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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A61K
審判 全部申し立て 2項進歩性  A61K
管理番号 1023948
異議申立番号 異議1999-73282  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1991-05-07 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-08-30 
確定日 2000-05-24 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2866114号「化粧料」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2866114号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 
理由 (I)手続の経緯
特許第2866114号の発明についての出願は、平成1年9月20日に特許出願され、平成10年12月18日にその発明について特許の設定登録がなされ、その後、その特許について、桜井博及び岡本員明より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年4月13日に訂正請求がなされたものである。
(II)訂正の適否についての判断
ア.訂正の内容
特許権者は、以下のa〜hの訂正を請求する。
訂正a
特許請求の範囲の
「(請求項1)
レシチンと、有機酸の二価金属塩が含有されていることを特徴とする化粧料。
(請求項2)
分子内に2個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールと、レシチンと、有機酸の二価金属塩が含有されていることを特徴とする化粧料。
(請求項3)
分子内に3個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールと、有機酸の二価金属塩が含有されていることを特徴とする化粧料。」を、
「(請求項1)
分子内に3個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールであって、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、澱粉分解糖、還元アルコール糖の中から選ばれる一種または二種以上を10〜40重量%と、有機酸の二価金属塩が含有されていることを特徴とする化粧料。
(請求項2)
さらにレシチンが含有されていることを特徴とする請求項1記載の化粧料。」と訂正する。
訂正b
明細書第2頁18行目〜第3頁2行目の
「すなわち、・・・化粧料である。」を
「すなわち、本発明は、分子内に3個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールであって、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、澱粉分解糖、還元アルコール糖の中から選ばれる一種または二種以上を10〜40重量%と、有機酸の二価金属塩が含有されていることを特徴とする化粧料に関する。
また本発明は、さらにレシチンが含有されていることを特徴とする上記化粧料に関する。
本発明は、保湿効果に優れ、かつ使用性良好な化粧料である。」と訂正する。
訂正c
明細書第3頁4〜20行目の「本発明において、・・・より顕著な効果を示す。」を「本発明において用いられる水溶性多価アルコールは分子内に水酸基を3個以上有するものであって、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、澱粉分解糖、還元アルコール糖の中から選ばれる一種または二種以上が用いられる。」
と訂正する。
訂正d
明細書第4頁1〜7行目の「本発明に用いられる・・・充分抑えられない。」を「本発明に用いられる分子内に3個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールの配合量は、化粧料全量中の10〜40重量%であり、特に10〜30重量%配合した化粧料において本発明の効果が顕著である。10重量%未満では十分な保湿効果が得られず、40重量%を超える量を配合した場合はべたつきを充分抑えられない。」と訂正する。
訂正e
明細書第5頁19行目の「分子内に・・・水酸基」を「分子内に3個以上の水酸基」と訂正する。
訂正f
明細書第6頁12行目の「調整」を「調製」と訂正する。
訂正g
明細書第10頁6行目の「実施例4」を「参考例1」と訂正する。
訂正h
明細書第11頁7行目の「実施例2〜4の化粧料」を「実施例2〜3、参考例1の化粧料」と訂正する。
イ.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正aは、請求項1を削除し、請求項3について、分子内に3個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールを明細書の発明の詳細な説明に具体的に列記されたグリセリン等に限定し、その配合量を、明細書の発明の詳細な説明に記載された好ましい配合量の上限値である40重量%、及び、特に効果が顕著である配合量の下限値である10重量%の記載に基づいて10〜40重量%の範囲に限定して、請求項1とし、請求項2について、分子内に2個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールを明細書の発明の詳細な説明に具体的に列記されたグリセリン等に限定し、その配合量を、明細書の発明の詳細な説明に記載された好ましい配合量の上限値である40重量%、及び、特に効果が顕著である配合量の下限値である10重量%の記載に基づいて10〜40重量%の範囲に限定して、請求項2としたものといえるから、特許請求の範囲の減縮に該当するものであり、新規事項の追加に該当しない。
訂正b〜hは、いずれも、特許請求の範囲の記載内容に発明の詳細な説明の記載を整合させるものといえるから、明りようでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当しない。
そして、上記いずれの訂正も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
ウ.独立特許要件
上記訂正aにより訂正された請求項1〜2に係る発明は、後記することから明らかなように、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する第126条第2〜4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
(III)特許異議の申立てについて
ア.本件発明
本件発明は、訂正した明細書の特許請求の範囲に記載された、以下のとおりのものである。
(請求項1)
分子内に3個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールであって、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、澱粉分解糖、還元アルコール糖の中から選ばれる一種または二種以上を10〜40重量%と、有機酸の二価金属塩が含有されていることを特徴とする化粧料。
(請求項2)
さらにレシチンが含有されていることを特徴とする請求項1記載の化粧料。
イ.申立ての理由の概要
これに対し、特許異議申立人桜井博(以下、申立人Aという。)は、証拠として
甲第1号証:特開昭62-209010号公報
甲第2号証:化粧品科学研究会編「最新化粧品科学」薬事日報社昭和55年4月10日発行、第33頁
を提示し、本件請求項1〜3に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であるから特許法第29条第1項に該当し、また甲第1〜2号証の記載に基づいて当業者が容易になし得た発明であるから特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである旨主張する。
また、特許異議申立人岡本員明(以下、申立人Bという。)は、証拠として
甲第1号証:特開昭62-209010号公報
甲第2号証:Cosmetics and Toiletries,(1986),第101巻第11号,第140頁
甲第3号証:米国特許第4446165号明細書
を提示し、本件請求項1〜3に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であり、本件請求項3に係る発明は甲第2号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、本件請求項1に係る発明は、甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである旨主張している。
ウ.判断
そこで、これら特許異議申立人の主張について、以下検討する。
(申立人Aの主張について)
甲第1号証は、ムコ多糖類と、リン脂質と、無機塩類とを必須に含有することを特徴とする化粧料に関するものであり、その実施例3として、グリセリン0.5重量%、グルコース0.1重量%、クエン酸及び塩化カルシウム、並びに、大豆水添レシチンを含有するものが記載されている。
甲第2号証には、クエン酸、パラフェノールスルホン酸亜鉛、及び、ソルビット2.0%、グリセリン3.0%を含有する収斂性化粧水が記載されている。
ここで、本件請求項1に係る発明(以下、本件発明という。)と甲第1号証記載のものとを対比すると、甲第1号証記載のクエン酸及び塩化カルシウムは、ともに、本件発明にいう有機酸の二価金属塩の構成成分として例示されているものであることから、両者は、分子内に3個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールであるグリセリン及びグルコース、並びに、有機酸の二価金属塩であるクエン酸及び塩化カルシウムを含有する化粧料である点で軌を一にし、ただ、本件発明は、上記水溶性多価アルコールの配合量が10〜40重量%であるのに対し、甲第1号証記載のものでは、合計で0.6重量%にとどまるものである点で相違する。
この点について、甲第2号証の記載をみると、分子内に3個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールであるソルビットとグリセリンの配合量は合計で5.0%にとどまり、本件発明の水溶性多価アルコールの配合量である10〜40重量%を示唆するものではない。
そして本件発明は、水溶性多価アルコールの配合量を10〜40重量%とすることにより、有機酸の二価金属塩によってべたつきを抑えつつ、十分な保湿効果を発揮する化粧料を提供するという明細書記載の作用効果を生じ得たものであり、このような作用効果は、べたつきを抑えることについて何らの記載もない甲第1及び2号証の記載からは予測し得たものとはいえない。
したがって、本件発明は、甲第1号証に記載された発明でないばかりか、甲第1〜2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
また、本件請求項2に係る発明は、本件発明の化粧料に、さらにレシチンを配合した化粧料の発明であるから、本件発明についての理由と同様の理由により、甲第1号証に記載された発明でないばかりか、甲第1〜2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
よって、申立人Aの主張は採用できない。
(申立人Bの主張について)
甲第1号証は、ムコ多糖類と、リン脂質と、無機塩類とを必須に含有することを特徴とする化粧料に関するものであり、その実施例3として、グリセリン0.5重量%、グルコース0.1重量%、クエン酸及び塩化カルシウム、並びに、大豆水添レシチンを含有するものが記載されている。
甲第2号証には、グリセリン5.0%とアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩を含有する保湿乳液が記載されている。
甲第3号証には、レシチン、クエン酸ナトリウム二水塩、乳酸及び塩化カルシウム二水塩を含有するマーガリン用W/O乳化型組成物が記載されている。
ここで、甲第1号証は、申立人Aが提示した甲第1号証と同じ刊行物であって、本件請求項1〜2に係る発明と申立人Aが提示した甲第1号証記載の発明が相違するものであることは先に述べたとおりであるから、本件請求項1〜2に係る発明は、ここでいう甲第1号証に記載された発明ではない。
次に、請求項3に係る発明は甲第2号証に記載された発明であるという主張について検討するに、請求項3は、上記訂正により、減縮された上、請求項1となったから、本件請求項1に係る発明(すなわち、本件発明)と甲第2号証に記載されたものとを対比すると、本件発明は、グリセリンなどの水溶性多価アルコールの配合量が10〜40重量%であるのに対し、甲第2号証記載のものでは5.0%である点で両者は相違する。
そして本件発明は、水溶性多価アルコールの配合量を10〜40重量%とすることにより、有機酸の二価金属塩によってべたつきを抑えつつ、十分な保湿効果を発揮する化粧料を提供するという明細書記載の作用効果を生じ得たものである。
してみれば、本件発明は、甲第2号証に記載された発明ではない。
最後に、請求項1に係る発明は甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるという主張について検討するに、請求項1は、上記訂正により削除されたから、かかる主張は採用する余地がない。
よって、申立人Bの主張は採用できない。
(IV)むすび
以上のとおり、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1〜2に係る特許を取り消すことができない。
また、請求項1〜2に係る特許について、他に取消理由を発見しない。
よって結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
化粧料
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 分子内に3個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールであって、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、マルトース、マルチトール、ショ糖フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、澱粉分解糖、還元アルコール糖の中から選ばれる一種または二種以上を10〜40重量%と、有機酸の二価金属塩が含有されていることを特徴とする化粧料。
【請求項2】 さらにレシチンが含有されていることを特徴とする請求項1記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は水溶性多価アルコール及び/又はレシチンに起因する使用感触のべたつきを、有機酸の二価金属塩により抑制することを特徴とする化粧料に関する。
[従来の技術]
皮膚における水分の保持は皮膚をすこやかに保つ為に欠かせない要因であり、保湿を目的とした化粧料や医薬品が多く市販されている。保湿に関与する物質の研究も盛んに行われ、数々の保湿剤が提供されている。わけても水溶性多価アルコール及びレシチンは保水性、吸湿性に優れていることから化粧料や医薬品等に汎用されている。
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、これらの水溶性多価アルコール及びレシチンは皮膚をすこやかに保ち、また荒れた皮膚を正常にする優れた作用がある反面、使用感触がかなりべたつくので、とりわけ使用感触的にも良好なものが望まれる化粧料においては大きな問題となっていた。
かかる事情に鑑み、本発明者らは使用感触に優れた保湿効果の高い化粧料を得るために鋭意研究した結果、水溶性多価アルコール及び/またはレシチンを含む化粧料中に、有機酸の二価金属塩を配合することによりべたつきを抑えられることを見い出し本発明をなすに至った。
[課題を解決するための手段]
すなわち、本発明は、分子内に3個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールであって、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、澱粉分解糖、還元アルコール糖の中から選ばれる一種または二種以上を10〜40重量%と、有機酸の二価金属塩が含有されていることを特徴とする化粧料に関する。
また本発明は、さらにレシチンが含有されていることを特徴とする上記化粧料に関する。
本発明は保湿効果に優れ、かつ使用性良好な化粧料である。
以下、本発明の構成について説明する。
本発明において用いられる水溶性多価アルコールは、分子内に水酸基を3個以上有するものであって、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、澱粉分解糖、還元アルコール糖の中から選ばれる一種または二種以上が用いられる。
本発明に用いられる分子内に3個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールの配合量は、化粧料全量中の10〜40重量%であり、特に10〜30重量%配合した化粧料において本発明の効果が顕著である。10重量%未満では十分な保湿効果が得られず、40重量%を超える量を配合した場合はべたつきを充分抑えられない。
本発明で用いられるレシチンは、卵黄や植物から抽出されたレシチンはもちろんのこと、これをさらに精製して得られるレシチンまたは水添物をも含む。本発明においては上記のレシチンの一種又は二種以上が適宜選ばれて用いられる。
本発明に用いられるレシチンの配合量は化粧料全量中、0.001〜5重量%が好ましい。0.001重量%未満では効果が充分発揮されず、5重量%をこえると匂いの点で好ましくない。
本発明に用いられる有機酸の二価金属塩の有機酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸、ピロリドンカルボン酸、乳酸、クエン酸等が挙げられる。二価の金属塩としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。
本発明に用いられる有機酸の二価金属塩の配合量は、化粧料全量中0.001重量%〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは0.003重量%〜3重量%である。0.001重量%未満では、べたつき抑制効果が十分でない。
本発明の化粧料には上記した必須成分のほか、化粧料に一般に用いられる油性成分、界面活性剤、紫外線吸収剤、低級アルコール、防腐剤、殺菌剤、色剤、粉末、香料、薬剤、水溶性高分子、緩衝剤などその他の成分を本発明の効果を損わない範囲内て適宜配合することができる。
また、本発明の用途は任意であり、化粧水、クリーム、乳液などの基礎化粧料はもちろん、ファンデーションなどのメーキャップ化粧料やヘアートリートメントなどの毛髪化粧料など幅広く応用することができる。
[発明の効果]
本発明の化粧料は、分子内に3個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコール及び/又はレシチンを配合し、保湿効果にすぐれているにもかかわらず、水溶性多価アルコール及び/レシチン特有のべたつきが抑えられ、かつ、しなやかさ、なじみ等の使用性も向上している。また安定性、安全性も良好で優れた化粧料である。
[実施例]
以下本発明を実施例および比較例を挙げて詳細に説明する。本発明はこれらにより限定されるものではない。配合量は重量%である。なお、効果の測定は以下の評価法によった。
しっとりさ、べたつきのなさ
専用パネル10名により調製した試料を実際に使用し、官能試験を行った。評価結果は、次の表示で表すことにする。
◎:10名中8名以上が良好と回答した
○:10名中6名以上が良好と回答した
△:10名中4名以上が良好と回答した
×:10名中4名未満が良好と回答した
実施例1、比較例1〜4
表-1に示す処方で化粧水を常法により製造した。

表-1から明らかなように本発明の化粧料は、保湿効果に優れ、しかもべたつきのないものである。
実施例2 栄養クリーム
(A)セタノール 5.0
ステアリン酸 3.0
ワセリン 7.0
スクワラン 10.0
イソプロピルミリステート 2.0
グリセリルモノステアレート 3.0
エチルパラベン 0.2
水添レシチン 1.0
香料 0.2
(B)グリセリン 20.0
L-グルタミン酸 0.05
乳酸 0.1
塩化マグネシウム 0.05
精製水 48.2
水酸化カリウム 0.2
(製法)(A)の油相部および(B)の水相部をそれぞれ70℃に加熱し完全に溶解したのち、油相部を水相部に混合し、乳化機にて乳化する。乳化物を熱交換器にて終温30℃まで冷却して栄養クリームを得た。
実施例3 栄養乳液
(A)ビースワックス 1.0
ワセリン 2.0
脱臭ラノリン 1.5
ホホバ油 6.0
セチルイソオクタノエート 4.0
POE(60)硬化ヒマシ油 2.0
精製レシチン 1.0
エチルパラベン 0.2
ブチルパラベン 0.1
香料 0.3
(B)ジプロピレングリコール 5.0
ソルビトール 10.0
乳酸 0.2
クエン酸 0.05
塩化カルシウム 0.05
塩化マグネシウム 0.1
キサンタンガム(商品ケルトロールT) 0.05
カルボキシビニルポリマー 0.2
精製水 66.15
水酸化カリウム 0.1
(製法)実施例2に準ずる。
参考例1 ファンデーション
(A)セタノール 3.5
ステアリン酸 2.0
脱臭ラノリン 5.0
スクワラン 8.0
グリセリルモノイソステアレート 2.5
POE(10)ベヘニルエーテル 0.5
卵黄レシチン 2.0
エチルパラベン 0.2
ブチルパラベン 0.2
(B)ジグリセリン 3.0
キシリトール 5.0
乳酸カルシウム 2.0
ピロリドンカルボン酸 0.1
クエン酸 0.1
L-アルギニン 0.5
調合粉末 15.0
精製水 50.15
水酸化カリウム 0.25
(製法)実施例2に準ずる。
実施例2〜3、参考例1の化粧料は、保湿性に優れ、べたつきのないものであった。
 
訂正の要旨 特許請求の範囲の
「(請求項1)
レシチンと、有機酸の二価金属塩が含有されていることを特徴とする化粧料。
(請求項2)
分子内に2個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールと、レシチンと、有機酸の二価金属塩が含有されていることを特徴とする化粧料。
(請求項3)
分子内に3個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールと、有機酸の二価金属塩が含有されていることを特徴とする化粧料。」を、
特許請求の範囲の減縮を目的として、
「(請求項1)
分子内に3個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールであって、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、澱粉分解糖、還元アルコール糖の中から選ばれる一種または二種以上を10〜40重量%と、有機酸の二価金属塩が含有されていることを特徴とする化粧料。
(請求項2)
さらにレシチンが含有されていることを特徴とする請求項1記載の化粧料。」と訂正する。
明細書第2頁18行目〜第3頁2行目の
「すなわち、・・・化粧料である。」を
不明りような記載の釈明を目的として
「すなわち、本発明は、分子内に3個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールであって、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、澱粉分解糖、還元アルコール糖の中から選ばれる一種または二種以上を10〜40重量%と、有機酸の二価金属塩が含有されていることを特徴とする化粧料に関する。
また本発明は、さらにレシチンが含有されていることを特徴とする上記化粧料に関する。
本発明は、保湿効果に優れ、かつ使用性良好な化粧料である。」と訂正する。
明細書第3頁4〜20行目の「本発明において、・・・より顕著な効果を示す。」を不明りような記載の釈明を目的として
「本発明において用いられる水溶性多価アルコールは分子内に水酸基を3個以上有するものであって、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、澱粉分解糖、還元アルコール糖の中から選ばれる一種または二種以上が用いられる。」
と訂正する。
明細書第4頁1〜7行目の「本発明に用いられる・・・充分抑えられない。」を不明りような記載の釈明を目的として
「本発明に用いられる分子内に3個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールの配合量は、化粧料全量中の10〜40重量%であり、特に10〜30重量%配合した化粧料において本発明の効果が顕著である。10重量%未満では十分な保湿効果が得られず、40重量%を超える量を配合した場合はべたつきを充分抑えられない。」と訂正する。
明細書第5頁19行目の「分子内に・・・水酸基」を
不明りような記載の釈明を目的として
「分子内に3個以上の水酸基」と訂正する。
明細書第6頁12行目の「調整」を
不明りような記載の釈明を目的として
「調製」と訂正する。
明細書第10頁6行目の「実施例4」を
不明りような記載の釈明を目的として
「参考例1」と訂正する。
明細書第11頁7行目の「実施例2〜4の化粧料」を
不明りような記載の釈明を目的として
「実施例2〜3、参考例1の化粧料」と訂正する。
異議決定日 2000-04-21 
出願番号 特願平1-244779
審決分類 P 1 651・ 121- YA (A61K)
P 1 651・ 113- YA (A61K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 星野 紹英植原 克典  
特許庁審判長 吉村 康男
特許庁審判官 宮本 和子
内藤 伸一
登録日 1998-12-18 
登録番号 特許第2866114号(P2866114)
権利者 株式会社資生堂
発明の名称 化粧料  
代理人 長谷川 洋子  
代理人 長谷川 洋子  

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