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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G10H
管理番号 1024443
異議申立番号 異議1999-70430  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1997-08-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-02-08 
確定日 2000-09-13 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2784465号「電子楽器」の請求項1及び2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2784465号の請求項1、2に係る特許を維持する。 
理由 I【手続きの経緯】
本件特許第2784465号に係る発明についての出願は、平成1年2月26日に特許出願した特願平1-44271号の一部を平成8年10月7日に新たな特許出願とし、平成10年5月29日にその発明について特許の設定登録がなされた後、その特許について、松本克範より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年5月9日に訂正請求がなされたものである。
II【訂正の適否についての判断】
ア.訂正明細書の請求項1及び2に係る発明
訂正明細書の請求項1及び2に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】複数の楽音発生器と、
複数の鍵を有する鍵盤と所望の音色を設定する複数の音色選択スイッチと、それらを走査して得られた鍵・音色情報に応じた各種の制御信号を各楽音発生器に対応させて送出する実行制御回路と、
鍵情報に応じた周波数ナンバを各楽音発生器に対応させて格納する周波数ナンバ回路と、
該周波数ナンバ回路の出力値を時分割に累算し、鍵情報に応じたアドレスを出力する累算手段とを具備し、
前記鍵情報に応じたアドレスによりデータ形式の異なる各種波形データが予め格納されている波形データ記憶装置のデータを読出して、前記複数の楽音発生器により所望の楽音を発生する電子楽器において、
前記波形データ記憶装置より読出される所望波形データのデータ形式を変換するデータ形式変換回路を具備し、
該データ形式変換回路は前記実行制御回路からの制御信号に制御されて、所望の音色及び音域に応じて前記波形データ記憶装置より読出したデータを各楽音発生器に対応させてデータ変換させ、さらにこの各楽音発生器ごとに前記音色及び音域が設定されていて、しかも該データ変換内容が各楽音発生器ごとに設定され、さらにこのデータ変換は前記音色及び音域に応じていて、しかも該データ変換は前記各楽音発生器ごとに実行されることを特徴とする電子楽器。
【請求項2】前記実行制御回路からの制御信号を格納する状態メモリを前記実行制御回路と前記データ形式変換回路との間に具備し、該状態メモリを読出した出力により前記データ形式変換回路の動作を制御することを特徴とする請求項1記載の電子楽器。」
イ.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
特許権者が求めている訂正の内容は、以下のa〜gのとおりである。
a.請求項1及び2を、上記訂正明細書の請求項1及び2に訂正する。
b.【発明の詳細な説明】欄の段落【0001】の「波形データ記憶装置を読出したデータ」を、「波形データ記憶装置から読出したデータ」と訂正する。
c.【発明の詳細な説明】欄の段落【0009】の「所望の音色または音域」を、「所望の音色及び音域」と訂正する。
d.【発明の詳細な説明】欄の段落【0013】の「入力データMD15〜0ば」を、「入力データMD15〜0は」と訂正する。
e.【発明の詳細な説明】欄の段落【0016】の「それを読んて」を、「それを読んで」と訂正する。
f.【発明の詳細な説明】欄の段落【0017】の「波形データ記憶装置に含まれるメモリのアドレス形式に応じてアドレス1ビット数を変更するための情報信号(MS)」を、「波形データ記憶装置に含まれるメモリのアドレス形式に応じてアドレスビット数を変更するための情報信号(MS)」と訂正する。
g.【発明の詳細な説明】欄の【符号の説明】の「1:…アドレス1制御回路」を、「12…アドレス制御回路」と訂正する。
以下、上記訂正事項a〜gについて検討する。
上記訂正事項aは、特許明細書の特許請求の範囲の請求項1及び2の「該データ形式変換回路は前記実行制御回路からの制御信号に制御されて、所望の音色または音域に応じて前記波形データ記憶装置より読出したデータを各楽音発生器に対応させてデータ変換させる」を、特許明細書の【発明が解決しようとする課題】、【課題を解決するための手段】及び【発明の実施の形態】等の記載に基づいて(特許公報第3欄〜第5欄参照)、限定して、「該データ形式変換回路は前記実行制御回路からの制御信号に制御されて、所望の音色及び音域に応じて前記波形データ記憶装置より読出したデータを各楽音発生器に対応させてデータ変換させ、さらにこの各楽音発生器ごとに前記音色及び音域が設定されていて、しかも該データ変換内容が各楽音発生器ごとに設定され、さらにこのデータ変換は前記音色及び音域に応じていて、しかも該データ変換は前記各楽音発生器ごとに実行される」と訂正するものであるから、特許請求の範囲の減縮に該当するものであって、新規事項の追加に該当せず、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
また、上記訂正事項bは、誤記の訂正に該当し、上記訂正事項cは、上記特許請求の範囲の訂正事項a伴い、これと整合を図るためのものであり、明瞭でない記載の釈明に該当し、さらに上記訂正事項d〜gは、誤記又は明瞭でない記載の釈明に該当し、それらの各訂正事項d〜gは、いずれも特許明細書に記載されている事項の範囲内のものであるから、新規事項の追加に該当せず、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
ウ.独立特許要件の判断
《引用刊行物記載の発明》
訂正明細書の請求項1及び2に係る発明(以下、「本件発明1及び2」という。)に対して、当審が通知した取消理由で引用した刊行物1:特開昭61-95625号公報には、「楽音信号発生装置」(発明の名称)に関し、図面と共に次のとおりの記載がある。
1.「複数の異なる波形を記憶しており、かつ、それらの波形の少なくとも1つが他とは異なる符号化形式で符号化されたものである波形メモリと、 発生すべき楽音信号の波形を前記波形メモリに記憶された波形の中から選択する波形選択手段と、前記波形選択手段によって選択された波形のデータを前記波形メモリから読み出す読み出し手段と、 前記波形メモリから読み出された波形のデータをその符号化形式に応じて所定の共通の符号化形式に変換する復号手段と、
を具えた楽音信号発生装置。」(特許請求の範囲)
2.「なお、説明の簡単化のためにこの例の電子楽器は単音式であるとし、押鍵検出回路2は単音選択機能を持つものとする。しかし、公知のキーアサイナを用いて複音仕様にし得るのは勿論である。
アドレス発生器3は押鍵検出回路2から与えられたキーコードKCに基づき押圧鍵の音高に対応したレートで変化するアドレス信号ADを発生する。このアドレス信号ADは波形メモリ4のサンプル点アドレス入力に与えられ、各サンプル点毎の波形データを順次読み出すために使用される。 波形メモリ4は、音色選択回路5によって選択可能な複数種類の音色に対応して複数の異なる波形を記憶しており、それらの波形の少なくとも1つが他とは異なる符号化形式で符号化されている。一例として、各音色毎の波形の特徴に応じて、各波形はPCM方式又はDPCM方式のどちらか一方に従って符号化されているものとし、波形メモリ4は、大別して、PCM方式で符号化された波形の波形データを記憶したPCMデータメモリ部4Aと、DPCM方式で符号化された波形の波形データを記憶したDPCMデータメモリ部4Bとから成る。・・・(中略)・・・
符号化形式メモリ7は、各音色に対応する波形が波形メモリ4においてどの符号化形式で記憶されているかを示すデータを記憶するものであり、音色選択情報TCをアドレス入力に入力し、この音色選択情報TCによって示された音色に関わる符号化形式を示すデータを出力する。この例ではPCMとDPCMの2通りの符号化形式を採用するものとしているので、メモリ7から読み出される符号化形式表示データDPはそのどちらかを示すデータであり、例えばDP=”1”のときDPCM方式を示し、DP=”0”のときPCM方式を示す。このデータDPは復号回路6に与えられ、該回路6における復号操作の内容を指示する。すなわち、DP=”0”のときは格別の復号操作は行わず、PCM方式の波形データをそのまま出力させるが、DP=”1”のときはDPCM方式の波形データをPCM方式に変換する復号操作を行うよう指示する。」(公報第3頁左上欄第7行〜同頁右下欄第11行)
3.「第4図の実施例では、波形メモリ20において各鍵毎の音高(又は複数鍵からなる鍵グループ毎の音域)に対応して複数の波形が記憶されており、そのうち少なくとも1つの波形が他とは異なる符号化形式で符号化されている。前述と同様に符号化形式の種類はPCM方式とDPCM方式のどちらかであるとし、波形メモリ20はPCMデータメモリ部20AとDPCMデータメモリ部20Bとを含んでいる。・・・(中略)・・・ 波形メモリ20において各鍵毎の音高に対応して異なる波形を記憶した場合は、押圧鍵を示すキーコードKCを、第1図の音色選択情報TCと同様に、波形メモリ20、符号化形式メモリ7、DPCMシフトデータメモリ8にそのまま入力する。一方、波形メモリ20において各音域に対応して異なる波形を記憶した場合は、破線で示すように音域コード化回路21を設け、キーコードKCをその所属音域を示す音域コードに変換し、この音域コードを波形メモリ20、符号化形式メモリ7、DPCMシフトデータメモリ8に入力する。こうして、押圧鍵の音高又は音域に応じて波形メモリ20から読み出されるべき波形を選択すると共に、その波形の符号化形式を示すデータDPをメモリ7から読み出し、かつその符号化形式がDPCM方式の場合は復号の際の重みづけのためのシフトデータSFをメモリ8から読み出す。・・・(中略)・・・
また、音色種類、鍵タッチ強度、音高(又は音域)の3つの因子のうち任意の2つまたは3つの組合せに応じて波形の符号化形式を決定するようにしてもよい。その場合、この複数の因子の組合せを示すコードに応じて波形メモリから読み出すべき波形を選択すると共に符号化形式メモリ7及びDPCMシフトデータメモリ8を読み出す。」(公報第5頁左下欄第8行〜第6頁左上欄第11行)
同じく引用した刊行物2:実願昭62-120508号(実開昭64-26796号)のマイクロフィルムには、図面と共に次のとおりの記載がある。
1.「本考案は、時分割処理により複数の楽音を同時に生成するポリフォニック電子楽器に関する。」(明細書第2頁第3行〜第4行)
2.「しかし、現実には,波高値データの波高分解能は一定でなくても良い。例えば、メロディ音は激しく変化するため、メロディ音用の波高値データは分解能を高くする必要があるが、ベース音は変化が小さいため、ベース音用の波高値データは必ずしも分解能を高くする必要はない。」(明細書第3頁第4行〜第9行)
3.「この考案では、例え、ビット数の異なる楽音波データが多数読出されたとしても、それらに対し、付加手段により冗長デ-夕(ビット)が付加されて一定のビット数に統一されるので、時分割処理時の複数チャンネルでの回路の共同利用が可能となる。したがって、楽音波形記憶手段には、最長のビット数に統一して楽音波形データを記憶する必要はなくなり、各楽音波形データに見合った最小のビット数で記憶することができ、その分、メモリ容量を低減でき、メモリの有効利用が図れることとなる。」(明細書第4頁第9行〜第19行)
4.「本シンセサイザは、主制御部1の制御のもとに、楽音発生部2にて、楽音波形記憶部3に記憶されている32チャンネルの楽音波形データを時分割で読出し、種々の音色加工等を行なって放音するポリフォニックシンセサイザである。・・・(中略)・・・
すなわち、楽音波形記憶部3は、メロディ用の楽音波形データ、リズム用の楽音波形データ、コード進行用の楽音波形データ等を予め記憶している。メロディ用の楽音波形データとしては.例えば、バイオリンの音のように、倍音成分を多数含んだスペクトルを実現する鋸歯状波等が各種記憶されている。また、メロディ音用の楽音波形データは12ビットデータであり、12ビットのメモリ領域に記憶され、ベース音、リズム音、コード進行用の楽音波形データは8ビットデータであり、8ビットのメモリ領域に格納されている。」(明細書第5頁第8行〜第6頁第16行)
5.「また、楽音波形記憶部3には、前述のように、8ビット、12ビットの楽音波形データが格納されており、これら異なるビットの楽音波形データが加算処理される等、各楽音波形データの処理において回路が共同利用される関係で、8ビットの楽音波形データに対して、後段で、4ビットを付加し、12ビットに統一する必要がある。そこで、各アドレスデータの最上位ビットを、8ビット楽音波形データ、12ビット楽音波形テータのいずれが格納されているアドレス領域であるかを判別するための信号BSELとして利用している。すなわち、最上位ビット(信号B S E L)が”0”であれば8ビット楽音波形データ用の7ドレスデータ、”1”であれば12ビット用楽音波形データ用のアドレスデータを示している.そして、このアドレスデータに基づいて楽音波形データが読出されると、読出された楽音波形データとともに、信号BSELが出力されることとなる。」(明細書第8頁第18行〜第9頁16第行)
6.「波形データラッチ部24は、楽音波形記憶部3から読出された8ビットの楽音波形データとともに、アドレス制御部22から信号BSELとして”0”が入力されたときは、その信号BSELに基づいて、8 ビットの楽音波形データに対してビットマスク処理を行い、4ビットの冗長ビットを付加して一時的に記憶する。」(明細書第11頁第2行〜第8行)
7.「このようにしてマスク処理により、ビット数の異なる各チャンネルの楽音波形データの有効ピット数を切換え、データ長を一定にしたので、波高分解能の異なる音色の同時発音が可能となり、ひいては楽音波形記憶部3のメモリ容量を低減化することが可能となる。」(明細書第36頁第13行〜第18行)
《対比・判断》
1)刊行物1には、複数の異なる波形を記憶しており、かつ、それらの波形の少なくとも1つが他とは異なる符号化形式で符号化されたものである波形メモリと、発生すべき楽音信号の波形を前記波形メモリに記憶された波形の中から選択する波形選択手段と、前記波形選択手段によって選択された波形のデータを前記波形メモリから読み出す読み出し手段と、前記波形メモリから読み出された波形のデータをその符号化形式に応じて所定の共通の符号化形式に変換する復号手段とを具えた楽音信号発生装置が記載されており(刊行物1の上記1.の記載参照)、また公知のキーアサイナを用いて複音仕様にし得ること、さらに波形メモリのPCMデータメモリ部にはPCM方式の波形が記憶され、DPCMデータメモリ部にはDPCM方式の波形データとが記憶され、それぞれ読み出されて復号回路で復号されて出力されること、そしてこれらの波形データは音色選択情報TCに応じて読み出され、符号化形式メモリからの符号化形式表示データDPに基づいて、上記復号を行うかどうかが決定され、この符号化形式表示データDPも音色選択情報TCに応じたものが読み出されることが記載されており、そしてこのような音色に応じた波形データの復号は、音域についても同様に実行し得ること、また音色種類と音高(又は音域)の組合せに応じて波形の符号化形式を決定するようにしてもよいと記載されている(刊行物1の上記2.3.の記載参照)。
それらの記載によると、刊行物1に記載の楽音信号発生装置も、本件発明1でいう“前記波形データ記憶装置より読出される所望波形データのデータ形式を変換するデータ形式変換回路を具備し、該データ形式変換回路は前記実行制御回路からの制御信号に制御されて、所望の音色または音域に応じて前記波形データ記憶装置より読出したデータをデータ変換させる”ものといえ、その点では、本件発明1と類似しているといえる。
しかしながら、刊行物1の上記「複音仕様にし得る」、「音色に応じた波形データの復号は、音域についても同様に実行し得る」及び「音色種類と音高(又は音域)の組合わせに応じて波形の符号化形式を決定する」との記載をみても、本件発明1のような“各楽音発生器ごとに音色及び音域が設定され、しかもデータ変換内容が各楽音発生器ごとに設定され、さらにこのデータ変換は、前記音色及び音域に応じて各各楽音発生器ごとに実行される”という具体的な態様を想起することは困難である。すなわち刊行物1には、本件発明1の「この各楽音発生器ごとに前記音色及び音域が設定されていて、しかも該データ変換内容が各楽音発生器ごとに設定され、さらにこのデータ変換は前記音色及び音域に応じていて、しかも該データ変換は前記各各楽音発生器ごとに実行される」点の構成(以下、「構成A」という。)については何ら記載がなく、示唆もないといえる。
2)また、刊行物2には、楽音発生部2にて、楽音波形記憶部3に記憶されている32チャンネルの楽音波形データを時分割で読出し、種々の音色加工等を行なって放音するポリフォ二ックシンセサイザに関し、楽音波形記憶部3には、12ビットの楽音波形データと8ビットの楽音波形データとが記憶され、それぞれ読み出されて波形データラッチ部24で12ビットのデータ長にそろえられて出力されること、また12ビットデータはそのまま出力され、8ビットデータに4ビットの冗長ビットが付加されて12ビットのデータ長にそろえられること、そしてこの4ビットの冗長ビットを付加してマスク処理するか否かは、信号BSELの値に基づいて行われること、さらに上記12ビットと8ビットとの楽音波形データは、記憶アドレス領域が異なっており、この違いに基づいて、この信号BSELの値が決定され、アドレス制御部22から上記波形データラッチ部24へ送られること、さらにこの12ビットと8ビットとの楽音波形データは波高分解能の異なる音色の同時発音を実現するためのものであり、そのような楽音波形データの読み出しと冗長ビットの付加によるマスク処理とは、32チャンネルの各楽音ごとに実行されることが記載されている(刊行物2の上記1.〜7.の記載参照)。
それらの記載によると、刊行物2には、“波形データ記憶装置より読出される所望波形データのデータ形式を変換するデータ形式変換回路を具備し、該データ形式変換回路は前記実行制御回路からの制御信号に制御されて、所望の音色に応じて前記波形データ記憶装置より読出したデータをデータ変換させ、さらにこの各楽音発生器ごとに前記音色が設定されていて、しかも該データ変換内容が各楽音発生器ごとに設定され、さらにこのデータ変換は前記音色に応じていて、しかも該データ変換は前記各楽音発生器ごとに実行される”点が示されているといえ、その点では本件発明1と類似している。
しかしながら、刊行物2に記載のものは、信号BSELの値に基づいてデータ変換するか否かが決定され、この信号BSELの値は、12ビットと8ビットとの楽音波形データのアドレスの最上位ビットに基づいて決定され、この12ビットと8ビットとの楽音波形データは波高分解能の異なる音色の同時発音を実現するためのものであり、信号BSELの値は「音域」に基づいて決定されるものではなく、音域に基づくデータ変換については何も示されていなく、本件発明1のような「音色」ばかりでなく「音域」にも応じたデータ変換を行い、「音色」と「音域」との両方に合ったデータ変換を行う態様を想起させる記載はない。 すなわち、刊行物2には、本件発明1の上記構成Aについて何も記載がなく、示唆もない。
3)以上のように各刊行物のいずれにも上記構成Aについて何ら記載がなく、示唆もないのであるから、各刊行物の記載内容自体、もしくはそれらを組み合わせても本件発明1が容易に想到し得るとはいえない。
また本件発明2は、本件発明1を引用して更に限定事項を付加したものであるから、本件発明1についての判断と同様の理由により、上記各刊行物に記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、本件発明1及び2は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
エ.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する第126条第2項ないし第4項、及び特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
III【特許異議の申立てについての判断】
ア.申立ての理由の概要
異議申立人松本克範は、甲第1号証:特開昭61-95625号公報、甲第2号証:実願昭62-120508号(実開昭64-26796号公報)のマイクロフィルム及び甲第3号証:特開昭60-63593号公報を提出し、訂正前の請求項1及び2に係る発明は、甲第1号証ないし甲第3号証をもとに当業者が容易になし得るものであり、特許法第29条第2項に規定する発明に該当し、したがって訂正前の請求項1及び2に係る発明の特許は特許法第113条第2項に該当するので取り消されるべきであり取り消されるべき旨主張している。
イ.判断
本件発明1及び2は、上記II.ウと同様な理由により、取消理由通知で示した各刊行物(上記甲第1、2号証)に記載された発明から容易になし得るとはいえない。また、甲第3号証には、波形メモリ10の中の仮数部データメモリ10A及び指数部データメモリ10Bには仮数及び指数の形態で波形データが記憶され読み出されることは示されているが、上記構成Aについては何ら記載がなく、示唆もなく、当審が通知した取消理由で引用した刊行物1、2(上記甲第1、2号証)に記載の発明と甲第3号証に記載の発明を組み合わせても当業者が本件発明1及び2を容易に想到し得るものとはいえない。
ウ.以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件発明1及び2に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1及び2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
電子楽器
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の楽音発生器と、
複数の鍵を有する鍵盤と所望の音色を設定する複数の音色選択スイッチと、それらを走査して得られた鍵・音色情報に応じた各種の制御信号を各楽音発生器に対応させて送出する実行制御回路と、
鍵情報に応じた周波数ナンバを各楽音発生器に対応させて格納する周波数ナンバ回路と、
該周波数ナンバ回路の出力値を時分割に累算し、鍵情報に応じたアドレスを出力する累算手段とを具備し、
前記鍵情報に応じたアドレスによりデータ形式の異なる各種波形データが予め格納されている波形データ記憶装置のデータを読出して、前記複数の楽音発生器により所望の楽音を発生する電子楽器において、
前記波形データ記憶装置より読出される所望波形データのデータ形式を変換するデータ形式変換回路を具備し、
該データ形式変換回路は前記実行制御回路からの制御信号に制御されて、所望の音色及び音域に応じて前記波形データ記憶装置より読出したデータを各楽音発生器に対応させてデータ変換させ、さらにこの各楽音発生器ごとに前記音色及び音域が設定されていて、しかも該データ変換内容が各楽音発生器ごとに設定され、さらにこのデータ変換は前記音色及び音域に応じていて、しかも該データ変換は前記各楽音発生器ごとに実行されることを特徴とする電子楽器。
【請求項2】 前記実行制御回路からの制御信号を格納する状態メモリを前記実行制御回路と前記データ形式変換回路との問に具備し、該状態メモリを読出した出力により前記データ形式変換回路の動作を制御することを特徴とする請求項1記載の電子楽器。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は波形データ記憶装置から読出したデータについて、楽音発生器に対応させて変換できる電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子楽器として、音色及び音域(音高)に対応して異なる波形のデータを記憶装置に記憶させて置き、楽音発生器毎に読出しアドレスを与えて読出すことは周知となっている。
【0003】
図8は従来の電子楽器のブロック構成図を示している。図8において、1は鍵スイッチと音色選択スイッチ、2は前記スイッチに対する割当て回路、3は実行制御回路、4は波形データ記憶装置、5はバンクメモリ、6は周波数ナンバ回路、7は周波数ナンバ累算手段、8はエンベロープ波形回路、9は乗算回路、10は音響回路を示す。
【0004】
鍵スイッチと音色選択スイッチ1は演奏者が演奏した鍵の位置と選定した音色とを選択するスイッチ群であり、割当て回路2は前記スイッチ群のスイッチ1を電気的に走査して、開開状態に応じた情報を内部に割当てる。そして実行制御回路3に対し鍵情報及び音色情報として送出する。
実行制御回路3は中央処理装置を内蔵し、前記鍵情報と音色情報に基づいて波形データ記憶装置4から波形データを読出すためのアドレスを生成するなどの処理を後述のように行う。波形データ記憶装置4は音色及び音域(音高)に対応して異なる波形データを各別の場所に格納して置く。即ち、波形データ記憶装置4を複数のバンク(領域)で構成し、例えば音色及び音域(音高)とバンクとを対応させておく。そのため或る楽音を発生させるためにバンクメモリ5によりバンクを指定する。
【0005】
次に鍵情報に応じた読出しアドレス範囲を周波数ナンバ回路6と周波数ナンバ累算手段7とにより指定する。バンクメモリ5は周波数ナンバ回路6と周波数ナンバ累算手段7とで定めたアドレスにより波形データ記憶装置4を読出す。読出された波形データは、エンベロープ波形回路8の出力により乗算回路9でエンベロープが付加され、音響回路10によりディジタルーアナログ変換され楽音信号を得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記波形データ記憶装置4はそのデータ形式が全て同一であった。そのため所望の音色によっては波形データのビット長が少なくてもよいものや、音域によっては波形データのビット長が少なくてもよいものがある。更に波形データの形式としてリニア表現、指数表現、差分データ表現などがある。
【0007】
このように波形データ記憶装置4に種々の形式の波形データが混在して記憶される場合、波形データ記憶装置4より読出した後エンベロープ波形により処理をするとき、そのシステムでは回路装置の都合で波形変換の出来ない表現形式もあった。
本発明の目的は前述の欠点を改善し、波形データ記憶装置には音色及び音域(音高)として最適な形式の波形データを格納し、波形データ記憶装置より読出した後データ形式を楽音発生器に対応させ変換して処理できる電子楽器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
図1は請求項1記載の発明の原理構成を示す図である。図1において、3は実行制御回路、40は波形データ記憶装置、6は周波数ナンバ回路、7は周波数ナンバ累算手段、13は状態メモリ、15はデータ形式変換回路を示す。
複数の楽音発生器と、複数の鍵を有する鍵盤と所望の音色を設定する複数の音色選択スイッチと、それらを走査して得られた鍵・音色情報に応じて各種の制御信号を各楽音発生器に対応させて送出する実行制御回路3と、鍵情報に応じた周波数ナンバを楽音発生器に対応させて格納する周波数ナンバ回路6と、該周波数ナンバ回路6の出力値を時分割に累算し鍵情報に応じたアドレスを発生する累算手段7とを具備し、前記鍵情報に応じたアドレスによりデータ形式の異なる各種波形データが予め格納されている波形データ記憶装置40のデータを読出して、複数の楽音発生器により所望の楽音を発生する電子楽器において、本発明は下記の構成とする。
【0009】
即ち、前記波形データ記憶装置40より読出される所望波形データのデータ形式を変換するデータ形式変換回路15を具備し、該データ形式変換回路15は実行制御回路3からの制御信号に制御されて、所望の音色及び音域に応じて前記波形データ記憶装置より読出したデータを各楽音発生器に対応させてデータ変換させることで構成する。
【0010】
(作用)
図1における波形データ記憶装置40には例えば音色及び音域(音高)に対応させた形式で、多量の波形データを予め格納させて置く。実行制御回路3から得た鍵情報・音色情報などにより周波数ナンバ回路6において周波数ナンバを得て、所定の読出アドレス範囲とするため周波数ナンバ累算手段7により累算する。
【0011】
次に累算手段7の出力値により波形データ記憶装置40を読出す。読出された波形データはデータ形式変換回路15に印加される。波形データがリニア16ビットの場合、或いはリニア16ビットと指数表現のデータと混在している場合のように異なるデータ形式であっても、リニア表現のデータに変換する。
その変換は楽音発生器毎に行うように状態メモリ13よりのデータ形式変換制御信号(WFS)を楽音発生器毎に得ることが良い。そのためデータ形式変換回路15の出力値についてエンベロープを付加する乗算回路の構成が簡易で良い。
【0012】
【発明の実施の形態】
図2は請求項1記載の発明の実施の形態として、図1に示すデータ形式変換回路15の具体的構成を示す図である。図2(A)において、15-1はデータ選択器、15-2はインバータを示す。データ選択器15-1に印加される信号WFSによって、入力データをそのままとすることと、変換した出力データに変換することを切換える。
【0013】
即ち、WFS=“L”のとき入力データMD15〜0はそのまま出力データWD15〜0となる(リニア16ビットがそのままリニア16ビットとなる。)またWFS=“H”のときは波形データのMD15〜8が本来のリニア8ビットで、MD7〜0は不定のデータであったから、それをMD15〜8はそのまま上位ビットとして出力し、下位MD7〜0のビットはMD15をサインビットとし、それを下位総てのビットとする。
【0014】
図2Bはデータ変換器の1ビットに対する内部構成回路を示す。即ちその回路は公知のアンド回路とオア回路とを結合して構成出来る。
次に図3は図1に示すデータ形式変換回路15の他の回路例を示す。図3において15-3はデータ選択器、15-4はインバータ、15-5はリニア表現への変換器を示す。
【0015】
入力データMD15〜0がリニア16ビットのデータと、仮数部12ビット・指数部4ビットの指数表現の16ビットデータとが混在しているとき、WFSの“L”と“H”に応じて統一データとしてデータ変換器15-3の出力よりM×2-Pという指数表現のデータを得る。
次に変換器15-5によりリニア表現に変換するY15〜0のデータをM15〜0と表現すると、Y19〜16によって表現される指数部Pの値によってM15〜0のデータが図4に示すようにシフトしたものとなる。即ち、リニア表現のデータが得られる。
【0016】
以上の説明における信号WFSは楽音発生器毎に予め定めたものを状態メモリに格納して置き、それを読んでデータ形式変換器に印加する。
または状態メモリの格納を音色または音域(音高)に対応したものとしておいて、それを読出してデータ形式変換器に印加することも出来る。
図5は波形データ記憶装置を読出すアドレスについて制御することなどの構成を付加したことを示すブロック図である。図5において、5はバンクメモリ、11は小数点位置変換回路、12はアドレス制御回路、13は状態メモリ、14は周波数ナンバ調整回路、15はデータ形式変換回路、40は波形データ記憶装置を示す。
【0017】
バンクメモリ5は各楽音発生器に対応するバンク領域を指定するコードを格納して置く。そのため格納データを読出して波形データ記憶装置40に記憶されている領域を指定する。
状態メモリ13は波形データ記憶装置40における1バンク領域の読出しサイズを変更するための情報信号(FS)、波形データ記憶装置に含まれるメモリのアドレス形式に応じてアドレスビット数を変更するための情報信号(MS)、また同メモリの波形データの形式に応じて波形データを変更して楽音波形データとして取り込むための制御をする情報信号(WFS)を、各々楽音発生器に対応させて有する。
【0018】
図6は状態メモリ13の1ワードの構成例を示すもので、前述の各情報信号WFS〜FSが0〜3ビットに格納され、4ビット以後は図示しない他部を制御するデータを格納する。この状態メモリは従来技術として示す実行制御回路3から送出される鍵情報・音色情報をアドレスデコーダによりデコードして、そのアドレスにより所定位置のワードを読出して出力する。前記鍵情報の代わりに音域情報を使用し、幾つかの鍵を1つのグループとして情報とすることも出来る。
【0019】
次に周波数ナンバ調整回路14は、周波数ナンバ回路6において得られた周波数ナンバを累算手段7に供給する前に調整するものである。即ち図2(A)の15-1に示すようなデータ選択器を使用し、周波数ナンバのビット列を、情報FSに応じて波形データ記憶装置40の1バンク領域のサイズを変更しても、同じ周波数で波形を読出すように調整する。
【0020】
累算手段7は公知のように加算器と累算バッファとで構成され、各楽音発生器毎に時分割で周波数ナンバを累算し、加算器出力には波形デ一タ記憶装置読出し用のアドレスとして整数値と小数値(累算結果の端数)を得る。
小数点位置変換回路11は、累算手段7の出力について、そのビット列のどの位置を小数点とするかを、情報FSに応じて決定し、上位にバンクコードを付加してから、波形データ記憶装置4に対する読出しアドレスを出力する。そのとき、データ選択器として図2(A)の15-1に示すようなものを使用する。例えば1バンクが64kワードで合計256個のバンクを有する波形データ記憶装置40において、FS=“L”のときはそのまま使用するが、FS=“H”のときは4ビットシフトを行って、1バンクを1Mワードのものとするように制御する。状態メモリ13に楽音発生器対応に情報FSを格納して置けば、楽音発生器毎にメモリ空間を多く使用する波形と、多く使用しない波形との読出しの使い分けが可能である。
【0021】
アドレス制御回路12は、波形データ記憶装置40を構成するメモリがROM,D-RAMのように種々のものとなっているとき、情報MSによって読出しアドレスを制御するための回路で、2図(A)に示すデータ選択器15-1のような構成とする。ロウ及びコラムアドレスをマルチプレックスして使用するダイナミックRAMが64kワードのものと256kワードのものと2種類あり、更にメモリとしてROM,S-RAMの2種類と、計4種類の形式であるとき、情報MS1,MS0を組合せ使用する制御により、メモリを切換えて使用することが出来る。
【0022】
図7は楽音発生器を8個とした場合、情報FSによる制御を時間的に示すものである。システムの1サンプル時間は、楽音発生器GEN0〜GEN7を同時問ずつ動作させた全体の時間となっている。
そして図6に示す1ワードの各情報値が各楽音発生器毎に縦方向に記載されている。このように各情報信号は楽音発生器毎に異なって設定し、或いは同じように設定することが出来る。
【0023】
【発明の効果】
このようにして本発明によると、システムが波形データ記憶装置に格納している波形データを利用して楽音波形を発生する場合、データ形式の異なる波形データであっても共通的に対処できるので、音色に合わせたデータ形式を選択して向上した音質が容易に得られる。また各楽音発生器毎にデータ形式の制御が可能であるから、波形データの圧縮にも最適な方法が実行できる。
【0024】
更に波形データ記憶装置におけるメモリが何のような形式のものであっても、適したアドレッシングを行うことが出来る。アドレス空間の大きさを楽音発生器毎に対応させることも容易にできるなど、電子楽器として実用上広範囲・多種類に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1記載の発明の原理構成を示す図である。
【図2】 請求項1記載の発明の実施形態としてデータ形式変換回路の構成を示す図である。
【図3】 請求項1記載の発明の他の実施形態を示す図である。
【図4】 リニア表現データヘのデータシフトを説明する図である。
【図5】 更に他の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図6】 状態メモリの1ワード情報を示す図である。
【図7】 8個の楽音発生器の動作タイミングを示す図である。
【図8】 図8は従来の電子楽器の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
3…実行制御回路
4,40…波形データ記憶装置
5…バンクメモリ
6…周波数ナンバ回路
7…周波数ナンバ累算手段
11…小数点位置変換回路
12…アドレス制御回路
13…状態メモリ
14…周波数ナンバ調整回路
15…データ形式変換回路
 
訂正の要旨 訂正の要旨
(1)訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1の中の「 該データ形式変換回路は前記実行制御回路からの制御信号に制御されて、所望の音色または音域に応じて前記波形データ記憶装置より読出したデータを各楽音発生器に対応させてデータ変換させる」を、「該データ形式変換回路は前記実行制御回路からの制御信号に制御されて、所望の音色及び音域に応じて前記波形データ記憶装置より読出したデータを各楽音発生器に対応させてデータ変換させ、さらにこの各楽音発生器ごとに前記音色及び音域が設定されていて、しかも該データ変換内容が各楽音発生器ごとに設定され、さらにこのデータ変換は前記音色及び音域に応じていて、しかも該データ変換は前記各楽音発生器ごとに実行される」と訂正する。これは特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)訂正事項b
明細書の段落【0001】の「波形データ記憶装置を読出したデータ」を、「波形データ記憶装置から読出したデータ」と訂正する。これは誤記の訂正を目的とするものである。
(3)訂正事項c
明細書の段落【0009】の「所望の音色または音域」を、「所望の音色及び音域」と訂正する。これは不明瞭な記載の釈明を目的とするものである。
(4)訂正事項d
明細書の段落【0013】の「入力データMD15〜0ば」を、「入力データMD15〜0は」と訂正する。これは誤記の訂正を目的とするものである。
(5)訂正事項e
明細書の段落【0016】の「それを読んて」を、「それを読んで」と訂正する。これは誤記の訂正を目的とするものである。
(6)訂正事項f
明細書の段落【0017】の「波形データ記憶装置に含まれるメモリのアドレス形式に応じてアドレス1ビット数を変更するための情報信号(MS)」を、「波形データ記憶装置に含まれるメモリのアドレス形式に応じてアドレスビット数を変更するための情報信号(MS)」と訂正する。これは誤記の訂正及び不明瞭な記載の釈明を目的とするものである。
(7)訂正事項g
明細書の【符号の説明】の「1:…アドレス1制御回路」を、「12…アドレス制御回路」と訂正する。これは誤記の訂正を目的とするものである。
異議決定日 2000-08-25 
出願番号 特願平8-266352
審決分類 P 1 651・ 121- YA (G10H)
最終処分 維持  
前審関与審査官 渡邊 聡  
特許庁審判長 井上 雅夫
特許庁審判官 小林 秀美
橋本 恵一
登録日 1998-05-29 
登録番号 特許第2784465号(P2784465)
権利者 株式会社河合楽器製作所
発明の名称 電子楽器  

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