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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 H01L 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 H01L |
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管理番号 | 1023905 |
異議申立番号 | 異議1998-73512 |
総通号数 | 15 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1995-08-11 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1998-07-21 |
確定日 | 2000-05-10 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2702083号「基板処理装置間のインターフェイス装置」の請求項1ないし請求項3に係る発明の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第2702083号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続きの経緯 本件特許第2702083号は、平成2年7月24日に出願された特願平2年195129号の一部を特許法第44条第1項の規定により、平成6年12月7日に出願されたものであって、平成9年10月3日にその設定登録がなされ、その後、北村二郎より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年1月13日に訂正請求がなされ、訂正拒絶理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年3月13日に訂正請求の補正がなされたものである。 2.訂正請求の適否についての判断 (1)訂正請求の補正の適否 訂正請求の補正の内容は、請求項1の、 「基板を処理する第1のプロセス装置と第2のプロセス装置との間に介在設置されるインターフェイス装置において、前記両プロセス装置の基板搬送手段との間で基板を受渡しする基板載置用の支持ピンを備えた基板受渡し機構と、複数枚の基板が収納可能な基板保管部と、基板保管部と基板受渡し機構との間で基板の出し入れを行う基板収納搬出機構とを備え、前記基板収納搬出機構は、基板保管部から基板を取り出す際、前記基板保管部に収納した順に基板を取り出すように構成したことを特徴とする基板処理装置間のインターフェイス装置。」 を、 「基板を処理する第1のプロセス装置と第2のプロセス装置との間に介在設置されるインターフェイス装置において、前記両プロセス装置の基板搬送手段との間で基板を受渡しする基板載置用の支持ピンを備えた基板受渡し機構と、複数枚の基板が収納可能な基板保管部と、基板保管部と基板受渡し機構との間で基板の出し入れを行う基板収納搬出機構とを備え、前記両プロセス装置にトラブルが発生していない場合は、上手側のプロセス装置の基板搬送手段が搬送してきた基板を前記基板受渡し機構が受け取って支持ピン上に支持するとともに、前記支持ピン上の基板を下手側のプロセス装置の基板搬送手段が取り出してゆくという通常運転を行い、前記下手側のプロセス装置にトラブルが発生した場合は、前記上手側のプロセス装置から搬出されてきた基板を基板受渡し機構が受け取って支持ピン上に支持し、この支持ピン上の基板を前記基板収納搬出機構が受け取って前記基板保管部に収納し、前記下手側のプロセス装置のトラブルが解消した場合は、前記基板収納搬出機構が、前記基板保管部に収納した順に基板を取り出して支持ピン上に受け渡し、この支持ピン上の基板を下手側のプロセス装置の基板搬送手段が取り出してゆき、前記基板保管部に収納された全ての基板を下手側のプロセス装置に受け渡した後に前記通常運転に復帰するように構成したことを特徴とする基板処理装置間のインターフェイス装置。」 と補正し、明細書の記載を、補正した請求項1の記載と整合するように補正するものであるから、この補正は、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明に相当し、補正の要件を満足するので、これを認める。 (2)訂正の内容 訂正請求の内容は、特許請求の範囲の請求項1ないし請求項3、 「【請求項1】基板を処理する第1のプロセス装置と第2のプロセス装置との間に介在設置されるインターフェイス装置において、前記両プロセス装置の基板搬送手段との間で基板を受渡しする基板受渡し機構と、複数枚の基板が収納可能な基板保管部と、基板保管部と基板受渡し機構との間で基板の出し入れを行う基板収納搬出機構とを備え、前記基板収納搬出機構は、基板保管部から基板を取り出す際、前記基板保管部に収納した順に基板を取り出すように構成したことを特徴とする基板処理装置間のインターフェイス装置。 【請求項2】請求項1に記載の基板処理装置間のインターフェイス装置において、前記基板収納搬出機構は、前記基板受渡し機構との間で基板の受渡しが可能で、前記基板保管部の任意の保管場所の前面に移動可能な基板保持アームを有し、前記基板保持アームを前記基板保管部に対して前後動させて、前記基板保管部の任意の保管場所に対する基板の出し入れを行うように構成したことを特徴とする基板処理装置間のインターフェイス装置。 【請求項3】請求項1に記載の基板処理装置間のインターフェイス装置において、前記基板受渡し機構により受渡しする基板の位置合わせを行う基板整合手段をさらに備えたことを特徴とする基板処理装置間のインターフェイス装置。」 を、 「【請求項1】基板を処理する第1のプロセス装置と第2のプロセス装置との間に介在設置されるインターフェイス装置において、前記両プロセス装置の基板搬送手段との間で基板を受渡しする基板載置用の支持ピンを備えた基板受渡し機構と、複数枚の基板が収納可能な基板保管部と、基板保管部と基板受渡し機構との間で基板の出し入れを行う基板収納搬出機構とを備え、前記両プロセス装置にトラブルが発生していない場合は、上手側のプロセス装置の基板搬送手段が搬送してきた基板を前記基板受渡し機構が受け取って支持ピン上に支持するとともに、前記支持ピン上の基板を下手側のプロセス装置の基板搬送手段が取り出してゆくという通常運転を行い、前記下手側のプロセス装置にトラブルが発生した場合は、前記上手側のプロセス装置から搬出されてきた基板を基板受渡し機構が受け取って支持ピン上に支持し、この支持ピン上の基板を前記基板収納搬出機構が受け取って前記基板保管部に収納し、前記下手側のプロセス装置のトラブルが解消した場合は、前記基板収納搬出機構が、前記基板保管部に収納した順に基板を取り出して支持ピン上に受け渡し、この支持ピン上の基板を下手側のプロセス装置の基板搬送手段が取り出してゆき、前記基板保管部に収納された全ての基板を下手側のプロセス装置に受け渡した後に前記通常運転に復帰するように構成したことを特徴とする基板処理装置間のインターフェイス装置。 【請求項2】請求項1に記載の基板処理装置間のインターフェイス装置において、前記基板保管部は、基板受渡し機構の側脇に基板を多段に収納可能なカセットを設置してなり、前記基板収納搬出機構は、前記基板受渡し機構との間で基板の受渡しが可能で、昇降することによって前記基板保管部の任意の保管場所の前面に移動可能な基板保持アームを有し、前記基板保持アームを前記基板保管部に対して前後動させて、前記基板保管部の任意の保管場所に対する基板の出し入れを行うように構成したことを特徴とする基板処理装置間のインターフェイス装置。 【請求項3】請求項1に記載の基板処理装置間のインターフェイス装置において、前記基板受渡し機構により受渡しする基板の位置合わせを行う基板整合手段をさらに備え、前記基板整合手段は前記基板受渡し機構の支持ピンの両側に配設された一対の整合板を備え、この整合板を前記支持ピンに載置された基板の外縁に当接離間することによって基板の位置合わせを行うことを特徴とする基板処理装置間のインターフェイス装置。」 と訂正し、明細書の記載を特許請求の範囲の記載と整合するように、明細書を訂正するものである。 (3)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 上記訂正は、特許請求の範囲の請求項1では、基板受渡し機構を「基板載置用の支持ピンを備えた」と限定し、さらに、下手側プロセス装置のトラブル発生の有無に対応した基板の搬送・収納等の構成要件を付加し、請求項2では、「基板保管部は、基板受渡し機構の側脇に基板を多段に収納可能なカセットを設置してな」ること、及び基板保持アームが「昇降する」と限定し、請求項3では、「基板整合手段は前記基板受渡し機構の支持ピンの両側に配設された一対の整合板を備え、この整合板を前記支持ピンに載置された基板の外縁に当接離間することによって基板の位置合わせを行う」と限定したものであり、特許請求の範囲の減縮に該当し、特許請求の範囲を拡張・変更するものではないし、新規事項の追加にも該当しない。 また、発明の詳細な説明の補正は、不明りょうな記載の釈明を目的として訂正するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではないし、新規事項の追加にも該当しない。 (4)独立特許要件の検討 (引用例) 訂正拒絶理由通知に引用した、本件出願前公知である、特開昭60-182727号公報(以下、引用例1という。)には、 「第4図及び第5図で32はロードカセット、33及び34はそれぞれレジスト塗布・ベーク装置1と露光装置9との間及び露光装置9と現像・ベーク装置14との間に設けられているウエハ搬送経路切替部、35及び36はそれぞれウエハ搬送経路切替部33及び34間のバッファカセット、37及び38はそれぞれレジスト塗布・ベーク装置1から露光装置9へ、及び露光装置9から現像・ベーク装置14へウエハを搬送するベルト搬送機構、39、40及び41はバッファカセット35又は36へ、又はバッファカセット35又は36からウエハを搬送するベルト搬送機構、42及び43はそれぞれウエハ搬送経路切替部33及び34に設けられているセンサ、44はアンロードカセットを示しており、この実施例ではウエハを搬送するベルト搬送機構37及び38と39、40及び41は直交するように設けられている。なお、ベルト搬送装置37、38、39、40及び41は、例えば第5図に示すように駆動源45を有する同軸の回転機構46によって同時回転する平行な2本のベルト47と、ベルト47の位置を上下できる機構(図示せず)によって構成されている。」(公報第3頁左上欄第16行〜第3頁右上欄第18行)、 「ロードカセット32にウエハを装着48したのち、このウエハは、レジスト塗布・ベーク装置1によりレジスト塗布21及びプリベーク22後、ベルト搬送機構37によりウエハ搬送経路切替部33に自動搬送49され、センサ42により検出される。この時、露光装置9が前のウエハを露光50中の場合には、搬送経路切替部33に搬送されたウエハはベルト搬送機構39によりバッファカセット35に搬送51され収納される。バッファカセット35に収納されたウエハは、レジスト塗布・ベーク装置1からのウエハの供給が遅れている場合には、ベルト搬送機構39により搬送経路切替部33に排出され、ベルト搬送機構37により露光装置9に搬送53供給される。」(公報第3頁左下欄第6行〜第20行)と記載されている。 したがって引用例1には、 「ウエハをレジスト塗布・ベークする装置と露光する装置との間に介在設置されるウエハ搬送経路切替装置において、前記両処理装置との間で基板を受渡しする第1のベルト搬送機構と、バッファカセットと、バッファカセットと第1のベルト搬送機構との間でウエハの出し入れを行う第2のベルト搬送機構とを備えたことを特徴とするウエハ処理装置間のウエハ搬送経路切替装置。」 の発明(以下、引用発明という。)が記載されている。 同じく特開昭63一106271号公報(以下、引用例2という。)には、 半導体処理装置間において基板の搬送径路内にて、基板を一時的に収納するバッファ装置に関し、 「つまり、基板の収納に際しては、基板下側容器内のどの水平溝が空であって、どの水平溝から順番に基板を収納すれば、先に収納した基板から先に排出させるのに都合がよいか判断し、また基板の排出に際しては、どの水平溝に基板を収納させておいたのか、これら収納されている基板のうちどの基板が一番先に収納した基板であるのか等を判断し、所望の水平溝が搬送手段の高さになるよう基板収納容器を昇降制御しなければならない。」(公報第2頁右下欄第6行〜第15行)と記載されている。 同じく特開平2一132840号公報(以下、引用例3という。)には、 「通路102には、この通路102内を例えばボールスクリュー等の図示しない駆動機構によってY方向に移動するハンドリング手段例えばウエハー搬送装置110が設けられている。この搬送装置110はキャリッジ111を有し、このキャリッジ111にはバキュームピンセット例えばウエハーWを吸着保持するための2つのピンセット112、113が上下に重畳されて取付けられてる。ピンセット112、113は夫々独立にX方向(縦方向)、Y方向(横方向)に移動可能で重畳されたピンセット112、113は同時にZ方向(垂直方向)に平行移動が可能で、またθ方向に回動することができる。ピンセット112、113のこのような平行移動および回動を可能とするため、キャリッジ111にはステッピングモータ及びこれに連結されたボールスクリュー等の図示しない駆動機構が設けられている。ピンセット112、113は、一方のピンセットでウエハーを保持して処理ステーションに搬送し、この処理ステーションに処理済ウエハーがあった時、他のピンセットで処理済ウエハ-をピックアップし、上記ウエハーをセットする。この搬送装置110はウエハーWを前述の各処理ステーション103〜108に搬送するために用いられる。」(公報第3頁左上欄第3行〜右上欄第5行)、 「第2図および第3図A〜第3図Cに、上記ピンセット112、113、121を詳細に記載している。これらの図において、21はピンセット本体である。この本体21には3つの支点22、23、24が突設され、半導体ウエハーWはこれら支点によって三点支持される。この三点支持は、ピンセット21表面のゴミの付着を防止する効果がある。これら支点22〜24の内24には、その頂面に開口した真空吸着のための吸引口が設けられている。また、ウエハーWのアラインメントのために、ウエハーWの周綾に対応した円弧状のガイド部材25と、ストッパ部材26とが設けられている。半導体ウエハーWは、まず第3図Aに示す状態でピンセット上に植設される。この状態では、ウエハーWはアラインメントされておらず、真空吸着もされていない。ついで、第3図Bに示すように、ピンセットをストッパ部材26に向けて水平に移動させ、ウエハーWのオリエンテーションフラットWaがストッパ部材25に当接させる。その後、更に水平移動を続けることにより、半導体ウエハーWはピンセットの支点22〜24上をスライドし、最終的にはガイド部材25に当接して停止する。従って、もし第3図Aの状態でウエハーWの位置がピンセットの中央部からズレていたとしても、ガイド部材25に案内されることによって、ピンセット中央の所定位置にアライメントすることができる。」(公報第3頁左下欄第16行〜第4頁左上欄第1行)と記載されている。 同じく持開平2‐121346号公報(以下、引用例4という。)には、 「第3図は、ローダ11、バッファ14、およびアンローダ15に適用される基板受け渡し装置の構成を示した斜視図である。基板搬送路A上に設けられた基板受け渡し装置21の両側に、それぞれアーム式の収納側基板搬送機構22と取り出し側基板搬送機構23が設けられている。ここで、ローダ11およびアンローダ15に備えられる収納側基板搬送機構22および取り出し側基板搬送機構23は、基板受け渡し装置21と関連して、本発明における切り換え搬送機構を構成している。」(公報第3頁左下欄第10行〜第20行)、 「先に処理された基板がバッファ14に一時的に格納されている場合には、先入れ先出しの原則に基づき収納および排出する。一方、バッファ14に基板が収納されていない場合には、バッファ14に到達した基板をそのまま搬出する(ステップSI6)。」(公報第5頁右下欄第7行〜第11行)と記載されている。 同じく特開昭63一139811号公報(以下、引用例5という。)には、 「このバッファー装置により処理装置から処理装置への被処理部材の搬送をなすとともに、ある処理装置にて故障が発生しその運転が停止したような場合にはその処理装置の手前の処理装置から流出してくる被処理部材を収容することにより処理部材の流れを停止させることなく継続させるものである。」(公報第3頁左上欄第10行〜第16行)と記載されている。 (対比) 本件の訂正後の請求項1に係る発明(以下、訂正発明という。)と引用発明とを対比すると、引用発明の「ウエハ」、「レジスト塗布・ベークする装置」、「露光する装置」、「ウエハ搬送経路切替装置」、「第1のベルト搬送機構」、「バッファカセット」及び「第2のベルト搬送機構」は、訂正発明の「基板」、「第1のプロセス装置」、「第2のプロセス装置」、「インターフェース装置」、「基板受渡し機構」、「基板保管部」及び「基板収納搬出機構」に相当し、引用発明においても、「レジスト塗布・ベークする装置」及び「露光する装置」は、基板搬送手段を有していることは自明であるから、両者は、 「基板を処理する第1のプロセス装置と第2のプロセス装置との間に介在設置されるインターフェイス装置において、前記両プロセス装置の基板搬送手段との間で基板を受渡しする基板受渡し機構と、複数枚の基板が収納可能な基板保管部と、基板保管部と基板受渡し機構との間で基板の出し入れを行う基板収納搬出機構とを備えた基板処理装置間のインターフェイス装置。」 である点で一致しており、 i)基板受渡し機構が、訂正発明では、「基板載置用の支持ピンを備え」ているのに対し、引用発明では、支持ピンを備えていない点、 ii)訂正発明では、「両プロセス装置にトラブルが発生していない場合は、上手側のプロセス装置の基板搬送手段が搬送してきた基板を前記基板受渡し機構が受け取って支持ピン上に支持するとともに、前記支持ピン上の基板を下手側のプロセス装置の基板搬送手段が取り出してゆくという通常運転を行い、前記下手側のプロセス装置にトラブルが発生した場合は、前記上手側のプロセス装置から搬出されてきた基板を基板受渡し機構が受け取って支持ピン上に支持し、この支持ピン上の基板を前記基板収納搬出機構が受け取って前記基板保管部に収納し、前記下手側のプロセス装置のトラブルが解消した場合は、前記基板収納搬出機構が、前記基板保管部に収納した順に基板を取り出して支持ピン上に受け渡し、この支持ピン上の基板を下手側のプロセス装置の基板搬送手段が取り出してゆき、前記基板保管部に収納された全ての基板を下手側のプロセス装置に受け渡した後に前記通常運転に復帰するように構成し」ているのに対し、引用発明では、このような構成は備えていない点、 で相違している。 (当審の判断) 上記相違点について検討する。 上記相違点i)及びii)に関して訂正発明が具備している、下手側のプロセス装置にトラブルが発生すると、上手側のプロセス装置から搬出されてきた基板を支持ピン上に支持して基板保管部に収納し、トラブルが解消すれば基板保管部に収納した順に基板を取り出して支持ピン上に受け渡し、下手側のプロセス装置に全ての基板を受け渡した後に通常運転に復帰する構成は、いずれの引用例にも記載されていないし、示唆されてもいない。 そして、前記構成要件を具備することにより、訂正発明は、明細書に記載の、「下手側プロセス装置にトラブルがあって基板受入れが不能となっても、上手側プロセス装置からの基板をインターフェイス装置の基板保管部に収納保管しながら上手側プロセス装置の運転を続行することができ、基板処理装置の稼働効率を低下させることなく連続処理を行うことができる。」、「基板保管部から基板を取り出す際は、基板保管部に収納した順に基板を取り出すように構成しているので、上手側プロセス装置から搬出された順に下手側プロセス装置に基板を引き渡していくことができ、基板の順番が途中で入れ替わるようなこともなく、連続して行われる複数枚の基板への処理を正確にかつスムーズに行うことができる。」という作用効果を奏する。 よって、訂正発明は、各引用例に記載された発明と同一の発明でも、また、各引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもなく、出願の際に、独立して特許を受けることができるものである。 また、訂正後の請求項2に係る発明は、訂正発明に、「基板保管部は、基板受渡し機構の側脇に基板を多段に収納可能なカセットを設置してなり、前記基板収納搬出機構は、前記基板受渡し機構との間で基板の受渡しが可能で、昇降することによって前記基板保管部の任意の保管場所の前面に移動可能な基板保持アームを有し、前記基板保持アームを前記基板保管部に対して前後動させて、前記基板保管部の任意の保管場所に対する基板の出し入れを行うように構成した」という構成要件を付加したものであるから、訂正発明と同様に、各引用例に記載された発明と同一の発明でも、また、各引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもなく、出願の際に、独立して特許を受けることができるものである。 さらに、訂正後の請求項3に係る発明は、訂正発明に、「基板受渡し機構により受渡しする基板の位置合わせを行う基板整合手段をさらに備え、前記基板整合手段は前記基板受渡し機構の支持ピンの両側に配設された一対の整合板を備え、この整合板を前記支持ピンに載置された基板の外縁に当接離間することによって基板の位置合わせを行う」という構成要件を付加したものであるから、訂正発明と同様に、各引用例に記載された発明と同一の発明でも、また、各引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもなく、出願の際に、独立して特許を受けることができるものである。 (5)むすび 以上のとおりであるから、本件訂正請求は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する第126条第2項乃至第4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議申立について (本件発明) 本件特許第2702083号の請求項1ないし請求項3に係る発明は、訂正された特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし請求項3に記載されたとおりのものである。 (特許異議申立人の主張の概要) 特許異議申立人北村二郎は、甲第1号証として特開昭60-182727号公報、甲第2号証として特開昭63-106271号公報、甲第3号証として特開平2-132840号公報、甲第4号証として特開平2-121346号公報、甲第5号証として、特開昭63-139811号公報を提示して、訂正前の本件請求項1ないし請求項3に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と同一であるか、甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号あるいは特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである旨、主張している。 (甲各号証の記載内容) 特許異議申立人の提示した甲第1号証ないし甲第5号証は、訂正拒絶理由通知に引用した引用例1ないし引用例5であるから、各々上記2.(4)(引用例)に記載した発明が記載されている。 (対比・判断) 本件の請求項1ないし請求項3に係る発明と特許異議申立人の提示した甲各号証に記載された発明とを対比すると、上記2.(4)(対比)に記載した相違点があり、上記2.(4)(当審の判断)に記載した理由により、本件の請求項1ないし請求項3に係る発明は、特許異議申立人の提示した甲各号証に記載された発明と同一の発明でも、また、甲各号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 (むすび) 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件の請求項1ないし請求項3に係る発明の特許を取り消すことはできない。 また、他に本件の請求項1ないし請求項3に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 基板処理装置間のインターフェイス装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 基板を処理する第1のプロセス装置と第2のプロセス装置との間に介在設置されるインターフェイス装置において、前記両プロセス装置の基板搬送手段との間で基板を受渡しする基板載置用の支持ピンを備えた基板受渡し機構と、複数枚の基板が収納可能な基板保管部と、基板保管部と基板受渡し機構との間で基板の出し入れを行う基板収納搬出機構とを備え、 前記両プロセス装置にトラブルが発生していない場合は、上手側のプロセス装置の基板搬送手段が搬送してきた基板を前記基板受渡し機構が受け取って支持ピン上に支持するとともに、前記支持ピン上の基板を下手側のプロセス装置の基板搬送手段が取り出してゆくという通常運転を行い、 前記下手側のプロセス装置にトラブルが発生した場合は、前記上手側のプロセス装置から搬出されてきた基板を基板受渡し機構が受け取って支持ピン上に支持し、この支持ピン上の基板を前記基板収納搬出機構が受け取って前記基板保管部に順に収納し、 前記下手側のプロセス装置のトラブルが解消した場合は、前記基板収納搬出機構が、前記基板保管部に収納した順に基板を取り出して支持ピン上に受け渡し、この支持ピン上の基板を下手側のプロセス装置の基板搬送手段が取り出してゆき、 前記基板保管部に収納された全ての基板を下手側のプロセス装置に受け渡した後に前記通常運転に復帰するように構成したことを特徴とする基板処理装置間のインターフェイス装置。 【請求項2】 請求項1に記載の基板処理装置間のインターフェイス装置において、 前記基板保管部は、基板受渡し機構の側脇に基板を多段に収納可能なカセットを設置してなり、 前記基板収納搬出機構は、前記基板受渡し機構との間で基板の受渡しが可能で、昇降することによって前記基板保管部の任意の保管場所の前面に移動可能な基板保持アームを有し、前記基板保持アームを前記基板保管部に対して前後動させて、前記基板保管部の任意の保管場所に対する基板の出し入れを行うように構成したことを特徴とする基板処理装置間のインターフェイス装置。 【請求項3】 請求項1に記載の基板処理装置間のインターフェイス装置において、 前記基板受渡し機構により受渡しする基板の位置合わせを行う基板整合手段をさらに備え、前記基板整合手段は前記基板受渡し機構の支持ピンの両側に配設された一対の整合板を備え、この整合板を前記支持ピンに載置された基板の外縁に当接離間することによって基板の位置合わせを行うことを特徴とする基板処理装置間のインターフェイス装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、半導体ウエハや液晶表示器用のガラス基板等の各種の基板に、フォトレジスト塗布、露光、現像、エッチング等の各種の処理を順次施してゆく基板処理装置間に用いるインターフェイス装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 例えば、基板にフォトレジストを塗布して乾燥させる塗布プロセス装置、フォトレジストが塗布された基板を露光する露光装置、露光された基板を現像処理する現像プロセス装置等のプロセス装置は、それら幾種類かのプロセス装置を連設させて所要の処理ラインを構成するように設置される。 【0003】 なお、個々のプロセス装置は、単数または複数のプロセスユニットから構成される。例えば、塗布プロセス装置は、基板表面にレジスト密着強化剤の蒸気を接触させる密着強化処理ユニット、回転塗布処理ユニット、加熱ユニット、基板の温度を室温へ戻す冷却ユニット等から構成される。また、各プロセス装置は、基板を載置するアームを移動させることによって基板を搬送する基板搬送手段を備え、その周囲に各種プロセスユニットを配置して構成される。 【0004】 このような基板処理装置では、基板を二つのプロセス装置にわたって搬送するのであるが、プロセス装置間の基板の搬送は、両プロセス装置間にインターフェイス装置を設け、一方のプロセス装置の基板搬送手段からインターフェイス装置に一旦、基板を受渡し、その後、他方のプロセス装置の基板搬送手段が前記インターフェイス装置に載置された基板を受け取るようにしている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題点がある。 上述したインターフェイス装置は、基板を受け取る側(以下、下手側と称する)のプロセス装置がトラブル発生により停止した場合、基板の受渡しが不能にな、るので、基板を渡す側(以下、上手側と称する)プロセス装置も停止せざるを得ず、トラブルが解消されるまで全ての処理を停止しなければならず、プロセス装置の稼動効率が低いものとなっていた。 【0006】 また、上手側のプロセス装置で基板を搬送処理している間に基板の位置ズレが発生することがある。このような位置ズレの発生した基板がインターフェイス装置を介して、そのままの状態で下手側のプロセス装置に受渡されると、下手側のプロセス装置自身で生じる基板の位置ズレが上手側のプロセス装置での位置ズレに累積されることになる。そのため、下手側のプロセス装置で処理される基板の位置ズレが相当大きくなり、基板の搬送不良が発生して基板が脱落したり破損したりするおそれがある。 【0007】 本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、両プロセス装置間に介在させるインターフェイス装置において、一方のプロセス装置にトラブルが発生しても、他方のプロセス装置を停止させる必要がないインターフェイス装置を提供することを主目的としている。 【0008】 また、本発明の別の目的は、上記主目的に加えて、さらに一方のプロセス装置で基板の位置ズレが生じても、基板が受渡される他方のプロセス装置に、前記基板の位置ズレの影響がでない(すなわち、位置ズレが累積しない)ようにすることができるインターフェイス装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】 本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成を採る。 すなわち、請求項1に記載の発明に係る基板処理装置間のインターフェイス装置は、基板を処理する第1のプロセス装置と第2のプロセス装置との間に介在設置されるインターフェイス装置において、前記両プロセス装置の基板搬送手段との間で基板を受渡しする基板載置用の支持ピンを備えた基板受渡し機構と、複数枚の基板が収納可能な基板保管部と、基板保管部と基板受渡し機構との間で基板の出し入れを行う基板収納搬出機構とを備え、前記両プロセス装置にトラブルが発生していない場合は、上手側のプロセス装置の基板搬送手段が搬送してきた基板を前記基板受渡し機構が受け取って支持ピン上に支持するとともに、前記支持ピン上の基板を下手側のプロセス装置の基板搬送手段が取り出してゆくという通常運転を行い、前記下手側のプロセス装置にトラブルが発生した場合は、前記上手側のプロセス装置から搬出されてきた基板を基板受渡し機構が受け取って支持ピン上に支持し、この支持ピン上の基板を前記基板収納搬出機構が受け取って前記基板保管部に順に収納し、前記下手側のプロセス装置のトラブルが解消した場合は、前記基板収納搬出機構が、前記基板保管部に収納した順に基板を取り出して支持ピン上に受け渡し、この支持ピン上の基板を下手側のプロセス装置の基板搬送手段が取り出してゆき、前記基板保管部に収納された全ての基板を下手側のプロセス装置に受け渡した後に前記通常運転に復帰するように構成したことを特徴とするものである。 【0010】 請求項2に記載の発明に係る基板処理装置間のインターフェイス装置は、上記請求項1に記載の基板処理装置間のインターフェイス装置において、前記基板保管部は、基板受渡し機構の側脇に基板を多段に収納可能なカセットを設置してなり、前記基板収納搬出機構は、前記基板受渡し機構との間で基板の受渡しが可能で、昇降することによって前記基板保管部の任意の保管場所の前面に移動可能な基板保持アームを有し、前記基板保持アームを前記基板保管部に対して前後動させて、前記基板保管部の任意の保管場所に対する基板の出し入れを行うように構成したものである。 【0011】 請求項3に記載の発明に係る基板処理装置間のインターフェイス装置は、上記請求項1に記載の基板処理装置間のインターフェイス装置において、前記基板受渡し機構により受渡しする基板の位置合わせを行う基板整合手段をさらに備え、前記基板整合手段は前記基板受渡し機構の支持ピンの両側に配設された一対の整合板を備え、この整合板を前記支持ピンに載置された基板の外縁に当接離間することによって基板の位置合わせを行うことを特徴とするものである。 【0012】 【作用】 請求項1に記載の発明の構成によると、両プロセス装置にトラブルが発生していない場合は、上手側のプロセス装置から、本発明のインターフェース装置の基板受渡し機構の支持ピンに基板が受渡され、その基板受渡し機構を介して下手側のプロセス装置にその基板が受渡される。 【0013】 一方、下手側プロセス装置にトラブルが発生して処理不能となった場合、上手側プロセス装置から搬出されてきた基板は一旦インターフェース装置の基板受渡し機構に送りこまれる。基板受渡し機構の支持ピン上に載置された基板は、基板収納搬出機構によって基板保管部に収納保管される。上手側プロセス装置から搬出されてくる後続の基板も順次基板保管部に収納保管される。 【0014】 下手側プロセス装置のトラブルが解消すると、基板収納搬出機構により基板保管部に収納保管されていた基板が、基板保管部に収納された順に取り出されて基板受渡し機構へ搬出され、基板受渡し機構から下手側プロセス装置へ順次渡した後、上手側プロセス装置からの基板を受け取り、下手側プロセス装置へ基板を受渡すという通常運転状態に復帰する。 【0015】 請求項2に記載の発明の構成によると、下手側プロセス装置にトラブルが発生して処理不能となった場合、上手側プロセス装置から搬出されてきた基板は一旦インターフェース装置の基板受渡し機構に送りこまれる。基板収納搬出機構の基板保持アームは基板受渡し機構からその基板を受け取り、昇降することによって基板保管部の任意の保管場所の前面に移動し、基板保管部に対して前後動してその基板を基板保管部のカセット内の所定の保管場所に保管する。上手側プロセス装置から搬出されてくる後続の基板も順次基板保管部に別々の保管場所に収納保管される。 【0016】 下手側プロセス装置のトラブルが解消すると、基板保持アームにより基板保管部に収納されていた基板が、基板保管部に収納された順に取り出されて基板受渡し機構へ搬出され、基板受渡し機構から下手側プロセス装置へ順次渡した後、上手側プロセス装置からの基板を受け取り、下手側プロセス装置へ基板を受渡すという通常運転状態に復帰する。 【0017】 請求項3に記載の発明によれば、両プロセス装置にトラブルが発生していない場合は、上手側プロセス装置から、本発明のインターフェース装置の基板受渡し機構に基板が受渡されると、基板受渡し機構に付設された基板整合手段により基板の位置合わせが行われる。すなわち、基板受渡し機構の支持ピン上に基板が載置されると、支持ピンの両側に配設された一対の整合板が基板の外縁に当接離間することによって基板の位置合わせが行われる。その後、下手側プロセス装置にその基板が受渡される。 【0018】 一方、下手側プロセス装置にトラブルが発生して処理不能となった場合、上手側プロセス装置から搬出されてきた基板は一旦インターフェース装置の基板受渡し機構に送りこまれ、基板整合手段で位置合わせされた後、あるいは位置合わせを行うことなく、基板収納搬出機構によって基板保管部に収納保管される。上手側プロセス装置から搬出されてくる後続の基板も順次基板保管部に収納保管される。 【0019】 下手側プロセス装置のトラブルが解消すると、基板保持アームにより基板保管部に収納されていた基板が、基板保管部に収納された順に取り出されて基板受渡し機構へ搬出され、基板整合手段で位置合わせを行ってから(あるいは、位置合わせを行うことなく)、基板受渡し機構から下手側プロセス装置へ順次渡した後、上手側プロセス装置からの基板を受け取り、基板を位置合わせし、下手側プロセス装置へ基板を受渡すという通常運転状態に復帰する。 【0020】 なお、基板整合手段による基板の位置合わせは、基板保管部への収納保管動作の前後の少なくとも一方で行えばよい。 【0021】 【実施例】 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 図1は基板処理装置の要部の平面を示しており、図中の符号1は上手側のプロセス装置、2は下手側のプロセス装置、3は両プロセス装置1,2の間に介在された基板受渡し用のインターフェイス装置である。 【0022】 上手側のプロセス装置1は、基板搬送手段101によって複数個のプロセスユニット4に対して基板Wを順次的に搬入・搬出して複数の処理を基板Wに施すよう構成されたものである。また、下手側のプロセス装置2も同様に基板Wを搬入・搬出する基板搬送手段102と、複数個のプロセスユニット5とを備えている。 【0023】 なお、両プロセス装置1,2の基板搬送手段101,102における基板を載置する部分は、各プロセス装置内で基板Wを頻繁に搬送するものであるため、基板裏面を可能な限り汚染しないようにする必要があり、そのため、基板Wの外周の半分以上を囲む円弧部から、基板中心へ向けて延設した支持片が基板裏面を点接触に近い状態で支持する構造となっている。 【0024】 インターフェイス装置3には、図1および図2に示すように、上手側プロセス装置1の基板搬出部、および下手側プロセス装置2の基板搬入部に臨むように基板受渡し機構6が備えられるとともに、その側脇に基板Wを多段に収納可能なカセット7を設置してなる基板保管部8と、本発明の構成における基板収納搬出機構に対応するアーム9が設けられている。 【0025】 図3ないし図6に基板受渡し機構6の詳細を示す。 基板受渡し機構6には、載置した基板Wの中心部下面を吸着して保持するように構成された昇降および水平左右動自在なアーム9、昇降自在な基板載置用の3本の支持ピン10、支持ピン10上に載置された基板Wの位置合わせを行う基板整合手段11、位置決めされた基板Wを載置して昇降する基板仮受けアーム12、および基板整合手段11や基板仮受けアーム12の駆動手段が備えられており、以下各部の詳細な構造と作動を説明する。 【0026】 ベースフレーム13には中抜き状の固定フレーム14が立設されており、この固定フレーム14に上下方向にわたって架設された一対のガイド軸15に、昇降ブロック16がスライド軸受17を介して摺動自在に支持されている。昇降ブロック16は、ガイド軸15に並設された螺軸18にナット部材19を介して螺合されており、この螺軸18を固定フレーム14の上部に取り付けられたモータ20(図6参照)で正逆方向にベルト駆動することにより、昇降するようになっている。昇降ブロック16には、一対のブラケット21が設けられており、このブラケット21の上に昇降フレーム22が取付けられている。 【0027】 昇降フレーム22には、左右方向にガイドレール23が設けられており、このガイドレール23にアーム基台24が摺動自在に嵌め付けられている。このアーム基台24に立設された支持棒25の上部に、前記アーム9が水平状態に片持ち支持されている。このアーム9の先端部上面には、基板Wを真空吸着するための吸着孔9aが設けられている。 【0028】 また、昇降フレーム22には、ガイドレール23に平行して、無端状のベルト26が一対のプーリ27,28間に張設されており、このベルト26の一部がアーム基台24と連結されている。また、一方のプーリ27と主動プーリ29との間に無端状のベルト30が張設され、前記主動プーリ29をステッピングモータ31で正逆方向に駆動することにより、アーム基台24がガイドレール23に沿って左右に往復動するようになっている。 【0029】 基板整合手段11は、支持ピン10の両側にそれぞれ摺動自在に配設された整合板32a,32bに、凸上の複数個(実施例では各4個)の当接片33を基板Wと略同じ曲率になるように円弧上に配置して構成されたものであり、前記当接片33が支持ピン10上の基板Wの外縁に当接離間するように整合板32a,32bを往復駆動することにより、支持ピン10に対して基板Wの位置合わせを行うようになっている。 【0030】 そして、前記固定フレーム14の上面には、整合板32a,32bを摺動可能に支持するためのベース板34が、片持ち状に取り付けられている。このベース板34の中央部には、前記アーム9の支持棒25を導出するとともに、基板出し入れ時の支持棒25の左右移動を許容する長孔35が形成されている。この長孔35に直交する方向に、左右一対のガイドレール36aが設けられ、このガイドレール36aに摺動板37aが摺動自在に架設されている。この摺動板37aに立設した縦壁板38aの上端に方の整合板32aが支持板39aを介して支持されている。長孔35を挟んでガイドレール36aと対向する位置に同様の一対のガイドレール36bがあり、このガイドレール36bに摺動自在に架設された摺動板37bに、他方の整合板32bが縦壁板38bおよび支持板39bを介して支持されている。 【0031】 図4および図7に示すように、各摺動板32a,32bの下方には、支軸40を介してベース板34に揺動自在に取り付けられたリンク部材41がそれぞれ設けられている。各リンク部材41は、連結ピン42を介して摺動板37a,37bにそれぞれ長孔ピン結合されている。また、各リンク部材41の下方には、ベース板34上に設けられたガイドレール43に摺動自在に嵌め付けられたUの字形状のプッシャー板44があり、このプッシャー板44が連結ピン45を介して、各リンク部材41に長孔ピン結合されている。図7に示すように、前記プッシャー板44が、後述するカム構造によって同図の矢印方向に押し出されると、その作用力が連結ピン45を介して各リンク部材41に伝えられ、各リンク部材41は支軸40を中心にして矢印方向に揺動する。その結果、各リンク部材41の連結ピン42に連結された整合板32a,32bが互いに近づく方向に動き、図8に示すように、整合板32a,32bに設けられた各当接片33が基板Wの外縁に当接する。 【0032】 次に、支持ピン10を上下方向に移動可能に支持するピン支持手段について説明する。 図3および図5に示すように、整合板32a,32bの間にある3本の支持ピン10は、Uの字状の支持板46に支持されている。支持板46の基部は昇降部材47に連結されており、この昇降部材47が固定フレーム14に上下方向に取り付けられたガイドレール48に摺動自在に嵌め付けられている。図5に示すように、昇降部材47はコイルバネ49によって下方向に付勢されており、アーム9が下降している状態では、同図に示したような下限位置にある。 【0033】 なお、整合板32a,32bに設けられた当接片33の上端、および下限位置にある支持ピン10の上端を、図2に示したように、カセット7の最下段にある基板収納高さよりも低い位置になるように設定することにより、アーム9がカセット7に対して基板Wを出し入れする際に、当接片33や支持ピン10が基板搬送の障害にならないようにしている。 【0034】 次に、上述した当接片33や支持ピン10を駆動する手段について説明する。 図4に示すように、固定フレーム14の一方の側壁にガイドレール50が上下方向に設けられており、このガイドレール50に、可動部材51が摺動自在に嵌め付けられており、この可動部材51に連結したプレート部材52にカム部材53が連結されている。カム部材53が設けられた固定フレーム14の側壁の内側にエアーシリンダ54が取り付けられており、このエアーシリンダ54のロッド54aが前記カム部材53およびプレート部材52の上端に、連結部材55を介して連結されている。カム部材53に形成されたカム溝56の作動曲面は、その上方がプッシャー板44のスライド方向に凸状態になるような湾曲部分56aをもち、湾曲部分56aの下方は鉛直に延びている。このカム部材53に、Lの字状の従動部材57の下方に取り付けられたカムアフォロア58が嵌入されており、この従動部材57の他端がプッシャー板44に連結されている。 【0035】 図4に示すように、カム部材53を連結したプレート部材52の下方には、押し上げ部材59が、昇降部材47の下向き段部47aと離間した状態で取り付けられており、カム部材53が上昇駆動されている途中で、この押し上げ部材59が昇降部材47の下向き段部47aに当接することにより、その後のカム部材53の上昇に伴って押し上げ部材59がコイルバネ49の付勢力に抗して昇降部材47を押し上げて支持ピン10が上昇するように構成されている。 【0036】 また、図3および図4に示すように、固定フレーム14の他方の側壁の上下に設けたブラケット60にわたって一対のガイド軸61とロッドレスシリンダ62が鉛直に架設されるとともに、ロッドレスシリンダ62によって昇降される可動部材63がこれらに外嵌支持されている。この可動部材63から立設した支持部材64の上端に連結部材65を介して前記基板仮受けアーム12が片持ち状に取付けられている。この基板仮受けアーム12の上面には載置した基板Wが万一ズレた場合に落下するのを阻止するための小突起66が備えられている。 【0037】 なお、基板仮受けアーム12の昇降ストロークは、基板支持ピン10が下限位置にある状態で支持した基板より下方の位置から、アーム9がカセット7内の最上段の基板収納高さへ基板を出し入れする際にアーム9に対して基板仮受けアーム12が支障とならない高さに達する上下範囲である。 【0038】 本発明は、以上のように構成されたものであり、次にその作動について説明する。 (1)プロセス装置1からプロセス装置2への通常の受渡しにおいては、プロセス装置1から搬出されてきた基板Wは先ず支持ピン10上に載置される。 【0039】 (2)次にエアーシリンダ54が伸長作動してカム部材53が上昇し、その上昇初期においてカムフォロア58がカム溝56の湾曲部分56aに作用してプッシャー板44か図上左方へ移動され、基板整合手段11の整合板32a-32bが互いに接近作動して基板Wの位置決めがなされる。 【0040】 (3)引き続くカム部材53の上昇に伴って整合板32a,32bが基板Wから離反する。 【0041】 (4)プレート部材52の一層の上昇に伴って押上げ部材59が昇降部材47の下向き段部47aに当接して、以後はプレート部材52と一体に昇降部材47が上昇し、位置決めされた基板Wを載置した支持ピン10が上昇して所定高さで待機する。 【0042】 (5)その後、プロセス装置2のプロセス搬送ユニットが支持ピン10上の基板Wを取り出してゆく。 【0043】 以上の基板受渡し作動において、例えばプロセス装置2でトラブルが発生して基板受入れが不能となった場合で、とくに、支持ピン10がプロセス装置1から基板Wを受け取ったものの、まだプロセス装置2へ渡していない時にプロセス装置2のトラブルが発生した場合、ロッドレスシリンダ62を上昇作動させて基板仮受アーム12上に基板Wを受取り、図2に示したアーム9の上限位置よりも、高い位置で基板仮受アーム12を上昇待機させることによって、支持ピン10はプロセス装置1から基板Wをすぐに受け取れる状態となる。その後プロセス装置1から排出されてくる基板Wを前述のように支持ピン10上に受取り、位置決めしたのち、可動ブロック16を上昇させてアーム9上に支持ピン10上の基板Wを移載保持し、ステッピングモータ31を作動させてアーム9を基板保管部8へ移動させ、カセット7の例えば最上段に基板Wを収納する。 【0044】 プロセス装置2のトラブルが解消されるまでの間、プロセス装置1からの基板Wを上記要領で基板保管部8へ順次搬送して保管してゆく。この間、トラブル発生直後に、支持ピン10から基板仮受けアーム12が保持した基板Wは基板仮受けアーム12が保持したままである。 【0045】 なお、プロセス装置2のトラブルが解消するまでの間にプロセス装置1から基板保管部8へ搬送されて来る基板Wとは、プロセス装置2のトラブルが発生した時に、プロセス装置1内にあった基板Wである。つまり、プロセス装置2でトラブルが発生した時点で、プロセス装置1への新たな基板Wの供給は停止されるが、すでにプロセス装置1内にある基板Wに対する処理は停止することなく継続し、それら基板Wが、基板保管部8に受け取られたのである。 【0046】 下手側プロセス装置2でのトラブルが解消すると、基板仮受けアーム12を下降させて、これに搭載保管していた基板Wを最初に支持ピン10上に移載し、基板仮受けアーム12上で基板がズレているかも知れないことを考慮して、基板整合手段11によって基板Wの位置決めを行ってから、プロセス装置2へ送り出し、以後は基板受渡し機構6に搬入してきた順序で基板保管部8に収納した基板Wを取り出してプロセス装置2へ排出してゆく。 【0047】 以上のように、インターフェイス装置3は、下手側のプロセス装置2でトラブルが発生すると、ただちに、支持ピン10で支持されている基板Wを基板仮受けアーム12が上方へ持ち上げることにより、インターフェイス装置3は上手側プロセス装置1から基板Wを受け取れる状態となり、上手側プロセス装置1を停止させることなく、上手側のプロセス装置1からの基板Wをインターフェイス装置3が受け取る。なお、それ以後は、上手側のプロセス装置1が基板Wを処理する周期でしかインターフェイス装置3へ基板Wが渡されないので、インターフェイス装置3は、アーム9が基板保管部8へ基板Wを収納するのに十分な時間間隔を持って、基板Wを受け取る。このように、インターフェイス装置3の基板受渡し機構6に基板がある時に、下手側プロセス装置2にトラブルが発生しても、上手側プロセス装置1に影響を及ぼすことなく、基板の保管を行うことができる。 【0048】 なお、インターフェイス装置3における基板仮受けアーム12から基板受渡し機構6へ基板Wを移載する際に、基板整合手段11で位置決めを行ったが、これは前述したように基板仮受けアーム12上で基板がズレたかもしれないことを考慮したためであり、そのようなおそれのがない場合には、かかる位置決めをする必要はない。 【0049】 また、上述の実施例では、プロセス装置1が上手側のプロセス装置で、プロセス装置2が下手側のプロセス装置であるとして、基板Wの移動は、プロセス装置1からプロセス装置2へ向かう一方通行としたが、次のようにしてもよい。 【0050】 すなわち、未処理基板を供給したり処理済み基板を回収する基板供給回収装置を、プロセス装置1に隣接し、基板供給回収装置から供給された未処理基板をプロセス装置1で第1の処理をし、インターフェイス装置3を介してプロセス装置2へ搬送して、プロセス装置2で第2の処理をし、しかる後に、処理済み基板をインターフェイス装置3を介してプロセス装置1を経て、基板供給回収装置へ回収させるようにしてもよく、インターフェイス装置3は、プロセス装置1からプロセス装置2へ搬送される処理中の基板と、プロセス装置2からプロセス装置1へ戻る処理済み基板の双方を受け渡すようにしてもよい。 【0051】 なお、この場合、処理中の基板に関してはプロセス装置1が上手側で、プロセス装置2が下手側であり、処理済み基板に関してはプロセス装置2が上手側で、プロセス装置1が下手側である。 【0052】 また、上述の実施例で説明した基板受渡し機構や、基板受渡し機構と基板保管部との間で基板を出し入れする基板収納搬出機構、さらには基板仮受けアームを駆動する機構などは、種々変更実施可能であり、実施例で説明したものに限定されるものではない。 【0053】 【発明の効果】 以上の説明から明らかなように、請求項1ないし3に記載の発明によれば、下手側プロセス装置にトラブルがあって基板受入れが不能となっても、上手側プロセス装置からの基板を基板受渡し機構の支持ピンを介して基板保管部に収納保管しながら上手側プロセス装置の運転を続行することができ、基板処理装置の稼動効率を低下させることなく連続処理を行うことができる。しかも、基板保管部から基板を取り出す際は、基板保管部に収納した順に基板を取り出すように構成しているので、上手側プロセス装置から搬出された順に下手側プロセス装置に基板を引き渡していくことができ、基板の順番が途中で入れ替わるようなこともなく、連続して行われる複数枚の基板への処理を正確にかつスムーズに行うことができる。 【0054】 特に、請求項2に記載の発明によれば、基板受渡し機構との間で基板の受渡しが可能で、昇降することによって基板保管部の任意の保管場所の前面に移動可能な基板保持アームを基板保管部に対して前後動させて、基板保管部の任意の保管場所に対する基板の出し入れを行うように基板収納搬出機構を構成しているので、基板収納搬出機構を簡単な構成で、かつ、コンパクトに実現することができる。 【0055】 また、請求項3に記載の発明によれば、支持ピン上の基板の外縁に一対の整合板を当接離間させることによって基板の位置合わせを行う基板整合手段を備えることから、プロセス装置にトラブルが発生していない通常運転状態の場合は、上手側のプロセス装置から受け取った基板を下手側のプロセス装置に渡す前に基板の位置合わせが行われ、また、下手側のプロセス装置にトラブルが発生した場合には、基板保管部へ基板を保管収納する前に、あるいは基板保管部から基板を取り出した後に、基板整合手段によって基板の位置合わせが行われるので、いずれにしても上手側のプロセス装置で発生した基板の位置ズレが下手側のプロセス装置に影響を及ぼすことがなく、下手側のプロセス装置における基板搬送を円滑に行わせることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明に係る基板処理装置間のインターフェイス装置の要部平面図である。 【図2】 インターフェイス装置の側面図である。 【図3】 基板受渡し機構の平面図である。 【図4】 基板受渡し機構の側面図である。 【図5】 基板受渡し機構の正面図である。 【図6】 基板収納機構を抜き出して示した斜視図である。 【図7】 基板位置決め機構の動作説明図である。 【図8】 基板位置決め機構の動作説明図である。 【符号の説明】 1…上手側プロセス装置 2…下手側プロセス装置 3…インターフェイス装置 6…基板受渡し機構 8…基板保管部 9…アーム(基板収納搬出機構) 11…基板整合手段 |
訂正の要旨 |
1.訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1ないし請求項3、 「【請求項1】基板を処理する第1のプロセス装置と第2のプロセス装置との間に介在設置されるインターフェイス装置において、前記両プロセス装置の基板搬送手段との間で基板を受渡しする基板受渡し機構と、複数枚の基板が収納可能な基板保管部と、基板保管部と基板受渡し機構との間で基板の出し入れを行う基板収納搬出機構とを備え、前記基板収納搬出機構は、基板保管部から基板を取り出す際、前記基板保管部に収納した順に基板を取り出すように構成したことを特徴とする基板処理装置間のインターフェイス装置。 【請求項2】請求項1に記載の基板処理装置間のインターフェイス装置において、前記基板収納搬出機構は、前記基板受渡し機構との間で基板の受渡しが可能で、前記基板保管部の任意の保管場所の前面に移動可能な基板保持アームを有し、前記基板保持アームを前記基板保管部に対して前後動させて、前記基板保管部の任意の保管場所に対する基板の出し入れを行うように構成したことを特徴とする基板処理装置間のインターフェイス装置。 【請求項3】請求項1に記載の基板処理装置間のインターフェイス装置において、前記基板受渡し機構により受渡しする基板の位置合わせを行う基板整合手段をさらに備えたことを特徴とする基板処理装置間のインターフェイス装置。」 を、 「【請求項1】基板を処理する第1のプロセス装置と第2のプロセス装置との間に介在設置されるインターフェイス装置において、前記両プロセス装置の基板搬送手段との間で基板を受渡しする基板載置用の支持ピンを備えた基板受渡し機構と、複数枚の基板が収納可能な基板保管部と、基板保管部と基板受渡し機構との間で基板の出し入れを行う基板収納搬出機構とを備え、前記両プロセス装置にトラブルが発生していない場合は、上手側のプロセス装置の基板搬送手段が搬送してきた基板を前記基板受渡し機構が受け取って支持ピン上に支持するとともに、前記支持ピン上の基板を下手側のプロセス装置の基板搬送手段が取り出してゆくという通常運転を行い、前記下手側のプロセス装置にトラブルが発生した場合は、前記上手側のプロセス装置から搬出されてきた基板を基板受渡し機構が受け取って支持ピン上に支持し、この支持ピン上の基板を前記基板収納搬出機構が受け取って前記基板保管部に収納し、前記下手側のプロセス装置のトラブルが解消した場合は、前記基板収納搬出機構が、前記基板保管部に収納した順に基板を取り出して支持ピン上に受け渡し、この支持ピン上の基板を下手側のプロセス装置の基板搬送手段が取り出してゆき、前記基板保管部に収納された全ての基板を下手側のプロセス装置に受け渡した後に前記通常運転に復帰するように構成したことを特徴とする基板処理装置間のインターフェイス装置。 【請求項2】請求項1に記載の基板処理装置間のインターフェイス装置において、前記基板保管部は、基板受渡し機構の側脇に基板を多段に収納可能なカセットを設置してなり、前記基板収納搬出機構は、前記基板受渡し機構との間で基板の受渡しが可能で、昇降することによって前記基板保管部の任意の保管場所の前面に移動可能な基板保持アームを有し、前記基板保持アームを前記基板保管部に対して前後動させて、前記基板保管部の任意の保管場所に対する基板の出し入れを行うように構成したことを特徴とする基板処理装置間のインターフェイス装置。 【請求項3】請求項1に記載の基板処理装置間のインターフェイス装置において、前記基板受渡し機構により受渡しする基板の位置合わせを行う基板整合手段をさらに備え、前記基板整合手段は前記基板受渡し機構の支持ピンの両側に配設された一対の整合板を備え、この整合板を前記支持ピンに載置された基板の外縁に当接離間することによって基板の位置合わせを行うことを特徴とする基板処理装置間のインターフェイス装置。」 と訂正する。 2.訂正事項2 明細書の段落番号【0009】 「【課題を解決するための手段】 本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成を採る。すなわち、請求項1に記載の発明に係る基板処理装置間のインターフェイス装置は、基板を処理する第1のプロセス装置と第2のプロセス装置との間に介在設置されるインターフェイス装置において、前記両プロセス装置の基板搬送手段との間で基板を受渡しする基板受渡し機構と、複数枚の基板が収納可能な基板保管部と、基板保管部と基板受渡し機構との間で基板の出し入れを行う基板収納搬出機構とを備え、前記基板収納搬出機構は、基板保管部から基板を取り出す際、前記基板保管部に収納した順に基板を取り出すように構成したことを特徴とするものである。」 を、 「【課題を解決するための手段】 本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成を採る。すなわち、請求項1に記載の発明に係る基板処理装置間のインターフェイス装置は、基板を処理する第1のプロセス装置と第2のプロセス装置との間に介在設置されるインターフェイス装置において、前記両プロセス装置の基板搬送手段との間で基板を受渡しする基板載置用の支持ピンを備えた基板受渡し機構と、複数枚の基板が収納可能な基板保管部と、基板保管部と基板受渡し機構との間で基板の出し入れを行う基板収納搬出機構とを備え、前記両プロセス装置にトラブルが発生していない場合は、上手側のプロセス装置の基板搬送手段が搬送してきた基板を前記基板受渡し機構が受け取って支持ピン上に支持するとともに、前記支持ピン上の基板を下手側のプロセス装置の基板搬送手段が取り出してゆくという通常運転を行い、前記下手側のプロセス装置にトラブルが発生した場合は、前記上手側のプロセス装置から搬出されてきた基板を基板受渡し機構が受け取って支持ピン上に支持し、この支持ピン上の基板を前記基板収納搬出機構が受け取って前記基板保管部に収納し、前記下手側のプロセス装置のトラブルが解消した場合は、前記基板収納搬出機構が、前記基板保管部に収納した順に基板を取り出して支持ピン上に受け渡し、この支持ピン上の基板を下手側のプロセス装置の基板搬送手段が取り出してゆき、前記基板保管部に収納された全ての基板を下手側のプロセス装置に受け渡した後に前記通常運転に復帰するように構成したことを特徴とするものである。」 と訂正する。 3.訂正事項3 明細書の段落番号【0010】 「請求項2に記載の発明に係る基板処理装置間のインターフェイス装置は、上記請求項1に記載の基板処理装置間のインターフェイス装置において、前記基板収納搬出機構は、前記基板受渡し機構との間で基板の受渡しが可能で、前記基板保管部の任意の保管場所の前面に移動可能な基板保持アームを有し、前記基板保持アームを前記基板保管部に対して前後動させて、前記基板保管部の任意の保管場所に対する基板の出し入れを行うように構成したものである。」 を、 「請求項2に記載の発明に係る基板処理装置間のインターフェイス装置は、上記請求項1に記載の基板処理装置間のインターフェイス装置において、前記基板保管部は、基板受渡し機構の側脇に基板を多段に収納可能なカセットを設置してなり、前記基板収納搬出機構は、前記基板受渡し機構との間で基板の受渡しが可能で、昇降することによって前記基板保管部の任意の保管場所の前面に移動可能な基板保持アームを有し、前記基板保持アームを前記基板保管部に対して前後動させて、前記基板保管部の任意の保管場所に対する基板の出し入れを行うように構成したものである。」 と訂正する。 4.訂正事項4 明細書の段落番号【0011】 「請求項3に記載の発明に係る基板処理装置間のインターフェイス装置は、上記請求項1に記載の基板処理装置間のインターフェイス装置において、前記基板受渡し機構により受渡しする基板の位置合わせを行う基板整合手段をさらに備えたことを特徴とするものである。」 を、 「請求項3に記載の発明に係る基板処理装置間のインターフェイス装置は、上記請求項1に記載の基板処理装置間のインターフェイス装置において、前記基板受渡し機構により受渡しする基板の位置合わせを行う基板整合手段をさらに備え、前記基板整合手段は前記基板受渡し機構の支持ピンの両側に配設された一対の整合板を備え、この整合板を前記支持ピンに載置された基板の外縁に当接離間することによって基板の位置合わせを行うことを特徴とするものである。」 と訂正する。 5.訂正事項5 明細書の段落番号【0012】 「【作用】 請求項1に記載の発明の構成によると、両プロセス装置にトラブルが発生していない場合は、上手側のプロセス装置から、本発明のインターフェース装置の基板受渡し機構に基板が受渡され、その基板受渡し機構を介して下手側のプロセス装置にその基板が受渡される。」 を、 「【作用】 請求項1に記載の発明の構成によると、両プロセス装置にトラブルが発生していない場合は、上手側のプロセス装置から、本発明のインターフェース装置の基板受渡し機構の支持ピンに基板が受渡され、その基板受渡し機構を介して下手側のプロセス装置にその基板が受渡される。」 と訂正する。 6.訂正事項6 明細書の段落番号【0013】 「一方、下手側プロセス装置にトラブルが発生して処理不能となった場合、上手側プロセス装置から搬出されてきた基板は一旦インターフェース装置の基板受渡し機構に送りこまれ、基板収納搬出機構によって基板保管部に収納保管される。上手側プロセス装置から搬出されてくる後続の基板も順次基板保管部に収納保管される。」 を、 「一方、下手側プロセス装置にトラブルが発生して処理不能となった場合、上手側プロセス装置から搬出されてきた基板は一旦インターフェース装置の基板受渡し機構に送りこまれる。基板受渡し機構の支持ピン上に載置された基板は、基板収納搬出機構によって基板保管部に収納保管される。上手側プロセス装置から搬出されてくる後続の基板も順次基板保管部に収納保管される。」 と訂正する。 7.訂正事項7 明細書の段落番号【0015】 「請求項2に記載の発明の構成によると、下手側プロセス装置にトラブルが発生して処理不能となった場合、上手側プロセス装置から搬出されてきた基板は一旦インターフェース装置の基板受渡し機構に送りこまれる。基板収納搬出機構の基板保持アームは基板受渡し機構からその基板を受け取り、基板保管部の任意の保管場所の前面に移動し、基板保管部に対して前後動してその基板を基板保管部の所定の保管場所に保管する。上手側プロセス装置から搬出されてくる後続の基板も順次基板保管部に別々の保管場所に収納保管される。」 を、 「請求項2に記載の発明の構成によると、下手側プロセス装置にトラブルが発生して処理不能となった場合、上手側プロセス装置から搬出されてきた基板は一旦インターフェース装置の基板受渡し機構に送りこまれる。基板収納搬出機構の基板保持アームは基板受渡し機構からその基板を受け取り、昇降することによって基板保管部の任意の保管場所の前面に移動し、基板保管部に対して前後動してその基板を基板保管部のカセット内の所定の保管場所に保管する。上手側プロセス装置から搬出されてくる後続の基板も順次基板保管部に別々の保管場所に収納保管される。」 と訂正する。 8.訂正事項8 明細書の段落番号【0017】 「請求項3に記載の発明によれば、両プロセス装置にトラブルが発生していない場合は、上手側プロセス装置から、本発明のインターフェース装置の基板受渡し機構に基板が受渡されると、基板受渡し機構に付設された基板整合手段により基板の位置合わせが行われ、その後、下手側プロセス装置にその基板が受渡される。」 を、 「請求項3に記載の発明によれば、両プロセス装置にトラブルが発生していない場合は、上手側プロセス装置から、本発明のインターフェース装置の基板受渡し機構に基板が受渡されると、基板受渡し機構に付設された基板整合手段により基板の位置合わせが行われる。すなわち、基板受渡し機構の支持ピン上に基板が載置されると、支持ピンの両側に配設された一対の整合板が基板の外縁に当接離間することによって基板の位置合わせが行われる。その後、下手側プロセス装置にその基板が受渡される。」 と訂正する。 9.訂正事項9 明細書の段落番号【0053】 「【発明の効果】 以上の説明から明らかなように、請求項1ないし3に記載の発明によれば、下手側プロセス装置にトラブルがあって基板受入れが不能となっても、上手側プロセス装置からの基板をインターフェイス装置の基板保管部に収納保管しながら上手側プロセス装置の運転を続行することができ、基板処理装置の稼動効率を低下させることなく連続処理を行うことができる。しかも、基板保管部から基板を取り出す際は、基板保管部に収納した順に基板を取り出すように構成しているので、上手側プロセス装置から搬出された順に下手側プロセス装置に基板を引き渡してくことができ、基板の順番が途中で入れ替わるようなこともなく、連続して行われる複数枚の基板への処理を正確にかつスムーズに行うことができる。」 を、 「【発明の効果】 以上の説明から明らかなように、請求項1ないし3に記載の発明によれば、下手側プロセス装置にトラブルがあって基板受入れが不能となっても、上手側プロセス装置からの基板を基板受渡し機構の支持ピンを介して基板保管部に収納保管しながら上手側プロセス装置の運転を続行することができ、基板処理装置の稼動効率を低下させることなく連続処理を行うことができる。しかも、基板保管部から基板を取り出す際は、基板保管部に収納した順に基板を取り出すように構成しているので、上手側プロセス装置から搬出された順に下手側プロセス装置に基板を引き渡していくことができ、基板の順番が途中で入れ替わるようなこともなく、連続して行われる複数枚の基板への処理を正確にかつスムーズに行うことができる。」 と訂正する。 10.訂正事項10 明細書の段落番号【0054】 「特に、請求項2に記載の発明によれば、基板受渡し機構との間で基板の受渡しが可能で、基板保管部の任意の保管場所の前面に移動可能な基板保持アームを基板保管部に対して前後動させて、基板保管部の任意の保管場所に対する基板の出し入れを行うように基板収納搬出機構を構成しているので、基板収納搬出機構を簡単な構成で、かつ、コンパクトに実現することができる。」 を、 「特に、請求項2に記載の発明によれば、基板受渡し機構との間で基板の受渡しが可能で、昇降することによって基板保管部の任意の保管場所の前面に移動可能な基板保持アームを基板保管部に対して前後動させて、基板保管部の任意の保管場所に対する基板の出し入れを行うように基板収納搬出機構を構成しているので、基板収納搬出機構を簡単な構成で、かつ、コンパクトに実現することができる。」 と訂正する。 11.訂正事項11 明細書の段落番号【0055】 「また、請求項3に記載の発明によれば、基板整合手段を備えることから、プロセス装置にトラブルが発生していない通常運転状態の場合は、上手側のプロセス装置から受け取った基板を下手側のプロセス装置に渡す前に基板の位置合わせが行われ、また、下手側のプロセス装置にトラブルが発生した場合には、基板保管部へ基板を保管収納する前に、あるいは基板保管部から基板を取り出した後に、基板整合手段によって基板の位置合わせが行われるので、いずれにしても上手側のプロセス装置で発生した基板の位置ズレが下手側のプロセス装置に影響を及ぼすことがなく、下手側のプロセス装置における基板搬送を円滑に行わせることができる。」 を、 「また、請求項3に記載の発明によれば、支持ピン上の基板の外縁に一対の整合板を当接離間させることによって基板の位置合わせを行う基板整合手段を備えることから、プロセス装置にトラブルが発生していない通常運転状態の場合は、上手側のプロセス装置から受け取った基板を下手側のプロセス装置に渡す前に基板の位置合わせが行われ、また、下手側のプロセス装置にトラブルが発生した場合には、基板保管部へ基板を保管収納する前に、あるいは基板保管部から基板を取り出した後に、基板整合手段によって基板の位置合わせが行われるので、いずれにしても上手側のプロセス装置で発生した基板の位置ズレが下手側のプロセス装置に影響を及ぼすことがなく、下手側のプロセス装置における基板搬送を円滑に行わせることができる。」 と訂正する。 |
異議決定日 | 2000-04-12 |
出願番号 | 特願平6-331161 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(H01L)
P 1 651・ 113- YA (H01L) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 小田 裕、中西 一友 |
特許庁審判長 |
豊岡 静男 |
特許庁審判官 |
稲積 義登 東森 秀朋 |
登録日 | 1997-10-03 |
登録番号 | 特許第2702083号(P2702083) |
権利者 | 大日本スクリーン製造株式会社 |
発明の名称 | 基板処理装置間のインターフェイス装置 |
代理人 | 杉谷 勉 |
代理人 | 杉谷 勉 |