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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A01K87
審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  A01K87
審判 全部申し立て 2項進歩性  A01K87
管理番号 1023995
異議申立番号 異議1999-73964  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-01-09 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-10-22 
確定日 2000-07-24 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2886091号「中通し釣竿」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2886091号の特許を維持する。 
理由 一、手続の経緯
本件特許第2886091号発明(平成6年6月24日特許出願、平成11年2月12日設定登録)の特許に対し、特許異議申立人株式会社シマノ(以下、「申立人」という。)より特許異議の申立てがなされ、当審において取消理由を通知したところ、その指定期間内の平成12年6月16日に訂正請求がなされたものである。

二、訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
特許権者は、特許明細書を次のように訂正しようとするものである。
・[訂正事項1]
特許明細書の【特許請求の範囲】の
「【請求項1】硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素の総種類数が2種類以上であり、この中に、前方に拡径されたラッパ形状の保持体を有すると共に、該保持体の先部に硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素を具備し、該トップガイド要素は穂先竿管先端部外周に固定した他の保持体に対して取外し自在に装着できることを特徴とする中通し釣竿。」
の記載を、
「【請求項1】硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素の総種類数が2種類以上であり、この中に、前方に拡径されたラッパ形状の保持体を有すると共に、該保持体の先部に硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素を具備し、該トップガイド要素は穂先竿管先端部外周に固定した他の保持体に対して取外し自在に装着でき、前記他の保持体には釣糸ガイドが保持されており、該釣糸ガイドは穂先竿の先端に配設されていることを特徴とする中通し釣竿。」と訂正する。
・[訂正事項2]
特許明細書の段落番号【0005】の【問題を解決するための手段】の
「上記目的に鑑みて本発明は、硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素の総種類数が2種類以上であり、この中に、前方に拡径されたラッパ形状の保持体を有すると共に、該保持体の先部に硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素を具備し、該トップガイド要素は穂先竿管先端部外周に固定した他の保持体に対して取外し自在に装着できることを特徴とする中通し釣竿を提供する。使用形態としては以下の通りである。機能に応じたトップガイド要素を2種類以上準備しておき、釣り条件に応じて選定された1個(前者)が穂先先端部に装着されるか、或いは、釣り条件に拘らず常に必要な1個(後者)が穂先先端部に装着されている。その他に、他の種類のトップガイド要素を装着することもある。即ち、穂先先端部に1個以上のトップガイド要素が装着されて釣りが行われるが、上記後者のトップガイド要素が装着されている場合は、この他に更に他の種類のトップガイド要素が着脱可能に装着できるよう穂先先端部が形成されている。ここに他の種類のトップガイド要素を装着して2個以上のトップガイド要素を使用してトップガイドとしての機能を果たすか否かは釣り条件によって定める。また前者のトップガイド要素が装着されている場合は、釣り条件に応じてこれを他の種類のトップガイド要素と交換することができ、こうして1個のトップガイド要素をトップガイドとして使用することもできる。また、これの他に更に他の種類のトップガイド要素を選択して着脱可能に装着し、2個以上のトップガイド要素を使用してトップガイドとしての機能を果たすこともある。」
の記載を
「上記目的に鑑みて本発明は、硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素の総種類数が2種類以上であり、この中に、前方に拡径されたラッパ形状の保持体を有すると共に、該保持体の先部に硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素を具備し、該トップガイド要素は穂先竿管先端部外周に固定した他の保持体に対して取外し自在に装着でき、前記他の保持体には釣糸ガイドが保持されており、該釣糸ガイドは穂先竿の先端に配設されていることを特徴とする中通し釣竿を提供する。使用形態としては以下の通りである。機能に応じたトップガイド要素を2種類以上準備しておき、釣り条件に拘らず常に必要な1個が穂先先端部に装着されている。その他に、他の種類のトップガイド要素を装着することもある。即ち、他の種類のトップガイド要素が着脱可能に装着できるよう穂先先端部が形成されている。ここに他の種類のトップガイド要素を装着して2個以上のトップガイド要素を使用してトップガイドとしての機能を果たすか否かは釣り条件によって定める。」と訂正する。
・[訂正事項3]
特許明細書の段落番号【0010】の
「既述の如く、第2保持体24Aは穂先竿14の先端部(第1保持体22A)から取外しが可能であり、第1トップガイド要素22だけでトップガイドとして使用できる。但し、第1保持体22Aの外周は雌ねじが形成されているため、釣糸20がこれに引っ掛らないようにするため、この雌ねじ部を覆うためのアタッチメント筒部材22Bを螺着させる。この状態を図3に示す。投擲時には釣糸20は第1釣糸ガイド22Gから放出されるが、その先に図2で示す場合のように第2トップガイド要素22がないために開放されており、投擲時の釣糸抵抗が低減し、投擲距離が出易い。然しながら、巻取り時には小径の第1釣糸ガイド22Gの表面に沿って大きな曲率で(急に)その方向を変えるため、釣糸抵抗が増大する。」
の記載を
「既述の如く、第2保持体24Aは穂先竿14の先端部(第1保持体22A)から取外しが可能であり、第1トップガイド要素22だけでトップガイドとして使用できる。但し、第1保持体22Aの外周は雄ねじが形成されているため、釣糸20がこれに引っ掛らないようにするため、この雄ねじ部を覆うためのアタッチメント筒部材22Bを螺着させる。この状態を図3に示す。投擲時には釣糸20は第1釣糸ガイド22Gから放出されるが、その先に図2で示す場合のように第2トップガイド要素22がないために開放されており、投擲時の釣糸抵抗が低減し、投擲距離が出易い。然しながら、巻取り時には小径の第1釣糸ガイド22Gの表面に沿って大きな曲率で(急に)その方向を変えるため、釣糸抵抗が増大する。」と訂正する。
・[訂正事項4]
特許明細書の段落番号【0013】の
「上記実施例では、2種類のトップガイド要素22,24を準備しており、その内一方は穂先竿14の先端に固定されており、他方24は釣りの条件に応じて選択的に取付けたり、また取外したりできる。この第1トップガイド要素22は穂先竿14に着脱自在に構成してもよい。更に他の種類のトップガイド要素も準備しておき、釣り条件に応じてより適切なトップガイドに選択構成することもできる。」
の記載を
「上記実施例では、2種類のトップガイド要素22,24を準備しており、その内一方は穂先竿14の先端に固定されており、他方24は釣りの条件に応じて選択的に取付けたり、また取外したりできる。更に他の種類のトップガイド要素も準備しておき、釣り条件に応じてより適切なトップガイドに選択構成することもできる。」と訂正する。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項1の訂正は、「他の保持体」について、さらに「前記他の保持体には釣糸ガイドが保持されており、該釣糸ガイドは穂先竿の先端に配設されている」と特定するものであるから、訂正事項1の訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、訂正事項2及び訂正事項4の訂正は、発明の詳細な説明の記載を訂正後の特許請求の範囲の記載と整合させるためのものであるから、上記訂正事項2及び訂正事項4の訂正は、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。
そして、訂正事項3の訂正は、誤記である「雌ねじ」を「雄ねじ」と訂正するものであるから、訂正事項3の訂正は、誤記の訂正を目的とするものに該当する。
そして、これら訂正事項1ないし訂正事項4の訂正は、願書に添付した明細書、又は図面に記載された事項の範囲内において訂正するものであって新規事項を追加するものでなく、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張、又は変更するものではない。

3.独立特許要件の判断
3-1.訂正明細書の発明
訂正明細書の請求項1に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定された次のとおりのものである。(前記二、の「1.訂正の内容」の欄に[訂正事項1]として記載した請求項1を参照。)
「【請求項1】硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素の総種類数が2種類以上であり、この中に、前方に拡径されたラッパ形状の保持体を有すると共に、該保持体の先部に硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素を具備し、該トップガイド要素は穂先竿管先端部外周に固定した他の保持体に対して取外し自在に装着でき、前記他の保持体には釣糸ガイドが保持されており、該釣糸ガイドは穂先竿の先端に配設されていることを特徴とする中通し釣竿。」(これを、以下、「訂正明細書の発明」という。)
3-2.特許法第36条第5項について:
訂正明細書の発明は、前記二、の「3.独立特許要件の判断」の「3-1.訂正明細書の発明」の欄に記載したとおりであり、該訂正明細書の発明における「該トップガイド要素は穂先竿管先端部外周に固定した他の保持体に対して取外し自在に装着でき、前記他の保持体には釣糸ガイドが保持されており、該釣糸ガイドは穂先竿の先端に配設されている」の特定事項は、特許明細書の発明の詳細な説明における段落【0008】に「穂先竿14の先端部外周には、セラミックス製の第1釣糸ガイド22Gを保持する金属や樹脂製の第1保持体22Aが固定されている。この第1釣糸ガイド22Gは穂先竿14の先端に配設されており、第1釣糸ガイド22Gと第1保持体22Aは第1トップガイド要素22の構成要素である。また、第1保持体22Aの外周には雄ねじが形成されており、この雄ねじ部に第2のトップガイド要素24の第2保持体24Aが螺合している。」として記載された範囲のものであるから、訂正明細書の発明に係る特許出願は、「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること。」という特許法第36条第5項第1号に規定された要件を満たしていると認められる。
そうしてみると、訂正明細書の発明に係る特許は、特許法第36条第5項に規定する要件を満たさない出願に対してされたもの、ということができない。

3-3.特許法第29条第2項について:
(1)引用刊行物
・[引用刊行物1]:実願平4-62608号(実開平6-24464号)のマイクロフィルム(申立人提出の甲第1号証)
・[引用刊行物2]:特開昭56-127032号公報(申立人提出の甲第2号証)

(2)各引用刊行物に記載の発明
・引用刊行物1には、「拡径部7の別構成について説明する。図6(イ)(ロ)に示すように、穂先1の更に先端側に金属製のパイプ7を固着するとともに、この金属製のパイプ7を、穂先1の先端より自身の先端開口7Aに向けて徐々に拡径する状態にして、拡径部7とする。この拡径部7の形状としては、先端開口7Aを縦長の楕円に形成し、この楕円の中心を穂先1の開口中心に対して下方に偏位させて、この偏位状態に沿うように、パイプ7の下半部を下向きに徐々に膨出形成している。この拡径部としての金属製のパイプ7の先端開口7Aに、炭化珪素製で楕円状の第1案内リング8を固着して、第1案内リング8の内面径を先端開口7Aの内面径より小さな径に設定してある。一方、金属製のパイプ7の拡径部が始まる位置に、炭化珪素製の第2案内リング9を接当して受け止め先端開口7A側への移動を規制する突条9Aを形成するとともに、この突条9Aの後方に第2案内リング9を配置し更に後方にブッシュ17を配置して、第2案内リング9を挟み込み固定する。このブッシュ17を穂先1の先端に外嵌固定するとともに、金属製のパイプ7の後端部をブッシュ17に外遊嵌し、パイプ7を穂先1の軸芯周りで回転可能に構成してある。このように第2案内リング9(「第1案内リング8」の誤記と認められる。)を楕円でしかも下方に偏位させる構成によって、図示するように、糸5の繰り出し角度θが大きくなり、糸5が円滑に繰り出されることになる。」(段落【0013】の8頁29行〜9頁17行)が記載されている。
・引用刊行物2には、「軸部分3の先には(第12図)、固定されたスリーヴ27(部分3の先における力嵌め)、およびスリーヴ27にねじ山で噛み合わされている取替可能の糸を引出す部分28(29に、硬質の心が備えられている)により構成された末端キャップ26がある。部分28はアダプタ用部品30(第13図)を受け入れるために取外すことができ、そのとき第14図に描かれているように、アダプタ用部品30をその場所にしっかり保持するため再びもとに戻すことができる。この部品30は雌ねじを備えたピン31を持っており、これに竿端末のための特殊な補助器具が取り付けられる。第14図に示すように、かかる補助器具の一つは、ピン31の中にねじ込むため、標準的なねじ切りコネクタ片33があり、糸9を支えるため従来方式の環34を備えている柔軟な軸32の形をした従来方式の揺動式先端仕掛である。もう一つの補助器具は、第15図に示されているように、中空のチューブ35の形をした首振り先端仕掛から成立ち、柔軟なスリーブ37により取付片36に取付けられる。この場合、取付片36は糸9を支えるようにスリーヴ27の上にねじ込まれる。チューブ35の末端にあるステンレス鋼リング38には、チューブの中を通って送られる糸を出す口が備えられている。」(4頁左下欄12行〜右下欄17行)が記載されている。

(3)対比・判断
ここで、訂正明細書の発明と引用刊行物1又は引用刊行物2に記載の発明とを対比すると、引用刊行物1及び引用刊行物2には、訂正明細書の発明を特定し、本件訂正によって限定された事項である「該トップガイド要素は穂先竿管先端部外周に固定した他の保持体に対して取外し自在に装着でき、前記他の保持体には釣糸ガイドが保持されており、該釣糸ガイドは穂先竿の先端に配設されていること」の構成が記載されてなく、示唆されてもいない。
なお、引用刊行物1には、その【図6】の記載から「トップガイド要素(金属製のパイプ7)は穂先竿管(穂先1)先端部外周に固定した他の保持体(ブッシュ17)に対して取外し自在に装着でき、前記他の保持体(ブッシュ17)には釣糸ガイド(第2案内リング9)が保持されており、該釣糸ガイド(第2案内リング9)は穂先竿(穂先1)の先端に配設されていること」が記載されているかのようにも見えるが、引用刊行物1に記載の発明の第2案内リング9は、金属製のパイプ7の拡径部が始まる位置に形成される突条9Aの後方に配置され、更に後方にブッシュ17を配置して、該ブッシュ17と前記突条9Aとにより第2案内リング9を挟み込み固定するものであり、第2案内リング9は挟み込み固定を解除すれば容易にブッシュ17から外れるものであるから、「ブッシュ17には第2案内リング9が保持されており」ということはできない。
そして、訂正明細書の発明は、前記構成により明細書に記載の効果を奏するものと認められる。
そうしてみると、訂正明細書の発明は、上記引用刊行物1又は引用刊行物2にそれぞれ記載された発明であるとすることができないばかりでなく、上記引用刊行物1及び引用刊行物2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることもできない。

3-4.まとめ
上記のとおりであるから、訂正明細書の発明は特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。

4.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成11年改正前の特許法第120条の4第3項の規定において準用する平成6年改正法による改正前の特許法第126条第1項ただし書き、第2項及び第3項の訂正に関する規定に適合するので、当該訂正を認める。

三、特許異議申立てについて
1.特許異議申立理由の概要
申立人は下記の証拠方法を提示して、つぎの理由1又は理由2により、請求項1に係る発明についての本件特許は取り消されるべきである、と主張している。
[取消理由1]:本件明細書の特許請求の範囲の請求項1には、特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項が記載されていないので、請求項1に係る発明の本件特許は、特許法第36条第5項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものである。
[取消理由2]:請求項1に係る発明は甲第1号証に記載された発明であるから、或いは、請求項1に係る発明は甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1に係る発明の本件特許は、特許法第29条第1項第3号の規定、或いは、特許法第29条第2項の規定に違背してなされたものである。

・[甲第1号証]:実願平4-62608号(実開平6-24464号)のマイクロフィルム(引用刊行物1参照)
・[甲第2号証]:特開昭56-127032号公報(引用刊行物2参照)

2.当審の判断
2-1.本件発明
本件発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。(前記二、の「3.独立特許要件の判断」の「3-1.訂正明細書の発明」の欄の【請求項1】を参照。)

2-2.[取消理由1]について
本件発明は、上記「2-1.本件発明」の欄に記載したとおりであり、本件発明の「他の保持体」が、訂正請求により「該トップガイド要素は穂先竿管先端部外周に固定した他の保持体に対して取外し自在に装着でき、前記他の保持体には釣糸ガイドが保持されており、該釣糸ガイドは穂先竿の先端に配設されている」と特定されたことにより、トップガイド要素と他の保持体との関係が明確になったので、本件発明に係る特許出願の特許請求の範囲の請求項1には「特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項」が記載されていると認められるから、特許法第36条第5項に規定された要件を満たしていると認められる。
そうしてみると、請求項1に係る発明の本件特許は、特許法第36条第5項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたもの、ということができない。

2-3.[取消理由2]について
(1)甲号各証に記載の発明
・甲第1号証には、上記二、の「3.独立特許要件の判断」の「3-3.特許法第29条第2項について:」の「(2)各引用刊行物に記載の発明」の欄に、引用刊行物1に記載の発明として記載したとおりの事項が記載されている。
・甲第2号証には、同欄に、引用刊行物2に記載の発明として記載したとおりの事項が記載されている。

(2)対比・判断
本件発明と甲第1号証(引用刊行物1)に記載の発明とを対比すると、上記二、の「3.独立特許要件の判断」の「3-3.特許法第29条第2項について:」の「(3)対比・判断」の欄に、訂正明細書の発明と引用刊行物1に記載の発明との対比について記載したとおり、甲第1号証(引用刊行物1)には、本件発明を特定する事項である「該トップガイド要素は穂先竿管先端部外周に固定した他の保持体に対して取外し自在に装着でき、前記他の保持体には釣糸ガイドが保持されており、該釣糸ガイドは穂先竿の先端に配設されていること」の構成が記載されてなく、また示唆されてもいない。
また、同じく本件発明と甲第2号証(引用刊行物2)に記載の発明とを対比しても、甲第2号証(引用刊行物2)には、本件発明の前記構成が記載されてなく、また示唆もない。
そして、本件発明は、前記構成により明細書に記載の効果を奏するものと認められるから、本件発明を、甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明であるとすることも、また、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることもできない。

3.むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由によっては本件発明についての特許を取り消すことができない。
また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、上記のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
中通し釣竿
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素の総種類数が2種類以上であり、この中に、前方に拡径されたラッパ形状の保持体を有すると共に、該保持体の先部に硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素を具備し、該トップガイド要素は穂先竿管先端部外周に固定した他の保持体に対して取外し自在に装着でき、前記他の保持体には釣糸ガイドが保持されており、該釣糸ガイドは穂先竿の先端に配設されていることを特徴とする中通し釣竿。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、トップガイド要素を複数個有して、釣り条件に応じてそれらを選択的に(組合せて)使用してトップガイドとする中通し釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】
中通し釣竿の使用において、魚信を視認し易くするという釣り条件に応じて、特開昭56-127032号公報には中通し釣竿の先端に柔軟な軸32に環(ガイド)34を固定した補助具(FIG.14等)や、湾曲した他の補助具(FIG.15)を着脱自在に固定する構造が開示されている。
然しながら、釣糸が上記補助具(FIG.14)に引っ掛り、絡みが生ずる問題がある。また、補助具(FIG.15)を取付けることにより釣糸の出し入れ時の抵抗が増大し、特に投擲距離がでない問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように中通し釣竿の糸絡みし難い利点を殺したり、釣糸抵抗の低減工夫を阻害したりすることは釣り条件に適切に対応することにはならず、更に工夫を要する。
ここではトップガイドに関し、釣糸の太さ、重りの重さ、ふかせ釣り、生き餌の使用等の釣り条件に応じて釣糸の巻取り抵抗の低減の重視か、投擲距離の長さ重視か、糸絡み防止の重視か、投擲の正確さ重視か等の重視機能の選択を行い、該選択機能達成のための適切なトップガイドに設定することがより快適な釣りを行うために望まれる。
【0004】
依って本発明は、中通し釣竿の本質を失うことなく、釣り条件に応じてより適切なトップガイドを選択装着できる中通し釣竿の提供を自的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑みて本発明は、硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素の総種類数が2種類以上であり、この中に、前方に拡径されたラッパ形状の保持体を有すると共に、該保持体の先部に硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素を具備し、該トップガイド要素は穂先竿管先端部外周に固定した他の保持体に対して取外し自在に装着でき、前記他の保持体には釣糸ガイドが保持されており、該釣糸ガイドは穂先竿の先端に配設されていることを特徴とする中通し釣竿を提供する。
使用形態としては以下の通りである。
機能に応じたトップガイド要素を2種類以上準備しておき、釣り条件に拘らず常に必要な1個が穂先先端部に装着されている。その他に、他の種類のトップガイド要素を装着することもある。即ち、他の種類のトップガイド要素が着脱可能に装着できるよう穂先先端部が形成されている。ここに他の種類のトップガイド要素を装着して2個以上のトップガイド要素を使用してトップガイドとしての機能を果たすか否かは釣り条件によって定める。
【0006】
【作用】
トップガイド要素が2種類以上あり、この中に着脱可能なトップガイド要素を有するため、釣り条件に応じた適切なトップガイドに構成できると共に、着脱可能なトップガイド要素の有する前方に拡径されたラッパ形状の保持体の先部に硬質釣糸ガイドが装着されているため、これを取付け使用すると釣糸抵抗が小さくなる。
【0007】
【実施例】
以下、本発明を添付図面に示す実施例に基づき、更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る中通し釣竿の側面図であり、図2はその先端部の拡大縦断面図である。元竿10には一本以上の中竿12が継ぎ合わされており、その先に穂先竿14が継ぎ合わされている。元竿10にはリールシート16が装着されており、これにリール18が取り付けられている。このリール18の前方部の元竿には釣糸20を内部に導入する釣糸導入ガイド10Aが設けられている。こうして釣竿の内部を挿通する釣糸20は竿の先端部から外に放出される。
【0008】
穂先竿14の先端部外周には、セラミックス製の第1釣糸ガイド22Gを保持する金属や樹脂製の第1保持体22Aが固定されている。この第1釣糸ガイド22Gは穂先竿14の先端に配設されており、第1釣糸ガイド22Gと第1保持体22Aは第1トップガイド要素22の構成要素である。また、第1保持体22Aの外周には雄ねじが形成されており、この雄ねじ部に第2のトップガイド要素24の第2保持体24Aが螺合している。
【0009】
第2のトップガイド要素24はセラミックス製の第2釣糸ガイド24Gと、これを保持する金属や樹脂製の第2保持体24Aとを具備し、第2保持体24Aの端部24AEの内周には雌ねじが形成されており、上記第1保持体22Aの雄ねじ部に螺着されている。従って、取外しは自在である。第2保持体24Aは図2に示すように前方に拡径されたラッパ形状を成しており、第2釣糸ガイド24Gは第1釣糸ガイド22Gよりもリング内径及びその横断面径が大きい。従って投櫛の後は、釣糸20は穂先竿14の先端から斜め下方向に出て、曲率の小さな第2釣糸ガイド24Gの表面に沿って徐々にその方向を変え、下方向に垂れる。このように釣糸巻取り時には釣糸20が徐々にその方向を変えることとなるため、釣糸抵抗が小さい。
【0010】
既述の如く、第2保持体24Aは穂先竿14の先端部(第1保持体22A)から取外しが可能であり、第1トップガイド要素22だけでトップガイドとして使用できる。但し、第1保持体22Aの外周は雄ねじが形成されているため、釣糸20がこれに引っ掛らないようにするため、この雄ねじ部を覆うためのアタッチメント筒部材22Bを螺着させる。この状態を図3に示す。投擲時には釣糸20は第1釣糸ガイド22Gから放出されるが、その先に図2で示す場合のように第2トップガイド要素22がないために開放されており、投擲時の釣糸抵抗が低減し、投擲距離が出易い。
然しながら、巻取り時には小径の第1釣糸ガイド22Gの表面に沿って大きな曲率で(急に)その方向を変えるため、釣糸抵抗が増大する。
【0011】
このように図2のように2個のトップガイド要素22,24を使用したトップガイドと、図3のように1個のトップガイド要素22でトップガイドとなす場合とでは、その釣り操作の重視機能が異なり、釣り条件に応じてその選択をすることが、より快適な釣りを行うために望ましい。
即ち、重りが重かったり、狙う魚が大物魚の場合のように、投擲性能よりも巻取り時の釣糸抵抗を低減させて軽快に巻取りを可能にさせることが要望される場合や、釣糸の損傷を防止することが重要な場合、図2のようなトップガイドを使用した釣りを行うことが望ましい。
【0012】
また逆に、重りや対象魚が軽い場合は巻取り時の釣糸抵抗は大きな問題ではなく、この場合遠くに投擲する必要があれば、図3に示すトップガイドを使用した釣りが望ましい。また、生き餌による泳がせ釣りや、フカセ釣りの場合には釣りの最中に糸ふけが生ずることがあり、この場合、釣糸は穂先竿14の先端部に絡み易い。従って、図2のような太径部を有する第2トップガイド要素24の使用を避け、図3に示すように太径部を有しないトップガイドが望ましい。更には、この糸絡みは釣糸20が細い程生じ易いため、この場合も図3のトップガイドが望ましい。その他、図3の場合はトップガイド部の清掃が容易となる効能や、穂先竿14が中竿12を通過して後方から抜き取れる効能もある。
【0013】
上記実施例では、2種類のトップガイド要素22,24を準備しており、その内一方は穂先竿14の先端に固定されており、他方24は釣りの条件に応じて選択的に取付けたり、また取外したりできる。更に他の種類のトップガイド要素も準備しておき、釣り条件に応じてより適切なトップガイドに選択構成することもできる。
【0014】
釣り操作において考慮される機能には▲1▼釣糸巻取り抵抗、▲2▼投擲性、▲3▼釣糸の保護、▲4▼糸絡み、▲5▼ゴミ付着の清掃手入れ、▲6▼重量等が有り、釣り条件に応じてこれらの機能の何れを優先させるか決定する。これらの機能を左右する他のトップガイド要素の形態には、例えば、第2トップガイド要素24に比べて更に拡径した形態のものや前後に細長い形態(▲1▼)、前後に長さの長い形態や短い形態(▲1▼)、或いは図4に示すトップガイド要素と同様に偏芯した形態(▲1▼,▲2▼(仕掛けが重い場合には投擲後に早目に落下するため下方に長い形態とする))、円形形態や上下に細長い形態(▲1▼,▲2▼)、釣糸ガイドにローラーを使用して巻取り時の釣糸抵抗を更に低減させた形態(▲1▼)、釣糸ガイド表面の糸滑り性を調整し、ナイロン系釣糸を対象にしたものやポリエチレン系釣糸を対象にしたもの(▲1▼,▲3▼)等がある。また、小さな軽量なトップガイド要素を使用する他、これらの組合せ数を減らすことでも先端の低重量化が図られる(▲6▼)。
【0015】
これらのトップガイド要素を穂先竿先端に着脱可能にさせる機構は、上記実施例のようにねじによる螺着の他、圧入、樹脂材等を使用した弾力性部材のフックによる係止関係等がある。
【0016】
図4はトップガイド要素の他の1例を示している。(a)は(b)の矢視線D-Dによる縦断面図であり、(b)は正面図である。セラミックスや金属等の硬質釣糸ガイド24G’を、軸部24Jによって保持体24A’の下部に回転自在に取付けたトップガイド要素24’である。保持体24A’の形態は、取付部の中心軸線CLに対して下方に長く偏芯しており、この部分にローラーガイド24G’を配設している。保持体の上方部に一般的な固定釣糸ガイドを取付けてもよい。
【0017】
既述の如く、仕掛けの重さが重い場合等には、投擲時に釣糸が早く落下してトップガイド要素の下部に接触しようとする。従って、下側部分を長く形成して釣糸飛翔の際の接触を遅らせると共に、接触後も可及的に釣糸抵抗を低減して飛翔距離の増大を図ることが望まれる。そこでこのような形態のトップガイド要素が望ましい。また、このトップガイド要素24’では、その巻取り時にも釣糸抵抗が非常に低減され、大物釣りの場合にも楽に巻取り操作が行える。
【0018】
このトップガイド要素24’の取付は、取付部24AE’に設けた小凸部24Tを、図示していない穂先竿や、その外周に取付けた第1実施例の保持体22Aと同様な保持体等に形成した環状溝部に圧入し、圧入された後は回転自在な係合関係となってトップガイド要素24’が回動自在となる(或いは既述のフック状の係合関係にして回動自在にすることもできる)。この場合取付部側か環状溝部側かに割りを入れておけば、容易に圧入係合ができる。従って、投擲時も含めてこのトップガイド要素24’の自重による回動作用や釣糸の引き作用によってローラーガイド24G’の存在する側が常に下側に来る。このトップガイド要素を単独でトップガイドとして使用する場合等、必要ならばのど部に2点鎖線で示す他の硬質釣糸ガイド24G”を取付けた構成としてもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、中通し釣竿の本質を失うことなく、釣り条件に応じてより適切なトップガイドに構成できると共に、前方に拡径されたラッパ形状の保持体の先部に硬質釣糸ガイドが装着されているため、このトップガイド要素を取付け使用すると釣糸抵抗が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は本発明に係る釣竿の側面図である。
【図2】
図2は図1の要部の縦断面図である。
【図3】
図3は図1の要部の他の使用態様を示す縦断面図である。
【図4】
図4は他のトップガイド要素を示す図である。
【符号の説明】
14 穂先竿
22 第1トップガイド要素
22G 硬質第1釣糸ガイド
24 第2トップガイド要素
24G 硬質第2釣糸ガイド
24’ 他のトップガイド要素
24G’ 硬質釣糸ガイド(ローラーガイド)
 
訂正の要旨 訂正の要旨
・[訂正事項1]
特許明細書の【特許請求の範囲】の
「【請求項1】硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素の総種類数が2種類以上であり、この中に、前方に拡径されたラッパ形状の保持体を有すると共に、該保持体の先部に硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素を具備し、該トップガイド要素は穂先竿管先端部外周に固定した他の保持体に対して取外し自在に装着できることを特徴とする中通し釣竿。」
の記載を、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「【請求項1】硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素の総種類数が2種類以上であり、この中に、前方に拡径されたラッパ形状の保持体を有すると共に、該保持体の先部に硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素を具備し、該トップガイド要素は穂先竿管先端部外周に固定した他の保持体に対して取外し自在に装着でき、前記他の保持体には釣糸ガイドが保持されており、該釣糸ガイドは穂先竿の先端に配設されていることを特徴とする中通し釣竿。」
と訂正する。
・[訂正事項2]
特許明細書の段落番号【0005】の【問題を解決するための手段】の
「上記目的に鑑みて本発明は、硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素の総種類数が2種類以上であり、この中に、前方に拡径されたラッパ形状の保持体を有すると共に、該保持体の先部に硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素を具備し、該トップガイド要素は穂先竿管先端部外周に固定した他の保持体に対して取外し自在に装着できることを特徴とする中通し釣竿を提供する。使用形態としては以下の通りである。機能に応じたトップガイド要素を2種類以上準備しておき、釣り条件に応じて選定された1個(前者)が穂先先端部に装着されるか、或いは、釣り条件に拘らず常に必要な1個(後者)が穂先先端部に装着されている。その他に、他の種類のトップガイド要素を装着することもある。即ち、穂先先端部に1個以上のトップガイド要素が装着されて釣りが行われるが、上記後者のトップガイド要素が装着されている場合は、この他に更に他の種類のトップガイド要素が着脱可能に装着できるよう穂先先端部が形成されている。ここに他の種類のトップガイド要素を装着して2個以上のトップガイド要素を使用してトップガイドとしての機能を果たすか否かは釣り条件によって定める。また前者のトップガイド要素が装着されている場合は、釣り条件に応じてこれを他の種類のトップガイド要素と交換することができ、こうして1個のトップガイド要素をトップガイドとして使用することもできる。また、これの他に更に他の種類のトップガイド要素を選択して着脱可能に装着し、2個以上のトップガイド要素を使用してトップガイドとしての機能を果たすこともある。」
の記載を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「上記目的に鑑みて本発明は、硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素の総種類数が2種類以上であり、この中に、前方に拡径されたラッパ形状の保持体を有すると共に、該保持体の先部に硬質釣糸ガイドを装着したトップガイド要素を具備し、該トップガイド要素は穂先竿管先端部外周に固定した他の保持体に対して取外し自在に装着でき、前記他の保持体には釣糸ガイドが保持されており、該釣糸ガイドは穂先竿の先端に配設されていることを特徴とする中通し釣竿を提供する。使用形態としては以下の通りである。機能に応じたトップガイド要素を2種類以上準備しておき、釣り条件に拘らず常に必要な1個が穂先先端部に装着されている。その他に、他の種類のトップガイド要素を装着することもある。即ち、他の種類のトップガイド要素が着脱可能に装着できるよう穂先先端部が形成されている。ここに他の種類のトップガイド要素を装着して2個以上のトップガイド要素を使用してトップガイドとしての機能を果たすか否かは釣り条件によって定める。」
と訂正する。
・[訂正事項3]
特許明細書の段落番号【0010】の
「既述の如く、第2保持体24Aは穂先竿14の先端部(第1保持体22A)から取外しが可能であり、第1トップガイド要素22だけでトップガイドとして使用できる。但し、第1保持体22Aの外周は雌ねじが形成されているため、釣糸20がこれに引っ掛らないようにするため、この雌ねじ部を覆うためのアタッチメント筒部材22Bを螺着させる。この状態を図3に示す。投櫛時には釣糸20は第1釣糸ガイド22Gから放出されるが、その先に図2で示す場合のように第2トップガイド要素22がないために開放されており、投櫛時の釣糸抵抗が低減し、投櫛距離が出易い。然しながら、巻取り時には小径の第1釣糸ガイド22Gの表面に沿って大きな曲率で(急に)その方向を変えるため、釣糸抵抗が増大する。」
の記載を、誤記の訂正を目的として、
「既述の如く、第2保持体24Aは穂先竿14の先端部(第1保持体22A)から取外しが可能であり、第1トップガイド要素22だけでトップガイドとして使用できる。但し、第1保持体22Aの外周は雄ねじが形成されているため、釣糸20がこれに引っ掛らないようにするため、この雄ねじ部を覆うためのアタッチメント筒部材22Bを螺着させる。この状態を図3に示す。投擲時には釣糸20は第1釣糸ガイド22Gから放出されるが、その先に図2で示す場合のように第2トップガイド要素22がないために開放されており、投擲時の釣糸抵抗が低減し、投擲距離が出易い。然しながら、巻取り時には小径の第1釣糸ガイド22Gの表面に沿って大きな曲率で(急に)その方向を変えるため、釣糸抵抗が増大する。」
と訂正する。
・[訂正事項4]
特許明細書の段落番号【0013】の
「上記実施例では、2種類のトップガイド要素22,24を準備しており、その内一方は穂先竿14の先端に固定されており、他方24は釣りの条件に応じて選択的に取付けたり、また取外したりできる。この第1トップガイド要素22は穂先竿14に着脱自在に構成してもよい。更に他の種類のトップガイド要素も準備しておき、釣り条件に応じてより適切なトップガイドに選択構成することもできる。」
の記載を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「上記実施例では、2種類のトップガイド要素22,24を準備しており、その内一方は穂先竿14の先端に固定されており、他方24は釣りの条件に応じて選択的に取付けたり、また取外したりできる。更に他の種類のトップガイド要素も準備しておき、釣り条件に応じてより適切なトップガイドに選択構成することもできる。」
と訂正する。
異議決定日 2000-06-30 
出願番号 特願平6-166124
審決分類 P 1 651・ 534- YA (A01K87)
P 1 651・ 113- YA (A01K87)
P 1 651・ 121- YA (A01K87)
最終処分 維持  
前審関与審査官 森次 顕関根 裕  
特許庁審判長 木原 裕
特許庁審判官 吉村 尚
佐藤 昭喜
登録日 1999-02-12 
登録番号 特許第2886091号(P2886091)
権利者 ダイワ精工株式会社
発明の名称 中通し釣竿  
代理人 越智 俊郎  
代理人 越智 俊郎  
代理人 小林 茂雄  

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