ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード![]() |
審決分類 |
審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備 H01M 審判 全部申し立て 4項(5項) 請求の範囲の記載不備 H01M 審判 全部申し立て 2項進歩性 H01M |
---|---|
管理番号 | 1024162 |
異議申立番号 | 異議1998-73928 |
総通号数 | 15 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1991-09-09 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1998-08-10 |
確定日 | 2000-06-26 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2711018号「燃料電池」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第2711018号の請求項1ないし9に係る特許を維持する。 |
理由 |
(1)手続の経緯 特許2711018号の請求項1〜10に係る発明は、平成2年8月30日に特許出願され、平成9年10月24日にその発明について特許の設定登録がなされ、その後、その特許について、異議申立人丸尾昭恵(以下、「申立人」という。)より特許異議の申立がなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年2月28日に訂正請求がなされたものである。 (2)訂正の適否についての判断 ア.訂正の内容および訂正明細書の請求項1〜9に係る発明 特許権者が求めている訂正の内容は、以下のa,b,cのとおりである。 a.特許明細書の請求項8に記載される「請求項1〜7のいずれか1項に記載の流体流動板」を、「誤記の訂正」を目的として「請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料電池」に訂正する。 b.特許明細書の請求項9に記載される「請求項1〜8のいずれか1項に記載の流体流動板」を、「誤記の訂正」を目的として「請求項1〜8のいずれか1項に記載の燃料電池」に訂正する。 c.特許明細書の請求項10を、「特許請求の範囲の減縮」を目的として削除する。 したがって、本件訂正明細書の請求項1〜9に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1〜9に記載された次のとおりのものである。 「1.固体重合体電解質燃料電池であって、使用時に液体の水が生成し、適当な導電性材料で作られた流体流動フィールド板を含み、かつ、前記フィールド板の主表面に形成された流体排出開口と、流体供給開口と、上面が開放された流体流動溝とを有する燃料電池において、 前記フィールド板は複数の連続した流体流動溝を含み、しかも、前記溝は、前記表面の主中心領域を複数の通路として横切っており、一方の端部に前記流体供給開口へ直接接続されている流体入口と、他方の端部に前記流体排出開口へ直接接続されている流体出口とを有し、かくして、前記燃料電池の作動中に生成した水が、前記溝中の流体の圧力により前記流体流動溝を通って、前記流体排出開口まで強く押し進められるように構成されていることを特徴とする、上記燃料電池。 2.溝が蛇行横断路に従っている請求項1に記載の燃料電池。 3.溝が、板の主表面を、間隔の狭い長い通路と短い通路とが交互に複数連なった通路として横切っている請求項1又は2に記載の燃料電池。 4.溝が板の両方の主表面に形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池。 5.板が堅い非多孔質黒鉛板である請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池。 6.溝が、底と、その底から解放上面の方へ外側へ広がって行く向かい合った側壁を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池。 7.溝の底が平らである請求項6に記載の燃料電池。 8.溝が、その溝の全長に亘って均一な深さになっている請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料電池。 9.溝が疎水性被覆を上に有する請求項1〜8項のいずれか1項に記載の燃料電池。」 イ.訂正の目的の適否、新規事項の追加の有無及び拡張・変更の存否 本件特許明細書の請求項8,9は、何れも同請求項1〜7,同請求項1〜8を引用する形式で記載されているが、その請求項8,9の末尾の記載は何れも「流体流動板」であるのに対し、引用する請求項1〜7乃至8の末尾の記載は何れも「燃料電池」であって、両者は一致していないことから、本件特許明細書の請求項8,9の末尾の記載は、「誤記」であったものと認められる。 よって、上記a.、b.に係る訂正は、単なる「誤記の訂正」に該当し、かつ新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 一方、上記c.に係る訂正は、本件特許明細書の請求項10を単に削除するものであるから、明らかに「特許請求の範囲を減縮」するものである。 ウ.独立特許要件の判断 本件訂正明細書の請求項1に係る発明に対し、当審で通知した取消理由で引用した刊行物1(特開昭62-40169号公報)には、「(1)電解質層を挟んで一対の多孔質の電極を配設し、各電極の背面に燃料ガス及び酸化剤ガスを夫々流通させて、電気エネルギーを出力する単電池を形成し、前記燃料ガスを流通させる複数個の溝を一方の面に形成し、また他方の面に前記溝と直交する方向に前記酸化剤ガスを通過させる複数個の溝を形成したガス分離板を備えた燃料電池において、上記溝を蛇行形に形成したことを特徴とする燃料電池。」(特許請求の範囲第1項)、 「(2)ガス分離板に複数個の蛇行形流路を形成したことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の燃料電池。」(特許請求の範囲第2項)、 「溝(ガス流路)はガス入口とガス出口が直線的に連結されたものでなく、第1図の(8),(8a)に示すように蛇行しており、電極反応面に広くガスを供給することができる。」(公報第2頁左下欄第3〜6行)と記載されている。 また、同刊行物2(米国特許第4686159号公報)には、「図2中、符号1は、ガス分離板を示し、符号3は直線部4とジグザグ部5を有する燃料及び酸化剤溝を示す。記号Cは燃料或いは酸化剤の反応ガスの流れ方向を示すものである。前記直線部4とジグザグ部5との長さの比は、例えば、1対1であり、ジグザグ部は反応ガスのために上流及び下流に交互に配置されている。」(第2欄第15〜23行)、 「例えば、本発明はいわゆるリブ付き基板と呼ばれる少なくとも一つの燃料電池或いは酸化剤電極中の反応ガス溝を形成された電極基板の燃料溝に適用できる。」(同欄第68行〜第3欄第4行)と記載されている。 同刊行物3(米国特許第4572876号公報)には、「本発明は各セルの電極間の多孔性マトリックス内に含まれる液状電解液を利用する燃料電池に関する。」(第1欄第12〜14行)、 「燃料電池スタック内において、図2中22で示される部分は、ハロゲン、空気、或いは、他の酸素含有物質のようなオキシダントはオキシダント通過手段を介して流れる。このオキシダント通過手段は二重のL字形状、或いは、二重のZ字形状のオキシダント溝26であってもよい。水素、有機物、或いは、金属のような燃料は、燃料通過手段を流れる。この燃料通過手段は図3に最もよく示されるように、Z字形状の燃料溝28であってもよい。」(第3欄第27〜34行)、 「少なくとも2つの燃料セルスタックを有する燃料電池モジュールにおいて、前記各燃料セルスタックは水平方向に配向されたアノード電極と、カソード電極と、これら電極間に挟まれた多孔性マトリックスと、頂部のバイポーラ電極と、底部のバイポーラ電極とを含み、前記各燃料セルスタックは、更に、燃料通過手段と、オキシダント通過手段とを備え、それらはそれぞれ、水平方向に伸びており、また、電解液で各多孔性マトリックスを濡らすために各燃料セルスタック中の各燃料セルを介して電解液を導くための電解液通過手段を備える。」(第6欄第1〜11行)と記載されている。 同刊行物4(米国特許第4631239号公報)には、「図3は、複数のラインで表される溝を備える蛇行形状に形成されたプロセスガス流れ溝を備えるバイポーラプレートをダイアグラム的に示したものである。該溝は、また、プレートの側面に対して傾斜されている。」(第4欄第36〜40行)、 「2枚のプレート72が燃料セルに備えられた時、アノード電極上の一つのプレートの仮面上にあるプロセスガス溝と、カソード電極下の他のプレートの上方面上にあるプロセスガス溝は、互いに反対方向に傾斜する。」(第8欄第54〜59行)、 「燃料ガス流画定手段を備えるプレートと、オキシダントガス流画定手段を備えるプレートからなる一対のプレートと、それらプレート間に配置されるアノード電極とカソード電極と、それらアノード電極とカソード電極間に挟まれる電解質マトリックスとを備える化学的燃料電池。」(第9欄第36〜42行)と記載されている。 同刊行物5(特開昭63-53856号公報)には、「1.電解質板の両面を挟持するカソード及びアノードと前記電解板との間に設けられ、かつ一側に燃料ガス供給マニホールド及び酸化剤ガス供給マニホールドを備え、他側に燃料ガス排気マニホールド及び酸化剤ガス排気マニホールドを備えて、前記カソードへの酸化剤ガスの給排と前記アノードへの燃料ガスの給排とを分離して行うための燃料電池セパレータにおいて、前記マニホールドの一部にガス供給及び排気開口部を具備し、かつこれらの開口部を燃料ガス側と酸化剤ガス側とがそれぞれ表裏面に分離して形成された外枠と、周縁部に平坦面が形成され中央部に複数個の平行なガス通路溝が形成された2枚の波板とよりなり、これらの2枚の波板と前記ガス通路溝が互いに直交し、かつ外側に突出するように接合したことを特徴とする燃料電池用セパレータ。」(特許請求の範囲)と記載されている。 同刊行物6(特開昭59-154771号公報)には、「1.電解質を含浸したマトリックスを介して配置された一対の電極を有する単位セルをセパレータを介して複数個積層した燃料電池において、前記セパレータは膨張黒鉛を任意の厚さに加温・加圧成形し、且つその表面を撥水処理したものであることを特徴とする燃料電池。」(特許請求の範囲第1項)、 「2.撥水処理はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の懸濁溶液で行われる特許請求の範囲第1項記載の燃料電池。」(特許請求の範囲第2項)と記載され、 また、その第1図には、底が平らでその溝が全長に亘って均一な深さになっている溝を備えた燃料電池用のセパレータが開示されている。 そして、同刊行物7(米国特許第4339322号公報)には、「カーボン繊維強化フルオロカーボングラファイトバイポーラ電流コレクタ・セパレータ」(第1欄第1〜3行)、「図4は、流体配分溝25を画定する複数のリブ付けされたエレメントを備えたバイポーラコレクターの一部切断断面を示す。」(第5欄第12〜14行)と記載され、 また、そのFig.1及び2には、平らな底と、その底から解放上面の方へ外側に広がって行く向かい合った側壁を有し、全長に亘って均一な深さになっている溝を備えた燃料電池用セパレータが開示されている。 (対比・判断) そこで、本件訂正明細書の請求項1に係る発明と刊行物1〜4に記載された発明とを対比する。 (i)本件訂正明細書の請求項1に係る発明が、「固体重合体型」であるのに対し、刊行物1〜4に記載された発明は、燃料電池の「型」が不明である点(以下「相違点1」という。) (ii)本件訂正明細書の請求項1に係る発明が「フィールド板の主表面に形成された流体排出開口と、流体供給開口・・・を有する」とともに、該「流体供給開口へ直接接続されている流体入口と」、該「流体排出開口へ直接接続されている流体出口とを有」するのに対し、刊行物1〜4に記載されたものでは、流体の供給・排出に係る構造が不明である点(以下、「相違点2」という。)で、両者は相違している。 これらの相違点について検討する。 (相違点1について) 刊行物1〜4には、燃料電池の「型」を特定するに足る記載は見いだすことができないものであり、その解決しようとする課題も「固体重合体型」に適用した場合に特に有効性が高いものでもない。 また、刊行物5に記載されたものは、「溶融炭酸塩型」であることは明らかであって、「固体重合体型」に転用すべき合理的事由がない。 よって、刊行物1〜5に記載されたものからは、本件訂正明細書の請求項1に係る発明の「固体重合体型」の燃料電池に適用乃至転用すべき合理的事由を見いだすことができない。 (相違点2について) 刊行物5に記載されたものは、主表面上に、流体排出開口に相当する部位と流体供給開口に相当する、排気マニホールドと供給マニホールド部位が設けられているものの、マニホールドと溝との間には、水平方向に拡がる空間(すなわち、第1図及び第2図のおいて、マニホールド8の開口部底面8b〜11bに続く、波板12,13の周縁部に形成された平坦面12a,13a)が設けられている。 ここで、刊行物5に記載されたものにおいて、その空間の技術的意義は明示されていないものの、仮に、この空間がないとするとマニホールドの陰になる部分のガス通路7には、ガスが供給されないこととなるので、この空間は必要的に介在しているものと認められる。 したがって、この空間が必要的に介在している以上、刊行物5に記載されたものも、本件訂正明細書の請求項1に係る発明の「流体供給開口へ直接接続されている流体入口」と「流体排出開口に直接接続されている流体出口」を有しているとはいえないものと認められる。 よって、刊行物1〜4に記載されたものと刊行物5に記載されたものとを、如何に組み合わせたとしても、本件訂正明細書の請求項1に係る発明の流体入口及び流体出口の構造を構成することができないものと認められる。 そして、本件訂正明細書の請求項1に係る発明は、上記の構成を有することにより、「一本の蛇行した溝通路を使用する」こととなり、「板の表面の作動領域中のどの点でも「漏洩(channeling,チャネリング)」を起きなくすることができ、電極の作動表面から水が連続的にフラッシュ(flush)されるので死点を生じない。」という本件訂正明細書記載の顕著な効果を奏するものと認められる。 してみると、本件訂正明細書の請求項1に係る発明は、刊行物1〜5に記載された発明に基いて当業者が容易に発明することができたものではない。 したがって、本件訂正明細書の請求項1に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができたないものである。 エ・むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同第3項において準用する同法第126条2〜4項の規定により該当するので、当該訂正を認める。 (4)特許異議の申立について ア.申立の理由の概要 申立人は、本件請求項1〜4に係る発明が、甲第1号証〜甲第5号証(上記(2)のウ.の刊行物1〜5)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであり、本件請求項5〜10に係る発明は、甲第1号証〜甲第7号証(上記(2)のウ.の刊行物1〜7)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、本件請求項1〜10に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであって、取り消されるべきものである旨主張している。 また、申立人は、本件請求項8〜10に係る発明につき、本件特許明細書には、その記載に不備があり、特許法第36条第3項及び第4項の要件を満たすものではなく、それら発明の特許は取り消されるべきものである旨を主張している。 イ.判断 (特許法第29条第2項違反について) 本件訂正明細書の請求項1に係る発明は、上記(2)のウ.で示したように、申立人の提出した甲第1〜5号証に記載された発明から容易に発明することができたものとすることはできない。 また、訂正明細書の請求項2〜9に係る発明は、本件訂正明細書の請求項1に係る発明をさらに限定したものであり、一方、申立人の提出した甲第6号証には、表面を撥水処理された膨張黒鉛で構成され、底が平らでその溝が全長に亘って均一な深さになっている溝を備えた燃料電池用セパレータが開示され、同甲第7号証には、カーボングラファイトで構成され、平らな底と、その底から解放上面の方へ外側へ広がっていく向かい合った側壁を有し、全長に亘って均一な深さになっている溝を備えた燃料電池用セパレータが開示されているのみであるから、上述の本件訂正明細書の請求項1に係る発明と同様な理由により、刊行物1〜7に記載された発明に基いて当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 (特許法第36条第3項、又は第4項違反のついて) 上記(2)のイ.のとおり、平成12年2月28日付けの訂正請求書により、請求項8,9中の誤記は訂正され、一方、請求項10は削除されたので、申立人の主張する特許法第36条に係る申立の理由はすべて解消している。 ウ.結び 以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件訂正明細書の請求項1〜9に係る発明の特許を取り消すことができない。 また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 燃料電池流体流動板 (57)【特許請求の範囲】 1.固体重合体電解質燃料電池であって、使用時に液体の水が生成し、適当な導電性材料で作られた流体流動フィールド板を含み、かつ、前記フィールド板の主表面に形成された流体排出開口と、流体供給開口と、上面が開放された流体流動溝とを有する燃料電池において、 前記フィールド板は複数の連続した流体流動溝を含み、しかも、前記溝は、前記表面の主中心領域を複数の通路として横切っており、一方の端部に前記流体供給開口へ直接接続されている流体入口と、他方の端部に前記流体排出開口へ直接接続されている流体出口とを有し、かくして、前記燃料電池の作動中に生成した水が、前記溝中の流体の圧力により前記流体流動溝を通って、前記流体排出開口まで強く押し進められるように構成されていることを特徴とする、上記燃料電池。 2.溝が蛇行横断路に従っている請求項1に記載の燃料電池。 3.溝が、板の主表面を、間隔の狭い長い通路と短い通路とが交互に複数連なった通路として横切っている請求項1又は2に記載の燃料電池。 4.溝が板の両方の主表面に形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池。 5.板が堅い非多孔質黒鉛板である請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池。 6.溝が、底と、その底から解放上面の方へ外側へ広がって行く向かい合った側壁を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池。 7.溝の底が平らである請求項6に記載の燃料電池。 8.溝が、その溝の全長に亘って均一な深さになっている請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料電池。 9.溝が疎水性被覆を上に有する請求項1〜8項のいずれか1項に記載の燃料電池。 【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、燃料電池に関する。特に本発明は、固体重合体電解質燃料電池に用いるための新規な流体流動フィールド(field)板に関する。 〔従来の技術〕 燃料電池は、電池に供給された燃料から誘導された化学的エネルギーを、電池中の燃料の酸化によって直接電気的エネルギーへ変換することにより電気的エネルギーを発生する装置である。典型的な燃料電池には、陽極(カソード)、陰極(アノード)及び電解質を取り囲むケースが含まれている。適当な燃料材料及び酸化剤が、夫々陰極及び陽極へ供給され、燃料及び酸化剤が化学的に反応して利用可能な電流を発生し、反応最終生成物が電池から取り出される。燃料電池の比較的簡単な型は、燃料及び酸化剤材料として夫々水素及び酸素を利用することを含んでいる。水素は酸素と結合して水を形成すると同時に電流を発生する。特に水素は燃料電池陰極で消費され、下の式中(1)で示すようにプロトン及び電子を放出する。プロトンは燃料電池電解質中へ注入される。電子は燃料電池陰極から陰極端子へ移動し、電気的負荷を通って陽極端子へ戻り、電池の陽極へ入る。陽極では酸素と、負荷からの電子と、電解質からのプロトンとが一緒になって、下の式(2)に示すよう水を形成する。 陰極(アノード)反応 H2→2H++2e (1) 陽極(カソード)反応 1/2O2+2e+2H+→H2O (2) 燃料電池の大きな利点は、化学的エネルギーを電気的エネルギーへ直接変換し、中間的段階、例えば、火力発電所で行われているように、炭化水素又は炭素質燃料の燃焼を受ける必要がないことである。 燃料電池は、用いられる電解質に従って幾つかの型に分類することができる。 最近の比較的高性能の燃料電池には、水性水酸化カリウム、濃燐酸、融解アルカリ炭酸塩、及び安定化酸化ジルコニウムの如き電解質が含まれる。電極は、燃料電池中の夫々の電極に行われる反応を促進するための触媒を必ず含んでいる。適当な触媒には、ニッケル、銀、白金、及び安定化酸化ジルコニウム電解質の場合の、卑金属酸化物が含まれる。 1960年代に、ゼネラル・エレクトリック(General Electric)は固体重合体燃料電池(SPFC)の開発研究を開始した。そのような電池は多くの潜在的利点を有する。それは、水素含有燃料、及び空気又は純粋酸素の如き酸化剤供給物によって作動することができる。一つの態様として、SPFCは燃料源としてメタノール又は天然ガスの如き改質炭化水素及び酸化剤として空気により作動することができる。 SPFCの電解質は固体であるので燃料と酸素流との間の実質的な圧力差に耐えることができる。このことは圧力制御を簡単にし、特に酸化剤流中に存在する圧力を一層高くすることができる。これにより、特に空気を酸化剤として用いた場合、性能を向上させることができる。SPFCは、作動圧力で水の沸点より低い温度で作動させることができるので有利である。従って、最終生成物としての水は液体状態で発生する。 特に典型的なSPFCは、陰極と陽極との間の電解質として固体重合体イオン交換膜を用いている。固体重合体イオン交換膜は、水素イオンが膜を通って移動させることはできるが、水素及び酸素の分子の移動に対しては実質的に不透過性である。イオン交換膜は、重合体に化学的に結合した負に帯電した部位を表面に有する。イオン交換膜は陰極と陽極との間に挟まれている。典型的には、反応速度を増大するために陰極と陽極には白金触媒が添加されている。 単一の電池構造には、2枚の流体流動フィールド板(陰極及び陽極板)が与えられている。それらの板は電流コレクタとして働き、電極支持体となり、燃料及び酸化剤が夫々陰極と陽極の表面へ近付くための手段を与えており、電池の作動中に形成された水を除去するための手段を与えている。 電池組立体は、連結棒及び端板によって一緒に保持されている。流体流動フィールド板を通って陰極に燃料(水素、改質メタノール又は天然ガス)を供給し、陽極に酸化剤(空気又は酸素)を供給するために、夫々供給マニホルドが配備されている。過剰の燃料及び酸化剤ガス、及び陽極で形成された水を排出するための排出マニホルドが配備されている。複合電池構造体は、組立体の全電気出力を必要に応じ増大するため、直列又は並列に一緒に接続したそのような挿入構造体を二つ以上組合せたものからなる。そのような構造では、電池は直列に接続されているのが典型的であり、その場合与えられた板の一方の側が一つの電池の陰極板となり、その板の他方の側が隣接した電池の陽極板となって行くように繰り返されている。 〔従来の技術についての記述〕 典型的な従来の技術の流体流動フィールド板は、その主表面に複数の離れた平行な上面開放流体流動溝を有し、それらの溝はその主表面を削って形成されている。溝は供給流体入口と排出物出口との間の主表面を横切って伸びている。溝は断面が矩形状になっているのが典型的であり、約0.03inの深さで、約0.03inの開口幅になっているのが典型的である。入口は燃料又は酸化剤供給開口へ接続されている。複合電池構造では、板の両方の主表面に流体流動溝が形成されていてもよい。操作上、それら流体流動溝は燃料又は酸化剤を入口から電極表面へ供給する。この従来技術は、ゼネラル・エレクトリック・アンド・ハミルトン・スタンダード(General Electric and Hamilton Standard)LANL No.9-X53-D6272-1(1984)によって例示されている。 長い時間空気でその電池を操作すると、電圧が低くて不安定になる結果を与えることが見出されている。その問題は、電池の陽極側、特に陽極ガス流分布及び電池の水処理に原因がある。 特に燃料電池を連続的に操作した時、即ち、電流の発生及び燃料及び酸素の消費が連続的に行われた時、液体の水が陽極で連続的に形成される。残念ながらこの従来技術の板では、陽極で形成された水は陽極に隣接する溝中に蓄積することが見出されている。水が蓄積するのに従って溝は濡れ、水は溝の底及び側面へ付着する傾向を示すと考えられる。水滴も凝集し、一層大きな液滴を形成する傾向がある。溝を通って液滴を移動させるのに必要な力は、液滴の大きさ及び数と共に増大する。従来技術の流体流動領域では、平行な溝中の水滴の数及び大きさは恐らく異なっているであろう。その時ガスは最も妨害の少ない溝を主に通って流れるであろう。従って水が溝中に集まる傾向を持つと、ガスは殆ど又は全く通れなくなる。従って、板全体に亙って種々の領域で死点が形成され易い。従って、陽極側のガス流分布を悪くする結果になる生成水の不適切な排出により、得られる性能は悪くなることが結論されている。 1970年代に、ゼネラル・エレクトリックは、“PORTA-POWER”と言う商標名で12W電力発生装置を製造し販売した。この装置はプラスチック被覆アルミニウム板(非導電性)を含み、それは一方の側(水素側)に一つの比較的広い(0.25in)の横断溝を持っていた。この板は電流コレクタとしては働かない。また、陰極(水素)側は単一の溝を持っていたので、それは装置から水、即ち陽極(酸素)側でだけ形成される生成水を運ぶためのものではなかった。更にGEの装置では、電流コレクタはニオブ金属網(電極の端の電気的接触が行われている)であった。 従来技術の流体流動領域の別のものがカールA.ライザー(Carl A.Reiser)その他による米国特許第4,769,297号(1988年9月6日公告)に記載されている。この文献には、複数の不連続的な流体流動路を有する格子模様(waffle iron,ワッフル・アイアン)状流動フィールドが記載されている。水は多孔質流動フィールド板及び親水性分離板を用いて処理される。酸素流動フィールドと水素流動フィールドとの間の圧力差が、水を電池から流れるように押し出す。 〔本発明の要約〕 本発明によれば、固体複合体電解質燃料電池で用いるための新規な流体流動フィールド板が与えられ、その板は適当な導電性材料から作られ、その主表面には、一方の端には流体入口、他方の端には流体出口を有する連続的な上面開放流体流動溝が形成されており、然も、前記流体入口及び出口は、前記板中に定められた流体供給開口及び流体排出開口に夫々直接接続されており、前記溝は前記表面の主中心領域を複数の通路として横切っている。 本発明の特定の態様の特長を付図を参照して単なる例として例示するが、それらは本発明の本質或は範囲をどのようなやり方にしろ限定するものと考えてはならない。 〔好ましい態様についての詳細な記述〕 図面に関し、第1図から分かるように、電極組立体(10)が一対の堅い流体流動フィールド板(12)及び(13)の間に支持されている。電極組立体(10)は、相対する板の主表面(15)に与えられた中心で向かい合った凹所(14)中に配置されており、陰極(16)、陽極(18)、及び陰極と陽極との問に挟まれた固体重合体電解質(20)を含んでいる。同じ結果を達成するように、両方の板の夫々に一つの凹所が与えられていてもよいことは認められるであろう。 流体流動フィールド板は、適当な導電性材料から作られている。殆どの用途に対し、堅い非多孔質黒鉛板が有効であることが見出されている。黒鉛は、用いられる環境で化学的に不活性であり、安価であるので好ましい。他の適当な材料には、ニオブの如き耐食性金属、金又は白金の如き貴金属でメッキして非反応性にされた場合のマグネシウム又は銅の如き耐食性の低い卑金属、及び耐食性金属粉末、耐食性金属でメッキされた卑金属粉末、又は黒鉛、炭化棚素等の如き化学的に不活性な導電性粉末を適当な重合体結合剤で導電性板を生ずるように一緒に結合したものからなる複合体材料が含まれる。 適当な重合体結合剤には、ペンウォルト(Penwalt)によって製造されているポリフッ化ビニリデン材料の商標名であるキナーノレ(Kynar)の如き射出成形に適した熱可塑性樹脂が含まれる。 典型的な複合体は、90〜70%の高純度黒鉛粉末及び10〜30%のポリフッ化ビニリデンを含んでいる。 第2図に最もよく示されているように、板の主表面には(15)には、一本の連続的流体流動溝(22)が形成されており(典型的には数値制御加工、圧印、又は成形による)、その溝は一方の端の流体入口(24)、他方の端に流体出口(26)を有する。流体入口(24)は板中の流体供給開口(25)に直接接続されており、流体出口(26)は板中の流体排出開口(27)に直接接続されている。 溝の開放上面(23)はその全長に沿って伸びている。流体開口は陰極に隣接した板のための燃料源(図示されていない)又は陽極に隣接した板のための酸化剤源(図示されていない)に接続されている。溝(22)は、組み立てた時隣接する陰極又は陽極の領域に相当して、板(12)の主中心領域を複数の通路として横切っているのが分かる。例示した態様では、溝は蛇行路になっている。非蛇行溝構造を用いてもよいが、それらは連続しているものとする。電極表面を最も広く覆うように、溝は間隔の狭い長い通路と短い通路が交互になった複数の通路として板を横切っている。一枚の板の長い方の通路が、向かい合った板の長い方の通路と実質的に直角に配置されるように板を配列するのが好ましい。これにより相対する板の表面を合わせる困難が取り除かれ、相対する板に異なった流体流動フィールド構造を用いることができるようになる。 第3図には、溝の断面が例示されている。溝(22)は平らな底(29)と両側の側壁(30)によって定められており、それら側壁は開放上面(23)の方へ底から外側へ広がっているのが分かる。溝の形は一般に臨海的なものではない。例えば、底は丸くなってu字型溝を形成してもよい。溝は例示したような形にするのが工具の磨耗を最も少なくする。溝はその全長に亙って均一の深さを持つのが好ましい。側壁が開放上面の方へ狭くなっている設計は望ましいものではない。このようにして一連の実質的に平行な畝(32)が長い溝通路の間に定められている。この設計も、溝を正確に加工し易くしている。 組み立てた時、陰極に隣接した板の溝の間の畝(32)は、陰極と接触し、陽極に隣接した板の溝の間の畝(32)は陽極と接触する。従って、導電性板は電流コネクタとしての働きもする。 一般に、溝の開放上面の幅は、0.030〜0.240inの範囲にある。好ましい範囲は0.040〜0.100inである。最も好ましい範囲は0.045〜0.055inである。殆どの用途に対し、約0.050inの開放上面幅が許容出来ることが見出されている。 溝の開放上面は畝より幾らか幅が広いのが望ましいことも見出されている。一般に、0.010〜0.200inの範囲の畝の幅が計画されている。好ましい範囲は0.020〜0.100inであり、最も好ましい範囲は0.035〜0.055inである。約0.040inの幅の畝を用いるのが典型的である。 溝の深さに関し、0.010〜0.250inの範囲が考えられている。好ましい範囲は0.030〜0.150inであり、最も好ましい範囲は0.040〜0.080inである。典型的な溝の深さは約0.050inである。 上記大きさは、電気化学的性能と、電極を支持するための機械的強度条件との間の釣り合いを表していることは認められるであろう。従って、用途により大きさは上述の範囲内で変えることができる。 溝は、濡れの影響を少なくするため、適当な疎水性被覆を持っていてもよい。適当な疎水性被覆には、ポリテトラフルオロエチレン及びシリコーンの如き重合体が含まれる。 操作上、陰極に隣接した流体流動フィールド板は燃料、この場合には水素に富むガスを陰極へ供給し、陽極に隣接した流体流動板は酸化剤(純粋酸素又は空気)を陽極へ供給する。板、従って隣接した電極表面を間隔の狭い長い通路と短い通路が交互になった複数の通路として横切っている一本の連続的溝を用いることにより、適切な燃料及び酸化剤ガスの夫々陰極及び陽極の実質的全表面への接近が確実に行われる。 上で示したように、電池の操作温度は作動圧力で水の沸点より低く、固定された固体電解質が用いられているので、反応生成物として形成された水は液体として陽極からガス流中へ追い出される。従って、効率的な電池性能を与えるため、陽極への酸素の接近を妨げる溝の閉塞(従来の問題)を解消するため、液体水はそのまま除去されなければならない。本発明の新規な連続的溝構成法により、確実に、形成された水はガス流によって溝を通って運ばれ、電池から排出される。従って、陽極作動表面のどこにも水の集積による死点は形成されない。 本発明は、水が溝中に形成されると、直ぐにそれを除去することができるようにしている。特に、水が大きな水滴を形成してその形成された水滴を除去するのにかなりの力が必要になる点まで凝集する前に、前記溝の形状により水の動きがよくなるようにされている。酸化剤ガス、典型的には酸素の流れが溝に沿って水を移動させる。 更に、酸化剤として空気を用いて作動させた場合、空気中の酸素が消費され空気中の酸素分圧が減少する。電池の性能は酸素分圧に対し敏感である。それを一部補償するため、空気を用いた場合流量を増大する。更に、空気を用いて安定な高性能を持たせるためには、溝の全長に沿って、従って電池を横切って出来るだけ均一な酸素分圧を持つことが望ましい。均一な酸素分圧は実際上達成できないので、次善の策は電池を通る酸素分圧が一律に制御された低下を示すことである。これは、本発明の流体流動フィールド板を用いることにより達成することができる。 特に空気は一本の溝を通って流れるので、空気は一律に分布される。その一律な分布は連続的なので、酸素濃度は供給点で最も高く、流動溝の長さ方向に直線的に低下して行く。このことは、どの点の酸素濃度も計算又は測定でき、それによって正確に制御できるので、極めて有利である。 〔実施例〕 実施例1 陽極、及び従来の陰極流体流動フィールド板(前述のゼネラル・エレクトリック社の分離平行流動溝構造体)、及び0.05ft2の活性電極面積を有する標準膜電解質/電極組立体を有する燃料電池を、水素及び3.18ft3/時間の空気流量の空気を用いて操作した。130°Fの温度で0.0225Ωの固定倉荷抵抗を通って1時間作動させた後、次の性能が記録された。 電流密度 電池端子電圧 面積電力密度 (A/ft2) (V) (W/ft2) 333 0.417 139 実施例2 実験条件は全て実施例1の場合と全く同じであった。但し陽極流体流動フィールド板を、第2図に示した本発明の流体流動フィールド板で置き換えた。同じ固定負荷抵抗を通して1時間作動後、次の性能が記録された。 電流密度 電池端子電圧 面積電力密度 (A/ft2) (V) (W/ft2) 408 0.500 204 本発明を用いると、燃料電池から得られる電力は約50%増大したことが認められるであろう。 このように、本発明により一本の連続的通路、例えば第2図に例示した蛇行横断通路を使用すると、過剰の酸化剤及び水素ガスの流れを維持することにより、電池から水が効果的に除去される。水は、凝集又は他の原因により水素側で生ずることがあるが、主な水の形成は酸化剤側で行われる。水が生成すると、過剰のガスの流れにより通路の長さの方向に押され、電池から押し出される。特に一本の蛇行路では、仮え液体の水が溝中に集積してもその水は除去される。一本の蛇行した溝通路を使用すると、板の表面の作動領域中のどの点でも「漏洩(channeling,チャネリング)」を起きなくすることができ、電極の作動表面から水が連続的にフラッシュ(flush)されるので死点を生じない。従って、水の形成及び均一な(制御された)酸素の接近が主に陽極側に影響を与える問題であるが、新規な板の構成は陰極側にも有用であることは認められるであろう。 複合電池構造では、板の他方の主表面も連続的横断溝を持っていてもよい。そのような一枚の所謂「二極(bi-polar)」板の両側にある二つの流体流動フィールドは、燃料ガスを一つの電池の陰極へ供給し、酸化剤ガスを隣の電池の陽極へ供給する。 一層大きな電流密度用として、特に酸化剤として空気を用いるか、又は非常に大きな流体流動フィールド板(電池一個当たり約0.25ft2の活性電極面積)を用いて操作した場合、一本の連続的溝は限界を有する。性能をよくするため陰極側に必要なガス流の増大は、溝の供給入口から排出出口まで大きな圧力降下を生ずる。従って、空気で操作する場合、電池を通る圧力低下を少なくし、それによって空気を加圧するのに必要な付随消費電力を最小にすることが望ましい。従って、典型的には実質的に同じような蛇行の仕方で板を横切る幾つかの別々な連続的流動溝を与えてもよい。 第4図には、本発明の別の態様に従う多重溝流動板の一つの好ましい構成が示されている。図から分かるように、主表面(42)には、多数の流動溝〔その内の数本が参照番号(44)として示されている〕が形成されており、それらは流体供給開口(45)と、流体排出開口(47)との間で夫々全体的に蛇行した路に従っている。各溝(44)は入口端(46)及び出口端(48)を有し、それらは夫々流体供給開口(45)及び流体排出開口(47)へ夫々連結されている。そのように、開口(45)及び(47)は各溝(44)に共通である。第4図には丁度10本の個々の溝(44)が偶々示されているが、それより多い又は少ない数の溝(44)を与えてもよいことは分かるであろう。 今までの記述を見て当業者には明らかになるように、本発明の本質或は範囲から離れることなく、本発明を実施する際に多くの変更及び修正を行うことができる。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲に規定されたものに従って解釈されるべきである。 本発明は、現在最も実際的で好ましい態様であると考えられるものに関連して記述してきたが、本発明は開示した態様に限定されるものではなく、反対に特許請求の範囲の範囲及び本質内に含まれる種々の修正及び同等の構成を含むものであることは分かるであろう。 【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の流体流動フイールド板を組み込んだ電極組立体の側断面図である。 第2図は、板中の連続的横断溝の一つの態様を示す本発明による流体流動フィールド板の平面図である。 第3図は、第2図の溝を拡大して示した断面図である。 第4図は、本発明の別の態様に従い、入口端及び出口端が夫々供給源開口及び排出開口へ直接連結されている複数の流動溝を有する流体流動フィールド板の平面図である。 10…電極組立体 12、13…流体流動フィールド板 14…凹所 15…主表面 16…アノード 18…カソード 20…固体重合体電解質 22…蛇行溝 23…開放上面 24…流体入口 25…流体供給開口 26…流体出口 27…流体排出開口 29…平らな底 30…側壁 32…畝 42…主表面 44…流体溝 45…流体供給開口 46…入口端 47…流体排出開口 48…出口端 |
訂正の要旨 |
特許第2711018号発明の明細書中特許請求の範囲の請求項8,9のそれぞれに「流体流動板」とあるのを、本件訂正請求書に添付された訂正明細書のとおり、誤記の訂正を目的として、何れも「燃料電池」と訂正する。 特許第2711018号発明の明細書中の特許請求の範囲の請求項10を、本件訂正請求書に添付された訂正明細書のとおり、特許請求の範囲の減縮を目的として、削除する。 |
異議決定日 | 2000-05-31 |
出願番号 | 特願平2-229519 |
審決分類 |
P
1
651・
532-
YA
(H01M)
P 1 651・ 121- YA (H01M) P 1 651・ 531- YA (H01M) |
最終処分 | 維持 |
特許庁審判長 |
小野 秀幸 |
特許庁審判官 |
金澤 俊郎 刑部 俊 |
登録日 | 1997-10-24 |
登録番号 | 特許第2711018号(P2711018) |
権利者 | カナダ国 |
発明の名称 | 燃料電池 |
代理人 | 長沼 暉夫 |
代理人 | 浅村 肇 |
代理人 | 浅村 肇 |
代理人 | 長沼 暉夫 |
代理人 | 浅村 皓 |
代理人 | 木川 幸治 |
代理人 | 木川 幸治 |
代理人 | 浅村 皓 |