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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正しない H04L
審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正しない H04L
管理番号 1023217
審判番号 審判1999-39109  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1991-11-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 1999-12-17 
確定日 2000-09-04 
事件の表示 特許第2958388号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・請求の要旨
本件審判請求の要旨は、特許第2958388号の明細書及び図面を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び図面のとおりに訂正しようとするものである。これに対し、当審において平成12年2月2日付けで訂正拒絶理由を通知したところ、平成12年5月15日付け手続補正書により前記審判請求書に添付の訂正明細書の補正が求められた。
2.そこで、まず、平成12年5月15日付け手続補正書による補正について検討する。
前記補正書は、要するに、
(1)審判請求書中の「(3)訂正の内容c.全文補正明細書 第5頁第6〜7行の 「第1のネットワークから第2のネットワークに対するファイル転送の命令」を「第1のネットワークからファイル転送の命令」と訂正する。」ことについて、削除するというものである。
前記(1)の補正事項について検討すると、この補正は、訂正事項の削除であり、前記請求書の要旨を変更をしないものであるので、前記補正を認める。
3.前記訂正拒絶理由の概要
前記訂正拒絶理由は、
「(a)特許請求の範囲の請求項1中の、「前記第2のネットワーク通信手段を介して要求元に転送する」を「前記第1のネットワーク通信手段を介して要求元に転送する」と訂正する、は、不明瞭な記載の釈明を目的とするものとは認められず、また、誤記の訂正、特許請求の範囲の減縮を目的としたものとも認められず、特許法第126条第1項ただし書第1〜3号のいずれの目的にも該当しないので、特許法126条第1項の規定に適合しない、また、特許請求の範囲を実質上拡張、変更するものであるので、特許法126条第2項の規定に適合しない。」、
を含むものである。
4.訂正の可否の検討
ア.補正された本件訂正請求は、特許第2958388号の明細書及び図面を、下記(a)ないし(c)のとおり訂正することを求めるものである。
(a) 特許請求の範囲の請求項1中の、「前記第2のネットワーク通信手段を介して要求元に転送する」を「前記第1のネットワーク通信手段を介して要求元に転送する」と訂正する。
(b) 平成11年3月23日差出の全文補正明細書(以下、「全文補正明細書」という。)第4頁第4〜5行の「前記第2のネットワーク通信手段を介して要求元に転送する」を「前記第1のネットワーク通信手段を介して要求元に転送する」と訂正する。
(c)全文補正明細書 第5頁第11行の「第2のネットワーク手段」を「第2のネットワーク通信手段12」と訂正し、同書第5頁第13行の「第2の通信手段」を「第2のネットワーク通信手段」と訂正する。

イ.本件審判請求は、明瞭でない記載の釈明を目的として、前記訂正事項(a)を含む訂正を求めるものであり、以下、前記訂正事項(a)についての、訂正の目的の適否、及び拡張・変更の存否について検討する。
(1) 訂正の目的の適否
訂正前請求項1の制御手段に関し、訂正前請求項1では、制御手段が「前記対象ファイルの転送命令を前記第2のネットワーク通信手段を介して送出する」のは、訂正前請求項1の「当該命令の対象ファイルを前記第2のネットワーク通信手段を介し要求元に転送する際」であり、かつ、訂正前請求項1の「前記第1のネットワーク通信手段を介して他の機器から受け付けたファイル転送の命令」の記載からみて、「当該命令の対象ファイルを前記第1のネットワーク通信手段を介して要求元に転送する際」であり、訂正前請求項1の「当該命令の対象ファイルを前記第2のネットワーク通信手段を介し要求元に転送する際」の記載は、「当該命令の対象ファイルを前記第2のネットワーク通信手段及び前記第1のネットワーク通信手段を介し要求元に転送する際」を包含するものであることは明らかである。そうしてみると、訂正前請求項1の「当該命令の対象ファイルを前記第2のネットワーク通信手段を介し要求元に転送する」の記載と訂正前請求項1の「前記第1のネットワーク通信手段を介して他の機器から受け付けたファイル転送の命令」の記載の関係は明瞭であり、また、訂正前請求項1の制御手段に関し、訂正前請求項1には「当該命令の対象ファイルを前記第2のネットワーク通信手段を介して要求元に転送する」の記載及びに「前記対象ファイルの転送命令を前記第2のネットワーク通信手段を介して送出する」の記載があり、第2のネットワーク通信手段が前記対象ファイルの転送命令と転送命令の対象ファイルを転送することが記載されており、ファイル転送命令の対象ファイルの転送と第2のネットワーク通信手段の関係は明瞭であって、訂正前請求項1の制御手段に関し、訂正前請求項1の「当該命令の対象ファイルを前記第2のネットワーク通信手段を介して要求元に転送する」との記載を不明瞭な記載とすることはできない。
よって、前記訂正事項(a)は、不明瞭な記載の釈明を目的とするものとは認められず、また、誤記の訂正、特許請求の範囲の減縮を目的としたものとも認められず、特許法第126条第1項ただし書第1〜3号のいずれの目的にも該当しない。
(2) 特許請求の範囲の拡張・変更
訂正前請求項1では、制御手段が、対象ファイルの転送命令を第2のネットワーク通信手段を介して送出するのは、ファイル転送命令の対象ファイルを前記第2のネットワーク通信手段を介して要求元に転送する際であり、その際において、要求元とのネットワーク通信手段については限定がなく、第1のネットワーク通信手段を介するものを含む構成となっている。これに対し、訂正後の請求項1では、制御手段が、対象ファイルの転送命令を前記第2のネットワーク通信手段を介して送出するのは、ファイル転送命令の対象ファイルを前記第1のネットワーク通信手段を介して要求元に転送する際であり、その際において、前記第2のネットワークとの通信手段については限定がなく、専用線あるいは公衆回線を経由して第2のネットワークとの通信を行う第2のネットワーク通信手段の外に、専用線あるいは公衆回線以外、例えば、LAN、を経由して第2のネットワークとの通信を行うネットワーク通信手段を含む構成となっている。 したがって、訂正前請求項1と訂正後請求項1では、要求元に対するネットワーク通信手段、第2ネットワークに対するネットワーク通信手段について、各々、前記第1ネットワーク通信手段、前記第2ネットワーク通信手段、を介することで共通するものをもつものの、訂正後請求項1では、第2ネットワークに対するネットワーク通信手段について、専用線あるいは公衆回線以外、例えば、LAN、を経由して第2のネットワークとの通信を行うネットワーク通信手段を用いるものを新たに包含する構成となっており、前記訂正事項(a)は、特許請求の範囲を実質上拡張、変更するものである。
してみれば、前記訂正事項(a)は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律116号。以下「平成6年改正法」という。)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成6年改正法による改正前の特許法第126条第1項および第2項の規定に適合しない。
5.以上のとおり、他の訂正事項を検討するまでもなく、本件訂正請求は、認められない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2000-06-21 
結審通知日 2000-07-04 
審決日 2000-07-17 
出願番号 特願平2-61269
審決分類 P 1 41・ 855- Z (H04L)
P 1 41・ 853- Z (H04L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田口 英雄猪瀬 隆広  
特許庁審判長 武井 袈裟彦
特許庁審判官 近藤 聡
松野 高尚
登録日 1999-07-30 
登録番号 特許第2958388号(P2958388)
発明の名称 ネットワーク中継装置、中継方法、およびサーバ  
代理人 石井 康夫  

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