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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F |
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管理番号 | 1022685 |
審判番号 | 審判1996-17170 |
総通号数 | 15 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1996-02-06 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1996-10-11 |
確定日 | 2000-08-04 |
事件の表示 | 平成6年特許願第170811号「集合型光ディスク装置の索引アクセス方式」拒絶査定に対する審判事件[平成8年2月6日出願公開、特開平8-36469]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
【1】本願発明・手続の経緯 本願は、平成6年7月22日の出願であって、原審において拒絶の査定がなされ、これに対して平成8年10月11日に査定不服の審判請求がなされ、さらに前置審査において平成9年5月9日付で拒絶理由の通知がなされたものであるところ、これに対する審判請求人からの応答は何らなされなかったものである。 そして、本願の発明を特定するために必要な事項は、平成8年10月11日付手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至5に記載された「集合型光ディスク装置の索引アクセス方式」にあるものと認められるところ、当該請求項1乃至5に記載された発明(以下、請求項1に係る発明について「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。 「【請求項1】複数のレコードが書き込まれる順編成のレコードファイルおよび索引登録用の順編成の索引保存ファイルをそれぞれ持つ複数の光ディスク媒体を排出可能に収容する集合型光ディスク部と、 前記複数の光ディスク媒体の媒体名、光ディスク媒体内の各レコードのレコード番号およびレコード番号に対応するキー情報を管理する索引順編成の管理ファイルを持つ磁気ディスク部と、 前記磁気ディスク部上の前記管理ファイルに基づいて、前記集合型光ディスク部に対するレコードの検索処理、レコードの書込処理、光ディスクの排出処理および光ディスクの収納処理を実行する光ディスク管理手段とを備えたことを特徴とする集合型光ディスク装置の索引アクセス方式。 【請求項2】前記レコードの検索処理は、指定された前記キー情報に基づいて前記磁気ディスク上の前記管理ファイルからそのキー情報に対応する前記光ディスク名および前記レコード番号を索引する処理と、前記索引された前記光ディスク名に基づいて該当する前記光ディスクを特定する処理と、特定された前記光ディスクから索引された前記レコード番号に基づいて該当する前記レコードを読み出す処理とから成る請求項1記載の集合型光ディスク装置の索引アクセス方式。 【請求項3】前記レコードの書込処理は、前記レコードを前記レコードファイルに書き込む処理と、前記レコードファイルに書き込まれた前記レコードに対応するレコード番号およびこのレコード番号に対応させた前記キー情報を前記索引保存ファイルに書き込む処理と、前記索引保存ファイルに書き込まれた前記レコード番号およびキー情報とその前記レコード番号およびキー情報が書き込まれた前記索引保存ファイルを持つ前記光ディスクの前記光ディスク名とを前記磁気ディスク上の前記管理ファイルに書き込む処理とから成る請求項1または2記載の集合型光ディスク装置の索引アクセス方式。 【請求項4】前記光ディスクの排出処理は、排出すべき前記光ディスクを前記集合型光ディスク部から排出する処理と、排出された前記光ディスクの前記光ディスク名に基づいて前記磁気ディスク部上の前記管理ファイルからその前記光ディスク名とそれに対応する前記キー情報および前記レコード番号とを消去する処理とから成る請求項1乃至3いずれか記載の集合型光ディスク装置の索引アクセス方式。 【請求項5】前記光ディスクの収納処理は、収納すべき前記光ディスクを前記集合型光ディスク部へ収納する処理と、収納された前記光ディスクの前記光ディスク名とその前記索引保存ファイルに既に書き込まれている前記レコード番号および前記キー情報とを前記磁気ディスク部上の前記管理ファイルに書き込む処理とから成る請求項1乃至4いずれか記載の集合型光ディスク装置の索引アクセス方式。」 【2】引用刊行物 (1)これに対して、前置審査における拒絶の理由に引用された特開平2-210524号公報(引用例1)には、第1図乃至第3図と共に、概要以下の技術的事項が記載されている。 (1-a)「集合媒体形光ディスク入出力装置1と、主記憶2と、集合媒体形入出力装置1の内部に格納されている外部記憶媒体の媒体名とその格納位置とを含む集合媒体形入出力装置の外部記憶媒体管理情報20を格納するための磁気ディスク装置3と、操作者が集合媒体形入出力装置媒体管理プロセス21へ指示を与えるための操作卓4とから構成され、主記憶2上には媒体管理プロセス21と、外部記憶媒体に対する論理入出力を行うためのデータ管理プロセス22と、データ処理プロセス23と、集合媒体形入出力装置1の媒体投入排出部12および媒体移動部14を制御するための制御プロセス24と、集合媒体形入出力装置1の媒体入出力部13に対するデータの入出力を制御するための入出力プロセス25とが格納される集合媒体形入出力装置の制御方式。」(第2頁右上欄第17行〜右下欄第8行、第1、3図の各記載参照。) (1-b)「媒体管理プロセス21は、集合媒体形入出力装置1の媒体投入排出部12から外部記憶媒体の投入が通知されると、磁気ディスク装置3から集合媒体形入出力装置1の外部記憶媒体格納状況情報10を読込み、投入された外部記憶媒体の格納位置を決定し、制御プロセス24に指示を与えて外部記憶媒体を媒体投入排出部12から媒体入出力部13へ移動させ、入出力プロセス25を通して外部記憶媒体の媒体名を読込み、読込まれた媒体名と、投入された集合媒体形入出力装置名と、割当てられた外部記憶媒体格納位置とを外部記憶媒体管理情報20として磁気ディスク装置3に書込んだ後、制御プロセス24に指示を与えて外部記憶媒体を媒体入出力部13から媒体格納部11へ移動させる。」(第2頁右下欄第9行〜第3頁右上欄第2行、第1〜3図の各記載参照。) (1-c)「媒体管理プロセス21は、操作卓4から排出する外部記憶媒体名を受取ると、磁気ディスク3から外部記憶媒体管理情報20を読出し、排出する外部記憶媒体の格納されている集合媒体形入出力装置名と、外部記憶媒体格納位置とを検索し、制御プロセス24を通して媒体移動部14に指示を与え、外部記憶媒体を媒体格納部11から媒体投入排出部12へ移動させ、外部記憶媒体管理情報20を磁気ディスク3から削除し、外部記憶媒体格納状況情報10を更新する。」(第3頁右上欄第3〜17行、第1〜3図の各記載参照。) (1-d)「媒体管理プロセス21は、データ処理プロセス23からデータ管理プロセス22を通してデータ処理する外部記憶媒体名が与えられると、磁気ディスク装置3から外部記憶媒体管理情報20を読込み、データ処理する外部記憶媒体が格納されている集合媒体形入出力装置名と外部記憶媒体格納位置とを検索し、制御プロセス24を通して媒体移動部14に指示を与え、外部記憶媒体を媒体格納部11から媒体入出力部13へ移動させ、データ処理プロセス23は、データ管理プロセス22と入出力プロセス25を通して外部記憶媒体に対するデータの入出力処理を実行する。」(第3頁右上欄第18行〜右下欄第1行、第1、2図の各記載参照。) (2)同じく拒絶の理由に引用された特開平4-140825号公報(引用例2)には、概要以下の技術的事項が記載されている。 (2-a)「光ディスク媒体と磁気ディスク部とを備え、前記磁気ディスク部に前記光ディスク媒体の管理情報の管理ファイルを持たせ、前記磁気ディスク部の前記管理ファイルに基づいて、前記光ディスク媒体に対する索引アクセス処理を実行する。」 (2-b)「前記光ディスク媒体に、内部データのファイルとして、複数のレコードが書き込まれる順編成のレコードファイルを持たせ、前記磁気ディスク部に、前記内部データの管理情報の管理ファイルとして、前記光ディスク媒体内の各レコードのレコード番号およびレコード番号に対応するキー情報を管理する索引順編成の管理ファイルを持たせ、前記磁気ディスク部上の前記管理ファイルに基づいて、前記光ディスク媒体の内部データに対するアクセス処理として、レコードの検索処理、レコードの書込処理を実行する。」 【3】対比・判断 (対比) そこで、本願発明と上記引用例1に記載された発明とを対比すると、引用例1に記載された「外部記憶媒体」「集合媒体形入出力装置1」「主記憶2上の各プロセス」は、それぞれ本願発明における「光ディスク媒体」「集合型光ディスク部」「光ディスク管理手段」にそれぞれ相当するものと認められる。 したがって、両者は、 「複数の光ディスク媒体を排出可能に収容する集合型光ディスク部と、前記複数の光ディスク媒体の管理情報の管理ファイルを持つ磁気ディスク部と、前記磁気ディスク部上の前記管理ファイルに基づいて、前記集合型光ディスク部に対するデータ処理、光ディスクの排出処理および光ディスクの収納処理を実行する光ディスク管理手段とを備えた集合型光ディスク装置の索引アクセス方式。」 である点で一致し、次の点で相違するものと認められる。 (相違点) 本願発明にあっては、集合型光ディスク部に収容される複数の光ディスク媒体が、複数のレコードが書き込まれる順編成のレコードファイルおよび索引登録用の順編成の索引保存ファイルをそれぞれ持たせ、また磁気ディスク部が、前記複数の光ディスク媒体の媒体名、光ディスク媒体内の各レコードのレコード番号およびレコード番号に対応するキー情報を管理する索引順編成の管理ファイルを持たせ、さらに前記磁気ディスク部上の前記管理ファイルに基づいて、前記集合型光ディスク部に対するレコードの検索処理、レコードの書込処理を実行するようにしているものであるのに対して、上記引用例1に記載された発明にあっては、この構成が明示されていないものである点。 (判断) 以下、相違点について検討する。 上記引用例1に記載された発明は、磁気ディスク部に、集合型光ディスク部に収容される複数の光ディスク媒体の媒体名を含む管理情報の管理ファイルを持たせ、前記磁気ディスク部上の前記管理フィルに基づいて、前記集合型光ディスク部に収容される前記複数の光ディスク媒体に対する索引アクセス処理を実行するものである。 そして、光ディスク媒体と磁気ディスク部とを備え、前記磁気ディスク部に前記光ディスク媒体の管理情報の管理ファイルを持たせ、前記磁気ディスク部上の前記管理ファイルに基づいて、前記光ディスク媒体に対する索引アクセス処理を実行するものであり、このものにおいて、前記光ディスク媒体に、内部データのファイルとして、複数のレコードが書き込まれる順編成のレコードファイルを持たせ、また前記磁気ディスク部に、前記内部データの管理情報の管理ファイルとして、前記光ディスク媒体内の各レコードのレコード番号およびレコード番号に対応するキー情報を管理する索引順編成の管理ファイルを持たせ、さらに前記磁気ディスク部上の前記管理ファイルに基づいて、前記光ディスク媒体の内部データに対する索引アクセス処理として、レコードの検索処理、レコードの書込処理を実行することが上記引用例2に記載されている。 また、光ディスク媒体の内部データに対する索引アクセス処理を実行するものにおいて、前記光ディスク媒体の内部データの管理情報の管理ファイルを、前記磁気ディスク部と前記光ディスク媒体とに持たせ、前記磁気ディスク部上の前記管理ファイルに基づいて、前記光ディスク媒体の内部データに対する索引アクセス処理を実行することは周知(例えば、原査定の拒絶の理由に引用された特開平1-184775号公報、参照)のことである。 さらに、光ディスク媒体に持たせる内部データの管理情報の管理ファイルを、索引登録用の順編成の索引保存ファイルとすることも、内部データの管理情報の態様、管理ファイルの用途等を考慮して適宜採用し得る設計事項である。 してみると、上記引用例1に記載されたものにおいても、集合型光ディスク部に収容される複数の光ディスク媒体に、内部データのファイルとして、複数のレコードが書き込まれる順編成のレコードファイルを、内部データの管理情報の管理ファイルとして、索引登録用の順編成の索引保存ファイルをそれぞれ持たせ、磁気ディスク部に、前記内部データの管理情報の管理ファイルとして、前記複数の光ディスク媒体の媒体名、光ディスク媒体内の各レコードのレコード番号およびレコード番号に対応するキー情報を管理する索引順編成の管理ファイルを持たせ、前記磁気ディスク部上の前記管理ファイルに基づいて、前記集合型光ディスク部に収容される前記複数の光ディスク媒体の内部データに対する索引アクセス処理として、レコードの検索処理、レコードの書込処理を実行するようにして、本願発明を構成することは当業者が容易に想到し得ることと認められる。 また、本願発明における作用効果も、引用例1乃至2に記載のものから当業者が容易に予測し得るものであって格別のものとは認められない。 【4】まとめ 以上のとおりであるから、本願発明は、引用例1乃至2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものと認められるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、特許請求の範囲の請求項2乃至5について論及するまでもなく、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2000-05-16 |
結審通知日 | 2000-05-30 |
審決日 | 2000-06-12 |
出願番号 | 特願平6-170811 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(G06F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 川名 幹夫、吉岡 浩、岩崎 伸二 |
特許庁審判長 |
吉村 宅衛 |
特許庁審判官 |
新川 圭二 今井 義男 |
発明の名称 | 集合型光ディスク装置の索引アクセス方式 |
代理人 | 福田 修一 |
代理人 | 河合 信明 |
代理人 | 京本 直樹 |