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審決分類 |
審判 査定不服 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01J |
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管理番号 | 1022420 |
審判番号 | 審判1998-8731 |
総通号数 | 15 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1989-09-21 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1998-06-09 |
確定日 | 2000-06-16 |
事件の表示 | 昭和63年特許願第60355号「カラー受像管用シヤドウマスク」拒絶査定に対する審判事件[平成1年9月21日出願公開、特開平1-236548]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.本願発明 本願は、昭和63年3月16日の出願であって、その発明は、明細書及び図面の記載からみて、平成11年6月28日付け手続補正書における特許請求の範囲の請求項1に記載された、以下のとおりのものである。 「パネル部フェースプレートが曲面状に形成されたカラー受像管に用いられ、主表面がその曲面に近似した曲面状にプレス整形され、前記パネル部内部で前記フェースプレート内面に形成された蛍光面に対向配置されるシャドウマスクであって、前記シャドウマスクのプレス整形する以前のマスク原板は、多数の電子ビーム通過孔を有する略長方形状の有孔部を、前記有孔部の全外周縁に連なる無孔部とからなり、前記有孔部の中心を原点とし、前記原点を通って水平方向に延びる軸をX軸、垂直方向に延びる軸をY軸とし、前記有孔部と前記無孔部との境界を示す境界線は、前記X軸と交差する2つの第1の境界線がそれぞれ、 x=±(a+by+cy2+dy3+・・・+kyn) ここで、a、b、c、・・・、kは定数、ただし、前記定数a、b、c、d、・・・、kの中のd、・・・、kは少なくとも1つが0でない値、nは3次以上の正の整数、 を満たすように設定され、 前記Y軸と交差する2つの第2の境界線がそれぞれ、 y=±(a’+b’y+c’y2+d’y3+・・・ +k’yn) ここで、a’、b’、c’、・・・、k’は定数、ただし、前記定数a’、b’、c’、・・・、k’の中のd’、・・・k’は少なくとも1つが0でない値、nは3次以上の正の整数、 を満たすように設定されたものであることを特徴とするカラー受像管用のシャドウマスク。」(以下、「本願発明」という。) 2.判断 これに対して、平成11年4月1日付け拒絶理由は、本件出願は、その特許請求の範囲に記載された式 x=±(a+by+cy2+dy3+・・・+kyn) y=±(a’+b’y+c’y2+d’y3+・・・+k’yn) において、「定数a、b、c、・・・、k、a’、b’、c’、・・・、k’がいかなる値であるのか何ら記載されておらず、上記式から境界線を特定することはできず、当業者がその実施をすることができる程度に、明確かつ十分に、記載されているものとは認められない。」というものである。 これに対して、審判請求人は、平成11年6月28日付け手続補正書において、「前記定数a、b、c、d、・・・、kの中のd、・・・、kは少なくとも1つが0でない値」、「前記定数a’、b’、c’、・・・、k’の中のd’、・・・k’は少なくとも1つが0でない値」という事項を限定する補正を行った。 しかしながら、該補正によってもx及びyがいかなる3次式の境界線であるのか、特定することができず、本件発明の「プレス整形してシャドウマスクを形成する以前のマスク原板における有孔部と無孔部の境界線の設定を、非球面のパネル部フェースプレートの映像有効表示面に適合するように変更したカラー受像管用シャドウマスクを提供する」なる課題を解決するものとは認められず、記載不備に関する拒絶の理由は依然として解消されていない。 したがって、本願発明は、特許請求の範囲に特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項のみを記載しているものとは認められない。特許法第36条第4項に規定する要件を満たしていない。 3.まとめ 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第36条第4項第2号に違反しており、特許を受けることはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2000-03-21 |
結審通知日 | 2000-03-31 |
審決日 | 2000-04-24 |
出願番号 | 特願昭63-60355 |
審決分類 |
P
1
8・
534-
WZ
(H01J)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 榎本 吉孝 |
特許庁審判長 |
岡田 幸夫 |
特許庁審判官 |
長崎 洋一 大里 一幸 |
発明の名称 | カラー受像管用シヤドウマスク |
代理人 | 武 顕次郎 |