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審決分類 |
審判 査定不服 特36 条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F |
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管理番号 | 1023304 |
審判番号 | 審判1996-21043 |
総通号数 | 15 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1990-01-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1996-12-19 |
確定日 | 2000-09-18 |
事件の表示 | 平成 1年特許願第 65428号「リアルタイムエキスパート計算機システム」拒絶査定に対する審判事件[平成 2年 1月30日出願公開、特開平 2- 28728]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本願は、平成1年3月17日(国内優先権主張、昭和63年3月17日)の出願であって、「リアルタイムエキスパート計算機システム」に関するものと認められる。 2.当審の拒絶理由 当審において平成12年2月15日付けで通知した拒絶理由の概要は、次のとおりである。 「本件出願は、明細書及び図面の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第3項及び第4項に規定する要件を満たしていない。 1.明細書第20頁11行〜24頁1行に「システム定義編集部61はフロッピーディスク62に格納されたプロセス特有の事情をもとにシステム定義を作るものであり、定義されたシステム定義はシステム定義格納部64に格納される。・・・・・・・・・以上の入力定義および出力定義はそのまま推論前処理定義および推論後処理定義をなす。・・・・・・それぞれ知識ベース格納部29、前処理定義格納部67、後処理定義格納部66に格納される。」と記載されているが、フロッピーディスク62に格納されている「プロセス特有の事情」がこの場合に具体的にどのようなもので、その事情がどのように利用されて「1〜5の入力定義(推論前処理定義)」、「1〜3の出力定義(推論後処理定義)」及び「知識ベース定義」が作られるのか不明なため、本願発明の作用・効果が不明である。」 2.特許請求の範囲の請求項1に係る発明において、「入力されたプロセス特有の事情に基づき、知識ベース定義と、前処理定義及び後処理定義とを対応付けてシステム定義を作成するシステム定義編集部と、このシステム定義編集部で定義されたシステム定義をその記述に従って、知識ベース、前処理定義、後処理定義に該当する格納部に振り分けるシステム定義変換部と、」と記載されているが、「入力されたプロセス特有の事情に基づき、知識ベース定義と、前処理定義及び後処理定義とを対応付けてシステム定義を作成する」とはどのようなことか不明である。(上記理由1で指摘した明細書の記載において、知識ベース、前処理定義及び後処理定義がどのような特有の事情に基づいて、どのように対応付けられているのか不明である。) また、「システム定義をその記述に従って振り分ける」とは、上記理由1で指摘した明細書の記載におけるシステム定義の場合に、どのような記述に従って振り分けられるのか不明である。」 3.当審の判断 イ.拒絶の理由の前記1について 請求人は、平成12年4月27日付けの手続補正書において、明細書第20頁11行〜同頁14行の記載を「システム定義編集部61はフロッピーディスク62に格納されたプロセス特有の事情をもとにシステム定義を作るものであり、定義されたシステム定義はシステム定義格納部64に格納される。システム定義編集部61は、フロッピーディスク62に格納されたシステム定義の転送を受け、プロセス特有の事情、例えば、プロセス特有の入力信号の前処理や後処理において、ある期間の平均値、ある機器が動作中の最大値を入力しなければならない等の事情、を考慮してシステム定義を編集する。この編集は、CRT63に表示されたガイダンスに基づいて行われる。なお、フロッピーディスク62に格納されるシステム定義は、前処理定義、後処理定義、知識ベース定義をまとめてシステム管理者にわかりやすく表現したものである。各種定義をまとめたことにより、各定義間のつながりの問題、無駄な定義による処理時間の増加、定義変更時の問題が改善されることになる。」と補正している。 この補正により、プロセス特有の事情が、「プロセス特有の入力信号の前処理や後処理において、ある期間の平均値、ある機器が動作中の最大値を入力しなければならない等の事情」であることが明らかになったが、システム定義の編集は、「CRT63に表示されたガイダンスに基づいて行われる」と説明しているのみで、そのガイダンスがどのような内容のもので、その内容に従ってどのようにシステム定義の編集が行われるのかの具体的な説明は何もなされていない。したがつて、システム定義編集部61は、どのようにして「1〜5の入力定義(推論前処理定義)」、「1〜3の出力定義(推論後処理定義)」及び「知識ベース定義」を作成するのかは依然とて不明であり、本願明細書は、当業者が容易にその実施をすることができる程度に、その発明の構成を記載しているものとは認められない。 ロ.拒絶の理由の前記2について 請求人は、拒絶の理由の前記2で指摘した点については、何等の意見も述べていないし、また、補正も上記補正を行ったのみである。そして、上記補正を考慮しても、拒絶の理由の前記2で指摘した点は、依然として不明であって、特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものであるとはいえない。 4.むすび したがって、本願は、特許法第36条第3項及び第4項に規定する要件を満たしていない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2000-06-27 |
結審通知日 | 2000-07-07 |
審決日 | 2000-07-18 |
出願番号 | 特願平1-65428 |
審決分類 |
P
1
8・
531-
WZ
(G06F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 川崎 優、林 毅 |
特許庁審判長 |
松野 高尚 |
特許庁審判官 |
大橋 隆夫 日下 善之 |
発明の名称 | リアルタイムエキスパート計算機システム |
代理人 | 外川 英明 |