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審決分類 審判 全部申し立て 発明同一  B32B
審判 全部申し立て 2項進歩性  B32B
管理番号 1020682
異議申立番号 異議2000-71698  
総通号数 14 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1998-10-06 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-04-24 
確定日 2000-08-28 
異議申立件数
事件の表示 特許第2967474号「防眩材料及びそれを使用した偏光フィルム」の請求項1〜8に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第2967474号の請求項1〜8に係る特許を維持する。 
理由 1.本件特許第2967474号の発明〔平成9年3月27日出願、平成11年8月20日設定登録(請求項の数8)〕は、特許明細書の記載からみて、特許請求の範囲請求項1〜8に記載されたとおりのものと認める。
2.特許異議申立人は、甲第1号証(特開平9-304603号公報)、甲第2号証(特開平8-73559号公報)、甲第3号証(特開平5-9264号公報)、甲第4号証(特開平1-287161号公報)、甲第5号証(特開平5-125221号公報)、甲第6号証(特開平4-279668号公報)、甲第7号証(特開平6-18706号公報)及び甲第8号証(特開昭61-209154号公報)を提出して、請求項1〜4に係る発明は甲第1号証に記載された発明と同一であり、請求項1〜8に係る発明は甲第2〜8号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1〜8に係る特許は、特許法第29条の2の規定及び同法第29条第2項の規定に違反してされたものであると主張している。
3.甲第1号証には、平均粒径の標準偏差が異なる複数の種類の微粒子を含有するノングレア層と支持体層からなるノングレアシート(特許請求の範囲請求項1)が記載され、「用いる微粒子の粒径は、・・・、コールカウンター法による平均粒径が0.5〜5.0μm、より好ましくは0.5〜3.0μm程度がよい。その材質は・・・、高分子化合物としては、ポリメチルメタアクリレート樹脂等が挙げられる。」(段落番号0009)、「本発明におけるノングレア層を形成する方法は特に限定されず、・・・、紫外線硬化型樹脂組成物中に微粒子を分散させて、支持体層に塗布した後、紫外線によって硬化させることによりノングレア層を形成する方法が好ましい。紫外線硬化型樹脂としては、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等のモノマーやオリゴマーに光重合開始剤を配合したものが好ましく用いられ、・・・。そのようなものとしては、・・・等の反応性モノマーおよび光重合開始剤を含有する紫外線硬化型樹脂組成物等が挙げられる。」(同0011、0012)との記載、及び実施例1により得られたノングレアシートのヘイズ値は12%であったことの記載(同0026、0027、0031参照)がなされ、
甲第2号証には、エポキシ樹脂100重量部に対して光カチオン性重合開始剤0.5〜10重量部を含む光硬化型エポキシ樹脂成分と、全組成物中の60〜85重量%の2官能以上のアクリレート成分とを含むことを特徴とする光硬化型樹脂組成物(特許請求の範囲請求項1)が記載され、「本発明は、光の屈折率、透過率が高く、レンズ設計の自由度があり、剛性率の温度依存性が小さく高信頼性であるより薄型のレンズを製造するのに適した光硬化型樹脂組成物を提供するものである。」(段落番号0003)との記載がなされ、
甲第3号証には、式(1)・・・で表されるエポキシ樹脂及び/又は式(2)・・・で表されるエポキシ(メタ)アクリレート(A)、1分子当り少なくとも2個のビニルエーテル基を有するビニルエーテル化合物(B)、光カチオン重合触媒(C)及び任意成分として光重合開始剤(D)を含有することを特徴とする放射線硬化性樹脂組成物(特許請求の範囲請求項1)が記載され、「本発明はコーティング剤、塗料、接着剤等として有用な放射線硬化性樹脂組成物及びその硬化物に関する。」(段落番号0001)、「本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、硬化性に優れ、また得られた硬化物は密着性、耐溶剤性等に優れており、」(同0024)との記載がなされ、
甲第4号証には、メタクリル酸メチル重合体100重量部に対して、1〜50μmの粒径を有する架橋メタクリル酸エステル重合体微粒子および/または高重合度メタクリル酸エステル重合体微粒子を0.5〜15重量部含有してなる艶消し性にすぐれた成形体用アクリル樹脂組成物(特許請求の範囲請求項1)が記載され、
甲第5号証には、潜在的に表面艶消し能を有する樹脂組成物及び該樹脂より得られた成形品の発明(特許請求の範囲参照)が記載され、「本発明は、潜在的に表面艶消し能を有する熱可塑性樹脂組成物に関し、より詳しくは加熱延伸成形することによって表面が艶消し状となる、球状のビーズを含有する熱可塑性樹脂組成物に関する。」(段落番号0001)との記載がなされ、
甲第6号証には、実質的に透明な樹脂中に、平均粒径が1〜30μmの範囲内であり、粒径分布の標準偏差がその平均粒径の20%以下である架橋重合体微粒子を分散せしめてなる光拡散性樹脂(特許請求の範囲請求項1)、実質的に透明な樹脂が、メタクリル系樹脂ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂及びポリ塩化ビニル樹脂から選ばれる少なくとも1種を主成分とする樹脂である請求項1記載の光拡散性樹脂(同請求項2)、架橋重合体微粒子が、(メタ)アクリル酸メチル及び/又はスチレンと多官能(メタ)アクリレートとの共重合体である請求項1記載の光拡散性樹脂(同請求項3)が記載され、「本発明は、各種ディスプレイ、照明看板、透過型スクリーン、照明カバー等の光拡散機能の求められる材料に好適に用いられる」(第1欄第16〜19行)との記載がなされ、
甲第7号証には、透明基版上に、屈折率1.40〜1.60の樹脂ビーズと電離放射線硬化型樹脂組成物から本質的に構成される防眩層が形成されていることを特徴とする耐擦傷性防眩フィルム(特許請求の範囲請求項1)、請求項1、2、3、4又は5記載の耐擦傷性防眩フィルムが偏光素子にラミネートされていることを特徴とする偏光板(同請求項6)、(1)偏光素子と、該偏光素子の一方の面上に配置される請求項1、2、3、4又は5記載の耐擦傷性防眩フィルムとを含み、(2)前記耐擦傷性防眩フィルムと偏光素子の層間、及該偏光素子の露出面上に、少なくとも一つの防湿層が形成され、全体がラミネートされていることを特徴とする偏光板(同請求項7)、(1)偏光素子と、該偏光素子の一方の面上に配置される請求項1、2、3、4又は5記載の耐擦傷性防眩フィルムと、該偏光素子の他方の片面に配置される透明基板とを含み、(2)前記耐擦傷性防眩フィルム、偏光素子及び透明基板からなる前記配置の各層間、並びに透明基材の露出面上に、少なくとも一つの防湿層が形成され、全体がラミネートされていることを特徴とする偏光板(同請求項8)が記載され、「本発明における電離放射線硬化型樹脂組成物に用いられる皮膜形成成分は、好ましくは、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量の・・・、エポキシ樹脂、・・・、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマーおよび反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、・・・等を比較的多量に含有するものが使用できる。」(段落番号0022)、「防眩性を付与するため屈折率1.04〜1.06の樹脂ビーズが混合される。」(同0025)との記載がなされ、表1の樹脂ビーズ名の欄に「MMA(ポリメタクリル酸メチルアクリレート)ビーズ」の記載がなされており、
甲第8号証には、透明なプラスチックフイルム上に防眩性薄膜を設けた防眩性フイルムであって、該薄膜が球状有機フイラーを含有する熱硬化性樹脂よりなり、表面粗さ0.1〜0.8μmの微細凹凸を有し、かつ薄膜による光線透過率の変化がプラスチックフイルムの光線透過率の10%以内にあり、更に防眩性フイルムの曇度がプラスチックフイルムの曇度に対し10〜80倍にあることを特徴とする防眩性フイルム(特許請求の範囲第1項)、球状有機フイラーの平均粒径が1〜6μmであり、この含有量が熱硬化樹脂当り5〜20重量%であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の防眩性フイルム(同第2項)が記載され、「有機フイラーとしては・・・、例えばナイロン樹脂、スチレン樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂、ベンゾグアナミン樹脂が挙げられ、これらのうち特に透明なものが好ましい。」(第3頁右上欄第20行〜左下欄第5行)との記載がなされていることが認められる。
4.先ず、請求項1に係る発明と甲第1号証記載のものとを対比すると、両者は、透明基体の片面又は両面に粗面化層を設けた防眩材料に係るものであるが、前記粗面化層が、前者は、少なくともエポキシ化合物および光カチオン重合開始剤を含む紫外線硬化型樹脂と架橋アクリル樹脂ビーズとから形成されてなるのに対して、後者は、エポキシ系等のモノマーやオリゴマーに光重合開始剤を配合した紫外線硬化型樹脂とポリメチル(メタ)アクリレート樹脂微粒子とから形成されてなる点で、相違するものと認められる。
したがって、請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と同一であるとすることはできないし、請求項2〜4に係る発明は、請求項1に係る発明を構成する事項を限定してなるものであるから、同様の理由で甲第1号証に記載された発明と同一であるとすることはできない。
次に、請求項1、5に係る発明と甲第2〜8号証記載のものとを対比すると、甲第2〜8号証には、請求項1、5に係る発明の構成要件である「少なくともエポキシ化合物および光カチオン重合開始剤を含む紫外線硬化型樹脂と架橋アクリル樹脂ビーズとから形成されてなり、前記架橋アクリル樹脂ビーズが、粒子径0.5〜6.0μmの範囲の粒子が60重量%以上、粒子径6.0μmより大きい粒子が20重量%未満の粒度分布を有する」粗面化層を設けた防眩材料またはこれを使用した偏光フィルムについては記載も示唆もなされていないものと認められる。
すなわち、甲第2〜6号証の記載は、防眩材料における粗面化層に関するものではないし、甲第7、8号証の記載は、前記粗面化層に関するものではあるが、エポキシ化合物および光カチオン重合開始剤を含む紫外線硬化型樹脂と架橋アクリル樹脂ビーズとを用いるものではない。
そして、請求項1、5に係る発明は、前記事項を構成要件とすることにより明細書に記載されたとおりの効果を奏し得たものと認められるから、請求項1、5に係る発明は、甲第2〜8号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。
請求項2〜4、6〜8に係る発明は、請求項1または5に係る発明を構成する事項を限定してなるものであるから、請求項1、5についての判断で示したと同様の理由により甲第2〜8号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。
5.また、他に請求項1〜8に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2000-08-07 
出願番号 特願平9-74908
審決分類 P 1 651・ 161- Y (B32B)
P 1 651・ 121- Y (B32B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 中島 庸子  
特許庁審判長 藤井 彰
特許庁審判官 蔵野 雅昭
仁木 由美子
登録日 1999-08-20 
登録番号 特許第2967474号(P2967474)
権利者 株式会社巴川製紙所
発明の名称 防眩材料及びそれを使用した偏光フィルム  
代理人 菅井 英雄  
代理人 白井 博樹  
代理人 韮澤 弘  
代理人 蛭川 昌信  
代理人 内田 亘彦  
代理人 阿部 龍吉  
代理人 青木 健二  
代理人 米澤 明  
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