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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A61N
管理番号 1023897
異議申立番号 異議1999-72448  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-01-09 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-06-24 
確定日 2000-05-17 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2840449号「複数方向に連続した交互極域を有する可撓性磁気パッド」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2840449号の請求項1乃至請求項10に係る特許を維持する。 
理由 〔1〕手続の経緯
本件特許2840449号(以下「本件特許」という。)は、平成5年1月21日に特許出願されたものであって(優先権主張日:1992年1月21日)、平成10年10月16日に設定登録がされ、同年12月24日に特許公報に掲載されたものであり、これに対して、特許異議申立人・元橋完之より平成11年6月24日付けで特許異議の申立てがされ、その後、当審の取消理由通知に対して、平成12年3月21日付け訂正請求書により訂正請求がされたものである。

〔2〕訂正事項と訂正の適否についての判断
本件訂正請求は、(1)明細書の特許請求の範囲の請求項1中、「前記磁石の粒子は隣接する個々のN及びS極域を形成し、」の後に、「前記極域は方形状や螺旋状等の外縁部を有する形状に配置され、前記形状に配置された極域の外縁部、例えば方形状である場合にはその角部、螺旋状である場合には螺旋の始端部及び終端部を除いた部分において、」という記載を追加し、(2)請求項11及び請求項12を削除し、(3)さらに、明細書第2頁第21行目の「磁極を通ることとが」を「磁極を通ることが」に、同第3頁第11行目の「このよような」を「このような」に、同第7頁第7〜8行目の「磁極ストライプのからなる」を「磁極ストライプからなる」に、同第8頁第3行目の「磁極の幅がが」を「磁極の幅が」に、それぞれ訂正するものである。
そこで、まず、これらの訂正事項について検討する。
上記特許請求の範囲に関する訂正事項(1)は、特許法第120条の4第2項ただし書第1号の特許請求の範囲の減縮ないし同第3号の明りょうでない記載の釈明に該当し、同じく訂正事項(2)は、特許法第120条の4第2項ただし書第1号の特許請求の範囲の減縮に該当し、発明の詳細な説明に関する訂正事項(3)は、同条第2項ただし書第2号の誤記の訂正に該当するものと認められる。
そして、本件各訂正事項は、全体として願書に最初に添付した明細書及び図面の範囲においてなされたものであると認められるので、同条第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定にも適合する。さらに、本件訂正後における請求項1乃至請求項10に記載されている事項により構成される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない発明であるとすることもできない(後述のとおり特許異議の申立ては理由がなく、その他本件訂正後の請求項1乃至請求項10に記載されている事項により構成される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない発明であるとする理由を発見しない。)ので、本訂正事項は、特許法第120条の4第3項で準用する同法第126条第4項の規定にも適合するものである。
したがって、本件訂正はこれを認めることとする。

〔3〕本件発明
本件発明は、訂正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至請求項10に記載された以下のものにあるものと認める。
「請求項1
人体上に直接用いる治療用可撓性磁気パッドであって、人体の1以上の血管が前記磁気パッドの下を横断し、次の構成からなる:
永久磁石の粒子が埋めこまれて活性化した表面を持つ可撓性パッドであって、 前記磁石の粒子は隣接する個々のN及びS極域を形成し、
前記極域は方形状や螺旋状等の外縁部を有する形状に配置され、
前記形状に配置された極域の外縁部、例えば方形状である場合にはその角部、
螺旋状である場合には螺旋の始端部及び終端部を除いた部分において、
前記極域は、反対の極性の少なくとも3つの他の極域と隣接するように配置され、
前記隣接するN及びSの極域は、一以上の血管が前記可撓性磁気パッドのどの部分を横断しどの部分に位置したとしても必ず交互極域に接触するように配向されてなる、
可撓性磁気パッド。
請求項2
請求項第1項記載の治療用可撓性磁気パッドであって、前記個々の隣接する磁石のN及びS極域が連続していることを特徴とする、可撓性磁気パッド。
請求項3
請求項第1項記載の治療用可撓性磁気パッドであって、前記極域はそれぞれ4mmないし10mmの幅の間であることを特徴とする、可撓性磁気パッド。
請求項4
請求項第1項記載の治療用可撓性磁気パッドであって、前記極域は半径方向及び円周方向に交互であることを特徴とする、可撓性磁気パッド。
請求項5
請求項第4項記載の治療用可撓性磁気パッドであって、前記極域は相互に連続していることを特徴とする、可撓性磁気パッド。
請求項6
請求項第1項記載の治療用可撓性磁気パッドであって、交互の極性の前記極域の間の平均距離は、血管が交互極域の間を横断するためにほぼ一定に維持されることを特徴とする、可撓性磁気パッド。
請求項7
請求項第1項記載の治療用可撓性磁気パッドであって、前記極域は交互の極性のチェス盤状に形成され、それぞれの極域は反対の極性の他の四つの極域に隣接することを特徴とする、可撓性磁気パッド。
請求項8
請求項第7項記載の治療用可撓性磁気パッドであって、隣接した反対の交互極域は連続していることを特徴とする、可撓性磁気パッド。
請求項9
請求項第1項記載の治療用可撓性磁気パッドであって、前記極域は交互極性の螺旋状に形成されることを特徴とする、可撓性磁気パッド。
請求項10
請求項第9項記載の治療用可撓性磁気パッドであって、隣接した反対の交互極域は連続していることを特徴とする、可撓性磁気パッド。

〔4〕特許異議の申立てについての判断
(1)これに対して、特許異議申立人の申立ての理由は、「本件請求項1ないし12に係る発明は、甲第1号証ないし甲第4号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであることから、当該発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、上記発明に係る特許は、同法第113条第1項第2号により取り消されるべきものである。」というものである。
証拠方法:
甲第1号証:米国特許第4,549,532号明細書
甲第2号証:米国特許第4,489,711号明細書
甲第3号証:EP公開第81109号公報
甲第4号証:特開平2-7973号公報
(2)そこで甲号各証について検討すると、甲第1号証には、治療用の可撓性磁気シートについて記載されているものと認められる。しかしながら、甲第1号証には、本件各発明の「N及びS極域を形成し、前記極域は方形状や螺旋状等の外縁部を有する形状に配置され、前記形状に配置された極域の外縁部、例えば方形状である場合にはその角部、螺旋状である場合には螺旋の始端部及び終端部を除いた部分において、前記極域は、反対の極性の少なくとも3つの他の極域と隣接するように配置され、前記隣接するN及びSの極域は、一以上の血管が前記可撓性磁気パッドのどの部分を横断しどの部分に位置したとしても必ず交互極域に接触するように配向されてなる」点に関しては何ら記載がない。
また、甲第2号証乃至甲第4号証にも、上記の点に関しては何ら記載がない。
そして、本件各発明は、上記構成に基づき、甲第1号証乃至甲第4号証記載の発明に比して、明細書記載の有利な効果を奏するものであると認められる。
(3)そうすると、その余について検討するまでもなく、本件各発明が、甲第1号証乃至甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。

〔5〕まとめ
以上のとおりであるから、特許異議申立人の主張する申立ての理由及び提出した証拠方法によっては、本件請求項1〜10に係る発明についての特許を取り消すことはできない。
ほかに、本件特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
複数方向に連続した交互極域を有する可撓性磁気パッド
【発明の詳細な説明】
技術分野
可撓性磁気パッドには連続した交互極域が設けられているが、この極域はパッドに対する血管の位置にかかわりなく、血管に治療効果を及ぼして血流を増大させる。好ましい実施例においては、極域はパッド全体に螺旋状に配置された交互の磁極に間隙なく巻きついている。他の実施例においては、交互の磁極はチェス盤状に配置されている。
背景技術
血流を増大させて負傷した身体部分の治癒を促進するための、交互磁極性を有する治療パッドを提供するために、様々な試みが行われてきた。この技術は、磁気誘導に関するファラデーの法則及びホール効果に述べられた、電気及び磁気の原理に基づいている。これらの原理は基本的に、帯電した粒子が垂直方向に磁界を通り抜けるとき、これらの粒子上に力が作用するという事実を証明している。人間の血液にもイオンと電解質が充満しているため、これは理想的な帯電した粒子のキャリヤである。適切に並べられた交互の磁界に接触した血管には、弱い交流電流を生じる程度の強さの誘導電圧がもたらされ、この電流は血管を広げることによって血流を増大させる程度の熱を生じる。
ラツクに発行された米国特許第4,489,711号においては、S磁極とN磁極の交互のストライプは、磁極の配向が一方向のみである。ラツクの’711は直線状に配置された平行のストライプ型の磁極を提供するが、これはそこをほぼ横断するように伸びない血管には治療効果を示さない。
バエルマンに発行された米国特許第4,549,532号おいては、交互の極性を有する同心リング又は放射状扇形が提供される。しかし、バエルマン’532の同心リング構成については、全ての血管は装置の中央を横断するものと仮定されているため、同心リングのデザインに関する効果的な配向が制限される。バエルマン’532の装置は血管の位置が中心から離れるにつれて次第に効果が低くなり、外周リングにおいてはこの装置には効果がなく、血管は一つの磁極を横断するのみであって血流は増大しない。バエルマン’532の放射状扇形に関してはこの逆が真であって、この装置の効果は、血管の位置が周縁から離れて中心方向に移るにつれて減少する。バエルマン’532の特許は、その好ましい実施例である同心リング装置は身体面に普遍的に置くことができると述べている。しかし、バエルマン’532の「身体面」は血管が装置の中心を横断する領域に限られており、従って磁気パッドに覆われた範囲の血管にこのパッドが及ぼす治療効果は、全ての血管がその中心を横断しなくてはならないため、減少する。
この発明を配置することによる利点は、この発明は装置の位置に対する全ての任意の位置の血管を考慮していることである。この発明は、パッドの下方の影響が及ぶ領域を最大にする。パッドの中心を横断する血管と同様に周縁付近を横断する血管にも作用する。
この発明の装置は、磁化し、弾力性を有する合成物質中に含浸したフェライトから製造される。この発明によって、身体面の血管に対して磁極の交互の極性がより多くの方向を向くことが、螺旋状又はチェス盤状の配置により可能となり、これによって血管は治療パッドをどのような角度又は位置で横断しても、交互の磁極を通ることが保証される。
この発明においては、同極性の磁極は互い違いの位置にあり、すなわち同極性の2つの磁極は互いに隣接しないことになる。この発明は、一方の極性の磁極を横断した血管は、ラツク’711特許にクレームされた治療に有効な磁極間の距離である4〜10mmを越えることなく他方の極性の磁極を横断する。特にラツク’711のコラム3の9-13行においては、交互に陽極及び陰極が2mm離間したストライプ状となった磁気シートでは、治療目的としては接近しすぎていると述べている。ラツク’711のコラム3の13-18行においては、更に交互の磁極が5mmであるストライプは特に満足すべきものであると述べている。
「動物磁気の科学」という日付のない商業誌に掲載されたテッド・ザブロツキー博士の1989年10月の「筋骨負傷における永久磁石の作用」と題する研究はバエルマン’532の特許を論じており、19頁の2-3行目において、皮膚に対して垂直な血管を除けば、「全ての血管」が一連のS極とN極を横断すると主張している。ザブロツキーは19頁の上部に第3図と共にその理論を述べており、これによればバエルマン’532の装置を横断する血管の理想的な3つの位置が示され、血管はパッドの中心付近又は中心に位置している。しかし実際にはこのような理想的な血管の配置は期待できない。
簡単に言えば、バエルマン’532の装置は、互いに隣接して放射状に配置された「カットされたパイ」型扇形のもう一つの実施例を除けば、円周方向に交互に位置する磁極を備えていない。しかし、このバエルマン’532のもう一つの実施例の装置はその周縁付近でのみ効果的であり、これは血管がパッドの中心又は中心付近では「NからN」又は「SからS」のみを横断するため実質的に1つの極性を通るにすぎないからである。
上記の通りラツク’711特許は、治療効果のある磁極の幅の範囲はそれぞれの磁極について4-10mmであるとクレームしている。従って、バエルマン’532の装置は、同心リングの幅を4mm以下にすると治療効果がないため、より接近して配置したより多くのリングを増やすことによる同心リングのデザインについての制限を越えることはできない。従って、リングの数が増えるにつれてリングの幅は狭くなるため、バエルマン’532の装置は、使用されるリングの数が制限される。
要約すれば、バエルマン’532の装置はバエルマン’532特許の第1図、第3図及び第4図(この発明では図5及び6として示される)に示される同心リングの形をとるが、バエルマン’532の磁気含浸パッドは、血管の位置がパッドの中心から離れて周縁に近づくにつれて交互の極性に接しなくなり、効果が減少する。
同様に、バエルマン’532の第2図(この発明では図7及び8として示される)に示されるパイ型扇形の形態においても、パッドは、血管の位置が周縁から離れて中心に近づくにつれて交互の極性に接しなくなり、血流に対する効果が減少する。
発明の開示
従ってこの発明の目的は、血管がパッドのどこを横断しても効果的である、連続した交互極域の磁気治療パッドを提供することにある。
更に別の目的は、従来技術の欠点を改良することにある。
この発明の装置は、ラツク’711に述べられた原理を利用している。この発明においては、磁極はN(-)及びS(+)極域或いは磁極が交互となる形で配置されている。人体の苦痛のある部分に置かれると、これらの極域は治療効果を有することを示し、その苦痛に伴う症状を軽減した。例えば、このパッドは、苦痛の内でも、筋骨の打撲傷、筋肉痛及び関節痛に用いられる。他に適用可能な症状としては、苦痛の内でも、周辺神経病や手術後の苦痛がある。しかしこれらの極域は、体内の血管を通じて動く血液が交互の磁場という形の極域によって生じた磁界を通るように位置しなければならない。これは、もし体内の血管が全て同方向に向かって位置していれば容易に達成出来る。しかし、明らかにそうではない。ラツク’711の第1図(この発明では図4として示される)に示す通り、ラツク’711の装置は磁極が平行にストライプ状に配置されることを求めている。従ってその効果は、血管が隣接した磁極の平行な境界線を垂直に又はほぼ垂直に横断する場合に限られる。(この発明の図4に示される)
この制限を越えるための試みとして、バエルマン’532特許は、バエルマン’532の第3図に示される通り、交互の磁極を同心リング状に配置することを提案した。一見このバエルマン’532特許は身体のどの位置でも血管に効果があるように思われる。しかしより詳細に研究すると、バエルマン’532の構成は、血管が磁極の構成の中心又は付近を横断した場合(この発明の図6に示される)にのみ効果的である。バエルマン’532の構成はラツク’711の構成よりも効果的であり、従ってラツクの装置の改良を示すが、装置に対しての身体におけるあり得る全ての位置の血管に対応する最適の構成を提供してはいない。
上記の従来の特許の制限を越えるために、この発明は、実際にこの装置が置かれた身体のどの位置においても血管に効果を及ぼす新しい形態を提供する。この発明は、円周方向と同時に半径方向にも交互となった磁界を生じるように配置された、連続した交互極域の形からなり、好ましくは螺旋状である。この発明の下では、血管はどのように配置されても必ず交互の磁界を通り、従って最善の効果が及ぶ。たとえ血管が装置の周縁付近を通っても、複数の交互の磁界を通ることとなり、従って最適の効果が及ぶ。更に磁極間の平均距離は比較的一定に保たれるが、バエルマン’532の装置においては、血管が装置の中心を横断する位置でなければ、血液が交互の磁界を通り抜けるまでに移動する距離はかなり異なることとなって、効果を最小にする。
この発明において同様の効果をもたらす好ましい実施例においては、交互の極性がチェス盤状に配置される。
図面の簡単な説明
図面においては、複数の図を通して同様の参照番号は同様の特徴を示す:
図1は装置の平面図である;
図2は図1と同様装置の平面図であって、この発明の装置を横断する血管の種々の位置を示す;
図3はラツクの米国特許第4,489,711号に記載の従来技術の一実施例の平面図である;
図4は図3と同様従来技術の一実施例の平面図であって、ここでは図3として示される従来技術の装置を横断する血管の種々の位置を示す;
図5はバエルマンの米国特許第4,549,532号の第1図、第3図及び第4図に記載の従来技術の他の実施例の平面図である;
図6は図5と同様従来技術の他の実施例の平面図であって、ここでは図5として示される従来技術の装置を横断する血管の種々の位置を示す;
図7はバエルマンの米国特許第4,549,532号の第2図に記載の従来技術の他の実施例の平面図である;
図8は図5と同様従来技術の他の実施例の平面図であって、ここでは図7として示される従来技術の装置を横断する血管の種々の位置を示す;
図9はこの発明の他の実施例である。
発明を実施するための最良の形態
図1に示す如く、可撓性磁気パッド10には参照番号12と14で示す交互のN及びS極域が設けられている。交互極域12及び14は好ましくは装置の中心16から出発して螺旋状に配置されている。
従って、二つの極域12と14はいかなる他の同極性の極域と隣接することもない。例えばN極域12は常にS極域14、14a、14bと隣接する。
同様に、図1に示す螺旋状形態を通じて、S極域14はN極域12、12a、12bと隣接する。
図2に示す如く、この発明に係る装置の磁気パッドを横断する血管には3つの可能な位置が存在し、それは20、22、24で示され、それぞれこの装置の周縁の位置、中心を外れた位置、そして中心を通過する位置である。尚、図示では理解を容易にするため只一つの角度を示したが、この3つの位置はどの様な角度も採用できる。血管20a、22a、24aはそれぞれ位置20、22、24に沿って位置していると図示される。図2の如く、路20に沿って周縁にある血管20aは、常に交互のN及びS極域を横断し、従って血流が増大する。更に、位置22に沿って横断する血管22aにおいても、位置24に沿って横断する血管24aにおいても同じく最適の交互極性との接触が生じる。尚、血管20aは、血管22a、血管24aよりも、交互磁極の通過がより少ないが、それでも望ましい結果を得るに十分な交互磁極を通過する。
図3に示す装置は、一方向に配向された交互極性の直線状の磁極ストライプからなるラツクの’711特許に係る従来技術の装置である。図4に示す装置は、ラツクの’711特許に係る装置を種々の血管の位置と共に描いたもので、血管30aは最適な効果を有するが血管32aはより少ない効果しか有しない。その理由は、血管32aは血管30aと同じ効果を有する交互磁極との直接接触がないからである。例えば、血管32aはN極ストライプ36aを完全に横断するが、S極ストライプ38aの端を少し触るだけなので血流に対する磁気交互磁極の効果は最小となる。更に、図4に示す如く、血管34aはN極ストライプ36aを完全に横断するが、全く磁気効果はない。それは、血管が交互極域に接触しないからである。
図5に示す装置は、バエルマンの’532特許と同様の装置で、交互極性の同心リングからなる装置を示す。図6は、3血管40a、42aと44aを図2に示す血管と全く同じ形に配向したもので、血管40aはいくつかの交互の磁極を横断するため最適な効果が及ぶ。血管42aにはより少ない効果が及ぶ。その理由は、血管42aの大部分はN極リング47を横断し、N極リング47と比べればS極リング46はほとんど横断しないからである。更に、血管44aは治療効果を全くうけない。それは、交互極域を横断せず、装置周縁のN極リング46のみを横断するからである。図7及び図8に、バエルマンの’532装置の第2図示の別実施例に該当する実施例を示す。この装置は図6に示した装置と逆の効果を有する。図8に示す如く、血管50a、52aと54aはそれぞれ、装置の中心、中程及び周縁を横断する。周縁にある血管54aは、比較的一定した方法で交互磁極56、57と59に接触し、好ましい効果を得る。しかしながら、周縁と中心の間の中程を通る血管52aは、磁極の幅が許容範囲を越えて変化するため効果は小さい。更に、血管50aがパッドの中心を横断するときは、2つの同極性のパイ型扇形磁極57と58のみを横断することとなって、治療効果はない。
図9に示す如く、この発明は他の変更例を採用できる。特に好ましいのはチェス盤状の実施例で、この実施例では同極性の極域はチェス盤状に互い違いに配置されている。
図3から図8において示した従来技術の装置との対比において、図1、図2及び図9において示したこの発明は、この発明の種々の形態を通じて、連続した交互極域に血管を接触させるという長所により血流を増大させることによって、血管への治療効果を最大にする。幾つかの実施例を記載し説明したが、この発明の精神と範囲を逸脱しない限り多くの変更例が可能であることは当業者にとっては自明である。
(57)【特許請求の範囲】
1.人体上に直接用いる治療用可撓性磁気パッドであって、人体の1以上の血管が前記磁気パッドの下を横断し、次の構成からなる:
永久磁石の粒子が埋めこまれて活性化した表面を持つ可撓性パッドであって、
前記磁石の粒子は隣接する個々のN及びS極域を形成し、
前記極域は方形状や螺旋状等の外縁部を有する形状に配置され、
前記形状に配置された極域の外縁部、例えば方形状である場合にはその角部、螺旋状である場合には螺旋の始端部及び終端部を除いた部分において、
前記極域は、反対の極性の少なくとも3つの他の極域と隣接するように配置され、
前記隣接するN及びSの極域は、一以上の血管が前記可撓性磁気パッドのどの部分を横断しどの部分に位置したとしても必ず交互極域に接触するように配向されてなる、
可撓性磁気パッド。
2.請求項第1項記載の治療用可撓性磁気パッドであって、前記個々の隣接する磁石のN及びS極域が連続していることを特徴とする、可撓性磁気パッド。
3.請求項第1項記載の治療用可撓性磁気パッドであって、前記極域はそれぞれ4mmないし10mmの幅の間であることを特徴とする、可撓性磁気パッド。
4.請求項第1項記載の治療用可撓性磁気パッドであって、前記極域は半径方向及び円周方向に交互であることを特徴とする、可撓性磁気パッド。
5.請求項第4項記載の治療用可撓性磁気パッドであって、前記極域は相互に連続していることを特徴とする、可撓性磁気パッド。
6.請求項第1項記載の治療用可撓性磁気パッドであって、交互の極性の前記極域の間の平均距離は、血管が交互極域の間を横断するためにほぼ一定に維持されることを特徴とする、可撓性磁気パッド。
7.請求項第1項記載の治療用可撓性磁気パッドであって、前記極域は交互の極性のチェス盤状に形成され、それぞれの極域は反対の極性の他の四つの極域に隣接することを特徴とする、可撓性磁気パッド。
8.請求項第7項記載の治療用可撓性磁気パッドであって、隣接した反対の交互極域は連続していることを特徴とする、可撓性磁気パッド。
9.請求項第1項記載の治療用可撓性磁気パッドであって、前記極域は交互極性の螺旋状に形成されることを特徴とする、可撓性磁気パッド。
10.請求項第9項記載の治療用可撓性磁気パッドであって、隣接した反対の交互極域は連続していることを特徴とする、可撓性磁気パッド。
 
訂正の要旨 本件訂正請求は、特許請求の範囲の減縮、明りょうでない記載の釈明及び誤記の訂正を目的として、(1)明細書の特許請求の範囲の請求項1中、「前記磁石の粒子は隣接する個々のN及びS極域を形成し、」の後に、「前記極域は方形状や螺旋状等の外縁部を有する形状に配置され、前記形状に配置された極域の外縁部、例えば方形状である場合にはその角部、螺旋状である場合には螺旋の始端部及び終端部を除いた部分において、」という記載を追加し、(2)請求項11及び請求項12を削除し、(3)さらに、明細書第2頁第21行目の「磁極を通ることとが」を「磁極を通ることが」に、同第3頁第11行目の「このよような」を「このような」に、同第7頁第7〜8行目の「磁極ストライプのからなる」を「磁極ストライプからなる」に、同第8頁第3行目の「磁極の幅がが」を「磁極の幅が」に、それぞれ訂正するものである。
異議決定日 2000-03-22 
出願番号 特願平5-512726
審決分類 P 1 651・ 121- YA (A61N)
最終処分 維持  
前審関与審査官 稲積 義登  
特許庁審判長 青山 紘一
特許庁審判官 藤本 信男
長崎 洋一
登録日 1998-10-16 
登録番号 特許第2840449号(P2840449)
権利者 ニュー・マグネティクス・インコーポレイテッド
発明の名称 複数方向に連続した交互極域を有する可撓性磁気パッド  
代理人 清原 義博  
代理人 清原 義博  
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