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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
管理番号 1020542
異議申立番号 異議1999-74706  
総通号数 14 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1992-09-17 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-12-14 
確定日 2000-08-21 
異議申立件数
事件の表示 特許第2905999号「パチンコ機」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第2905999号の特許を維持する。 
理由 1.手続きの経緯
特許第2905999号に係る発明についての出願は、昭和62年5月28日に実用新案登録出願した実願昭62-79990号(以下、「原出願」という。)を変更、分割出願して特願平3-150907号として出願したものであって、平成11年4月2日にその発明について特許の設定登録がなされた後、その特許について、特許異議申立人細江裕実より特許異議の申立てがなされたものである。
2.本件発明
特許第2905999号の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)の要旨は、明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認められる。
「プログラムを記憶したROMを備えてマイクロコンピュータによって制御されるパチンコ機において、複数の表示素子を有する表示装置にはマイクロコンピュータを備えた表示処理部を設け、パチンコ機の制御を行う制御装置は、送出する割込信号を同期信号として転送すると共に、制御信号及びデータを転送し、少なくともデータは前記表示処理部に向けて単一方向にのみ転送され、前記表示処理部は、前記割込信号により起動若しくは同期して処理される転送受信処理を行なうと共に、前記制御信号及びデータに基づいて各表示素子の制御を行い、表示装置に所定の表示態様を表示することを特徴とするパチンコ機。」
3.申立ての理由の概要
特許異議申立人細江裕実は、甲第1号証(特開昭61-16769号公報)、甲第2号証(マイクロコンピュータのハードウエア;発行日:1984年11月9日 発行所:株式会社岩波書店)、甲第3号証(特開昭59-208580号公報)、甲第4号証(実願昭59-162330号(実開昭61-77078号)の全文明細書及び図面)、甲第5号証(特開昭59-64082号公報)、甲第6号証(特開昭57-132260号公報)および甲第7号証(電気・電子工学大百科事典;1982年12月 発行所:株式会社電気書院)を提出して、本件特許発明は、甲第1号証乃至甲第7号証に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、特許法第113条第2号の規定により取り消すべき旨主張している。
4.各甲号証の記載事項
甲第1号証には、「この発明は、パチンコ遊技機に関し、特に、可変入賞装置を設けたパチンコ遊技機の改良に関する。」(公報第1頁右下欄15行〜同欄17行)と記載され、「第6図は、この発明の一実施例の遊技制御回路の回路図である。構成において、遊技制御回路60は、・・・駆動制御手段70は、可変入賞装置30を駆動制御するものであって、その詳細な回路構成は第7図に示されている。第7図は、駆動制御手段70の詳細な回路図である。第7図を参照して、駆動制御手段70は、・・・可変入賞球装置30を比較的長い一定時間(たとえばt1=30秒)だけ継続的に入賞しやすい状態にした場合における時間を計測するものである。」(公報第6頁右下欄11行〜第7頁右上欄18行)と記載され、「この発明の技術思想はマイクロプロセッサ等を用いたプログラム処理によって行なうこともできる。その場合の動作は、第6図および第7図に示すハード回路の動作を行なうようにプログラム設定をすればよく、」(公報第12頁右下欄16行〜同欄20行)と記載されている。
甲第2号証には、「I/O入力サイクル,出力サイクルにおける動作タイミングはメモリ読出しサイクル,書込みサイクルの場合と同様である。」(第13頁下から3行〜2行)と記載されている。
甲第3号証には、「自動車の後部に設けられたメッセージを表示するために複数の表示ユニットが設けられた表示器と、メッセージ内容を伝送するための伝送信号およびメッセージ内容をモニタするためのモニタ信号を発生するマイクロコンピュータを備えるとともにモニタ信号に応じた表示を行なうための表示ユニットを備えた操作部と、・・・操作部および表示部における個々の表示ユニットは・・・表示制御を行なうマイクロコンピュータを表示ユニット毎に備えたことを特徴とする自動車用表示装置。」(特許請求の範囲)と記載されている。
甲第4号証には、「液晶表示板を内蔵したカセットと、弾球遊戯機の遊戯盤に取り付けられ、前記カセットを着脱自在に収納するカセット収納器とから構成されたことを特徴とする弾球遊戯機の表示装置。」(公報第1頁5行〜同頁8行)と記載され、「カセット受け22にカセット15を装填してから、遊戯板1に取り付けられている制御回路33からの接続コードをカセット15のソケット35に接続する。前記接続コードには、・・・液晶駆動回路16に制御信号を送る信号線が含まれている。そして、・・・セーフ穴4に入賞が生じると、前記信号線を介して液晶駆動回路16に制御信号が出力され、表示面8に表示される画面9およびバーグラフ10の表示がその時点で停止される。・・・前記制御回路33は、液晶駆動回路16の動作、制御に必要とされる信号源,発振器などを備えているので、」(公報第7頁2行〜同頁17行)と記載されている。
甲第5号証には、「CPU/シーケンサは表示動作を行なわせる第二のマイクロプロセッサ装置として動作する。それは、表示回路にビデオ表示信号を与えるために、データ信号を処理する。」(公報第6頁右下欄3行〜同欄6行)と記載され、「従って、明らかに、該CPU/シーケンサは、実際には、表示回路動作を行なわせられるマイクロコンピュータとなっているのである。・・・従来のマイクロプロセッサとは異なり、本発明のCPU/シーケンサは同時に制御される任意の多数の出力チャンネルを有するものであってもよい。従って、第1図に例示された具体例は24ビットの出力を同時に制御する。」(公報第8頁右下欄3行〜同欄17行)と記載されている。
甲第6号証には、「第4図に本発明を実施するワンチップMPuの相互接続を示す。・・・ポートと割り込み端子を接続している。この接続例だとMPu1又はMPu2のどちらかがデーターの転送を行おうとした時、一方のMPuに割り込みが発生する。」(公報第2頁右下欄7行〜同頁11行)と記載されている。
甲第7号証には、「シグナルプロセッサインタフェースを通じて他のプロセッサと通信を行うには、シグナルプロセッサ命令を用いる。シグナルプロセッサ命令によって,他のプロセッサに対する状態の問合わせ,割込み,起動・・・などが実行される。」(第275頁右欄31行〜同欄37行)と記載されている。
5.対比・判断
本件発明(前者)と、甲第1号証に記載された発明(後者)とを対比すると、両者は、「パチンコ機において、複数の表示素子を有する表示装置に表示処理部を設け、表示装置に所定の表示態様を表示する」の構成において一致するが、
前者は、「プログラムを記憶したROMを備えてマイクロコンピュータによって制御されるパチンコ機において、複数の表示装置にはマイクロコンピュータを備えた表示処理部を設け、パチンコ機の制御を行う制御装置は、送出する割込信号を同期信号として転送すると共に、制御信号及びデータを転送し、少なくともデータは前記表示処理部に向けて単一方向にのみ転送され、前記表示処理部は、前記割込信号により起動若しくは同期して処理される転送受信処理を行なうと共に、前記制御信号及びデータに基づいて各表示素子の制御を行い、」の構成であるのに対し、後者は、そのような構成を備えていない。
さらに検討すると、甲第2号証乃至甲第7号証のいずれにも、前記相違点の構成が記載されていないものと認める。
また、甲第2号証乃至甲第7号証に記載された技術的事項を寄せ集めても、当業者は、前記相違点の構成を容易に想到することはできないものと認める。
そして、本件発明は、請求項1に記載された構成を備えることにより、特許明細書に記載されたとおりの作用・効果を奏するものと認められる。
したがって、本件発明は、甲第1号証に記載された発明に、甲第2号証乃至甲第7号証にそれぞれ記載された技術的事項を適用することにより、当業者が容易に発明をすることができたものとは認められず、本件特許が特許法第29条第2項の規定に違反してなされたということはできない。
6.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由によっては本件発明についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなけらばならない特許出願に対してなされたものと認めない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第1項及び第2項の規定により、上記のとおり決定する。
 
異議決定日 2000-07-28 
出願番号 特願平3-150907
審決分類 P 1 651・ 121- Y (A63F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 斎藤 利久佐田 洋一郎神 悦彦松川 直樹  
特許庁審判長 藤井 俊二
特許庁審判官 平瀬 博通
鈴木 寛治
登録日 1999-04-02 
登録番号 特許第2905999号(P2905999)
権利者 株式会社平和
発明の名称 パチンコ機  
代理人 福田 賢三  
代理人 福田 武通  
代理人 福田 伸一  

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