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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H02M |
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管理番号 | 1023257 |
審判番号 | 審判1999-5474 |
総通号数 | 15 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1991-08-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-04-08 |
確定日 | 2000-08-23 |
事件の表示 | 平成 1年特許願第335448号「負荷制御装置」拒絶査定に対する審判事件[平成 3年 8月29日出願公開、特開平 3-198666]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯、本願発明の要旨 本願は、平成1年12月25日の出願であって、その発明要旨は、平成10年11月2日付け手続補正書によって補正された明細書の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認められ。 「操作器から1系統の信号系で与えられる負荷動作制御用の周期的な制御信号の持つ複数種の波形的な可変要素で示された信号を夫々個別に検出し、夫々の信号に応じて放電灯の調光制御および点灯/消灯制御を行う制御手段を備えた放電灯点灯装置。」 2.引用刊行物 これに対して、原審での拒絶の理由で引用された、特開平1-159800号公報(以下、「引用刊行物1」という。)には、 「データを線式伝送路を介して伝送する場合に、伝送電流をパルス電流とし、このパルス電流の平均値が前記データに対応するアナログ電流量となるように該パルス電流の時比率を可変制御してアナログデータ伝送を行い、且つ前記アナログデータ伝送中に前記線式伝送路を用いてディジタル通信を行う場合には、前記アナログデータ伝送に用いるパルス電流の平均値が前記アナログ電流値を保つ条件下で、該パルス電流自身のパルス周期及びパルス幅の少なくとも一つをディジタルコードに対応させて変調するか或いはディジタル値となるパルス電流を前記線式伝送路中に付加し、この付加されたパルス電流の発生パターン、前記変調されたパルス電流の変調パターンのいずれかを受信側で読取ることによりディジタル通信を行うことを特徴とする線式データ伝送方式(特許請求の範囲)。」が記載されている。 該記載のパルス電流に関して、引用刊行物1の第4頁上左欄4行乃至同下左欄2行に、パルス信号の周期T2を一定とし伝送すべきアナログ信号に対応したパルス幅変調を行う旨記載されており、また、引用刊行物1の第4頁下左欄3行乃至同20行で、パルス幅変調を行いつつ、同時にディジタル通信を行うため、周期T2、パルス幅T1の伝送電流中にパルス周期T4(≒T2/2)、パルスT3(≒T1/2)の伝送電流を組み込み、パルス周期がT2の時は”1”、T4の時は”0”と符号化する事が記載されている。上記記載から、引用刊行物1のアナログ信号及びディジタル信号は共に周期的な制御信号の持つ複数種の波形的な可変要素で示された信号として伝送されるものであるから、結局引用刊行物1には「操作器から1系統の信号系で与えられる負荷動作制御用の周期的な制御信号の持つ複数種の波形的な可変要素で示された信号を夫々個別に検出する線式データ伝送方式」が記載されていることとなる。 3.対比・判断 本願請求項1記載のもの(以下「前者」と言う)と引用刊行物1に記載されたもの(以下「後者」と言う)を比較すると、両者は下記の点で相違しその余に実質的な相違は認められない。 相違点.前者は、放電灯点灯装置を対象としており、検出された夫々の信号に応じて放電灯の調光制御および点灯/消灯制御を行う制御手段を備えているのに対して、後者は線式データ伝送方式とするのみで用途を特定していない点。 上記相違点を検討する。 原審の拒絶査定において周知例として示された特開平1-140596号公報(以下「引用刊行物2」という)には、親機4から子機6,…へ点灯レベル制御信号を含む伝送信号を送信し、子機6,…では親機4から受信した点灯レベル制御信号に基づいて蛍光ランプの光出力を制御する構成が記載されている(公報第2頁左下欄第18行乃至第3頁左下欄第8行参照)。また、公報第3頁左下欄第5行乃至同8行には蛍光ランプを消灯することも可能であることが記載されている。同じく周知例として示された実願昭63-22601号(実開平1-126096号)のマイクロフィルム(以下「引用刊行物3」という)には、リモートコントローラ部1から赤外線で送信された信号を受信する受光部3と、受光部3の受信した信号に基づいて蛍光ランプを点灯/消灯させたり、光量を調節する構成が記載されている(公報第5頁第14行乃至第6頁第7行、及び、第3図参照)。上記引用刊行物2及び3に示されるように、蛍光ランプ(放電灯)の調光制御及びオン,オフ制御のための信号を一つの信号媒体により伝送することは広く行われていることである。また、前記2つの周知例に示されるものでは、蛍光ランプの調光及びオン,オフの制御を行うという同じ目的に対して、異なる形式の信号を使用していることからも明らかなように、蛍光ランプ(放電灯)の制御に使用する信号の形式は、一つの信号により同時に2つの制御信号を伝送し得るものであれは形式を問わないものである。してみれば、引用刊行物1に示される、操作器から1系統の信号系で与えられる負荷動作制御用の周期的な制御信号の持つ複数種の波形的な可変要素で示された信号を夫々個別に検出する線式データ伝送方式を放電灯の調光制御および点灯/消灯制御信号の伝送に適用し、検出された夫々の信号に応じて放電灯の調光制御および点灯/消灯制御を行う構成とすることに格別の技術力を要するとは認められない。 4.結び 以上のとおり、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、引用刊行物1記載のもの及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものと認められるから、本願は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よつて、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2000-06-02 |
結審通知日 | 2000-06-16 |
審決日 | 2000-06-30 |
出願番号 | 特願平1-335448 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H02M)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 新宮 佳典、手島 聖治 |
特許庁審判長 |
祖父江 栄一 |
特許庁審判官 |
槙原 進 大森 蔵人 |
発明の名称 | 負荷制御装置 |
代理人 | 西川 惠清 |
代理人 | 森 厚夫 |