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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 C11D
管理番号 1022582
審判番号 審判1999-5762  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-11-19 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-04-13 
確定日 2000-08-02 
事件の表示 平成7年特許願第127269号「高嵩密度洗剤組成物」拒絶査定に対する審判事件[平成8年11月19日出願公開、特開平8-302398]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成7年4月27日の出願であって、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成10年9月21日付け手続補正書により補正された明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものである。
「(A)炭素数12〜18の脂肪酸組成を有するα-スルホ脂肪酸エステル塩と、
(B)脂肪酸組成において炭素数14、16および18の飽和脂肪酸が35重量%未満である脂 肪酸塩とを、
上記(A)成分を5重量%以上、(A)成分と(B)成分との合計量が50重量%未満、(A)成分と(B)成分との比率(A)/(B)[重量比]が0.3以上3.0未満の範囲で含有することを特徴とする高嵩密度洗剤組成物。」

2.刊行物記載の事項
これに対して、原査定の拒絶の理由で引用した特開平7-53999号公報(以下、「刊行物1」という。)には、次の事項が記載されている。

刊行物1に記載された発明は、特定の脂肪酸塩を配合した高嵩密度粒状洗剤組成物に関するものであり、「(A)炭素数18の脂肪酸塩を70重量%以上含有し、不飽和脂肪酸塩が50重量%以上である炭素数10〜20の脂肪酸塩;4〜10重量%
(B)アニオン界面活性剤;10〜30重量%
(C)ノニオン界面活性剤;2〜10重量%
を含有し、嵩密度が0.5g/cc以上であることを特徴とする高嵩密度粒状洗剤組成物」(特許請求の範囲請求項1)、「従来使用されている飽和度の高い脂肪酸塩は、泡立ち抑制、すすぎ性向上剤として洗剤に配合されている成分であるが、一般に冷水に対して溶解速度が遅く、嵩密度0.5g/cc以上のような高嵩密度粒状洗剤組成物においては配合量が多くなると洗濯時に洗剤粒子が十分溶けず被洗物に付着し易いという問題点があった。」(公報第1欄〔0002〕段)、「本発明に用いられる脂肪酸塩は、脂肪酸組成特に炭素数及び飽和/不飽和のバランスに関し検討した結果、脂肪酸塩中の70重量%以上が炭素数18であり、かつ不飽和度を50重量%以上に高めることにより高嵩密度粒状洗剤の溶解性が著しく改善されることを見いだし本発明を完成した。」(公報第1欄第37〜42行)、「本発明に用いられるアニオン界面活性剤の含有量は10〜30重量%、好ましくは10〜25重量%の範囲である。本発明で用いられるアニオン界面活性剤としては次のものが挙げられる。
(1)炭素数8〜16のアルキル基を有する直鎖または分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸
・・・・・
(9)炭素数8〜20の飽和あるいは不飽和α-スルホ脂肪酸塩またはメチル、エチルまたはプロピルエステル
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・これらアニオン界面活性剤の塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩・・・・をアニオン界面活性剤の50重量%以上使用するのが好ましい。」(公報第2〜3欄〔0006〕段)と記載されている。
そして、公報の第6〜10欄の〔0014〕段には、α-SF(アルファスルホ脂肪酸メチルエステル-ナトリウム)の脂肪酸組成がC12:C14:C16:C18=1:3:5:1であることが記載され、脂肪酸塩(a)及び脂肪酸塩(b)における炭素数14、16及び18の飽和脂肪酸の重量%を計算すると、それぞれ34.5重量%、18.7重量%であり、実施例1〜3には、α-SFと上記脂肪酸(a)又は(b)を配合した例が記載されている。

3.当審の判断
刊行物1の実施例1〜3に記載されたα-SF(アルファスルホ脂肪酸メチルエステル-ナトリウム)は、炭素数12〜18の脂肪酸組成を有するものであることから、本願発明の(A)成分のα-スルホ脂肪酸エステル塩に相当する。
また、刊行物1の実施例1〜3において配合された脂肪酸塩(a)及び(b)は、炭素数14、16及び18の飽和脂肪酸の重量%が、それぞれ34.5重量%及び18.7重量%であることから、本願発明の(B)成分の脂肪酸塩に相当する。
そして、刊行物1に記載された実施例1〜3におけるα-SFと脂肪酸塩(a)ないし(b)との合計量が13重量%で、その重量比が8/5=1.6であることから、本願発明における(A)、(B)成分の合計量及び比率を満足するものである。

以上の点を勘案して、本願発明と刊行物1に記載された発明を対比すると、両者は、炭素数12〜18の脂肪酸組成を有するα-スルホ脂肪酸エステル塩と、脂肪酸組成において炭素数14、16および18の飽和脂肪酸が34.5重量%ないし18.7重量%である脂肪酸塩とを含有する高嵩密度粒状洗剤組成物であり、α-スルホ脂肪酸エステル塩を8重量%、α-スルホ脂肪酸エステル塩と脂肪酸塩との合計量が13重量%で、かつその重量比率が1.6である点で、一致する。
したがって、両者には、構成上実質的な差異は認められず、本願発明は、刊行物1に記載された発明である。

なお、請求人は、審判請求書において、刊行物1に記載の発明は、α-スルホ脂肪酸エステル塩を主界面活性剤とする高嵩密度洗剤組成物に関するものではない旨主張しているが、本願発明は、α-スルホ脂肪酸エステル塩を主界面活性剤とするものではなく、また本願明細書の実施例4における主界面活性剤はLAS-Naであり、α-スルホ脂肪酸エステル塩が主界面活性剤とはなっておらず、さらに請求項においてもそのような特定がされているものでもないので、上記主張は失当である。
また、請求人は、α-スルホ脂肪酸エステル塩の配合量を10重量%以上に補正する意思のある旨述べているが、刊行物1には、α-スルホ脂肪酸エステル塩等のアニオン界面活性剤を、10〜30重量%、好ましくは10〜25重量%の範囲で配合すると記載されており、α-スルホ脂肪酸エステル塩を10重量%以上配合することが排除されるものではなく、その配合量も刊行物1に記載された発明に包含される範囲のものである。
さらに、洗剤において、α-スルホ脂肪酸エステル塩を配合する際に、5重量%未満では洗浄力が低下し、30重量%を越えるとすすぎ性の悪くなること、及び配合量として10〜15重量%が一般的な配合量であることを参酌すると(例えば、特開平4-359100号公報、特開平2-103294号公報、特開昭64-6095号公報、特開昭59-86700号公報等を参照されたい。)、刊行物1の実施例1〜3に具体的に記載されたα-スルホ脂肪酸エステル塩の配合量である8重量%を越えて、10重量%程度配合することが、当業者にとって格別困難なことであるとは認められない。

4.むすび
以上のことから、本願発明は、本願の出願前に頒布された刊行物1に記載された発明であるので、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する
 
審理終結日 2000-05-17 
結審通知日 2000-05-30 
審決日 2000-06-13 
出願番号 特願平7-127269
審決分類 P 1 8・ 113- Z (C11D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 唐木 以知良近藤 政克  
特許庁審判長 脇村 善一
特許庁審判官 後藤 圭次
星野 浩一
発明の名称 高嵩密度洗剤組成物  
代理人 臼村 文男  
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