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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A47L
管理番号 1024340
異議申立番号 異議2000-70471  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1998-03-10 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-01-31 
確定日 2000-09-11 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2930059号「電気掃除機」の請求項1ないし請求項8に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2930059号の請求項1ないし請求項6に係る特許を維持する。 
理由 〔1〕手続きの経緯
本件特許第2930059号は、平成1年1月9日に出願した特願平1-2431号の一部を平成9年7月28日に新たな特許出願としたものであって、平成11年5月21日に特許権の設定登録がされ、その後、三洋電機株式会社により特許異議の申立てがされた。そして、当審において取消理由が通知され、その指定期間内である平成12年7月4日に訂正請求がされた。
〔2〕訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
1-1 特許請求の範囲の記載を以下のとおり訂正する。
a)訂正前の請求項1を訂正前の請求項2の構成まで限定し、
「請求項1
電動送風機、電気制御機器、集塵装置などを有する掃除機本体と、この掃除機本体の吸気口に差込まれ、上記電気制御機器に電気的に接続されるリモートコントロール用端子を設けた差込パイプを一端に、床ノズルに連通した延長パイプが接続され、リモートコントロール用操作体を一部に配設した操作パイプを他端にそれぞれ有し、かつ上記リモートコントロール用の端子と操作体を電気的に接続する導電線を巻装したホースとを具備し、上記差込パイプおよび操作パイプの少なくとも一方にホース端部に設けた回転パイプを回転自在に挿入嵌合するとともに、前記回転パイプの挿入部分には導電材よりなる複数のリング状レールを、前記差込パイプおよび操作パイプの少なくとも一方には同レールに対応し、その周面と接触する接片をそれぞれ取着して同レール、接片をリモートコントロール系路の一部に含ませ、前記レール内周面と回転パイプの外周面との間にレールと導電線とを電気的に接続する手段を収容する収容部を形成するレール台を有し、外周にレールを設けた環状のレール台を回転パイプに廻り止めして外嵌合し、一方、差込パイプ、および、または操作パイプには接片を取付けた電気掃除機。」と訂正する。
b)訂正前の請求項3を訂正前の請求項5の構成まで限定し、
「請求項2
電動送風機、電気制御機器、集塵装置などを有する掃除機本体と、この掃除機本体の吸気口に差込まれ、上記電気制御機器に電気的に接続されるリモートコントロール用端子、および、給電端子を設けた差込パイプを一端に、アジテータとその駆動用電動機を内蔵した床ノズルに連通され、上記電動機への給電線を装備した延長パイプが接続され、リモートコントロール用操作体を一部に配設した操作パイプを他端にそれぞれ有し、かつ上記リモートコントロール用の端子と操作体を電気的に接続する導電線および上記給電端子から延長パイプの給電線へ給電を行う導電線を巻装したホースとを具備し、上記差込パイプおよび操作パイプの少なくとも一方にホース端部に設けた回転パイプを回転自在に挿入嵌合するとともに、前記回転パイプの挿入部分には導電材よりなる複数のリング状レールを、前記差込パイプおよび操作パイプの少なくとも一方には同レールに対応し、その周面と接触する接片をそれぞれ取着して同レール、接片をリモートコントロール系路の一部に含ませ、前記レール内周面と回転パイプの外周面との間にレールと導電線とを電気的に接続する手段を収容する収容部を形成するレール台を有し、外周にレールを設けた環状のレール台を回転パイプに廻り止めして外嵌合し、一方、差込パイプ、および、または操作パイプには接片を取付けた電気掃除機。」と訂正する。
c)上記訂正a)、b)に伴い、訂正前の請求項4を
「請求項3
各接片を略山形状としてその両片がリング状レールの周方向2箇所と接触するようにした請求項1または2記載の電気掃除機。」と訂正する。
d)上記訂正b)に伴い、訂正前の請求項6を
「請求項4
リモートコントロール用のレールの外側に給電用のレールを配した請求項2記載の電気掃除機。」と訂正する。
e)上記訂正a)、b)に伴い、訂正前の請求項7を
「請求項5
レール台は両端より軸方向の切込みを有し、一方、レールは帯状の導電材をリング状とするとともに、両端を接合して中心方向に折曲し、同折曲部分を上記切込みに挿入してレール台外周にレールを取着した請求項1または2記載の電気掃除機。」と訂正する。
f)上記訂正e)に伴い、訂正前の請求項8を
「請求項6
各切込みの位置をそれぞれ円周方向にずらした請求項5記載の電気掃除機。」と訂正する。
1-2 上記特許請求の範囲の記載の訂正に伴い、発明の詳細な説明を以下のとおり訂正する。
g)特許明細書の段落【0005】、【0007】、【0010】の「レール台を有する」を「レール台を有し、外周にレールを設けた環状のレール台を回転パイプに廻り止めして外嵌合し、一方、差込パイプ、および、または操作パイプには接片を取付けた」と訂正する。
h)特許明細書の段落【0009】および【0012】を削除する。
i)特許明細書の段落【0010】の「本発明の請求項3記載の発明」を「本発明の請求項2記載の発明」と訂正する。
j)特許明細書の段落【0013】の「本発明の請求項5記載の発明は、請求項1または3記載の発明」を「本発明の請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明」と訂正する。
k)特許明細書の段落【0014】の「本発明の請求項6記載の発明は、請求項3記載の発明」を「本発明の請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明」と訂正する。
l)特許明細書の段落【0015】の「本発明の請求項7記載の発明は、請求項2または5記載の発明」を「本発明の請求項5記載の発明は、請求項1または2記載の発明」と訂正する。
m)特許明細書の段落【0016】の「本発明の請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明」を「本発明の請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明」と訂正する。
n)段落【0009】および【0012】の削除に伴い、段落【0010】以降の段落番号を繰り上げる。
2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項a)、b)は、「レール台」、「差込パイプ」、「操作パイプ」を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮に相当する。
訂正事項c)〜f)は、上記訂正a)、b)の訂正と整合させるための訂正であるから、不明りょうな記載の釈明に相当する。
訂正事項g)〜n)は、上記特許請求の範囲の訂正事項a)〜f)と整合させるための訂正であるから、不明りょうな記載の釈明に相当する。
そして、上記訂正事項a)ないしn)は新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
3.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する第126条第2、3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
〔3〕特許異議の申立についての判断
1.本件発明について
本件訂正後の請求項1ないし請求項6に係る発明は、その訂正明細書の請求項1ないし請求項6に記載された事項により特定されるとおりのものである。(〔2〕1.1-1a)乃至f)参照。)
2.申立の理由の概要
特許異議申立人三洋電機株式会社は、「本件特許発明は、その出願前公知の甲第1号証、甲第2号証、甲第3号証及び甲第4号証に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。したがって、特許法第113条第1項第2号に該当し、取り消されるべきものである。」旨、主張し、以下の証拠方法を提出している。
甲第1号証:実公昭55-36219号公報
甲第2号証:実公昭39-34294号公報
甲第3号証:特開昭62-114522号公報
甲第4号証:特開昭61-209626号公報
3.甲号各証記載の発明
甲第1号証には、電気掃除機のホースコネクタに関し、以下の事項が記載されている。
a)「吸塵ホース側にリモートスイッチを設けた電気掃除機のホースコネクタにあつては、掃除機本体の吸塵口に装着するケースに吸塵ホースを連結するホース連結管を回転自在に嵌合し、上記ホース連結管の外周には吸塵ホース側のリモートスイッチに接続する導電材製リングを取着し、上記ケースに掃除機側の外部端子に電気的に接続する端子板および上記リングに摺接する接触片を設け、この接触片と端子板とをケース内部で電気的に接続するようにしている。」(第1頁右欄第5〜14行)
b)「図中1は掃除機本体の吸塵口に装着する略円筒状のケースである。このケース1の内部には、吸塵ホースを連結するL形のホース連結用曲管2を回転自在に嵌合している。上記ケース1の一側部には掃除機本体の吸塵口部に設けられた外部端子に電気的に接続する端子板3、4を装着するプラグ部5を形成している。・・・また第5図はケース1を一部切欠して示すものであるが、この図で示すように上記プラグ部5内には前記ホース連結用曲管2を露出する透孔7・・・を穿設するとともに、中央には上下方向へ延在する柱状突起18を突設し、上記透孔7・・・を通して板ばね状の接触片8、9の各両端を連結管2側に挿通させている。上記接触片8、9は、その中央を柱状突起18にて前記各端子板3、4の一端と重合し、その重合部を柱状突起18に設けたねじ孔19にねじ10、10で取付けられている。・・・一方、前記ホース連結用曲管2の前記ケース1内への嵌合部外周に導電材製リング13、14を取着し、その各リング13、14に前記接触片8、9の各両端を弾性的に摺接させている。上記各リング13、14はそれぞれリード線15、16を介して図示しない吸塵ホース側のリモートスイッチに接続されている。なお、上記リード線15、16は、第4図に示すように曲管2の外周に軸方向に長く形成されたリード線導出溝20内を通してプラグ部5外へ導出される。」(第2頁左欄第13行〜右欄第6行)
甲第2号証には、リモートスイツチ付電気掃除機に関し、以下の事項が記載されている。
a)「1は掃除機本体、2はホース、3は吸込口、6はリモートスイッチ、5は前蓋、11は外周にスリット10を穿設し、こ丶に輪バネ14を設置させたホース接続パイプで、これを前蓋5に挿入すると、前蓋5の内周に穿設されたスリット13に輪バネ14が係合し、前蓋5に回転自在に嵌合される。12はホース接続パイプ11に取り付けられた抜け止めリング、6、7はホース接続パイプ11の外面に隣接して埋設された環状のスリップリングで各々板バネ21、22を介して電動機回路のリード線8、9に接続される。15はホース2に装着されたホース接手で、外周にリベット16、板バネ17、18を有している。19、20は一端をホース2に埋設されたリモートスイッチ4に接続されるリード線である。」(第1頁左欄下第12行〜右欄第3行)
b)「ホース接手15をホース接続パイプ11に挿入すると板バネ17、18の接触子部はスリップリング6、7に接して、リモートスイッチと電動機回路を接続する。また抜け止めリング12を回転し、リベット16をロックさせるとホース2は掃除機本体1に確実に接続される。さらにホース2はホース接続パイプ11と一体になって、前蓋5の間を輪バネ14を案内にして、回転自在になる。」(第1頁右欄第13〜20行)
甲第3号証には、電気掃除機に関して以下の事項が記載されている。
a)「上記実施例では、掃除機本体1の接続口部32を回動自在とすることによって、ホース61を回動自在とした構造について説明したが、ホース61の接続管部63を、固定された接続口部32に嵌合接続される接続管と、この接続管に回動自在に連結された回動管とにより構成することによって、ホース61を回動自在としてもよい。この構造においては、リモートコントロール用配線72および電源配線74の摺動端子45a、45b、48a、48bは回動管に設け、それらにそれぞれ接続される固定端子部24a、24b、26a、26bは接続管に設ける。」(第6頁右上欄第17行〜左下欄第7行)
甲第4号証には、電気掃除機に関して以下の事項が記載されている。
a)「またホース取付口9はホース口パッキン10を中間に挟む形で、ホース押え11とネジ15により一体に構成されているのでホース7取付口9の回転と同一に回転するようになっている。」(第2頁左下欄第9〜13行)
b)「上記スリツプリング19、20は、金属の薄板状の導電材料からなり、ホース口押え11の外周に巻き付けられるとともにホース口押え11外周の一部の切欠部23a、23bより内側に折り曲げられ固定され、この折り曲げ部24にはホース側へ通電するリード線25とこれらの先端に設けられた接片26がある。しかも切欠部23aと切欠部23bとは回動中心に対して点対象にならない配置としている。」(第2頁右下欄第3〜11行)
4.対比・判断
本件訂正後の請求項1ないし請求項6に係る発明を、以下、「請求項1ないし請求項6に係る発明」という。
まず、請求項1に係る発明と、甲第1号証ないし甲第4号証に記載された発明とを対比する。
甲第1号証ないし甲第4号証には、請求項1に係る発明を特定する事項である「レール内周面と回転パイプの外周面との間にレールと導電線とを電気的に接続する手段を収容する収容部を形成するレール台」および「外周にレールを設けた環状のレール台を回転パイプに廻り止めして外嵌合し」た構成は記載も示唆もされていない。
以下、詳述する。
甲第1号証には、掃除機本体の吸塵口に装着する差込パイプ(略円筒状のケース1)の内部に吸塵ホースを連結する回転パイプ(L形のホース連結用曲管2)を回転自在に嵌合し、回転パイプの差込パイプ内への嵌合部外周にリング状レール(導電性リング13、14)を取着した点、また、導電線(リード線15、16)がリング状レールと回転パイプに設けられた溝20との間に設けられている点が記載されているが、リング状レール内周面と回転パイプの外周面との間には、何も介在するものがなく、請求項1に係る発明のレール内周面と回転パイプの外周面との間に設けられた「レール台」に相当するものは、記載されていないものと認める。
甲第2号証には、前蓋5に回転自在に嵌合されるホース接続パイプ11の外面に環状のスリップリング6、7を隣接して埋設し、回転パイプ(ホース接手15)は外周にリベット16、板バネ17、18を設け、回転パイプをホース接続パイプ11に挿入させロックさせることにより、ホース2はホース接続パイプ11と一体になって、前蓋5の間を輪バネ14を案内にして、回転自在となることが記載されているが、環状のスリップリングと6、7と板ばね17、18とを電気的に接続する手段はホース接続パイプ11と回転パイプとの間ではなく、ホース接続パイプ11を切り欠いた部分と回転パイプの外周面に設けた溝部分に設けらているから、ホース接続パイプ11は請求項1に係る発明の「レール台」には相当しない。
甲第3号証には、摺動端子を設けた第2の接続口部材36を第1の接続口部材33に廻り止めして外嵌合し、一方、蓋体に固定端子部を取り付けた構成が開示されているが、請求項1に係る発明の「回転パイプ」に相当するものは、「ホース61」であるから、請求項1に係る発明の「レール台」は記載されていない。
甲第4号証に記載されたホース口押え11は、本体側のホース取付口9に取り付けられており、このホース取付口9は、請求項1に係る発明の回転パイプには相当しない。
したがって、甲第4号証には、請求項1に係る発明のレール内周面と回転パイプの外周面との間に設けた「レール台」は記載されていない。
請求項1に係る発明は、上記構成を採用することにより、「長期にわたり電気接続を良好とする。また、リモートコントロールの単機能への転用が容易であり、レール取着そのものもしやすい。」なる格別の効果を奏するものと認める。
したがって、該構成を具備しない甲第1号証ないし甲第4号証に記載された発明を組み合わせても請求項1に係る発明には至らないものと認める。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明をさらに限定するものであるから、請求項1に係る発明と同様に、甲第1号証ないし甲第4号証に記載された発明を組み合わせても請求項2に係る発明には至らないものと認める。
さらに、請求項3ないし請求項6に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明をさらに限定するものであるから、甲第1号証ないし甲第4号証に記載された発明を組み合わせても請求項3ないし6に係る発明には至らないものと認める。
5.むすび
以上のとおりであるから、請求項1ないし請求項6に係る発明は、甲第1号証ないし甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
また、他に請求項1ないし請求項6に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
電気掃除機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】電動送風機、電気制御機器、集塵装置などを有する掃除機本体と、この掃除機本体の吸気口に差込まれ、上記電気制御機器に電気的に接続されるリモートコントロール用端子を設けた差込パイプを一端に、床ノズルに連通した延長パイプが接続され、リモートコントロール用操作体を一部に配設した操作パイプを他端にそれぞれ有し、かつ上記リモートコントロール用の端子と操作体を電気的に接続する導電線を巻装したホースとを具備し、上記差込パイプおよび操作パイプの少なくとも一方にホース端部に設けた回転パイプを回転自在に挿入嵌合するとともに、前記回転パイプの挿入部分には導電材よりなる複数のリング状レールを、前記差込パイプおよび操作パイプの少なくとも一方には同レールに対応し、その周面と接触する接片をそれぞれ取着して同レール、接片をリモートコントロール系路の一部に含ませ、前記レール内周面と回転パイプの外周面との間にレールと導電線とを電気的に接続する手段を収容する収容部を形成するレール台を有し、外周にレールを設けた環状のレール台を回転パイプに廻り止めして外嵌合し、一方、差込パイプ、および、または操作パイプには接片を取付けた電気掃除機。
【請求項2】電動送風機、電気制御機器、集塵装置などを有する掃除機本体と、この掃除機本体の吸気口に差込まれ、上記電気制御機器に電気的に接続されるリモートコントロール用端子、および、給電端子を設けた差込パイプを一端に、アジテータとその駆動用電動機を内蔵した床ノズルに連通され、上記電動機への給電線を装備した延長パイプが接続され、リモートコントロール用操作体を一部に配設した操作パイプを他端にそれぞれ有し、かつ上記リモートコントロール用の端子と操作体を電気的に接続する導電線および上記給電端子から延長パイプの給電線へ給電を行う導電線を巻装したホースとを具備し、上記差込パイプおよび操作パイプの少なくとも一方にホース端部に設けた回転パイプを回転自在に挿入嵌合するとともに、前記回転パイプの挿入部分には導電材よりなる複数のリング状レールを、前記差込パイプおよび操作パイプの少なくとも一方には同レールに対応し、その周面と接触する接片をそれぞれ取着して同レール、接片をリモートコントロール系路の一部に含ませ、前記レール内周面と回転パイプの外周面との間にレールと導電線とを電気的に接続する手段を収容する収容部を形成するレール台を有し、外周にレールを設けた環状のレール台を回転パイプに廻り止めして外嵌合し、一方、差込パイプ、および、または操作パイプには接片を取付けた電気掃除機。
【請求項3】各接片を略山形状としてその両片がリング状レールの周方向2箇所と接触するようにした請求項1または2記載の電気掃除機。
【請求項4】リモートコントロール用のレールの外側に給電用のレールを配した請求項2記載の電気掃除機。
【請求項5】レール台は両端より軸方向の切込みを有し、一方、レールは帯状の導電材をリング状とするとともに、両端を接合して中心方向に折曲し、回折曲部分を上記切込みに挿入してレール台外周にレールを取着した請求項1または2記載の電気掃除機。
【請求項6】各切込みの位置をそれぞれ円周方向にずらした請求項5記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はホースを介して掃除機本体を移動させるようにした、いわゆる床移動形の電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種電気掃除機にあっては、ホースの一端を掃除機本体の吸気口に差込んで固定するようになっていた。しかしこのものでは、ホースが捩られたときに無理な力が加わって破損などを生起するものであった。そこで、図9のように吸気口を掃除機本体1の上面側に形成して、ホース2の一端に接続した屈曲状の差込みパイプ3を回転自在に差込むものが提案された。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記図9の構成では、略差込みパイプ3を半径としてホース2がいわゆる公転動作しないと捩れがとれない。そのため、作業者がホース2を意識的に公転しない限り、捩れ具合が相当進んだところではじめて公転が行われ、しかもこの公転は捩れを充分にとるものではないから、やはり、ホース2が破損などを生起しやすかった。
【0004】
本発明はこのような従来の課題を解決したもので、ホースの捩れを確実に防止した電気掃除機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、差込パイプおよび操作パイプの少なくとも一方にホース端部に設けた回転パイプを回転自在に挿入嵌合するとともに、前記回転パイプの挿入部分には導電材よりなる複数のリング状レールを、前記差込パイプおよび操作パイプの少なくとも一方には同レールに対応し、その周面と接触する接片をそれぞれ取着して同レール、接片をリモートコントロール系路の一部に含ませ、前記レール内周面と回転パイプの外周面との間にレールと導電線とを電気的に接続する手段を収容する収容部を形成するレール台を有し、外周にレールを設けた環状のレール台を回転パイプに廻り止めして外嵌合し、一方、差込パイプ、および、または操作パイプには接片を取付けたもので、ホースに捩れがあると差込パイプ、および、または操作パイプが自転して捩れが戻される。しかも、レールおよび接片を介してリモートコントロール信号が掃除機本体に伝達されるものである。さらに、導電線とレールとを電気的に接続する手段を塵埃の影響の少ないレールと回転パイプとの間に配したものである。
【0006】
また、上記レール、接片をリモートコントロール系路および電動機への給電系路の一部に含ませるようにすれば、リモートコントロール信号のほかに床ノズルのアジテータ駆動用の電動機への給電を併せて行われるようになる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、電動送風機、電気制御機器、集塵装置などを有する掃除機本体と、この掃除機本体の吸気口に差込まれ、上記電気制御機器に電気的に接続されるリモートコントロール用端子を設けた差込パイプを一端に、床ノズルに連通した延長パイプが接続され、リモートコントロール用操作体を一部に配設した操作パイプを他端にそれぞれ有し、かつ上記リモートコントロール用の端子と操作体を電気的に接続する導電線を巻装したホースとを具備し、上記差込パイプおよび操作パイプの少なくとも一方にホース端部に設けた回転パイプを回転自在に挿入嵌合するとともに、前記回転パイプの挿入部分には導電材よりなる複数のリング状レールを、前記差込パイプおよび操作パイプの少なくとも一方には同レールに対応し、その周面と接触する接片をそれぞれ取着して同レール、接片をリモートコントロール系路の一部に含ませ、前記レール内周面と回転パイプの外周面との間にレールと導電線とを電気的に接続する手段を収容する収容部を形成するレール台を有し、外周にレールを設けた環状のレール台を回転パイプに廻り止めして外嵌合し、一方、差込パイプ、および、または操作パイプには接片を取付けたものである。
【0008】
この構成によると、ホースに捩れがあると差込パイプ、および、または操作パイプが自転して捩れが戻される。しかも、レールおよび接片を介してリモートコントロール信号が掃除機本体に伝達されるものである。さらに、導電線とレールとを電気的に接続する手段を塵埃の影響の少ないレールと回転パイプとの間に配することができる。
【0009】
本発明の請求項2記載の発明は、電動送風機、電気制御機器、集塵装置などを有する掃除機本体と、この掃除機本体の吸気口に差込まれ、上記電気制御機器に電気的に接続されるリモートコントロール用端子、および、給電端子を設けた差込パイプを一端に、アジテータとその駆動用電動機を内蔵した床ノズルに連通され、上記電動機への給電線を装備した延長パイプが接続され、リモートコントロール用操作体を一部に配設した操作パイプを他端にそれぞれ有し、かつ上記リモートコントロール用の端子と操作体を電気的に接続する導電線および上記給電端子から延長パイプの給電線へ給電を行う導電線を巻装したホースとを具備し、上記差込パイプおよび操作パイプの少なくとも一方にホース端部に設けた回転パイプを回転自在に挿入嵌合するとともに、前記回転パイプの挿入部分には導電材よりなる複数のリング状レールを、前記差込パイプおよび操作パイプの少なくとも一方には同レールに対応し、その周面と接触する接片をそれぞれ取着して同レール、接片をリモートコントロール系路の一部に含ませ、前記レール内周面と回転パイプの外周面との間にレールと導電線とを電気的に接続する手段を収容する収容部を形成するレール台を有し、外周にレールを設けた環状のレール台を回転パイプに廻り止めして外嵌合し、一方、差込パイプ、および、または操作パイプには接片を取付けたものである。
【0010】
この構成によると、ホースに捩れがあると差込パイプが自転して捩れが戻される。しかも、リモートコントロール信号のほかに床ノズルのアジテータ駆動用の電動機への給電を併せて行われるようになる。さらに、導電線とレールとを電気的に接続する手段を塵埃の影響の少ないレールと回転パイプとの間に配することができる。
【0011】
本発明の請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の各接片を略山形状としてその両片がリング状レールの周方向2箇所と接触するようにしたもので、レールと接片との接触性が向上するとともに、同接片に偏加重が加わらなくなる。
【0012】
本発明の請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明におけるリモートコントロール用レールの外側に給電用レールを配したもので、給電用レールと接片間に加わる電圧により塵埃がリモートコントロール用レールと接片間に侵入しにくくなる。
【0013】
本発明の請求項5記載の発明は、請求項1または2記載の発明のレール台が両端より軸方向の切込みを有しており、一方、レールは帯状の導電材をリング状とするとともに、両端を接合して中心方向に折曲し、回折曲部分を上記切込みに挿入してレール台外周にレールを取着したもので、切込み部に折曲部分を挿入するだけの簡単な作業でレール台に対するレールの取付けが可能となる。
【0014】
本発明の請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明における各切込みの位置をそれぞれ円周方向にずらしたもので、レールの端部接続部が同一軸方向直線上にならないため、折片との接触抵抗を小さくできるものである。
【0015】
【実施例】
以下その実施例を図1〜図8を参照して説明する。
【0016】
図において、電動送風機11、電気制御器12および集塵装置などを有する掃除機本体13は、その前面に吸気口14を形成している。一方、ホース15は、その一端に上記吸気口14に嵌合され、かつ尾錠16を介して固定される差込パイプ17が、他端に鈍角状に曲げられた操作パイプ18が各々接続されている。19は操作パイプ18に接続した延長パイプで、先端にはアジテータ20およびその駆動用電動機21を内蔵した床ノズル22が設けてある。上記操作パイプ18には電動送風機11をリモートコントロールするための操作体23と、床ノズル22の電動機21を運転制御するための操作体24が配設してあり、リモートコントロール用操作体23からの信号はホース15に埋設した導電線(後述する)を介して電気制御器12に伝えられ、電動送風機11の回転数などを制御する。またホース15には別の給電用の導電線(後述する)も埋設されており、同導電線、操作体24および延長パイプ19に沿わせたコード25を介して掃除機本体13から床ノズル22の電動機21へ給電できるようにしてある。もちろん、操作体24の操作によって電動機21の発停制御を行うことが可能である。
【0017】
次にホース15と差込パイプ17との接続構成について詳述する。ホース15の端部には差込パイプ17に回転自在に内嵌合する回転パイプ26が固定されている。上記回転パイプ26は先端部外周面に2条の環状凹溝27,28を有し、また長手方向略中央部分には段付外周部29から複数のリード線係止溝30を切込み形成したフランジ31が設けてある。32はフランジ31と凹溝28との間の回転パイプ26の外周長手方向に形成した複数のリブで、このうちの一本は他より長く、フランジ31側に上方への突出部33を有する。一方、34,35は回転パイプ26のフランジ31より前方外周に嵌合する2個の環状レール台で、内周面長手方向に形成した溝部36,37を上記リブ32に係合することによって廻り止めされている。また回転パイプ26の周方向に対する位置合せを行うために、一方のレール台35の後端縁には突出部33と係合する凹部38が、さらにこのレール台35の前端縁と他方のレール台34の後端縁には相係合する凹,凸部39,40がそれぞれ形成してある。
【0018】
なお、突出部33を有するリブ32を他より長くした理由は、回転パイプ26の周方向に対するレール台34,35の位置合せを容易とするためである。レール台34,35の外周面周方向には各2条の溝が形成されていて、それぞれにリング状のレール41,42,43,44が取着してある。またレール台34,35の各前,後端縁からは上記溝に至る切込み45,46が同方向に位相を変えて形成してある。
【0019】
上記レール41〜44は導電材をリング状とともに、両端を接合して中心方向へ折曲したもので、一旦径を拡げて溝に嵌合し、折曲部分47〜50を切込み45,46に挿通して両側へ折り返すことでレール台34,35に取付けられる。切込み45,46は上記のように周方向に位相が異なっているため、レール41〜44の継ぎ目も軸方向同一線に並ぶことがない。このことから、回転パイプ26の周方向に対してレール台34,35の位置合せを行う理由がここに存在することを理解することができるであろう。
【0020】
レール台34,35の隣接するレール42,43はリモートコントロール用として、外側のレール41,44は電動機21への給電用としてそれぞれ設定してある。したがって、レール42,43の折曲部分48,49に半田付けされたリード線48a,49aはホース15のリモートコントロール用導電線51,52に、一方、レール41,44の折曲部分47,50に半田付けされたリード線47a、50aは同じく給電用導電線53,54にそれぞれ接続される。上記各リード線47a,48a,49,50aは回転パイプ26とレール台34,35との間の隙間を利用して配線され、途中がフランジ31のリード線係止溝30に係止保持されている。
【0021】
55はリード線47a〜50aと導電線51〜54との接続部を覆うカバーを示す(第3,4図参照)。
【0022】
次に、差込パイプ17の外周面長手方向には細長状のボックス部56が設けてある。このボックス部56は差込パイプ17の外周面上に形成した枠状のリブ57と蓋58とから構成されている。蓋58は一端の爪59を差込パイプ17の引掛け部60に引掛け、他方をビス6で締付けることで固定される。先の尾錠16はボックス部56の前方に可動的に取付けられており、施錠方向にスプリング62を介して常に付勢されている。また蓋58の裏面には4個の接片63,64,65,66が平行に取着してある。これら接片63〜66はバネ性を有する導電板を略山形状に形成したもので、その頂壁部に蓋58より下方へ突設した突子67を貫通して熱変形することによって固定されている。(第7図参照)。そして各接片63〜66の両遊端は差込パイプ17におけるリブ57で囲まれた部分に形成した1対の長孔68を通って、先のレール41〜44に所定の角度をおいて同時接触するようにしてある。ここで、隣接する接片64,65はリモートコントロール用のもので、同リモートコントロール用のレール42,43と対応し、また前後の接片63,66は給電用であってレール41,44と対応する。
【0023】
上記ボックス部56の前方へは接片64,65にリード線で接続された1対のリモートコントロール用端子69,70が突出され、前部両側へは接片63,66にリード線で接続された1対の給電端子71,72が突出されている。
【0024】
差込パイプ17に回転パイプ26が内嵌合された状態で、上記差込パイプ17の段付後方開口部はフランジ31の段付外周部29とタイトリング73を介してはまり合う。また回転パイプ26の一方の凹溝27にも差込パイプ17の内周面と接するタイトリング74が装着されている。タイトリング73にはフランジ31のリード線係止溝30に挿入されてリード線47a〜50aの離脱を防止するリブ75が形成してある。
【0025】
さらに回転パイプ26の他方の凹溝28には蓋58より垂設され、差込パイプ17の透孔76を貫通した突片77が嵌合しており、抜け止めを図っている(第6図参照)。
【0026】
上記の構成において、掃除機本体13の吸気口14はボックス部56をも嵌合できる非真円形状に設定してある。
【0027】
したがって、上記吸気口14に差込まれた差込パイプ17は廻り止めされ、尾錠16で固定化される。
【0028】
今、ホース15に捩れが生じた場合、その捩れ分だけ回転パイプ26が差込パイプ17内で回転し、同捩れを戻す。したがって、ホース15に無理な力が加わるようなことがないとともに、捩れによって、いわゆる団子状となることもなく、それだけ使用性が向上する。
【0029】
また上記実施例では差込パイプ17と回転パイプ26間に回転動作に対応した電気接続手段を付加しているため、同差込パイプ17に対して回転パイプ26が回転しても、電動送風機11のリモートコントロールおよび床ノズル22におけるアジテータ20の駆動用電動機21への給電には何んら支障がないものである。
【0030】
具体的に述べると、操作パイプ18に設けたりモートコントロール用の操作体23からの信号は、ホース15の導電線51,52→リード線48a,49a→レール42,43→接片64,65→リモートコントロール用端子64,65と伝達し、掃除機本体13内の配線を介して電気制御器12に流れる。この電気制御器12はその時々の入力信号に応じて電動送風機11の回転数を増減したり、あるいは、停止したりする。
【0031】
一方、掃除機本体13に印加された電源は給電端子71,72→接片63,66→レール41,44→リード線47a,50a→ホース15の導電線53,54→操作パイプ18の操作体24と流れ、次いで、コード25を介して床ノズル22内の電動機21へ供給される。
【0032】
床ノズル22内のアジテータ20は被掃除面がじゅうたんなどの場合に回転され、たたみなどの被掃除面の場合は通常停止される。したがって、被掃除面に応じたアジテータ20の発停制御は、操作体24により電動機21の給電をON-OFFすればよい。また必要とあれば、操作体24で電動機21への入力を可変し、アジテータ20の回転数そのものを制御することもできる。
【0033】
ここで、差込パイプ17と回転パイプ26との間に設けた電気接続手段の作用を述べる。
【0034】
まず、各接片63〜66において、それらの形状を略山形状として、各両端部分でレール41〜44と接触させているため、電気的接続が確実となるのはもちろん、接片63〜66に偏荷重が加わらず、がたつきなどを発生しない。換言すれば、接片取付手段として簡単なものが採用できることとなる。また1対のレール41,42、および43,44をレール台34,35に取着しているため、リモートコントロールの単機能への転用が容易であり、レール取着そのものもしやすい。
【0035】
しかも、凹,凸部39,40の係合によって2個のレール台34,35がユニット化されるため、回転パイプ26への取付けが簡単にできる。
【0036】
上記レール41〜44はその継ぎ目が各々位相を変えてレール台34,35に配設してあるため、接片63〜66が同時に上記継ぎ目と接触することがなく、その分、回転パイプ26の回転が円滑化される。
【0037】
さらに、比較的低電圧のリモートコントロール用の電気接続部、すなわち、レール42,43,接片64,65を内側に、比較的高電圧の給電用の電気接続部、すなわち、レール41,44,接片63,66を外側に配設した理由は、高電圧が加わる給電用の電気接続部で塵埃をはじき飛ばして、低電圧のリモートコントロール用電気接続部に塵埃が侵入しないようにしたところにある。したがって、これによって、リモートコントロール機能の性能向上が図られるものである。
【0038】
また上記電気接続手段を付加するとしてもリモートコントロール用、あるいは、床ノズル22内の電動機21への給電用の一方だけとすることも考えられる。さらに回転部分は操作パイプ18側に設けても、あるいは、両方に併設してもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ホースの捩れが実質的になくなるため、その破損などをなくして寿命特性を向上できるとともに、使い勝手も著しくよくなる。
【0040】
また、掃除機本体内の電動送風機のリモートコントロール、さらに床ノズル内に設けたアジテータ駆動用電動機への給電が確実にできるものである。また、導電線とレールとを電気的に接続する手段は回転パイプとレールとの間に位置しているので塵埃による悪影響を受けにくく、長期にわたり電気接続を良好とする。しかも電気接続手段は、レールの周面に接片を接触させたものであるから、回転部分の回転性能は良好に維持できる。さらに上記電気接続手段の組立,加工などもしやすく、接続そのものも確実に行われるなど、すぐれた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施例を示す要部分解斜視図
【図2】
全体斜視図
【図3】
ホースの差込パイプ側の斜視図
【図4】
同一部欠截平面図
【図5】
回転パイプ部の平面図
【図6】
要部側断面図
【図7】
同正断面図
【図8】
蓋の裏面図
【図9】
従来例を示す側面図
【符号の説明】
11 電動送風機
12 制御機器
13 掃除機本体
14 吸気口
15 ホース
17 差込パイプ
18 操作パイプ
19 延長パイプ
20 アジテータ
21 電動機
22 床ノズル
23 操作体(リモートコントロール用)
24 操作体(電動機の運転制御用)
26 回転パイプ
34,35 レール台
41,42,43,44 レール
45,46 切込み
47,48,49,50 折曲部分
51,52 導電線(リモートコントロール用)
53,54 導電線(給電用)
63,64,65,66 接片
69,70 リモートコントロール用端子
71,72 給電端子
 
訂正の要旨 訂正の要旨
1-1 特許請求の範囲の記載を以下のとおり訂正する。
a)訂正前の請求項1を訂正前の請求項2の構成まで限定し、
「請求項1
電動送風機、電気制御機器、集塵装置などを有する掃除機本体と、この掃除機本体の吸気口に差込まれ、上記電気制御機器に電気的に接続されるリモートコントロール用端子を設けた差込パイプを一端に、床ノズルに連通した延長パイプが接続され、リモートコントロール用操作体を一部に配設した操作パイプを他端にそれぞれ有し、かつ上記リモートコントロール用の端子と操作体を電気的に接続する導電線を巻装したホースとを具備し、上記差込パイプおよび操作パイプの少なくとも一方にホース端部に設けた回転パイプを回転自在に挿入嵌合するとともに、前記回転パイプの挿入部分には導電材よりなる複数のリング状レールを、前記差込パイプおよび操作パイプの少なくとも一方には同レールに対応し、その周面と接触する接片をそれぞれ取着して同レール、接片をリモートコントロール系路の一部に含ませ、前記レール内周面と回転パイプの外周面との間にレールと導電線とを電気的に接続する手段を収容する収容部を形成するレール台を有し、外周にレールを設けた環状のレール台を回転パイプに廻り止めして外嵌合し、一方、差込パイプ、および、または操作パイプには接片を取付けた電気掃除機。」と訂正する。
b)訂正前の請求項3を訂正前の請求項5の構成まで限定し、
「請求項2
電動送風機、電気制御機器、集塵装置などを有する掃除機本体と、この掃除機本体の吸気口に差込まれ、上記電気制御機器に電気的に接続されるリモートコントロール用端子、および、給電端子を設けた差込パイプを一端に、アジテータとその駆動用電動機を内蔵した床ノズルに連通され、上記電動機への給電線を装備した延長パイプが接続され、リモートコントロール用操作体を一部に配設した操作パイプを他端にそれぞれ有し、かつ上記リモートコントロール用の端子と操作体を電気的に接続する導電線および上記給電端子から延長パイプの給電線へ給電を行う導電線を巻装したホースとを具備し、上記差込パイプおよび操作パイプの少なくとも一方にホース端部に設けた回転パイプを回転自在に挿入嵌合するとともに、前記回転パイプの挿入部分には導電材よりなる複数のリング状レールを、前記差込パイプおよび操作パイプの少なくとも一方には同レールに対応し、その周面と接触する接片をそれぞれ取着して同レール、接片をリモートコントロール系路の一部に含ませ、前記レール内周面と回転パイプの外周面との間にレールと導電線とを電気的に接続する手段を収容する収容部を形成するレール台を有し、外周にレールを設けた環状のレール台を回転パイプに廻り止めして外嵌合し、一方、差込パイプ、および、または操作パイプには接片を取付けた電気掃除機。」と訂正する。
c)上記訂正a)、b)に伴い、訂正前の請求項4を
「請求項3
各接片を略山形状としてその両片がリング状レールの周方向2箇所と接触するようにした請求項1または2記載の電気掃除機。」と訂正する。
d)上記訂正b)に伴い、訂正前の請求項6を
「請求項4
リモートコントロール用のレールの外側に給電用のレールを配した請求項2記載の電気掃除機。」と訂正する。
e)上記訂正a)、b)に伴い、訂正前の請求項7を
「請求項5
レール台は両端より軸方向の切込みを有し、一方、レールは帯状の導電材をリング状とするとともに、両端を接合して中心方向に折曲し、同折曲部分を上記切込みに挿入してレール台外周にレールを取着した請求項1または2記載の電気掃除機。」と訂正する。
f)上記訂正e)に伴い、訂正前の請求項8を
「請求項6
各切込みの位置をそれぞれ円周方向にずらした請求項5記載の電気掃除機。」と訂正する。
1-2 上記特許請求の範囲の記載の訂正に伴い、発明の詳細な説明を以下のとおり訂正する。
g)特許明細書の段落【0005】、【0007】、【0010】の「レール台を有する」を「レール台を有し、外周にレールを設けた環状のレール台を回転パイプに廻り止めして外嵌合し、一方、差込パイプ、および、または操作パイプには接片を取付けた」と訂正する。
h)特許明細書の段落【0009】および【0012】を削除する。
i)特許明細書の段落【0010】の「本発明の請求項3記載の発明」を「本発明の請求項2記載の発明」と訂正する。
j)特許明細書の段落【0013】の「本発明の請求項5記載の発明は、請求項1または3記載の発明」を「本発明の請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明」と訂正する。
k)特許明細書の段落【0014】の「本発明の請求項6記載の発明は、請求項3記載の発明」を「本発明の請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明」と訂正する。
l)特許明細書の段落【0015】の「本発明の請求項7記載の発明は、請求項2または5記載の発明」を「本発明の請求項5記載の発明は、請求項1または2記載の発明」と訂正する。
m)特許明細書の段落【0016】の「本発明の請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明」を「本発明の請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明」と訂正する。
n)段落【0009】および【0012】の削除に伴い、段落【0010】以降の段落番号を繰り上げる。
異議決定日 2000-08-15 
出願番号 特願平9-201255
審決分類 P 1 651・ 121- YA (A47L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 佐藤 荘助塩澤 克利小谷 一郎金丸 治之  
特許庁審判長 田中 秀夫
特許庁審判官 長崎 洋一
藤本 信男
登録日 1999-05-21 
登録番号 特許第2930059号(P2930059)
権利者 松下電器産業株式会社
発明の名称 電気掃除機  
代理人 内藤 浩樹  
代理人 岩橋 文雄  
代理人 坂口 智康  
代理人 坂口 智康  
代理人 内藤 浩樹  
代理人 岩橋 文雄  

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