRed,Green,Blue(以下、「R,G,B」という)のフィルタを規則的に配して、位置調整および部品点数の問題を解消するようにしたものがある。この方法は、R,G,Bの受光体が互いにずれているために、原画の同一点のデータを読取ることはできず、色補正処理や前記UCR処理等が正確に行えないという別の問題を有するものであった。
この問題に対しては、本出願人が、先に特願昭61-194712号公報「カラー画像処理方法」により提案した方法がある。この方法は、上述の、色分解フィルタを規則的に並べた一次元カラー撮像素子を用いる画像読取り装置において、画像の位置を高精度に読取るために、R,G,B間のドット位置のずれを、隣接する2画素のデータを用いて直線補間することで、所定位置の画像データを得るようにしたものである。この方法では、画素位置の補正は行うことができるが、直線補間をすることは重み付け平均をとることであり、ディジタルフィルタとしてローパス特性を持つことになるため、画像の高周波成分が抑制され、文字,線画等のシャープネスが低下するという問題があった。
以下、これについて、詳細に説明する。
第20図は、R,G,Bの色分解フィルタを規則的に並べた一次元カラー撮像素子(ラインセンサ)の一部を示している。
図において、n-4〜n+3で示される各画素は、細分するとR,G,Bの色分解フィルタを持つ3個の微小画素から構成される。この微小画素は主走査方向に連続して配置されている。
このため、画像のサンプリング点は、G-B,B-R間で1/3画素、G-R間でみれば2/3画素の位置ずれが発生する。この位置ずれの前記UCR処理への影響について考える。具体的には、サンプリング密度は16dot/mm程度、画像としては、特にUCR処理が問題となる黒文字では、線の太さが100μm程度であるから、この場合についてサンプリングの様子を示すと第21図のようになる。
ここで、説明を簡単にするため、画像の出力値は反射率リニア、色材、用紙等は理想的な場合を考える。第21図では、黒線が画素n,n+1にわたっている。各色間に位置ずれのない理想的なセンサでは、画素n,n+1の出力値(反射率%)はG,B,Rとも、それぞれ、50%,17%となる。これを、G,B,Rの補色であるM,Y,Cの色材を用いて再現する場合には、それぞれ、面積率相当で50%,83%の色材を使えば良い。
更に、UCR100%処理を行えば、M,Y,Cの最小値をBKで置換えることができるから、結局、BKのみ50%,83%用いれば良いことになる。しかし、現実には、R,G,B間に位置ずれがあるため、各色の出力値は第22図に示すようになって、R,G,Bで一致しない。従って、必要なM,Y,Cは第23図に示すようになり、UCR100%処理を行っても、M,Y,CおよびBKの必要な色材の量は、第24図に示すようになり、BK1色で再現できなくなるのがわかる。
前記特願昭61-194712号「カラー画像処理方法」においては、各色間の位置ずれを補正するため、隣接2画素間のデータを用いて直線補間する。B色のセンサ位置を中心にして考えれば、GおよびR色は、それぞれ、-1/3画素,1/3画素の位置ずれがある。これを直線補間で補正すると、次式のようになる。

ここで、Gn,Rn-1等は、G色のn番目,R色のn-1番目の画素の出力値を表わし、Gn′,Bn′,Rn′は補正値を表わす。
上記Gn,Rnの補正処理は、それぞれ[0,2/3,1/3],[1/3,2/3,0]の係数を有する一次元ディジタルフィルタ処理に等しい。これらのフィルタの空間周波数特性(MTF)は、離散的フーリエ変換(DFT)を行うことにより、知ることができる。
フィルタ特性をf(x)で表わすと、そのDFTは、

u:空間周波数
N:1/Δx
Δx:サンプリングピッチ
m:フィルタサイズ
MTF(u)=|F(u)| ・・・・・・・・・・・(3)
となる。
第25図に、
F(x)=[1/3,2/3,0]
m=3
Δx=62.5μm(16dot/mm)
の場合のディジタルフィルタのMTF特性を示す(f(x)=[0,2/3,1/3]も同じ特性となる)。
図からも明らかな通り、このフィルタは、高周波成分の伝達性が悪く、ローパス特性を持つ。
従って、このフィルタによって位置ずれ補正を行うことにより、G,R色の画像の高周波成分が劣化する。すなわち、G,Rの画像はボケることになり、文字,線画等のシャープネスが低下してしまう。
目 的
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、従来の技術における上述の如き諸問題を解消し、画像のシャープネスを劣化させることなく、画素位置の補正を行い得るカラー画像処理方法を提供することにある。
構 成
本発明の上記目的は、色分解フィルタを規則的に配列した一次元カラー撮像素子を用いる画像読取り手段を有するカラー画像処理装置において、基準色に対して他色を所定のシフト量だけシフトした場合の画像データを、複数の画素のデータを参照して補間することにより求める第一のステップ(シフト処理)と、少なくとも主走査方向について変倍処理を行う第二のステップと、空間周波数特性補正を行う第三のステップ(MTF補正処理)とを有し、前記シフト処理と前記変倍処理の少なくとも一方についてSinc関数を用いて処理を行う如く構成されたことを特徴とするカラー画像処理方法によって達成される。
以下、本発明の原理を説明した後、実施例に基づいて、構成をより詳細に説明する。
標本化定理より、周波数W以下に帯域制限された一次元信号g(t)は、
T=1/(2W)
間隔で、すなわち、fS=2Wの標本化周波数で標本化すれば、次式により、完全に元の信号を複元することができる。

本発明に係わるカラー画像処理方法によれば、サンプリング画像に上記式(4)の原理を適用して補間データを得て、位置ずれ補正を行う。
ここで、補間データの計算方法について説明する。
第3図に、サンプリング画素の位置,補間データを求める位置,その他のパラメータの関係を示す。第3図のパラメータを用いれば、補間データO(x)は、次式によって求められる。

第4図に示したh(x)のグラフからわかるように、|x|が大きくなると、
h(x)→0
となる。従って、実用上は、i=-2〜2程度の範囲で良い。
ところで、補間データは、R,G,Bのうちどれか1色を基準として、残り2色について求めれば良い。ここでは、Bを基準として、GおよびRについて位置ずれ補正を行う場合について説明する。但し、R,G,Bの位置関係は、第20図に示した通りとする。すなわち、Rデータは注目画素位置x0より1/3画素左にシフトした位置での補間データを用いることになる。
ここで、x0を原点(X0=0)とすると、補間データを求める位置は、

i=-2,-1,0,1,2の5画素のデータを用いた場合の各係数の値を、第14図に示す。第14図に示す▲3▼の係数を用いた一次元フィルタ[10.1676,0.4191,0.8383,-0.2095,0.1197]を使用することにより、1/3画素シフトした画像を得ることができる。すなわち、B色と同位相の画像に変換することができる。
前述の式(2),(3)を用いて、この補正フィルタのMTF特性を求めると、第5図(a)に示すようになる。高周波数領域までフラットな、劣化のない特性が得られることがわかる。このフィルタをハードウェア化する際には、係数はできるだけ簡単な有理数とすることが望ましい。第14図の▲4▼に、有理数に近似させた例を示す。この係数を用いたフィルタのMTF特性を第5図(b)に示す。
係数を有理数に近似させる際の注意として、係数間の比がある。画素iに対する係数をCiとすると、

となり、|i|,|j|の小さい、つまりCi,Cjの大きな範囲では、係数の比は簡単な整数比になる。これにより、補間データを求める位置(座標)の精度を確保することができる。
以上の説明では、R色のデータの補間について述べたが,G色に関しては、x=(+1/3)pとして、式(6)を用いてフィルタ係数を計算することができる。また、G,B,Rのうち、R色を基準とする場合は、Bに対しては、x=(+1/3)p、Gに対しては、x=(+2/3)pとすることにより、式(6)を用いて、同様に計算することができる。以上説明した方法により、MTF劣化の少ない補正フィルタを得ることができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
第1図(a),(b)は、本発明の一実施例であるディジタルカラー複写システムの構成図である。
本システムにおいては、入力系1によりR,G,Bに色分解され、量子化された画像データは、シェーディング補正回路2により光源や撮像素子の感度ムラ等が補正される。
以下、位置ズレ補正回路3,MTF補正回路4,変倍回路5,γ補正回路6,色補正・UCR回路7,階調処理回路8を通り、2値化(または3〜8値程度の多値化)された画像データが出力系9に送られ、複写画像が得られる。
ここで、MTF補正回路4は、入力系による画像のボケを補正するものであるが、ディジタル複写システムでは、第2図(a)〜(d)に示す如き係数を有するディジタルフィルタが用いられる。係数の値は実際の入力系のMTF特性から決めるべきものであるが、3×3に限らず、5×3,5×5等のサイズのフィルタを用いても良い。また、同図(e),(f)に示す如く、主走査方向と副走査方向とに分けて補正することもできる。
ディジタル複写システムでは、入力系に等倍光学系を用いた場合はもちろん、縮小光学系を用いる場合でも、比較的容易に範囲の広い変倍率が得られることから、主走査方向については、電気的に変倍する手法が用いられる。
電気的変倍法は、等倍でサンプリングされた画素データ列を、変倍率に応じた画素密度のデータ列に変換するものである。例えば、等倍で100画素のデータがサンプリングされたとき、120%拡大を行う場合は、100画素のデータを基に、120画素のデータを求め、70%の縮小の場合は、70画素のデータを求める操作を行う。
上述の電気的変倍装置の例としては、本出願人が先に、特願昭61-100503号、同61-100505号、同61-100506号、同61-101721号、同61-104014号および同62-3262号明細書および図面として提案した装置がある。
電気的変倍法の中でも、補間関数として、Sinc関数を用いるものは、精度良く変倍データを求めることができる。
第6図は、等倍データのサンプリング位置(xi)と、133%拡大時のサンプリング位置(yi),80%縮小時のサンプリング位置(zi)の関係を示している。この変倍法では、yi,zi,で示される位置の画像データをxiで示される位置のデータを用いて、前述の式(5)に従って求める。
このyi,Ziで示した変倍画像のサンプリング点の密度を変えることにより、任意の変倍率の変倍が可能となる。
本実施例においては、上述の変倍後の新サンプリング位置を、色毎に所定量シフトすることにより、R,G,Bの画素間の位置ズレを、変倍処理と同時に補正するものである。すなわち、3色のサンプリング位置の関係を前出の第20図の場合で考えると、B色に対し、R色では左に1/3画素分、G色では右に1/3画素分シフトした位置の画素データを補間して求めるものである。
第1図(a),(b)は、変倍処理部を持ったディジタル複写システムであるが、本実施例では、変倍処理時に、位置ズレ補正を考慮するため、第1図(c)に示す如く、両処理部を一つにまとめることも可能である。
ところで、本発明に係わる位置ズレ補正回路は一次元フィルタであり、次段のMTF補正用のフィルタと組合わせて、一つのフィルタを構成することが可能である。第2図(h)は、MTF補正用フィルタ(a)と、位置ズレ補正用フィルタ(g)とを組合わせたものである。また、同(i)は、主走査方向のMTF補正用フィルタ(e)と、位置ズレ補正用フィルタ(g)とを組合わせたものである。
第2図(h)では、3×3と5×1のサイズのフィルタの合成により、7×3のサイズ、また、同(i)では、3×1と5×1のフィルタの合成により7×1のサイズのフィルタになっている。
ここで、フィルタの外側の係数は、中心付近の係数に比べて小さいことを考慮して、省略することも可能である。第2図(j)は、同(i)の外側の二つの要素を無視して得られる5×1のフィルタである。同(h)に関しても、同様の簡略化が可能である。このようにフィルタを一つにまとめることにより、ハードウェアの簡素化や、計算精度の向上を図ることができる。
上述の如く、位置ズレ補正処理は、MTF補正処理または変倍処理と組合わせることができる。MTF補正処理との組合わせは、式(5)で示される補間関数にMTF補正のための関数を重畳することであり、変倍処理との組合わせは、式(5)において、補間データを求めるべきサンプリングの位置をシフトすることである。
従って、この二組の組合わせを同時に行えば、位置ズレ補正,MTF補正,変倍の三っの処理部をまとめた処理部を有する複写システムの構成例を示す。なお、この場合、後段にあるMTF補正回路は、副走査方向のMTF補正を行うものである。副走査方向のMTF補正も含めた一つにまとめることも可能ではあるが、分離した方が、補正演算部が簡単になるメリットがある。
以下、具体的構成例について説明する。
第7図(a)は、第2図(g)に示した位置ズレ補正フィルタの回路構成例である。入力系から出力される画像データを5段のラッチで受けることにより、主走査方向について、5画素のデータを同時に参照することができる。この例では、画像データと、第2図(g)に示した位置ズレ補正フィルタの係数の乗算を、乗算器の代りにROMを用いて、テーブル参照式に行うようにしている。
更に、S0とS-1,S1とS-2を組にし、1段目の加算も同時に行うように構成されている。すなわち、S0とS-1またはS1とS-2の画像データでアドレスされるメモリ番地に、それぞれの画像データと対応する係数の積の和が格納されている。ROMから出力される演算の途中結果は、次の加算器によって加算され、演算は終了する。
位置ズレ補正と、主走査方向のMTF補正を組合わせたフィルタ(第2図(i)と(j)参照)は、第7図(a)の回路の拡張で実現できる。すなわち、ラッチの数や後段の乗算器,加算器を必要数だけ追加すれば良い。係数の違いは、第7図(a)に示す如く、ROMテーブル方式を用いる場合、ROMに格納するデータの変更だけで済む。
第7図(b)は、副走査方向のMTF補正回路の構成例である。2ライン分のラインメモリに順次画像データを更新しながら記憶することにより、連続する3ラインの対応する3画素のデータを同時に参照することができる。
ここで、第2図(f)のMTF補正フィルタについて説明しておく。-1の係数に対応する周辺2画素のデータは、加算器により加算される。次段のROMは、中心画素と周辺2画素のデータの演算を行うためのもので、(中心画素の値)の3倍の値から加算器からの出力値を減ずる演算を、テーブル参照式に行うものである。
このように、MTF補正を主走査方向と副走査方向に分けて行う場合、どちらを先に行っても良い。つまり、第7図(a)と(b)の回路は、どちらが先に量っても良い。
次に、変倍処理について説明する。
変倍処理は、例えば、第8図に示す如き構成の回路で行う。第8図に示す回路は、変倍後の新サンプリング点の位置を決める機能、および、新サンプリング点と旧サンプリング点との距離と旧データとから、新データを計算する機能によって構成されている。
まず、データ合成部は、将来、新サンプリング点を決定して、演算を行うとき、周辺データを一度に取出すために、補正方法によって周辺6画素による補間法では6画素毎にまとめておくところである。例えば、第3図で、新サンプリング点xがx0とx-1の間にある場合、演算部でS-3,S-2,S-1,S0,S1,S2を一度に取出すということである。
具体的な方法は、データクロックに同期して順次入力されるデータ(DATA1)を、データクロック(DCLK)にてラッチすることにより、実施できる。6画素ならば、5段のラッチによって実現できる。
次に、ラインメモリ部であるが、ここは、4画素ないし8画素のまとまりを、1ラインの画素数分格納するメモリで、入力,出力で2段構成とし、一方が入力のときは他方は出力、一つのラインが終わると入出力を逆にするという構成である。
このラインメモリのアドレスは、入力時は、前記DCLKに同期してカウンタをカウントアップして得られるアドレスをそのまま使用するが、出力時は、このアドレスを変化させる。出力時のアドレスが、すなわち、新サンプリング点の位置決定機能に当る。
新サンプリング点が、あるとき、xiとxi+1の間にあり、その次に新サンプリング点が、もう一度、xiとxi+1の間にあるときは、カウンタを止め、xi+2とxi+3の間に移ったときは、カウンタを2つ進め、xi+1とxi+2の間に移ったときは、カウンタを通常通り1つ進める。
カウンタを止めるのは、拡大時にあり、カウンタを2つ進めるのは、縮小時に考えられる。すなわち、拡大時は、カウンタを1つ進める動作と、カウンタを止めておく動作によって、新サンプリング点の位置を決める。縮小時は、カウンタを1つ進める動作と、2つ進める動作の組合わせによって位置を決める。縮小は、カウンタを1つ進める動作と、2つ進める動作の組合わせによって位置を決める。縮小は、50%までの範囲で考えている限り、カウンタを1つ進めるか2つ進めるかで良いが、50%以上の縮小率の場合には、カウンタを3つ進める場合も有り得る。
どこでカウンタを幾つ進めるかという情報は、倍率によってCPUで予め計算されている。新サンプリング点の位置xiは、スタート位置を0,旧サンプリングピッチを1とし、倍率をα(%)とすると、

となる。
新サンプリング点が、xiとxi+1の間にあるとすると、この場合のxiの整数部はiとなる。すなわち、iの増加とともに、xiの整数部が1つ増えるときは、カウンタも1つ進め、iの増加でxiの整数部が2つ増えるときは、カウンタも2つ進め、xiの整数部が1つも進まない場合は、カウンタも進めないようにすれば良い。
また、xiの小数部は、xiとxとの距離Δxになる。この距離データは、後の補間演算部で使うことになる。CPUでは、式(9)でi=0〜α-1までを計算する。すべての場合で、新サンプリング点は、α個毎の周期になるためである。この計算は、読取り動作開始より前に、倍率α(%)が指定された後に行われ、ハードウェアにマッチした形で、RAM等に書込んでおき、変倍処理時、順次、読出す。
あるいは、別の方法として、専用のCPU、または、演算手段を設け、変倍処理と並行して前記式(9)を計算し、計算結果xiの整数部をそのまま、アドレスとし、小数部を距離データとして使うことも考えられる。
データ合成部とラインメモリ部の構成例を、第9図に示す。
この例は、2画素補正を行う場合の構成例である。ここで、アドレス生成部は、前記RAMが入力状態のときは、通常動作でDCLKに同期してアドレスカウンタが進むが、RAMが出力状態のときは、以下に説明する方式によってアドレスを修正する。
第一の方法は、カウンタのクロックの周波数を変えてしまう方法である。DCLKの周波数をf0とすると、α(%)変倍時の周波数fαは、

となる。この方式では、f0に対するfαのずれがサンプリング点のズレそのものになるので、正確かつ確実である。
RAMの読出し時、アドレスカウンタを上述のfαで動かし、RAMの出力を再びDCLKでサンプル(ラッチ)することによって、所望の合成データを得ることができる。
この方法であれば、先に述べた式(9)の計算結果で、整数部についての情報は不要となり、小数部の情報、すなわち、距離についての情報のみを必要とする。
もう一つの方法としては、式(9)の計算結果で整数部に注目し、xiとxi+1とで、
(1)縮小時:整数部が1つ増加しているとき
→ai=1
整数部が2つ増加しているとき
→ai=0
(2)拡大時:整数部が1つ増加しているとき
→ai=1
整数部が増加していないとき
→ai=0
なる数列{ai}をi=0〜α-1まで定義し、RAMに書込んでおき、クロックとして、前記DCLKとこの2倍の周波数2f0なるクロックを用意する方法がある。
変倍処理時、aiはRAMから読出される。読出しはi=0〜α-1を繰り返し読出されるものとする。縮小時、ラインメモリ(RAM1,またはRAM2)の出力のためのアドレスカウンタのクロックは、
ai=1のとき:f0(DCLK)
ai=0のとき:2f0
になるよう切替える。
拡大時、アドレスカウンタのクロックは、aiとDCLKのANDとすることによって、ai=1のときカウンタアップ、ai=0のときカウントせずのようにする。
この方式を実施するための回路のブロック図を第10図に示す。RAM3は、CPUで計算した式(9)の結果のaiと小数部の情報を格納しているメモリである。この方式を用いると、第8図のデータ合成部を省略できる。つまり、ラインメモリには、6ビットのデータをそのまま、DCLKに同期させて入力し、出力後、補間演算部で前述のクロックで何段かのラッチをすることにより、周辺データを得ることができるためである。
更に別の方式を第11図に示す。アドレスカウンタ自身は、DCLKによるカウントアップを続ける。そして、アドレスカウンタと別にもう一つ、こちらはUP/DOWNカウンタを設け、拡大時はDOWN、縮小時はUPになるようにする。このUP/DOWNカウンタのクロックは、ai=0のときだけ、カウントするようにDCLKと ̄aiのANDを入れる。
これによって、例えば、縮小時、まず、最初のai=0でUP/DOWNカウンタを1にし、アドレスカウンタの値に1を足して、RAM1またはRAM2のアドレスとする。更に、次のai=0で、UP/DOWNカウンタを2にして、アドレスカウンタを足すというようにして、新サンプリング点の位置を決めて行く。拡大の場合は、逆にai=0で1ずつ引いて行くため、UP/DOWNカウンタを減算して行く。
次に、補間演算の方法について説明する。
補間演算は、前述の式(5)の計算を行うことであるが、ここで問題になるのは、新サンプリング点の位置精度である。つまり、Δxi/pをどの精度まで考慮するかである。
本発明においては、R,G,B間の1/3ドットのズレを補正するものであるから、0.1ドット程度の精度が必要である。従って、1/8か1/16ドットの精度でΔxi/pを考えればよ良い。また、1/3ドットの位置ズレ補正を重点に考えれば、1/3ドットまたは1/6ドットの精度でΔxi/pを扱うことが効果的である。すなわち、R,G,Bのうちの中心位置の色の画素の新サンプリング点に対し、その両側の2色の新サンプリング点を、±1/3ドットシフトすることにより、計算上の誤差なく補間データを求めることができる。
ここでは、代表として、1/8ドット精度で取扱う場合について説明する。
1/8ドット精度で取扱う場合には、Δxi/pの小数部biを3ビットデータとして扱うことになる。第3図において、Δx0/pを第15図の8通りに量子化する。8通りのbiに対して、式(5)の係数を8組用意する。ここでは、対称性を考えた6画素参照による補間について説明する。
第16図に上記各biについて、画素xi(i=-3,-2,-1,0,1,2)に対する係数を示す。
第12図に、補間演算回路の構成例を示す。この回路では、前出の第9図に示したラインメモリから出力される、補間の際に参照する6画素のデータをラッチで受け、乗算器と加算器により式(5)の演算を行う。この際、biの値によって係数を第16図の如く変えなければならない。
第12図に示した例では、乗算器の代りにROMを用いてテーブル参照式に乗算し、2画素の加算を行うようにしている。更に、ROMのアドレスに、DCLKに同期して上記biを入力することにより、係数の変更が容易に行えるようにしている。ROMからの出力は、2個の加算器により加算され、補間演算が終了する。ここで、ROMを用いて1段目の加算は、任意の2画素を選んで良いか、第16図の係数の値が同程度のもの同志を組合わせる方が、少ないビット数で精度良く演算ができる。ここでは、S0-S-1,S1-S-2,S2-S-3を組合わせるのが良い。
以上は、基本となるべき色成分画像に対する演算である。他の2色については、1/3ドットシフトしなければならない。これは、例えば、第10図に示したアドレス生成器を各色毎に持ち、それぞれの色に対応するRAM3に、所定量シフトした場合のai,biを、CPUで演算して書込んでおけば良い。但し、シフト量は常に一定であることから、アドレス生成器は1個だけで済ませることが可能である。
次に、上述の方法を更に改良した補間演算の方法について説明する。
第16図に示す係数の組を選べば、1/8ドット単位で補間データを得ることができる。従って1/3ドット≒3/8ドットシフトした位置での補間データを求めることもできる。基準色の座標の小数部biが4(正確には、4/8)のとき、他色に対して、bi=4±3を選べば、+3/8ドットシフトした位置での補間データが得られる。
3/8=0.375,1/3=0.333であり、実用上は、3/8=1/3としても十分な位置ズレ補正の効果が得られる。位置精度を1/4ドットとした場合、±1/4ドットのシフトによりある程度の効果は得られるが、位置ズレ補正を重点に考えれば、1/3ドット補正とした方が、効果が大きい。
再び、1/8ドット精度の場合に戻る。biが2以下または5以上のとき、±3/8ドットのシフトにより、他色のbiが負や7を越える場合が起こる。基準色において、補間位置xはx-1とx0の間に存在するが、シフト操作によって、他色では、xがx-2とx-1,x0とx1の間に来る場合があることになる。この対策として、-1/3ドットシフトする色に対しては、参照画素として、S-4,S-3,S-2,S-1,S0,S1,S2の7画素、+1/3ドットシフトする色に対しては、S-3,S-2,S-1,S0,S1,S2,S3の7画素を用意しておき、biが0〜7以外となった場合、前者ではS-4〜S1,後者ではS-2〜S3の6画素に第16図の適切な係数の組を用いて補間演算を行えば良い。このとき前者ではS2、後者ではS-3に対する係数は0である。
第17図に、-1/3ドットシフトする場合のS-4〜S2に対する係数を示す。+1/3ドットの場合も、S-3〜S3に対して同様に係数を決めることができる。第13図にこの場合の演算回路の構成例を示す。ここで、biは基準色と共通の信号を用い、ROMテーブルの内容を第17図に示す係数を用いた演算結果にしておけば良い。
なお、第17図において、Cnmはbi=n、画素番号=mのときの、係数を示している。
他の例を挙げる。
前出の第2図(g)に示したフィルタを用いることにより、-1/3ドットシフトしたデータを得られることは既に説明した。ここでは、第16図に示した係数に、上記第2図(g)に示したフィルタ係数を重畳した係数を用いることにより、シフト操作と補間演算とを同時に行う。この組合わせは、6×1と5×1のサイズの一次元フィルタの演算となり、結局、10×1のフィルタ演算となる。10画素を参照しても良いが、ハードウェアの簡素化のため、係数の大きな6〜8画素程度を用いれば十分な効果が得られる。
第18図に、S-3〜S3の7画素を参照して補間演算を行うときの係数を示す。+1/3ドットシフトする場合についても同様にして、係数を求めることができる。ここでは、2組のフィルタ係数を用いて、新しい係数を演算したが、これは第15図において、bi=0〜7に対してΔx0/p=Δx0/p+1/3として、式(5)から係数を求めるのと同じことである。
上記二つの方法は、いずれも、ai,biのデータを、各色共通に用いることができるため、特にai,biをCPUによって計算する方法では、CPUの負担を軽減することができる。
以上、変倍処理と位置ズレ補正処理の組合わせについて詳細に述べたが、更に、MTF補正をも一つに組込むことが可能であることは、前述の通りである。これらの処理は、第16図〜第18図に示した如く、演算のための係数を掛け合わせることにより、一つにまとめることができる。第19図は、第18図に示した変倍+位置ズレ補正フィルタに、更に第2図(e)に示した主走査方向の〜MTF補正フィルタを重畳して得られるフィルタの係数を示すものである。ここでも、参照画素は、7画素としている。
なお、三つのフィルタを重畳せず、変倍とMTFを合成し、位置ズレについては、上述の改良法を用いることも可能である。
効 果
以上詳細に述べた如く、本発明によれば、色分解フィルタを規則的に配列した一次元カラー撮像素子を用いる画像読取り手段を有するカラー画像処理装置において、基準色に対して他色を所定のシフト量だけシフトした場合の画像データを、複数の画素のデータを参照して補間することにより求める第一のステップ(シフト処理)と、少なくとも主走査方向について変倍処理を行う第二のステップと、空間周波数特性(MTF)補正を行う第三のステップ(MTF補正処理)とを有し、前記シフト処理と前記変倍処理の少なくとも一方についてSinc関数を用いて処理を行う如く構成したので、画像のシャープネスを劣化させることなく、またSinc関数による補間で画像がなまることがなく、しかもシフト処理、変倍処理の合成や、MTF補正の主、副分離により回路節減の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(d)は本発明の実施例を示すディジタルカラー複写システムの構成図、第2図はディジダルフィルタの構成を示す図、第3図はサンプリング位置の説明図、第4図はSinc関数を示すグラフ、第5図は実施例に用いるフィルタのMTF特性を示すグラフ、第6図は変倍処理を説明するための図、第7図(a)は位置ズレ補正フィルタの回路構成例を示すブロック図、第7図(b)は副走査方向のMTF補正回路の構成例を示すブロック図、第8図は変倍処理回路の構成例を示すブロック図、第9図〜第11図はデータ結合部とラインメモリ部の構成例を示すブロック図、第12図,第13図は補正演算回路の構成例を示すブロック図、第14図はディジタルフィルタをその算出過程とともに説明する図、第15図は位置ズレ補正の過程を示す図、第16図〜第19図は合成されたディジタルフィルタの係数を示す図、第20図はラインセンサを示す図、第21図はラインセンサによるサンプリングの様子を示す図、第22図〜第25図は従来技術の問題点を説明するための図である。
1:入力系、2:シェーディング補正回路、3:位置ズレ補正回路、4:MTF補正回路、5:変倍回路、6:γ補正回路、7:色補正・UCR回路、8:階調処理回路、9:出力系、10:位置ズレ補正・MTF補正回路、11:位置ズレ補正・変倍回路、12:位置ズレ補正・MTF補正・変倍回路。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
a.特許請求の範囲の請求項1ないし9に係る記載
『(1)色分解フィルタを規則的に配列した一次元カラー撮像素子を用いる画像読取り手段を有するカラー画像処理装置において、基準色に対して他色を所定のシフト量だけシフトした場合の画像データを、複数の画像データを参照して補間することにより求めるステップ(シフト処理)と、少なくとも主走査方向について変倍処理を行うステップと、空間周波数特性(MTF)補正を行うステップ(MTF補正処理)とを有する如く構成されたことを特徴とするカラー画像処理方法。
(2)前記シフト処理と、MTF補正処理とを同時に行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載のカラー画像処理方法。
(3)前記シフト処理と、変倍処理とを同時に行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載のカラー画像処理方法。
(4)前記変倍処理と、MTF補正処理とを同時に行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載のカラー画像処理方法。
(5)前記シフト処理と、変倍処理およびMTF補正処理を同時に行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載のカラー画像処理方法。
(6)前記MTF補正処理を、主走査方向と副走査方向とに分けて行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1項ないし第5項のいずれかに記載のカラー画像処理方法。
(7)前記変倍処理を、Sinc関数による補間式を用いて行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1項ないし第6項のいずれかに記載のカラー画像処理方法。
(8)前記シフト処理を、Sinc関数を用いて行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1項ないし第7項のいずれかに記載のカラー画像処理方法。
(9)前記補間を行う際の参照画素数が、4画素以上であることを特徴とする、特許請求の範囲第1項ないし第8項のいずれかに記載のカラー画像処理方法。』

『(1)色分解フィルタを規則的に配列した一次元カラー撮像素子を用いる画像読取り手段を有するカラー画像処理装置において、基準色に対して他色を所定のシフト量だけシフトした場合の画像データを、複数の画像データを参照して補間することにより求めるステップ(シフト処理)と、少なくとも主走査方向について変倍処理を行うステップと、空間周波数特性(MTF)補正を行うステップ(MTF補正処理)とを有し、前記シフト処理と前記変倍処理の少なくとも一方についてSinc関数を用いて処理を行う如く構成されたことを特徴とするカラー画像処理方法。
(2)前記シフト処理と、MTF補正処理とを同時に行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載のカラー画像処理方法。
(3)前記シフト処理と、変倍処理とを同時に行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載のカラー画像処理方法。
(4)前記変倍処理と、MTF補正処理とを同時に行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載のカラー画像処理方法。
(5)前記シフト処理と、変倍処理およびMTF補正処理を同時に行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載のカラー画像処理方法。
(6)前記MTF補正処理を、主走査方向と副走査方向とに分けて行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1項ないし第5項のいずれかに記載のカラー画像処理方法。
(7)前記補間を行う際の参照画素数が、4画素以上であることを特徴とする、特許請求の範囲第1項ないし第6項のいずれかに記載のカラー画像処理方法。』
に訂正する。
b.明細書第10頁8行目〜9行目の記載
『とを有する如く構成されたことを特徴とするカラー画像処理方法によって達成される。』

『とを有し、前記シフト処理と前記変倍処理の少なくとも一方についてSinc関数を用いて処理を行う如く構成されたことを特徴とするカラー画像処理方法によって達成される。』
に訂正する。
c.明細書第36頁15行目〜19行目の記載
『とを有する如く構成したので、画像のシャープネスを劣化させることなく、画素位置の補正を行い得るカラー画像処理方法を実現することができるという顕著な効果を奏するものである。』

『とを有し、前記シフト処理と前記変倍処理の少なくとも一方についてSinc関数を用いて処理を行う如く構成したので、画像のシャープネスを劣化させることなく、またSinc関数による補間で画像がなまることがなく、しかもシフト処理、変倍処理の合成や、MTF補正の主、副分離により回路節減の効果を奏するものである。』
に訂正する。
異議決定日 1999-08-16 
出願番号 特願昭62-285114
審決分類 P 1 651・ 121- YA (H04N)
最終処分 維持  
前審関与審査官 橋爪 正樹  
特許庁審判長 村井 誠次
特許庁審判官 井上 正
橋本 恵一
登録日 1997-06-06 
登録番号 特許第2658086号(P2658086)
権利者 株式会社リコー
発明の名称 カラー画像処理方法  
代理人 渡邉 昌幸  
代理人 磯村 雅俊  
代理人 渡辺 昌幸  
代理人 磯村 雅俊  

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