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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1022332 |
審判番号 | 審判1995-23103 |
総通号数 | 15 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1994-05-06 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1995-10-27 |
確定日 | 2000-06-14 |
事件の表示 | 平成 4年特許願第 67509号「フロッピィディスクエミュレーション装置」拒絶査定に対する審判事件[平成 6年 5月 6日出願公開、特開平 6-124172]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
(本願の経緯・本願発明) 本願は、平成4年3月25日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成6年7月28日付け、平成7年10月27日付け、平成8年4月11日付け手続補正書によって補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。 「1.区切られた複数のアドレス毎に情報を記憶する情報記憶手段、 フロッピイディスクコントローラーからのヘッド位置制御信号を取込み、ヘッド位置制御信号に基づいて情報記憶手段のアドレスの指定を行なうフロッピイディスクドライブ信号制御手段、 フロッピイディスクコントローラーから送られてきたシリアルデータをパラレルデータに変換して、情報記憶手段に与えるビットイメージ入力手段、 情報記憶手段から送られてきたパラレルデータをシリアルデータに変換して、フロッピイディスクコントローラに与えるビットイメージ出力手段、 情報記憶手段からパラレルデータを読み出してパラレルデータのままで出力し、与えられたパラレルデータをパラレルデータのままで情報記憶手段に書き込むインターフェース、 を備えたことを特徴とするフロッピイディスクエミュレーション装置。」(以下、本願発明という。) (引用例) これに対して、原査定の拒絶理由に引用した特開昭63-127325号公報(以下「引用例」という)には、次の各事項が記載されている。 (a)「記憶媒体(1)、記憶媒体(1)が挿脱される本体(2)、コンピュータなどの計算機との間で電気的なインターフェースを行なうインターフェース回路(3)を備え、記憶媒体(1)とインターフェース回路(3)が接点群(4)により互いに接続される記憶装置。」(第3頁右上欄第13行〜左下欄第19行、第1、2図の各記載参照。) (b)「記憶媒体(1)は、端子(4a)からのステップ信号及び端子(4b)からのディレクション信号により、トラック位置を示すトラックアドレス(9)を保持、並びに更新するトラックアドレスカウンタ(5)、端子(4g)からのインデックスアドレス用のリード/ライトクロックをカウントし、インデックスアドレス(10)を更新するインデックスアドレスカウンタ(7)、フレキシブルディスクのサイド“0”及び“1”に擬似的に対応し、端子(4f)からのサイドセレクト信号により交互に選択されるメモリセル(6a)(6b)を有し、端子(4e)からの書き込み信号が“真”の時、端子(4f)からのサイドセレクト信号に対応したメモリセル(6a)または(6b)に対し、インターフェース回路(3)から端子(4d)を介してデータ信号が入力され、端子(4e)からの書き込み信号が“偽”の時、端子(4f)からのサイドセレクト信号に対応したメモリセル(6a)または(6b)から、端子(4d)を介してインターフェース回路(3)にデータ信号が出力されること。」(第3頁右下欄第2行〜第4頁右上欄第3頁、第3図の各記載参照。) (c)「インターフェース回路(3)は、端子群(8)を介して外部との信号の授受を行なうFDDインターフェースのドライバー回路(12)及びレシーバ回路(13)、書き込み動作を制御するライトコントロール回路(15)等を有し、端子群(8)がドライバ回路(12)、レシーバ回路(13)、ライトコントロール回路(15)を介して端子(4a)〜(4h)に接続されること(端子群(8)と端子(4a)〜(4h)の間で信号、データが授受されること)。」(第4頁右上欄第4〜18行、第4図の各記載参照。) そして、上記(a)〜(c)の各事項及び従来装置(磁気ディスク形の記憶装置)との関係からみて、上記「記憶装置」は、記憶媒体(1)と外部との間で、インターフェース回路(3)を介して、信号、データが授受されるものであり、インターフェース回路(3)の外部には「フロッピイディスクコントローラ」があるものと解される。 (対比・判断) そこで、本願発明と引用例に記載されたものとを対比する。 引用例に記載された「メモリセル(6a)(6b)」、「端子群8よりの入力信号」、「ドライバー回路(12)、トラックアドレスカウンタ(5)、インデックスアドレスカウンタ(7)」、「ライトコントロール回路(15)」、「記憶装置」のそれぞれは、本願発明の「情報記憶手段」、「ヘッド位置制御信号」、「フロッピイディスクドライブ信号制御手段」、「イメージ入力手段、イメージ出力手段」、「フロッピイディスクエミュレーション装置」のそれぞれに相当するので、 両者は、「区切られた複数のアドレス毎に情報を記憶する情報記憶手段、フロッピイディスクコントローラーからのヘッド位置制御信号を取込み、ヘッド位置制御信号に基づいて情報記憶手段のアドレスの指定を行なうフロッピイディスクドライブ信号制御手段、フロッピイディスクコントローラーから送られてきたデータを情報記憶手段に与えるビットイメージ入力手段、情報記憶手段から送られてきたデータをフロッピイディスクコントローラに与えるビットイメージ出力手段を備えたフロッピイディスクエミュレーション装置」である点で一致し、次の各点で相違するものと認められる。 (1)本願発明が、ビットイメージ入力手段を、シリアルデータをパラレルデータに変換するものとし、ビットイメージ出力手段を、パラレルデータをシリアルデータに変換するものとしているのに対して、上記引用例に記載されたものは、このようにしていない点。 (2)本願発明が、情報記憶手段からパラレルデータを読み出してパラレルデータのままで出力し、与えられたパラレルデータをパラレルデータのままで情報記憶手段に書き込むインターフェースを備えているのに対し、上記引用例に記載されたものは、このようにしていない点。 そこで、前記各相違点について検討する。 相違点(1)について、 フロッピイディスクエミュレーション装置において、フロッピイディスクコントローラから送られてきたシリアルデータをパラレルデータに変換して情報記憶手段に与え、情報記憶手段から送られてきたパラレルデータをシリアルデータに変換してフロッピイディスクコントローラに与えるようにすることは周知のことである(例えば、特開昭62-271130号公報の記載参照)ので、本願発明のよう構成することは当業者が容易に想到し得ることと認められる。 相違点(2)について、 内部バスあるいはローカルバスを有する情報記憶手段を備えた回路において、情報記憶手段からパラレルデータを読み出してパラレルデータのままで出力し、与えられたパラレルデータをパラレルデータのままで情報記憶手段に書き込む別のインターフェースを備えることは周知のことである(例えば、特開昭63-298638号公報、特開平2-178741号公報、特開平3-6762号公報の記載参照)ので、本願発明のように構成することは当業者が容易に想到し得ることと認められる。 また、本願発明の効果も、引用例および上記周知事項より当業者が当然に予測しうるものである。 (むすび) したがって、本願発明は、引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2000-03-09 |
結審通知日 | 2000-03-24 |
審決日 | 2000-03-31 |
出願番号 | 特願平4-67509 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 祖父江 栄一、川名 幹夫 |
特許庁審判長 |
木南 仁 |
特許庁審判官 |
飯尾 良司 治田 義孝 |
発明の名称 | フロッピィディスクエミュレーション装置 |
代理人 | 眞島 宏明 |
代理人 | 松下 正 |
代理人 | 田川 幸一 |
代理人 | 古谷 栄男 |