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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H04N
審判 全部申し立て 特39条先願  H04N
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  H04N
管理番号 1024447
異議申立番号 異議1999-73052  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1999-03-09 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-08-10 
確定日 2000-09-04 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2857142号「光ディスク」の請求項1ないし8に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2857142号の請求項1ないし7に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第2857142号の発明は、優先権主張を伴う平成9年4月1日(優先日:平成8年4月1日、出願番号:特願平8-78716号)に出願された特願平9-82844号の一部を平成10年6月16日に分割して特許出願されたもので、平成10年11月27日にその特許の設定登録がなされ、その後、往西佐惠子より特許異議の申立がなされ、取消理由が通知され、その指定期間である平成12年6月19日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正明細書の発明
訂正明細書の請求項1ないし7に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「 【請求項1】
再生対象としてのデータ・ストリームが記録され、このデータ・ストリームが少なくともオーディオ・パックを含むデータ・パック列から構成されている光ディスクにおいて、前記オーディオ・パックは、1つのパック・ヘッダ及び1つのデータ・パケットから構成され、このデータ・パケットは、パケット・ヘッダ、これに続くサブ・ストリームID領域、ファースト・アクセス・ポインタ領域、オーディオ・データ情報領域及びパケット・データ領域を具備し、このパケット・データ領域には、MPEGオーディオ・ストリーム以外のストリームに属するオーディオ・パケット・データが格納され、前記パケット・ヘッダには、前記パケット・データがMPEG規格に定められたプライベート・ストリーム1に属するデータである旨を示すストリームIDが記録され、前記サブ・ストリームID領域には、前記パケット・データが特定のオーディオ・ストリームに属するオーディオ・データである旨を示しているサブ・ストリームIDが記録され、前記ファースト・アクセス・ポインタ領域には、当該パケット・データ中の最初のオーディオ・フレームの先頭位置を示すポインタ情報が記録され、前記オーディオ・データ情報領域には、データ長及びサンプリング周波数が記録されていることを特徴とする光ディスク。
【請求項2】
前記オーディオ・データは、リニア・PCMオーディオ・ストリームに属することを特徴とする請求項1の光ディスク。
【請求項3】
前記データ・パケットは、前記サブ・ストリームID領域及び前記パケット・データ領域間にフレーム・ヘッダ数が記録されたへッダ数領域を具備し、このへツダ数領域には、当該パケット・データ中に含まれるオーディオ・フレーム数が格納されることを特徴とする請求項1の光ディスク。
【請求項4】
前記オーディオ・パックは、1論理セクタに定められた同一のパック長を有し、1論理セクタは、2048バイトの1物理セクタに等しく定められていることを特徴とする請求項1の光ディスク。
【請求項5】
前記パックのパック長が2048バイトに満たない場合、その満たないバイト数が6バイト以下の場合、前記パック・ヘッダにスタッフイング・バイトが追加されてパックのパック長が2048バイトに調整され、また、その満たないバイト数が7バイト以上の場合パック・ヘッダに1バイトのスタッフィング・バイトが追加され、パケットにその不足バイト数に対応するパディング・パケットが追加されて前記パックのパック長が2048バイトに調整されることを特徴とする請求項1の光ディスク。
【請求項6】
前記光ディスクには、データ・ストリームを構成する副映像パックが記録され、この副映像パックのデータ・パケットは、パケット・ヘッダ、これに続くサブ・ストリームID領域及びパケット・データ領域を具備し、このパケット・データ領域には、MPEGビデオ・ストリーム以外の副映像ストリームに属する副映像パケット・データが格納され、前記パケット・ヘッダには、前記パケット・データがMPEG規格に定められたプライベート・ストリーム1に属するデータである旨を示すストリームIDが記録され、前記サブ・ストリームID領域には、前記パケット・データが特定のデータ・ストリームに属する副映像データである旨を示しているサブ・ストリームIDが記録されていることを特徴とする請求項1の光ディスク。
【請求項7】
前記サブ・ストリームID領域には、前記サブ・ストリームIDに続いてそのストリーム番号が記載されていることを特徴とする請求項1の光ディスク。」

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
特許権者が求めている訂正の内容は、特許明細書の請求項1ないし8を訂正明細書の上記請求項1ないし7に訂正し、対応する詳細な説明の欄の記載を訂正するものである。以下、詳細に検討する。
(a)請求項1に係る記載の「このデータ・パケットは、パケット・ヘッダ、これに続くサブ・ストリームID領域及びパケット・データ領域を具備し、」を「このデータ・パケットは、パケット・ヘッダ、これに続くサブ・ストリームID領域、ファースト・アクセス・ポインタ領域、オーディオ・データ情報領域及びパケット・データ領域を具備し、」とする訂正は、段落101の記載に基いて、データ・パケットの構成を限定するものであるので、特許請求の範囲の減縮を行うものである。
(b)請求項1に係る記載の「前記サブ・ストリームID領域には、前記パケット・データが特定のオーディオ・ストリームに属するオーディオ・データである旨を示しているサブ・ストリームIDが記録されていることを特徴とする光ディスク」を「前記サブ・ストリームID領域には、前記パケット・データが特定のオーディオ・ストリームに属するオーディオ・データである旨を示しているサブ・ストリームIDが記録され、前記ファースト・アクセス・ポインタ領域には、当該パケット・データ中の最初のオーディオ・フレームの先頭位置を示すポインタ情報が記録され、前記オーディオ・データ情報領域には、データ長及びサンプリング周波数が記録されていることを特徴とする光ディスク」とする訂正は、段落101、102の記載に基いて、ファースト・アクセス・ポインタ領域及びオーディオ・データ情報領域の構成を限定するものであるので、特許請求の範囲の減縮を行うものである。
(c)請求項2に係る記載の「前記オーディオ・データは、リニア・PCMオーディオ・ストリーム及びAC3オーディオ・ストリームのいずれかに属することを特徴とする請求項1の光ディスク。」を「前記オーディオ・データは、リニア・PCMオーディオ・ストリームに属することを特徴とする請求項1の光ディスク。」とする訂正は、段落101の記載に基いて、オーディオ・データは、リニア・PCMオーディオ・ストリームに属すると限定するものであるので、特許請求の範囲の減縮を行うものである。
(d)特許請求の範囲の請求項4を削除し、請求項5ないし請求項8をそれぞれ請求項4ないし請求項7とする訂正は、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を行うものである。
(e)請求項の訂正にともない、対応する発明の詳細な説明の課題を解決するための手段の欄を訂正することは、明瞭でない記載の釈明を行うものである。

したがって、上記訂正は、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明に該当するものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(3)独立特許要件
(3-1)当審取消理由
本件発明に対して、当審が通知した取消理由は、以下のとおりである。
「1)本件出願の請求項1乃至8に係る発明は、その出願前に日本国内において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する分野における通常の知識を有するものが、容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。



1. 特開平8-39637号公報(異議の証拠の甲第1号証)
2. 特願平7-85693号明細書及び図面(異議の証拠の第2号証)
本件に係わる異議申立書(平成11年8月10日付け、異議申立人 往西 佐恵子)に記載された理由A、即ち異議申立書第8頁第12行乃至第17頁第1行に記載された理由により、本願発明は上記引用例より容易に想到されたものと認められる。
2)本件出願の請求項1乃至8に係る発明は、異議申立書第17頁第2行乃至第18頁下から2行に記載された理由により、先願である特許明細書第2857145号公報に記載された発明(請求項第17-24)と実質的に同一であるから、特許法第39条の規定により特許を受けることができない。」

(3-2)優先権主張について
本件特許は、優先権主張を伴う(優先日:平成8年4月1日、出願番号:特願平8-78716)特願平9-82844号の分割出願であるが、上記特願平8-78716号が特願平7-85693号を基礎とする優先権主張出願であるので、本件特許の発明のうち、特願平7-85693号の出願の際の明細書または図面に記載された発明は、上記優先権主張(優先日:平成8年4月1日、出願番号:特願平8-78716)の利益を享受できないことになるので、この点について検討する。
訂正明細書の請求項1に係る発明と、特願平7-85693号の出願の際の明細書または図面(以下、「甲第2号証」という)に記載された発明とを対比すると、訂正明細書の請求項1に係る発明は、「データ・パケット」が、「ファースト・アクセス・ポインタ領域、オーディオ・データ情報領域」を具備しているとともに、
「前記ファースト・アクセス・ポインタ領域には、当該パケット・データ中の最初のオーディオ・フレームの先頭位置を示すポインタ情報が記録され、前記オーディオ・データ情報領域には、データ長及びサンプリング周波数が記録されている」ことを構成要件(以下、「構成要件A」という。)としているのに対し、甲第2号証には、構成要件Aについて何ら記載されていない。
してみれば、訂正明細書の請求項1に係る発明及びこれを引用する請求項2ないし7に係る発明は、特願平7-85693号の出願の際の明細書また図面に記載された発明ではなく、本件の優先権主張の基礎である特願平8-78716号で新たに追加された事項であるので、特許法第41条第2項の規定により、本件特許は、国内優先権の利益を享受することができるものである。

(3-3)刊行物について
上記(3-2)のとおり、本件特許発明は、特許法第29条の規定の適用については、基礎出願である特願平8-78716号の出願日である平成8年4月1日に出願されたものとみなされるので、刊行物1(特開平8-339637号(甲第1号証))は、平成8年12月24日に公開されたものであり、本件出願の優先日(平成8年4月1日)前に頒布された刊行物ではないから、特許法第29条の刊行物として採用できない。また、刊行物2(甲第2号証)に記載された発明も、平成8年12月24日に公開されたものであり、本件出願の優先日(平成8年4月1日)前に頒布された刊行物ではないから、特許法第29条の刊行物として採用できない。

(3-4)判断
(3-4-1)第29条第2項について
上記(3-3)のとおり刊行物1、2は、特許法第29条の刊行物として採用できない。
よって、訂正請求書の請求項1ないし7に係る発明は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものではない。
(3-4-2)第39条について
訂正請求書の請求項1ないし7に係る発明は、光ディスクに係る発明であるのに対し、特許第2857145号の請求項17ないし24の発明は、記録方法に係る発明であり、発明の対象が異なり、また、上記構成要件Aは、特許第2857145号の請求項17ないし24の発明の構成要件になっていないので、同一ということができない。
(3-4-3)したがって、訂正請求書の請求項1ないし7に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明とすることはできない。

(3-5)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法第120条の4第2項及び第3項で準用する特許法第126条第2項ないし第4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議申立についての判断
(1)申立の理由の概要
申立人往西佐惠子は、特許明細書の請求項1、2、4ないし8に係る発明の特許に対して、甲第1、2号証を提出し、特許法第29条第1項の規定に違反してなされたものであり、特許明細書の請求項3に係る特許に対して、甲第2号証を提出し、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、また、甲第3号証(特許第2857145号)を提出し、特許法第39条の規定に違反してなされたものであるので、特許を取り消すべきものと主張している。

(2)判断
(2-1)第29条について
特許明細書の請求項1ないし8に係る発明は、訂正により訂正明細書の請求項1ないし7に係る発明のとおりとなったので、上記2.(3-2)のとおり、その優先権主張の効果を認めるべきものである。よって、甲第1ないし2号証は、本件出願の優先日(平成8年4月1日)前に頒布された刊行物ではないから、異議申立人の主張は採用できない。

(2-2)第39条について
特許明細書の請求項1ないし8に係る発明は、訂正により訂正明細書の請求項1ないし7に係る発明のとおりとなったので、上記2.(3-4-2)のとおり、甲第3号証(特許第2857145号)の請求項17ないし24の発明と同一ではない。

4.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件請求項1ないし7に係る発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1ないし7に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
光ディスク
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生対象としてのデータ・ストリームが記録され、このデータ・ストリームが少なくともオーディオ・パックを含むデータ・パック列から構成されている光ディスクにおいて、
前記オーディオ・パックは、1つのパック・ヘッダ及び1つのデータ・パケットから構成され、
このデータ・パケットは、パケット・ヘッダ、これに続くサブ・ストリームID領域、ファースト・アクセス・ポインタ領域、オーディオ・データ情報領域及びパケット・データ領域を具備し、このパケット・データ領域には、MPEGオーディオ・ストリーム以外のストリームに属するオーディオ・パケット・データが格納され、前記パケット・ヘッダには、前記パケット・データがMPEG規格に定められたプライベート・ストリーム1に属するデータである旨を示すストリームIDが記録され、前記サブ・ストリームID領域には、前記パケット・データが特定のオーディオ・ストリームに属するオーディオ・データである旨を示しているサブ・ストリームIDが記録され、前記ファースト・アクセス・ポインタ領域には、当該パケット・データ中の最初のオーディオ・フレームの先頭位置を示すポインタ情報が記録され、前記オーディオ・データ情報領域には、データ長及びサンプリング周波数が記録されていることを特徴とする光ディスク。
【請求項2】
前記オーディオ・データは、リニア・PCMオーディオ・ストリームに属することを特徴とする請求項1の光ディスク。
【請求項3】
前記データ・パケットは、前記サブ・ストリームID領域及び前記パケット・データ領域間にフレーム・ヘッダ数が記録されたヘッダ数領域を具備し、このヘッダ数領域には、当該パケット・データ中に含まれるオーディオ・フレーム数が格納されることを特徴とする請求項1の光ディスク。
【請求項4】
前記オーディオ・パックは、1論理セクタに定められた同一のパック長を有し、1論理セクタは、2048バイトの1物理セクタに等しく定められていることを特徴とする請求項1の光ディスク。
【請求項5】
前記パックのパック長が2048バイトに満たない場合、その満たないバイト数が6バイト以下の場合、前記パック・ヘッダにスタッフィング・バイトが追加されてパックのパック長が2048バイトに調整され、また、その満たないバイト数が7バイト以上の場合パック・ヘッダに1バイトのスタッフィング・バイトが追加され、パケットにその不足バイト数に対応するパディング・パケットが追加されて前記パックのパック長が2048バイトに調整されることを特徴とする請求項1の光ディスク。
【請求項6】
前記光ディスクには、データ・ストリームを構成する副映像パックが記録され、この副映像パックのデータ・パケットは、パケット・ヘッダ、これに続くサブ・ストリームID領域及びパケット・データ領域を具備し、このパケット・データ領域には、MPEGビデオ・ストリーム以外の副映像ストリームに属する副映像パケット・データが格納され、前記パケット・ヘッダには、前記パケット・データがMPEG規格に定められたプライベート・ストリーム1に属するデータである旨を示すストリームIDが記録され、前記サブ・ストリームID領域には、前記パケット・データが特定のデータ・ストリームに属する副映像データである旨を示しているサブ・ストリームIDが記録されていることを特徴とする請求項1の光ディスク。
【請求項7】
前記サブ・ストリームID領域には、前記サブ・ストリームIDに続いてそのストリーム番号が記載されていることを特徴とする請求項1の光ディスク。
【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧縮された動画データや音声データ等の目的や種類の違うデータを記録する光ディスク等の記録媒体、この記録媒体ヘデータを記録する記録装置、その記録媒体へのデータの記録方法、その記録媒体からデータを再生する再生装置、その記録媒体からのデータの再生方法に関する。
【従来の技術】
従来、ディジタル動画像データや音声データを圧縮(符号化)する方式として、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式が国際標準化されるに至っている。このMPEG圧縮方式はディジタル動画像データ(映像データ)や音声データを可変長圧縮する方式である。
これに伴って、MPEG圧縮方式に対応したシステムフォーマット方式もMPEGシステムレイヤとして規定されている。
このMPEGシステムレイヤは、通信系で扱い易いように規定されており、動画、音声、その他のデータを同期して転送かっ再生できるように、それぞれのデータに基準時刻を用いて表現した転送開始時刻と再生開始時刻が規定されている。
また、上記MPEGシステムレイヤでは、動画圧縮データストリーム(MPEG動画データ)と音声圧縮データストリーム(MPEGオーディオデータ)をストリームIDで、データ種別を規定しているが、そのほかのデータ種別に関しては、プライベートストリームとして、ユーザに解放する形をとっている。
しかしながら、これでは、ユーザが付け加える事ができるデータ種別が2種類しかサポートできず、拡張性を狭めている。
これでは、さまざまな種類のデータを自由に扱う事ができず、マルチメディア時代に対応する事ができないという欠点がある。
また、MPEGオーディオデータ以外のオーディオデータにおいて、パケット長の最大のデータ長が決められている場合、完結したフレームデータブロックのデータ数で上記パケットのデータ長が割り切れない場合に、パケット内に前のデータブロックが入ったりして、このフレームデータブロックの開始アドレスがわからない可能性があり、途中で再生する場合に、再生できない可能性があるという欠点がある。
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、さまざまな種別データを複数種類取り扱うことができることを目的としている。
また、取り扱うデータがリニアオーディオデータの場合には、途中からの再生がスムーズにでき、コンピュータデータの時には、使用できる環境が簡単に検出できることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、
再生対象としてのデータ・ストリームが記録され、このデータ・ストリームが少なくともオーディオ・パックを含むデータ・パック列から構成されている光ディスクにおいて、
前記オーディオ・パックは、1つのパック・ヘッダ及び1つのデータ・パケットから構成され、
このデータ・パケットは、パケット・ヘッダ、これに続くサブ・ストリームID領域、ファースト・アクセス・ポインタ領域、オーディオ・データ情報領域及びパケット・データ領域を具備し、このパケット・データ領域には、MPEGオーディオ・ストリーム以外のストリームに属するオーディオ・パケット・データが格納され、前記パケット・ヘッダには、前記パケット・データがMPEG規格に定められたプライベート・ストリーム1に属するデータである旨を示すストリームIDが記録され、前記サブ・ストリームID領域には、前記パケット・データが特定のオーディオ・ストリームに属するオーディオ・データである旨を示しているサブ・ストリームIDが記録され、前記ファースト・アクセス・ポインタ領域には、当該パケット・データ中の最初のオーディオ・フレームの先頭位置を示すポインタ情報が記録され、前記オーディオ・データ情報領域には、データ長及びサンプリング周波数が記録されていることを特徴とする光ディスクが提供される。
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施例に係る光ディスク再生装置を説明する。
図1は、この発明の一実施例に係る光ディスクからデータを再生する光ディスク再生装置のブロックを示し、図2は、図1に示された光ディスクをドライブするディスクドライブ部のブロックを示し、図3は、図1及び図2に示した光ディスクの構造を示している。
図1に示すように光ディスク再生装置は、キー操作/表示部4、モニター部6及びスピーカー部8を具備している。ここで、ユーザがキー操作/表示部4を操作することによって光ディスク10から記録データが再生される。記録データは、映像データ、副映像データ及び音声データを含み、これらは、ビデオ信号及びオーディオ信号に変換される。モニタ部6は、ビデオ信号によって映像を表示し、スピーカ部8は、オーディオ信号によって音声を発生している。
既に知られるように光ディスク10は、種々の構造がある。この光ディスク10には、例えば、図3に示すように、高密度でデータが記録される読み出し専用ディスクがある。図3に示されるように光ディスク10は、一対の複合層18とこの複合ディスク層18間に介挿された接着層20とから構成されている。この各複合ディスク層18は、透明基板14及び記録層、即ち、光反射層16から構成されている。このディスク層18は、光反射層16が接着層20の面上に接触するように配置される。この光ディスク10には、中心孔22が設けられ、その両面の中心孔22の周囲には、この光ディスク10をその回転時に押さえる為のクランピング領域24が設けられている。中心孔22には、光ディスク装置にディスク10が装填された際に図2に示されたスピンドルモータ12のスピンドルが挿入され、ディスクが回転される間、光ディスク10は、そのクランピング領域24でクランプされる。
図3に示すように、光ディスク10は、その両面のクランピング領域24の周囲に光ディスク10に情報を記録することができる情報領域25を有している。各情報領域25は、その外周領域が通常は情報が記録されないリードアウト領域26に、また、クランピング領域24に接するその内周領域が同様に、通常は情報が記録されないリードイン領域27に定められ、更に、このリードアウト領域26とリードイン領域27との間がデータ記録領域28に定められている。
情報領域25の記録層16には、通常、データが記録される領域としてトラックがスパイラル状に連続して形成され、その連続するトラックは、複数の物理的なセクタに分割され、そのセクタには、連続番号が付され、このセクタを基準にデータが記録されている。情報記録領域25のデータ記録領域28は、実際のデータ記録領域であって、後に説明するように再生情報、ビデオデータ、副映像データ及びオーディオデータが同様にピット(即ち、物理的状態の変化)として記録されている。読み出し専用の光ディスク10では、透明基板14にピット列が予めスタンパーで形成され、このピット列が形成された透明基板14の面に反射層が蒸着により形成され、その反射層が記録層16として形成されることとなる。また、この読み出し専用の光ディスク10では、通常、トラックとしてのグルーブが特に設けられず、透明基板14の面に形成されるピット列がトラックとして定められている。
このような光ディスク装置12は、図1に示されるように更にディスクドライブ部30、システムCPU部50、システムROM/RAM部52、システムプロッセッサ部54、データRAM部56、ビデオデコータ部58、オーディオデコーダ部60、副映像デコーダ部62及びD/A及びデータ再生部64から構成されている。システムプロッセッサ部54は、システムタイムクロック54A及びレジスタ54Bを備え、また、ビデオデコータ部58、オーディオデコーダ部60及び副映像デコーダ部62は、同様にシステムタイムクロック(STC)58A、60A、62Aを備えている。
図2に示すようにディスクドライブ部30は、モータドライブ回路11、スピンドルモータ12、光学ヘッド32(即ち、光ピックアップ)、フィードモータ33、フォーカス回路36、フィードモータ駆動回路37、トラッキング回路38、ヘッドアンプ40及びサーボ処理回路44を具備している。光ディスク10は、モータ駆動回路11によって駆動されるスピンドルモータ12上に載置され、このスピンドルモータ12によって回転される。光ディスク10にレーザビームを照射する光学ヘッド32が光ディスク10の下に置かれている。また、この光学ヘッド32は、ガイド機構(図示せず)上に載置されている。フィードモータ駆動回路37がフィードモータ33に駆動信号を供給する為に設けられている。モータ33は、駆動信号によって駆動されて光学ヘッド32を光ディスク10の半径方向に移動している。光学ヘッド32は、光ディスク10に対向される対物レンズ34を備えている。対物レンズ34は、フォーカス回路36から供給される駆動信号に従ってその光軸に沿って移動される。
上述した光ディスク10からデータを再生するには、光学ヘッド32が対物レンズ34を介してレーザビームを光ディスク10に照射される。この対物レンズ34は、トラッキング回路38から供給された駆動信号に従って光ディスク10の半径方向に微動される。また、対物レンズ34は、その焦点が光ディスク10の記録層16に位置されるようにフォーカシング回路36から供給された駆動信号に従ってその光軸方向に沿って微動される。その結果、レーザビームは、最小ビームスポットをスパイラルトラック(即ち、ピット列)上に形成され、トラックが光ビームスポットで追跡される。レーザビームは、記録層16から反射され、光学ヘッド32に戻される。光ヘッド32では、光ディスク10から反射された光ビームを電気信号に変換し、この電気信号は、光ヘッド32からヘッドアンプ40を介してサーボ処理回路44に供給される。サーボ処理回路44では、電気信号からフォーカス信号、トラッキング信号及びモータ制御信号を生成し、これらの信号を夫々フォーカス回路36、トラッキング直路38、モータ駆動回路11に供給している。
従って、対物レンズ34がその光軸及び光ディスク10の半径方向に沿って移動され、その焦点が光ディスク10の記録層16に位置され、また、レーザビームが最小ビームスポットをスパイラルトラック上に形成する。また、モータ駆動回路11によってスピンドルモータ12が所定の回転数で回転される。その結果、光ディスク10のピット列が光ビームで、例えば、線速一定で追跡される。
図1に示されるシステムCPU部50からアクセス信号としての制御信号がサーボ処理回路44に供給される。この制御信号に応答してサーボ処理回路44からヘッド移動信号がフィードモータ駆動回路37に供給されてこの回路37が駆動信号をフィードモータ33に供給することとなる。従って、フィードモータ33が駆動され、光ヘッド32が光ディスク10の半径方向に沿って移動される。そして、光学ヘッド32によって光ディスク10の記録層16に形成された所定のセクタがアクセスされる。再生データは、その所定のセクタから再生されて光学ヘッド32からヘッドアンプ40に供給され、このヘッドアンプ40で増幅され、ディスクドライブ部30から出力される。
出力された再生データは、システム用ROM及びRAM部52に記録されたプログラムで制御されるシステムCPU部50の管理下でシステムプロセッサ部54によってデータRAM部56に格納される。この格納された再生データは、システムプロセッサ部54によって処理されてビデオデータ、オーディオデータ及び副映像データに分類され、ビデオデータ、オーディオデータ及び副映像データは、夫々ビデオデコーダ部58、オーディオデコーダ部60及び副映像デコーダ部62に出力されてデコードされる。デコードされたビデオデータ、オーディオデータ及び副映像データは、D/A及び再生処理回路64でアナログ信号としてのビデオ信号、オーディオ信号に変換されるとともにビデオ信号がモニタ6に、また、オーディオ信号がスピーカ部8に夫々供給される。その結果、ビデオ信号及び副映像信号によってモニタ部6に映像が表示されるとともにオーディオ信号によってスピーカ部8から音声が再現される。
図1に示す光ディスク装置の詳細な動作については、次に説明する光ディスク10の論理フォーマットを参照して後により詳細に説明する。
図1に示される光ディスク10のリードインエリア27からリードアウトエリア26までのデータ記録領域28は、図4に示されるようなボリューム及びファイル構造を有している。この構造は、論理フォーマットとして特定の規格、例えば、マイクロUDF(micro UDF)及びISO9660に準拠されて定められている。データ記録領域28は、既に説明したように物理的に複数のセクタに分割され、その物理的セクタには、連続番号が付されている。下記の説明で論理アドレスは、マイクロUDF(micro UDF)及びISO9660で定められるように論理セクタ番号(LSN)を意味し、論理セクタは、物理セクタのサイズと同様に2048バイトであり、論理セクタの番号(LSN)は、物理セクタ番号の昇順とともに連続番号が付加されている。
図4に示されるようにこのボリューム及びファイル構造は、階層構造を有し、ボリューム及びファイル構造領域70、ビデオマネージャー71、少なくとも1以上のビデオタイトルセット72及び他の記録領域73を有している。これら領域は、論理セクタの境界上で区分されている。ここで、従来のCDと同様に1論理セクタは、2048バイトと定義されている。同様に、1論理ブロックも2048バイトと定義され、従って、1論理セクタは、1論理ブロックと定義される。
ファイル構造領域70は、マイクロUDF及びISO9660に定められる管理領域に相当し、この領域の記述を介してビデオマネージャー71がシステムROM/RAM部52に格納される。ビデオマネージャー71には、図5を参照して説明するようにビデオタイトルセットを管理する情報が記述され、ファイル#0から始まる複数のファイル74から構成されている。また、各ビデオタイトルセット72には、後に説明するように圧縮されたビデオデータ、オーディオデータ及び副映像データ及びこれらの再生情報が格納され、同様に複数のファイル74から構成されている。ここで、複数のビデオタイトルセット72は、最大99個に制限され、また、各ビデオタイトルセット72を構成するファイル74(File #jから File #j+9)の数は、最大10個に定められている。これらファイルも同様に論理セクタの境界で区分されている。
他の記録領域73には、上述したビデオタイトルセット72を利用可能な情報が記録されている。この他の記録領域73は、必ずしも設けられなくとも良い。
図5に示すようにビデオマネージャー71は、夫々が各ファイル74に相当する3つの項目を含んでいる。即ち、ビデオマネージャー71は、ビデオマネージャー情報(VMGI)75、ビデオマネージャー情報メニューの為のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)76及びビデオマネージャー情報のバックアップ(VMGI_BUP)77から構成されている。ここで、ビデオマネージャー情報(VMGI)75及びビデオマネージャー情報のバックアップ77(VMGI_BUP)77は、必須の項目とされ、ビデオマネージャー情報メニューの為のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)76は、オプションとされている。このVMGM用のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)76には、ビデオマネージャー71が管理する当該光ディスクのボリュームに関するメニューのビデオデータ、オーディオデータ及び副映像データが格納されている。
このVMGM用のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)76によって後に説明されるビデオの再生のように当該光ディスクのボリューム名、ボリューム名表示に伴う音声及び副映像の説明が表示されるとともに選択可能な項目が副映像で表示される。例えば、VMGM用のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)76によって当該光ディスクがあるボクサーのワールドチャンピョンに至るまでの試合を格納したビデオデータである旨、即ち、ボクサーXの栄光の歴史等のボリューム名とともにボクサーXのファイティングポーズがビデオデータで再生されるとともに彼のテーマソングが音声で再生され、副映像で彼の年表等が表示される。また、選択項目として試合のナレーションを英語、日本語等のいずれの言語を選択するかが問い合わされるとともに副映像で他の言語の字幕を表示するか、また、いずれの言語の字幕を選択するか否かが問い合わされる。このVMGM用のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)76によってユーザは、例えば、音声は、英語で副映像として日本語の字幕を採用してボクサーXの試合のビデオを鑑賞する準備が整うこととなる。
ここで、図6を参照してビデオオブジェクトセット(VOBS)82の構造について説明する。図6は、ビデオオブジェクトセット(VOBS)82の一例を示している。このビデオオブジェクトセット(VOBS)82には、2つのメニュー用及びタイトル用として3つのタイプのビデオオブジェクトセット(VOBS)76、95、96がある。即ち、ビデオオブジェクトセット(VOBS)82は、後に説明するようにビデオタイトルセット(VTS)72中にビデオタイトルセットのメニュー用ビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)95及び少なくとも1つ以上のビデオタイトルセットのタイトルの為のビデオオブジェクトセット(VTSTT_VOBS)96があり、いずれのビデオオブジェクトセット82もその用途が異なるのみで同様の構造を有している。
図6に示すようにビデオオブジェクトセット(VOBS)82は、1個以上のビデオオブジェクト(VOB)83の集合として定義され、ビデオオブジェクトセット(VOBS)82中のビデオオブジェクト83は、同一の用途の供される。通常、メニュー用のビデオオブジェクトセット(VOBS)82は、1つのビデオオブジェクト(VOB)83で構成され、複数のメニュー用の画面を表示するデータが格納される。これに対してタイトルセット用のビデオオブジェクトセット(VTSTT_VOBS)82は、通常、複数のビデオオブジェクト(VOB)83で構成される。
ここで、ビデオオブジェクト(VOB)83は、上述したボクシングのビデオを例にすれば、ボクサーXの各試合の映像データに相当し、ビデオオブジェクト(VOB)を指定することによって例えば、ワールドチャンピョンに挑戦する第11戦をビデオで再現することができる。また、ビデオタイトルセット72のメニュー用ビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)95には、そのボクサーXの試合のメニューデータが格納され、そのメニューの表示に従って、特定の試合、例えば、ワールドチャンピョンに挑戦する第11戦を指定することができる。尚、通常の1ストーリの映画では、1ビデオオブジェクト(VOB)83が1ビデオオブジェクトセット(VOBS)82に相当し、1ビデオストリームが1ビデオオブジェクトセット(VOBS)82で完結することとなる。また、アニメ集、或いは、オムニバス形式の映画では、1ビデオオブジェクトセット(VOBS)82中に各ストーリに対応する複数のビデオストリームが設けられ、各ビデオストリームが対応するビデオオブジェクトに格納されている。従って、ビデオストリームに関連したオーディオストリーム及び副映像ストリームも各ビデオオブジェクト(VOB)83中で完結することとなる。
ビデオオブジェクト(VOB)83には、識別番号(IDN#j)が付され、この識別番号によってそのビデオオブジェクト(VOB)83を特定することができる。ビデオオブジェクト(VOB)83は、1又は複数のセル84から構成される。通常のビデオストリームは、複数のセルから構成されることとなるが、メニュー用のビデオストリーム、即ち、ビデオオブジェクト(VOB)83は、1つのセル84から構成される場合もある。同様にセルには、識別番号(C_IDN#j)が付され、このセル識別番号(C_IDN#j)によってセル84が特定される。
図6に示すように各セル84は、1又は複数のビデオオブジェクトユニット(VOBU)85、通常は、複数のビデオオブジェクトユニット(VOBU)85から構成される。ここで、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)85は、1つのナビゲーションパック(NVパック)86を先頭に有するパック列として定義される。即ち、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)85は、あるナビゲーションパック86から次のナビゲーションパックの直前まで記録される全パックの集まりとして定義される。このビデオオブジェクトユニット(VOBU)の再生時間は、図6に示すようにビデオオブジェクトユニット(VOBU)中に含まれる単数又は複数個のGOPから構成されるビデオデータの再生時間に相当し、その再生時間は、0.4秒以上であって1秒より大きくならないように定められる。MPEGでは、1GOPは、通常0.5秒であってその間に15枚程度の画像が再生する為の圧縮された画面データであると定められている。
図6に示すようにビデオオブジェクトユニットがビデオデータを含む場合には、MPEG規格に定められたビデオパック(Vパック)87、副映像パック(SPパック)90、及びオーディオパック(Aパック)91(コンピュータデータパック(Cパック)88)から構成されるGOPが配列されてビデオデータストリームが構成されるが、このGOPの数とは、無関係にGOPの再生時間を基準にしてビデオオブジェクト(VOBU)83が定められ、その先頭には、常にナビゲーションパック(NVパック)86が配列される。また、オーディオ及び/又は副映像データのみの再生データにあってもこのビデオオブジェクトユニットを1単位として再生データが構成される。即ち、オーディオパック91のみでビデオオブジェクトユニットが構成されても、ビデオデータのビデオオブジェクトと同様にそのオーディオデータが属するビデオオブジェクトユニットの再生時間内に再生されるべきオーディオパック91がそのビデオオブジェクトユニットに格納される。これらパックの再生の手順に関しては、ナビゲーションパック(NVパック)86とともに後に詳述する。
再び図5を参照してビデオマネージャー71について説明する。ビデオマネージャー71の先頭に配置されるビデオマネージャー情報75は、タイトルをサーチする為の情報、ビデオマネージャーメニューの再生の為の情報のようなビデオタイトルセット(VTS)72を管理する情報が記述され、図5に示す順序で少なくとも3つのテーブル78、79、80が記録されている。この各テーブル78、79、80は、論理セクタの境界に一致されている。第1のテーブルであるビデオマネージャー情報管理テーブル(VMGI_MAT)78は、必須のテーブルであってビデオマネージャー71のサイズ、このビデオマネージャー71中の各情報のスタートアドレス、ビデオマネージャー情報メニュー用のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)76に関する属性情報等が記述されている。
また、ビデオマネージャー71の第2のテーブルであるタイトルサーチポインターテーブル(TT_SRPT)79には、装置のキー及び表示部4からのタイトル番号の入力に応じて選定可能な当該光ディスク10中のボリュームに含まれるビデオタイトルのエントリープログラムチェーン(EPGC)が記載されている。
ここで、プログラムチェーン187とは、図7に示すようにあるタイトルのストーリーを再現するプログラム189の集合であってプログラムチェーンが連続して再現されることによってある1タイトルの映画が完結される。従って、ユーザーは、プログラムチェーン187内のプログラム189を指定することによって映画の特定のシーンからその映画を鑑賞することができる。
ビデオマネージャー71の第3のテーブルであるビデオタイトルセット属性テーブル(VTS_ATRT)80には、当該光ディスクのボリューム中のビデオタイトルセット(VTS)72に定められた属性情報が記載される。即ち、属性情報としてビデオタイトルセット(VTS)72の数、ビデオタイトルセット(VTS)72の番号、ビデオの属性、例えば、ビデオデータの圧縮方式等、オーディオストリームの属性、例えば、オーディオの符号化モード等、副映像の属性、例えば、副映像の表示タイプ等がこのテーブルに記載されている。
ビデオマネージャー情報管理テーブル(VMGI_MAT)78及びタイトルサーチポインターテーブル(TT_SRPT)79に記載の記述内容の詳細について、図8、図9、図10及び図11を参照して次に説明する。
図8に示すようにビデオマネージャー情報管理テーブル(VMGI_MAT)78には、ビデオマネージャー71の識別子(VMG_ID)、論理ブロック (既に説明したように1論理ブロックは、2048バイト)の数でビデオ管理情報のサイズ(VMGI_SZ)、当該光ディスク、通称、ディジタルバーサタイルディスク(ディジタル多用途ディスク:以下、単にDVDと称する。)の規格に関するバージョン番号(VERN)及びビデオマネージャー71のカテゴリー(VMG_CAT)が記載されている。
ここで、ビデオマネージャー71のカテゴリー(VMG_CAT)には、このDVDビデオディレクトリーがコピーを禁止であるか否かのフラグ等が記載される。また、このテーブル(VMGI_MAT)78には、ボリュームセットの識別子(VLMS_ID)、ビデオタイトルセットの数(VTS_Ns)、このディスクに記録されるデータの供給者の識別子(PVR_ID)、ビデオマネージャーメニューの為のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)76のスタートアドレス(VNGM_VOBS_SA)、ビデオマネージャー情報の管理テーブル(VMGI_MAT)78の終了アドレス(VMGI_MAT_EA)、タイトルサーチポインターテーブル(TT_SRPT)79のスタートアドレス(TT_SRPT_SA)が記載されている。VMG_MAT78の終了アドレス(VMGI_MAT_EA)及びTT SRPT79のスタートアドレス(TT_SRPT_SA)は、先頭の論理ブロックからの相対的な論理ブロック数で記載されている。
更に、このテーブル78には、ビデオタイトルセット(VTS)72の属性テーブル(VTS_ATRT)80のスタートアドレス(VTS_ATRT_SA)がVMGIマネージャーテーブル(VMGI_MAT)71の先頭バイトからの相対的なバイト数で記載され、ビデオマネージャーメニュー(VMGM)のビデオ属性(VMGM_V_ATR)が記載されている。更にまた、このテーブル78には、ビデオマネージャーメニュー(VMGM)のオーディオストリームの数(VMGM_AST_Ns)、ビデオマネージャーメニュー(VMGM)のオーディオストリームの属性(VMGM_AST_ATR)、ビデオマネージャーメニュー(VMGM)の副映像ストリームの数(VMGM_SPST_Ns)及びビデオマネージャーメニュー(VMGM)の副映像ストリームの属性(VMGM_SPST_ATR)が記載されている。
タイトルサーチポインターテーブル(TT_SRPT)79には、図9に示すように始めにタイトルサーチポインターテーブルの情報(TSPTI)が記載され、次に入力番号1からn(n≦99)に対するタイトルサーチポインタ(TT_SRP)が必要な数だけ連続的に記載されている。この光ディスクのボリューム中に1タイトルの再生データ、例えば、1タイトルのビデオデータしか格納されていない場合には、1つのタイトルサーチポインタ(TT_SRP)93しかこのテーブル(TT_SRPT)79に記載されない。
タイトルサーチポインターテーブル情報(TSPTI)92には、図10に示されるようにエントリープログラムチェーンの数(EN_PGC_Ns)及びタイトルサーチポインタ(TT_SRP)93の終了アドレス(TT_SRPT_EA)が記載されている。このアドレス(TT_SRPT_EA)は、このタイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)79の先頭バイトからの相対的なバイト数で記載される。また、図11に示すように各タイトルサーチポインタ(TT_SRP)93には、ビデオタイトルセット番号(VTSN)、プログラムチェーン番号(PGCN)及びビデオタイトルセット72のスタートアドレス(VTS_SA)が記載されている。
このタイトルサーチポインタ(TT_SRP)93の内容によって再生されるビデオタイトルセット(VTS)72、また、プログラムチェーン(PGC)が特定されるとともにそのビデオタイトルセット72の格納位置が特定される。ビデオタイトルセット72のスタートアドレス(VTS_SA)は、ビデオタイトルセット番号(VTSN)で指定されるタイトルセットを論理ブロック数で記載される。
次に、図4に示されたビデオタイトルセット(VTS)72の論理フォーマットの構造について図12を参照して説明する。各ビデオタイトルセット(VTS)72には、図12に示すようにその記載順に4つの項目94、95、96、97が記載されている。また、各ビデオタイトルセット(VTS)72は、共通の属性を有する1又はそれ以上のビデオタイトルから構成され、このビデオタイトル72についての管理情報、例えば、エントリーサーチポイントの為の情報、ビデオオブジェクトセット96を再生する為の情報、タイトルセットメニュー(VTSM)を再生する為の情報及びビデオオブジェクトセット72の属性情報がビデオタイトルセット情報(VTSI)に記載されている。
このビデオタイトルセット情報(VTSI)94のバックアップがビデオタイトルセット(VTS)72に設けられている。ビデオタイトルセット情報(VTSI)94とこの情報のバックアップ(VTSI_BUP)97との間には、ビデオタイトルセットメニュー用のビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)95及びビデオタイトルセットタイトル用のビデオオブジェクトセット(VTSTT_VOBS)96が配置されている。いずれのビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS及びVTSTT_VOBS)95、96は、既に説明したように図6に示す構造を有している。
ビデオタイトルセット情報(VTSI)94、この情報のバックアップ(VTSI_BUP)97及びビデオタイトルセットタイトル用のビデオオブジェクトセット(VTSTT_VOBS)96は、ビデオタイトルセット72にとって必須の項目され、ビデオタイトルセットメニュー用のビデオオブジェクトセット(VTSM VOBS)95は、必要に応じて設けられるオプションとされている。
ビデオタイトルセット情報(VTSI)94は、図12に示すように4つのテーブル98、99、100、101から構成され、4つのテーブル98、99、100、101は、論理セクタ間の境界に一致されている。第1のテーブルであるビデオタイトルセット情報管理テーブル(VTSI_MAT)98は、必須のテーブルであってビデオタイトルセット(VTS)72のサイズ、ビデオタイトルセット(VTS)72中の各情報の開始アドレス及びビデオタイトルセット (VTS)72中のビデオオブジェクトセット(VOBS)82の属性が記述されている。
第2のテーブルであるビデオタイトルセットダイレクトアクセスポインタテーブル(VTS_DAPT)99は、必要に応じて設けられるオプションのテーブルであって、装置のキー操作/表示部4からのタイトル番号の入力に応じて選定可能な当該ビデオタイトルセット72中に含まれるプログラムチェーン(PGC)及び又はプログラム(PG)が記載されている。
第3のテーブルであるビデオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブル(VTS_PGCIT)100は、必須のテーブルであってVTSプログラムチェーン情報(VTS_PGCI)を記述している。第4のテーブルであるビデオタイトルセットタイムサーチマップテーブル(VTS_MAPT)101は、必要に応じて設けられるオプションのテーブルであって表示の一定時間に対するこのマップテーブル(VTS_MAPT)101が属するタイトルセット72の各プログラムチェーン(PGC)内のビデオデータの記録位置に関する情報が記述されている。
次に、図12に示したビデオタイトル情報マネージャーテーブル(VTSI_MAT)98及びビデオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブル(VTS_PGCIT)100について図13から図20を参照して説明する。
図13は、ビデオタイトル情報マネージャーテーブル(VTSI_MAT)98の記述内容を示している。このテーブル(VTIS_MAT)98には、記載順にビデオタイトルセット識別子(VTS_ID)、ビデオタイトルセット72のサイズ(VTS_SZ)、このDVDビデオ規格のバージョン番号(VERN)、タイトルセット72の属性(VTS_CAT)が記載される。また、このテーブル(VTSI_MAT)98には、、VTSメニュー(VTSM)のビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)95の開始アドレス(VTSM_VOBS_SA)がこのビデオタイトルセット(VTS)72の先頭論理ブロックからの相対論理ブロック(RLBN)で記述され、ビデオタイトルセット(VTS)におけるタイトルの為のビデオオブジェクトのスタートアドレス(VTSTT_VOB_SA)がこのビデオタイトルセット(VTS)72の先頭論理ブロックからの相対論理ブロック(RLBN)で記述される。
更に、このテーブル(VTSI_MAT)98には、ビデオタイトルセット情報管理テーブル(VTI_MAT)94の終了アドレス(VTIMAT_EA)がそのテーブル(VTI_MAT)の先頭バイトからの相対ブロック数で記載され、ビデオタイトルセットダイレクトアクセスポインタテーブル(VTS_DAPT)99のスタートアドレス(VTS_DAPT_SA)がビデオタイトルセット情報(VTSI)94の先頭バイトからの相対ブロック数で記載されている。
更にまた、このテーブル(VTSI_MAT)98には、ビデオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブル(PGCIT)100のスタートアドレス (VTS_PGCIT_SA)がビデオタイトルセット情報(VTSI)94の先頭バイトからの相対ブロック数で記載され、ビデオタイトルセット(VTS)のタイムサーチマップ(VTS_MAPT)101のスタートアドレス(VTS_MAPT_SA)がこのビデオタイトルセット(VTS)72の先頭論理セクタからの相対論理セクタで記述される。このテーブル(VTSI_MAT)98には、ビデオタイトルセット(VTS)72中のビデオタイトルセットメニュー(VTSM)の為のビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)95及びビデオタイトルセット(VTS)のタイトル(VTSTT)の為のビデオオブジェクトセット(VTST_VBS)96のビデオ属性(VTS_V_ATR)及びこのビデオタイトルセット(VTS)72中のビデオタイトルセットのタイトル(VTS_TT)の為のビデオオブジェクトセット(VTS_TT_VOBS)96のオーディオストリーム(VTS_AST_Ns)の数が記載されている。
ここで、ビデオ属性(VTS_V_ATR)には、ビデオの圧縮モード、TVシステムのフレームレート及び表示装置に表示する際の表示のアスペクト比等が記載されている。
テーブル(VTSI_MAT)98には、ビデオタイトルセット(VTS)72中のビデオタイトルセット(VTS)72のタイトル(VTSTT)の為のビデオオブジェクトセット(VTST_VOBS)96のオーディオストリーム属性(VTS_AST_ATR)が記載されている。この属性(VTS_AST_ATR)には、どのようにオーディオを符号化したかを記載したオーディオの符号化モード、オーディオの量子化を何ビットで実行したか、オーディオのチャネル数等が記載される。更に、テーブル(VTSI_MAT)98には、ビデオタイトルセット(VTS)72中のこのタイトル(VTSTT)の為のビデオオブジェクトセット(VTST_VOBS)96の副映像ストリームの数(VTS_SPST_Ns)及び各副映像ストリームの属性(VTS_SPST_ATR)が記載されている。この各副映像ストリームの属性(VTS_SPST_ATR)には、副映像の符号化モード及び副映像の表示タイプ等が記載される。
また、このテーブル(VTSI_MAT)98には、ビデオタイトルセットメニュー(VT SM)のオーディオストリーム数(VTSM_AST_Ns)、オーディオストリーム属性(VTSM_AST_ATR)、副映像ストリームの数(VTSM_SPST_Ns)、及び副映像ストリームの属性(VTSM_SPST_ATR)が記述されている。
VTSプログラムチェーン情報テーブル(VTS_PGCIT)100は、図14に示すような構造を備えている。この情報テーブル(VTS_PGCIT)100には、VTSプログラムチェーン(VTS_PGC)に関する情報(VTS_PGCI)が記載され、始めの項目としてVTSプログラムチェーン(VTS_PGC)に関する情報テーブル(VTS_PGCIT)100の情報(VTS_PGCIT_I)102が設けられている。この情報(VTS_PGCIT_I)102に続いてこの情報テーブル(VTS_PGCIT)100には、この情報テーブル(VTS_PGCIT)100中のVTSプログラムチェーン(VTS PGC)の数(#1から#n)だけVTSプログラムチェーン(VTS_PGC)をサーチするVTS_PGCIサーチポインタ(VTS_PGCIT_SRP)103が設けられ、最後にVTSプログラムチェーン(VTS_PGC)に対応した数(#1から#n)だけ各VTSプログラムチェーン(VTS_PGC)に関する情報(VTS_PGCI)104が設けられている。
VTSプログラムチェーン情報テーブル(VTS_PGCIT)100の情報(VTS_PGCIT_I)102には、図15に示されるようにVTSプログラムチェーン(VTS_PGC)の数(VTS_PGC_Ns)が内容として記述され及びこのテーブル情報(VTS_PGCIT_I)102の終了アドレス(VTS_PGCIT_EA)がこの情報テーブル(VTS_PGCIT)100の先頭バイトからの相対的なバイト数で記述されている。 また、VTS_PGCITサーチポインタ(VTS_PGCIT_SRP)103には、図16に示すようにビデオタイトルセット(VTS)72のプログラムチェーン(VTS_PGC)の属性(VTS_PGC_CAT)及びこのVTS_PGO情報テーブル(VTS_PGCIT)100の先頭バイトからの相対的バイト数でVTS_PGC情報(VTS_PGCI)のスタートアドレス(VTS_PGCI_SA)が記述されている。ここで、VTS_PGC属性(VTS_PGC_CAT)には、属性として例えば、最初に再生されるエントリープログラムチェーン(エントリーPGC)か否かが記載される。
通常、エントリプログラムチェーン(PGC)は、エントリープログラムチェーン(PGC)でないプログラムチェーン(PGC)に先だって記載される。
ビデオタイトルセット内のPGC情報(VTS_PGCI)104には、図17に示すように4つ項目が記載されている。このPGC情報(VTS_PGCI)104には、始めに必須項目のプログラムチェーン一般情報(PGC_GI)105が記述され、これに続いてビデオオブジェクトがある場合だけ必須の項目とされる少なくとも3つの項目106、107、108が記載されている。即ち、その3つの項目としてプログラムチェーンプログラムマップ(PGC_PGMAP)106、セル再生情報テーブル(C_PBIT)107及びセル位置情報テーブル(C_POSIT)108がPGC情報(VTS_PGCI)104に記載されている。
プログラムチェーン一般情報(PGC_GI)105には、図18に示すようにプログラムチェーン(PGC)のカテゴリー(PGCI_CAT)、プログラムチェーン(PGC)の内容(PGC_CNT)及びプログラムチェーン(PGC)の再生時間(PGC_PB_TIME)が記載されている。PGCのカテゴリー(PGCI_CAT)には、当該PGCのコピーが可能であるか否か及びこのPGC中のプログラムの再生が連続であるか或いはランダム再生であるか否か等が記載される。PGCの内容(PGC_CNT)には、このプログラムチェーンの構成内容、即ち、プログラム数、セルの数、このプログラムチェーン中のアングルの数が記載される。PGCの再生時間(PGC_PB_TIME)には、このPGC中のプログラムのトータル再生時間等が記載される。この再生時間は、再生手順には無関係に連続してPGC内のプログラムを再生する場合のプログラムの再生時間が記述される。
また、プログラムチェーン一般情報(PGC_GI)105には、PGC副映像ストリーム制御(PGC_SPST_CTL)、PGCオーディオストリーム制御(PGC_AST_CTL)及びPGC副映像パレット(PGC_SP_PLT)が記載されている。PGC副映像ストリーム制御(PGC_SPST_CTL)には、PGCで使用可能な副映像数が記載され、PGCオーディオストリーム制御(PGC_AST_CTL)には、同様にPGCで使用可能なオーディオストリームの数が記載される。PGC副映像パレット(PGC_SP_PLT)には、このPGCの全ての副映像ストリームで使用する所定数のカラーパレットのセットが記載される。
更に、PGC一般情報(PGC_GI)105には、セル再生情報テーブル(C_PBIT)107のスタートアドレス(C_PBIT_SA)及びセル位置情報テーブル(C_POSIT)108のスタートアドレス(C_POSIT_SA)が記載されている。いずれのスタートアドレス(C_PBIT_SA及びC_POSIT_SA)もVTS_PGC情報(VTS_PGCI)の先頭バイトからの相対的な論理ブロック数で記載される。
プログラムチェーンプログラムマップ(PGC_PGMAP)106は、図19に示すようにPGC内のプログラムの構成を示すマップである。このマップ (PGC_PGMAP)106には、図19及び図20に示すようにプログラムの開始セル番号であるエントリーセル番号(ECELLN)がセル番号の昇順に記述されている。また、エントリーセル番号の記述順にプログラム番号が1から割り当てられている。従って、このマップ(PGC_PGMAP)106の最初のエントリーセル番号は、# 1でなければならない。
セル再生情報テーブル(C_PBIT)107は、PGCのセルの再生順序を定義している。このセル再生情報テーブル(C_PBIT)107には、図21に示すようにセル再生情報(C_PBIT)が連続して記載されている。基本的には、セルの再生は、そのセル番号の順序で再生される。セル再生情報(C_PBIT)には、図22に示されるようにセルカテゴリー(C_CAT)が記載される。このセルカテゴリー(C_CAT)には、セルがセルブロック中のセルであるか、また、セルブロック中のセルであれば最初のセルであるかを示すセルブロックモード、セルがブロック中の一部ではない、或いは、アングルブロックであるかを示すセルブロックタイプ、システムタイムクロック(STC)の再設定の要否を示すSTC不連続フラグが記載される。
また、このセルカテゴリー(C_CAT)には、セル内では連続して再生するか或いはセル内の各ビデオオブジェクトユニット(VOBU)単位で静止するかを示すセル再生モード、セルの再生の後に静止させるか否か或いはその静止時間を示すセルナビゲーション制御が記載されている。
また、図22に示すようにセル再生情報テーブル(C_PBIT)107は、PGCの全再生時間を記述したセル再生時間(C_PBTM)を含んでいる。アングルセルブロックがPGC中にある場合には、そのアングルセル番号1の再生時間がそのアングルブロックの再生時間を表している。更に、セル再生情報テーブル(C_PBIT)107には、当該セルが記録されているビデオオブジェクトユニット(VOBU)85の先頭論理セクタからの相対的な論理セクタ数でセル中の先頭ビデオオブジェクトユニット(VOBU)85のスタートアドレス (C_FVOBU_SA)が記載され、また、当該セルが記録されているビデオオブジェクトユニット(VOBU)85の先頭論理セクタからの相対的な論理セクタ数でセル中の最終ビデオオブジェクトユニット(VOBU)85のスタートアドレス(C_LVOBU_SA)が記載される。
セル位置情報テーブル(C_POSI)108は、PGC内で使用するセルのビデオオブジェクト(VOB)の識別番号(VOB_ID)及びセルの識別番号(C_ID)を特定している。セル位置情報テーブル(C_POSI)には、図23に示されるようにセル再生情報テーブル(C_PBIT)107に記載されるセル番号に対応するセル位置情報(C_POSI)がセル再生情報テーブル(C_PBIT)と同一順序で記載される。このセル位置情報(C_POSI)には、図24に示すようにセルのビデオオブジェクトユニット(VOBU)85の識別番号(C_VOB_IDN)及びセル識別番号(C_IDN)が記述されている。 図6を参照して説明したようにセル84は、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)85の集合とされ、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)85は、ナビゲーション(NV)パック86から始まるパック列として定義される。従って、セル84中の最初のビデオオブジェクトユニット(VOBU)85のスタートアドレス(C_FVOBU_SA)は、NVパック86のスタートアドレスを表すこととなる。このNVパック86は、図25に示すようにパックヘッダ110、システムヘッダ111及びナビゲーションデータとしての2つのパケット、即ち、再生制御情報(PCI)パケット116及びデータサーチ情報(DSI)パケット117から成る構造を有し、図25に示すようなバイト数が各部に付り当てられ、1パックが1論理セクタに相当する2048バイトに定められている。また、このNVパックは、そのグループオブピクチャー(GOP)中の最初のデータが含まれるビデオパックの直前に配置されている。オブジェクトユニット85がビデオパック87を含まない場合であってもNVパック86がオーディオパック91又は/及び副映像パック90を含むオブジェクトユニットの先頭に配置される。このようにオブジェクトユニットがビデオパックを含まない場合であってもオブジェクトユニットがビデオパック87を含む場合と同様にオブジェクトユニットの再生時間は、ビデオが再生される単位を基準に定められる。
ここで、GOPとは、MPEGの規格で定められ、既に説明したように複数画面を構成するデータ列として定義される。即ち、GOPとは、圧縮されたデータに相当し、この圧縮データを伸張させると動画を再生することができる複数フレームの画像データが再生される。パックヘッダ110及びシステムヘッダ111は、MPEG2のシステムレーヤで定義され、パックヘッダ110には、パック開始コード、システムクロックリファレンス(SCR)及び多重化レートの情報が格納され、システムヘッダ111には、ビットレート、ストリームIDが記載されている。PCIパケット116及びDSIパケット117のパケットヘッダ112、114には、同様にMPEG2のシステムレーヤに定められているようにパケット開始コード、パケット長及びストリームIDが格納されている。
他のビデオパック87、オーディオパック91、副映像パック90、コンピュータデータパック88は、図26に示すようにMPEG2のシステムレーヤに定められるように同様にパックヘッダ120、パケットヘッダ121及び対応するデータが格納されたパケット122から構成され、そのパック長は、2048バイトに定められている。これらの各パックは、論理ブロックの境界に一致されている。
PCIパケット116のPCIデータ(PCI)113は、VOBユニット (VOBU)85内のビデオデータの再生状態に同期してプレゼンテーション、即ち、表示の内容を変更する為のナビゲーションデータである。即ち、PCIデータ(PCI)113には、図27に示されるようにPCI全体の情報としてのPCI一般情報(PCI_GI)が記述されている。PCI一般情報(PCI_GI)には、図28に示されるようにPCI113が記録されているVOBU85の論理セクタからの相対的論理ブロック数でそのPCI113が記録されているNVパック(NV_PCK)86のアドレス(NV_PCK_LBN)が記述されている。また、PCI一般情報(PCI_GI)には、VOBU85のカテゴリー(VOBU_CAT)、VOBU85のスタートPTS(VOBU_SPTS)及び終了PTS(VOBU_EPTS)が記述されている。ここで、VOBU85のスタートPTS(VOBU_SPTS)は、当該PCI113が含まれるVOBU85中のビデオデータの再生開始時間(スタートプレゼンテーションタイムスタンプ(SPTS))を示している。この再生開始時間は、VOBU85中の最初の再生開始時間である。通常は、最初のピクチャーは、MPEGの規格における1ピクチャー(Intra-Picture)の再生開始時間に相当する。VOBU85の終了PTS(VOBU EPTS)は、当該PCI113が含まれるVOBU85の再生終了時間(終了プレゼンテーションタイムスタンプ:EPTS))を示している。
図25に示したDSIパケット117のDSIデータ(DSI)115は、VOBユニット(VOBU)85のサーチを実行する為のナビゲーションデータである。DSIデータ(DSI)115には、図29に示すようにDSI一般情報(DSI_GI)、VOBUのサーチ情報(VOBU_SI)及び同期再生情報(SYNCI)が記述されている。
DSI一般情報(DSI_GI)は、そのDSI115全体の情報が記述されている。即ち、図30に示すようにDSI一般情報(DSI_GI)には、NVパック86のシステム時刻基準参照値(NV_PCK_SCR)が記載されている。このシステム時刻基準参照値(NV_PCK_SCR)は、図1に示す各部に組み込まれているシステムタイムクロック(STC)に格納され、このSTCを基準にビデオ、オーディオ及び副映像パックがビデオ、オーディオ及び副映像デコーダ部58、60、62でデコードされ、映像及び音声がモニタ部6及びスピーカ部8で再生される。DSI一般情報(DSI_GI)には、DSI115が記録されているVOBセット(VOBS)82の先頭論理セクタからの相対的論理セクタ数(RLSN)でDSI115が記録されているNVパック(NV_PCK)86のスタートアドレス(NV_PCK_LBN)が記載され、VOBユニット(VOBU)の先頭論理セクタからの相対的論理セクタ数(RLSN)でDSI115が記録されているVOBユニット(VOBU)85中の最終パックのアドレス(VOBU_EA)が記載されている。
更に、DS1一般情報(DSI_GI)には、DSI115が記録されているVOBユニット(VOBU)の先頭論理セクタからの相対的論理セクタ数(RLSN)でこのVOBU内での最初の1ピクチャーの最終アドレスが記録されているVパック(V_PCK)88の終了アドレス(VOBU_IP_EA)が記載され、当該DSI115が記録されているVOBU83の識別番号(VOBU_IP_IDN)及び当該DSI115が記録されているセルの識別番号(VOBU_C_IDN)が記載されている。
VOBU85のサーチ情報(VOBU_SI)には、セル内の先頭アドレスを特定する為の情報が記述される。
同期情報(SYNCI)には、DSI115が含まれるVOBユニット(VOBU)のビデオデータの再生開始時間と同期して再生する副映像及びオーディオデータのアドレス情報が記載される。即ち、図31に示すようにDSI115が記録されているNVパック(NV_PCK)86からの相対的な論理セクタ数(RLSN)で目的とするオーディオパック(A_PCK)91のスタートアドレス(A_SYNCA)が記載される。オーディオストリームが複数(最大8)ある場合には、その数だけ同期情報(SYNCI)が記載される。また、同期情報(SYNCI)には、目的とする副映像パック(SP_PCK)90を含むVOBユニット(VOBU)85のNVパック(NV_PCK)86のアドレス(SP_SYNCA)がDSI115が記録されているNVパック(NV_PCK)86からの相対的な論理セクタ数(RLSN)で記載されている。副映像ストリームが複数(最大32)ある場合には、その数だけ同期情報(SYNCI)が記載される。
上記パックのパック長は、2048バイト(1論理セクタ)となるように調整されている。パック長が2048バイトに満たない場合、満たないバイト数が、6バイト以下の場合、パックヘッダ内のスタッフィングバイトの追加によりパック長を調整し、7バイト以上の場合、スタッフィングバイトは1バイトで、パケットにその不足バイト数に対応するパディングパケットを追加することによりパック長を調整する。
パックヘッダは、4バイトのバックスタートコード(000001BAh)、6バイトのSCR(システムクロックリファレンス、システム時刻基準参照値)、3バイトの多重化レート(MUXレート;0468A8h)、1バイト〜7バイトのスタッフィングバイト(00h)により構成される。パケットは、基準として2034バイトで構成され、このパケットには、パック長調整用のパディングパケット(各バイト単位にデータとして意味をなさない有効データ00hが記録される)が必要に応じて設けられるようになっている。
すなわち、図32に示すように、パケットを構成するデータ長が、2034バイトから2028バイトの場合、その不足するバイト数分、パックヘッダ内にスタッフィングバイトを追加(挿入)する。
また、図33に示すように、パケットを構成するデータ長が、2027バイト以下の場合、その不足するバイト数分のパディングパケットを追加する。
たとえば、ビデオデータのパック化について説明する。
すなわち、図34に示すように、データ長が2015バイトのビデオデータをパック化する場合、1パケットの基準バイト数(2034バイト)とそのビデオデータのバイト数(2015バイト)に6バイトのパケットヘッダを加えたバイト数(2021バイト)とを比較し、この比較による13バイトの不足の算出により、13バイトのパディングパケットの追加と判断し、スタッフィングバイトが1バイトの通常の14バイトのパックヘッダと、2021バイトのビデオパケットに13バイトのパディングパケットを追加した2034バイトのパケットとにより、2048バイトのパックを形成する。 また、図35に示すように、データ長が2025バイトのビデオデータをパック化する場合、1パケットの基準バイト数(2034バイト)とそのビデオデータのバイト数(2025バイト)に6バイトのパケットヘッダを加えたバイト数(2031バイト)とを比較し、この比較による3バイトの不足の算出により、3バイトのスタッフィングバイトの追加と判断し、1バイトのスタッフィングバイトの他に3バイトのスタッフィングバイトを追加した17バイトのパックヘッダと、2031バイトのビデオパケットとにより、2048バイトのパックを形成する。
次に、上記各パックについて詳細に説明する。
NVパック86は、図25に示すように、1つのGOPの先頭のデータを含むビデオパックの直前に配置されるものであり、14バイトのパックヘッダ110と、24バイトのシステムヘッダ111と、986バイト以内のPCIパケット116と、1024バイト以内のDSIパケット117により構成されている。PCIパケット116は、6バイトのパケットヘッダ112と、1バイトのサブストリームID118と979バイトのPCIデータが格納可能なデータ領域113により構成され、DSIパケット117は、6バイトのパケットヘッダ114と、1バイトのサブストリームID119と1017バイトのDSIデータが格納可能なデータ領域115により構成されている。
パックヘッダ110は、上述したように、4バイトのバックスタートコード (000001BAh)、6バイトのSCR(システムクロックリファレンス、システム時刻基準参照値)、3バイトの多重化レート(MUXレート;0468A8h)、1バイト〜7バイトのスタッフィングバイト(00h)により構成される。
システムヘッダ111は、4バイトのシステムヘッダスタートコード(000001B Bh)、2バイトのヘッダ長等により構成される。
パケットヘッダ112、114は、それぞれ3バイトのパケットスタートコード(000001h)、1バイトのストリームID(10111111b:プライベートストリーム2)、2バイトのPES(Packetized Elementary Stream)パケット長により構成される。
サブストリームID118には、PCIストリームを示すコード(00000000b)が付与されている。
サブストリームID119には、DSIストリームを示すコード(00000001b)が付与されている。
ビデオパック87は、図36の(a)(b)に示すように、14バイトのパックヘッダ120と、9バイトのパケットヘッダ121と2025バイトまでのビデオデータが格納可能なデータ領域122によりなるビデオパケット、あるいは19バイトのパケットヘッダ121と2015バイトまでのビデオデータが格納可能なデータ領域122によりなるビデオパケットで、1つのパックが構成されている。パックヘッダ120は、上記NVパック86の場合と同じ構成である。
パケットヘッダ121が9バイトの場合は、3バイトのパケットスタートコード(000001h)、1バイトのストリームID(11100000b:MPEGビデオストリーム)、2バイトのPES(Packetized Elementary Stream)パケット長、3バイトのPESに関するデータにより構成される。
パケットヘッダ121が19バイトの場合は、上記9バイトの他に、5バイトのPTS(Presentation Time Stamp ;再生出力の時刻管理情報)と5バイトのDTS(Decoding Time Stamp ;復号の時刻管理情報)がさらに追加構成されている。このPTSとDTSは、ビデオストリームの1ピクチャ先頭のデータを含むビデオパケットのみに記述される。
オーディオパック91は、ドルビーAC3準拠の圧縮符号化データの場合、図37の(a)に示すように、14バイトのパックヘッダ120と、14バイトのパケットヘッダ121と1バイトのサブストリームID131とパケットデータ内のオーディオフレームの数を示す1バイト構成のフレーム数132とパケットデータ内の最初のオーディオフレームの先頭の位置を示す2バイト構成のファーストアクセスユニットポインタ133と2016バイトまでのオーディオデータが格納可能なデータ領域134によりなるオーディオパケットで、1つのパックが構成されている。パックヘッダ120は、上記NVパック86の場合と同じ構成である。パケットヘッダ121にPTSが含まれない場合、パケットヘッダ121が9バイト構成となり、オーディオデータが格納可能なデータ領域134が2021バイトに拡張する。
オーディオパック91は、リニアPCMの符号化データの場合、図37の(b)に示すように、14バイトのパックヘッダ120と、14バイトのパケットヘッダ121と1バイトのサブストリームID131とパケットデータ内のオーディオフレームの数を示す1バイト構成のフレーム数132とパケットデータ内のオーディオフレームの先頭の位置を示す2バイト構成のファーストアクセスユニットポインタ133とパケットデータ内のオーディオデータの情報が記述されている3バイト構成のオーディオデータインフォメーション135と2013バイトまでのオーディオデータが格納可能なデータ領域134によりなるオーディオパケットで、1つのパックが構成されている。パックヘッダ120は、上記NVパック86の場合と同じ構成である。パケットヘッダ121にPTSが含まれない場合、パケットヘッダ121が9バイト構成となり、オーディオデータが格納可能なデータ領域134が2018バイトに拡張する。
オーディオデータインフォメーションのオーディオデータの情報としては、フレーム番号、1つのデータの長さが16ビット長か20ビット長か24ビット長かの処理単位、サンプリング周波数等が記述されている。
パケットヘッダ121は、3バイトのパケットスタートコード(000001h)、1バイトのストリームID(10111101b:プライベートストリーム1)、2バイトのPES(Packetized Elementary Stream)パケット長、3バイトのPESの内容、5バイトのPTS(Presentation Time Stamp ;再生出力の時刻管理情報)により構成される。
オーディオデータがドルビーAC3準拠の圧縮符号化データの場合に付与されるサブストリームID131には、AC3ストリームを示すコード(10000×××b:×××がストリーム番号)が付与されている。
オーディオデータがリニアPCMの場合に付与されるサブストリームID131には、リニアPCMストリームを示すコード(10100×××b:×××がストリーム番号)が付与されている。
オーディオデータの1フレームは、たとえば4バイトのフレームヘッダと0〜191までの左右の4バイトずつの772バイトのオーディオデータにより構成されている。
副映像パック90は、図38に示すように、14バイトのパックヘッダ120と、14バイトのパケットヘッダ121と1バイトのサブストリームID141と2019バイトまでの副映像データが格納可能なデータ領域142によりなる副映像パケットで、1つのパックが構成されている。パケットヘッダ121にPTSが含まれない場合、パケットヘッダ121が9バイト構成となり、副映像データが格納可能なデータ領域142が2024バイトに拡張する。パックヘッダ120は、上記NVパック86の場合と同じ構成である。
サブストリームID141には、副映像ストリームを示すコード(001×××××b:×××××ストリーム番号)が付与されている。
パケットヘッダ121には、3バイトのパケットスタートコード(000001h)、1バイトのストリームID(10111101b:プライベートストリーム1)、2バイトのPES(Packetized Elementary Stream)パケット長、3バイトのPESに関するデータ、5バイトのPTS(Presentation Time Stamp ;再生出力の時刻管理情報)により構成されている。このPTSは、各副映像ユニットの先頭データを含む副映像パケットのみに記述される。
コンピュータデータパック88は、図39に示すように、14バイトのパックヘッダ120と、14バイトのパケットヘッダ121と1バイトのサブストリームID151と2バイトのコンピュータ環境情報152と2017バイトまでのコンピュータデータが格納可能なデータ領域153よりなるパケットで、1つのパックが構成されている。パケットヘッダ121にPTSが含まれない場合、パケットヘッダ121が9バイト構成となり、コンピュータデータが格納可能なデータ領域153が2022バイトに拡張する。パックヘッダ120は、上記NVパック86の場合と同じ構成である。
コンピュータ環境情報152としては、使用CPUと使用OSが記述される。たとえば、図40に示すように、4種類の種別が選択できるようになっており、使用CPUが「CPU1」で使用OSが「OS1」の場合、「0110(h)」が記述され、使用CPUが「CPU1」で使用OSが「OS2」の場合、「0111(h)」が記述され、使用CPUが「CPU2」で使用OSが「OS3」の場合、「1002(h)」が記述され、使用CPUが「CPU1」で使用OSが「OS3」の場合、「0102(h)」が記述される。
サブストリームIDには、コンピュータストリームを示すコード(11000000b)が付与されている。
パケットヘッダ121には、3バイトのパケットスタートコード(000001h)、1バイトのストリームID(10111101b:プライベートストリーム1)、2バイトのPES(Packetized Elementary Stream)パケット長、3バイトのPESに関するデータ、5バイトのPTS(Presentation Time Stamp ;再生出力の時刻管理情報)により構成されている。このPTSは、各コンピュータデータストリームの先頭データを含むコンピュータデータパケットのみに記述される。
上記各パックに記述されるSCRは、各ビデオタイトルセットごとの先頭パックの値を0とし、光ディスク10への記録順に昇順に増加するようになっている。
上記各パックのパケットヘッダ121内に記述されるストリームIDは、図41に示すように、「10111100」の場合、プログラムストリームマップを示し、「10111101」の場合、プライベートストリーム1を示し、「10111110」の場合、パディングストリーム(ダミーデータ)を示し、「10111111」の場合、プライベートストリーム2を示し、「110×××××」の場合、MPEGオーディオストリーム(×××××;ストリーム番号)を示し、「1110××××」の場合、MPEGビデオストリーム(××××;ストリーム番号)を示し、「11110000」の場合、エンタイトルメント(許諾)制御メッセージを示し、「111110010」の場合、エンタイトルメント(許諾)管理メッセージを示し、「11110010」の場合、DSMコントロールコマンドを示し、「11111111」の場合、プログラムストリームディレクトリを示している。
上記オーディオパック91、副映像パック90、コンピュータデータパック88のパケット内に記述されるサブストリームID131、141、151は、プライベートストリーム1に対応し、図42に示すように、「10100×××」の場合、リニアPCMオーディオストリームを示し、その「×××」がストリーム番号となり、「001×××××」の場合、副映像ストリームを示し、その「×××××」がストリーム番号となり、「11000000」の場合、コンピュータデータストリームを示し、「10000×××」の場合、ドルビーAC3オーディオストリームを示し、その「×××」がストリーム番号となっている。
上記NVパック87内のPCIパケットとDSIパケットに記述されるサブストリームID118、119は、プライベートストリーム2に対応し、図43に示すように、「00000000」の場合、PCIストリームを示し、「00000001」の場合、DSIストリームを示している。
次に、リニアオーディオデータのパック91の構成の具体例を、図44を用いて説明する。
すなわち、パケットヘッダ121内のストリームIDとしてはプライベートストリーム1を示す「10111101」が記述され、サブストリームID131としてリニアPCMオーディオストリームを示す「10100011」が記述され、ストリーム番号は「3」が記述され、ファーストアクセスユニットポインタ133として「01D B(h)」が記述されている。パケット内のデータ領域134には、前のフレームの残りデータ(472バイト)と2つのフレームデータ(1フレーム772バイト構成)が格納されている。
次に、コンピュータデータのパック88の構成の具体例を、図45を用いて説明する。
すなわち、パケットヘッダ121内のストリームIDとしてはプライベートストリーム1を示す「10111101」が記述され、サブストリームID151としてコンピュータデータストリームを示す「11000000」が記述され、コンピュータ環境情報152として使用CPUが「CPU1」で使用OSが「OS2」を示す「0111(h)」が記述されている。パケット内のデータ領域153には、コンピュータデータが格納されている。
次に、副映像データのパック90の構成の具体例を、図46を用いて説明する。
すなわち、パケットヘッダ121内のストリームIDとしてはプライベートストリーム1を示す「10111101」が記述され、サブストリームID141として副映像ストリームを示す「00100101」が記述され、ストリーム番号は「5」が記述されている。パケット内のデータ領域142には、2019バイトまでの副映像データが格納されている。
上記システムプロセッサ部54には、パケットの種別を判断してそのパケット内のデータを各デコーダへ転送するパケット転送処理部200を有している。このパケット転送処理部200は、図47に示すように、メモリインターフェース部(メモリI/F部)201、スタッフィング長検知部202、パックヘッダ終了アドレス算出部203、パック種別判別部204、パケットデータ転送制御部205、およびデコーダインターフェース部(デコーダ1/F部)206により構成されている。
メモリI/F部201は、データRAM部56からのパックデータをデータバスによりスタッフィング長検知部202、パック種別判別部204、パケットデータ転送制御部205、およびデコーダI/F部206へ出力するものである。
スタッフィング長検知部202は、メモリI/F部201から供給されるパックデータ中のパックヘッダ120内のスタッフィング長が何バイトであるかを検知するものであり、この検知結果はパックヘッダ終了アドレス算出部203に出力される。
パックヘッダ終了アドレス算出部203は、スタッフィング長検知部202から供給されるスタッフィング長により、パックヘッダ終了アドレスを算出するものであり、この算出結果はパック種別判別部204およびパケットデータ転送制御部205に出力される。
パック種別判別部204は、パックヘッダ終了アドレス算出部203から供給されるパックヘッダ終了アドレスに従って、上記メモリI/F部201aから供給されるパックデータ中のそのアドレスの次に供給される4バイトのデータの内容により、ビデオパック87、オーディオパック91、副映像パック90、NVパック86、コンピュータデータパック88のいずれであるかを判別するものであり、この判別結果はパケットデータ転送制御部205に出力される。
すなわち、プライベートストリーム2を示す1バイトのストリームIDが供給された場合、NVパック86と判別し、ビデオストリームを示す1バイトのストリームIDによりビデオパック87と判別し、プライベートストリーム1を示す1バイトのストリームIDによりオーディオパック91、副映像パック90あるいはコンピュータデータパック88と判別するようになっている。
このオーディオパック91、副映像パック90あるいはコンピュータデータパック88が判別された際、パケットヘッダ121に続くサブストリームID131、141、151によりドルビーAC3オーディオストリーム、リニアオーディオストリーム、副映像ストリーム、コンピュータデータストリームかを判別するようになっている。
たとえば、図42に示すように、「10100×××」(×××;ストリーム番号)の場合、リニアオーディオストリームと判別され、「10000×××」(×××;ストリーム番号)の場合、ドルビーAC3オーディオストリームと判別され、「001×××××」(×××××;ストリーム番号)の場合、副映像ストリームと判別され、「11000000」の場合、コンピュータデータストリームと判別される。
パケットデータ転送制御部205は、パックヘッダ終了アドレス算出部203から供給されるパックヘッダ終了アドレスとパック種別判別部204から供給されるパック種別の判別結果に応じて、転送先とパケットスタートアドレスを判断し、さらに供給されるパックデータのパケットヘッダ121内のパケット長を判断するものである。さらに、パケットデータ転送制御部205は、転送コントロール信号としての転送先を示す信号をデコーダI/F部206に供給し、パケットスタートアドレスからパケット終了アドレスがメモリI/F部201に供給されるようになっている。
デコーダI/F部206は、パケットデータ転送制御部205から供給される転送コントロール信号に応じて、メモリI/F部201からパケットデータ転送制御部205に制御されて供給されるパケットヘッダ121を含むパケットデータとしての、ビデオデータ、オーディオデータ、副映像データを、対応するデコーダ部58、60、62に出力したり、パケットデータとしてのナビゲーションデータ及びコンピュータデータをデータRAM部56に出力するものである。
次に、再び図1を参照して図4から図24に示す論理フォーマットを有する光ディスク10からのムービデータの再生動作について説明する。尚、図1においてブロック間の実線の矢印は、データバスを示し、破線の矢印は、制御バスを示している。
図1に示される光ディスク装置においては、電源が投入されると、システム用ROM及びRAM52からシステムCPU部50は、初期動作プログラムを読み出し、ディスクドライブ部30を作動させる。従って、ディスクドライブ部30は、リードイン領域27から読み出し動作を開始し、リードイン領域27に続くISO-9660等に準拠してボリュームとファイル構造を規定したボリューム及びファイル構造領域70が読み出される。即ち、システムCPU部50は、ディスクドライブ部30にセットされた光ディスク10の所定位置に記録されているボリューム及びファイル構造領域70を読み出す為に、ディスクドライブ部30にリード命令を与え、ボリューム及びファイル構造領域70の内容を読み出し、システムプロセッサ部54を介して、データRAM部56に一旦格納する。システムCPU部50は、データRAM部56に格納されたパステーブル及びディレクトリレコードを介して各ファイルの記録位置や記録容量、サイズ等の情報やその他管理に必要な情報としての管理情報を抜き出し、システム用ROM&RAM部52の所定の場所に転送し、保存する。
次に、システムCPU部50は、システム用ROM&RAM部52から、各ファイルの記録位置や記録容量の情報を参照してファイル番号0番から始まる複数ファイルからなるビデオマネージャー71を取得する。即ち、システムCPU部50は、システム用ROM及びRAM部52から取得した各ファイルの記録位置や記録容量の情報を参照してディスクドライブ部30に対してリード命令を与え、ルートディレクトリ上に存在するビデオマネージャー71を構成する複数ファイルの位置及びサイズを取得し、このビデオマネージャー71を読み出し、システムプロセッサ部54を介して、データRAM部56に格納する。このビデオマネージャー71の第1のテーブルでありビデオマネージャー情報管理テーブル(VMGI_MAT)78がサーチされる。このサーチによってビデオマネージャーメニュー(VMGM)の為のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)76の開始アドレス(VMGM_VOBS_SA)が獲得され、ビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)76が再生される。このメニュー用のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)76の再生に関しては、ビデオタイトルセット(VTS)中のタイトルの為のビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)と同様であるのでその再生手順は省略する。このビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)76で言語の設定をすると、或いは、ビデオマネージャーメニュー(VMGM)がない場合には、ボリュームマネージャー情報管理テーブル(VMGI_MAT)がサーチされてタイトルセットサーチポインタテーブル(TT_SRPT)79の開始アドレス(TT_SRPT_SA)がサーチされる。
このサーチによってタイトルセットサーチポインタテーブル(TT_SRPT)79がシステム用ROM&RAM部52の所定の場所に転送され保存される。次に、システムCPU部50は、タイトルサーチポインタテーブル情報(TSPTI)92からタイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)79の最終アドレスを獲得するとともにキー操作/表示部4からの入力番号に応じたタイトルサーチポインタ(TT_SRP)93から入力番号に対応したビデオタイトルセット番号(VTSN)、プログラムチェーン番号(PGCN)及びビデオタイトルセットのスタートアドレス(VTS_SA)が獲得される。タイトルセットが1つしかない場合には、キー操作/表示部4からの入力番号の有無に拘らず1つのタイトルサーチポインタ(TT_SRP)93がサーチされてそのタイトルセットのスタートアドレス(VTS_SA)が獲得される。このタイトルセットのスタートアドレス(VTS_SA)からシステムCPU部50は、目的のタイトルセットを獲得することとなる。
尚、システムCPU部50は、ビデオマネージャー情報(VMGI)75の情報管理テーブル(VMGI_MAT)78に記述されたビデオマネージャーメニュー用のビデオ、オーディオ、副映像のストリーム数及びそれぞれの属性情報を取得して属性情報を基に、各々のビデオデコーダ部58、オーディオデコーダ部60及び副映像デコーダ部62にビデオマネージャーメニュー再生のためのパラメータを設定する。
次に、図11に示すビデオタイトルセット72のスタートアドレス(VTS_SA)から図12に示すようにそのタイトルセットのビデオタイトルセット情報(VTSI)94が獲得される。このビデオタイトルセット情報(VTSI)94のビデオタイトルセット情報の管理テーブル(VTSI_MAT)98から図13に示すビデオタイトルセット情報管理テーブル(VTSI_MAT)の98終了アドレス(VTI_MAT_EA)が獲得されると共にオーディオ及び副映像データのストリーム数(VTS_AST_Ns、VTS_SPST_Ns)及びビデオ、オーディオ及び副映像データの属性情報(VTS_V_ATR,VTS_A_ATR,VTS_SPST_ATR)に基づいて図1に示される再生装置の各部がその属性に従って設定される。
また、ビデオタイトルセット(VTS)の為のメニュー(VTSM)が単純な構成である場合には、図13に示すビデオタイトルセット情報管理テーブル(VTSI_MAT)98からビデオタイトルセットのメニュー用のビデオオブジェクトセット(VTSM_VOB)95のスタートアドレス(VTSM_VOB_SA)が獲得されてそのビデオオブジェクトセット(VTSM_VOB)95によってビデオタイトルセットのメニューが表示される。このメニューを参照して特にプログラムチェーン(PGC)を選択せずに単純にタイトルセット(VTS)におけるタイトル(VTST)の為のビデオオブジェクトセット(VTT_VOBS)96を再生する場合には、図13に示すそのスタートアドレス(VTSTT_VOB_SA)からそのビデオオブジェクトセット96が再生される。
プログラムチェーン(PGC)をキー操作/表示部4で指定する場合には、次のような手順で対象とするプログラムチェーンがサーチされる。このプログラムチェーンのサーチは、ビデオタイトルセットにおけるタイトルの為のプログラムチェーンに限らず、メニューがプログラムチェーンで構成される比較的複雑なメニューにおいてもそのメニューの為のプログラムチェーンのサーチに関しても同様の手順が採用される。ビデオタイトルセット情報(VTSI)94の管理テーブル(VTSI_MAT)98に記述される図13に示すビデオタイトルセット(VTS)内のプログラムチェーン情報テーブル(VTS_PGCIT)100のスタートアドレスが獲得されて図14に示すそのVTSプログラムチェーン情報テーブルの情報(VTS_PGCIT_I)102が読み込まれる。この情報(VTS_PGCIT_I)102から図15に示すプログラムチェーンの数(VTS_PGC_Ns)及びテーブル100の終了アドレス(VTS_PGCIT_EA)が獲得される。
キー操作/表示部4でプログラムチェーンの番号が指定されると、その番号に対応した図14に示すVTS_PGCITサーチポインタ(VTS_PGCIT_SRP)103から図16に示すそのプログラムチェーンのカテゴリー及びそのサーチポインタ(VTS_PGCIT_SRP)103に対応したVTS_PGC情報104のスタートアドレスが獲得される。このスタートアドレス(VTS_PGCI_SA)によって図17に示すプログラムチェーン一般情報(PGC_GI)が読み出される。この一般情報(PGC_GI)によってプログラムチェーン(PGC)のカテゴリー及び再生時間(PGC_CAT、PGC_PB_TIME)等が獲得され、その一般情報(PGC_GI)に記載したセル再生情報テーブル(C_PBIT)及びセル位置情報テーブル(C_POSIT)108のスタートアドレス(C_PBIT_SA、C_POSIT_SA)が獲得される。スタートアドレス(C_PBIT_SA)から図23に示すセル位置情報(C_POSI)として図24に示すようなビデオオブジェクトの識別子(C_VOB_IDN)及びセルの識別番号(C_IDN)が獲得される。
また、スタートアドレス(C_POSIT_SA)から図21に示すセル再生情報(C_PBI)が獲得され、その再生情報(C_PBI)に記載の図22に示すセル中の最初のVOBU85のスタートアドレス(C_FVOBU_SA)及び最終のVOBUのスタートアドレス(C_LVOBU_SA)が獲得されてその目的とするセルがサーチされる。セルの再生順序は、図17に示されるPGCプログラムマップ(PGC_PGMAP)106の図19に示すプログラムのマップを参照して次々に再生セル84が決定される。このように決定されたプログラムチェーンのデータセル84が次々にビデオオブジェクト144から読み出されてシステムプロセッサ部54を介して、データRAM部56に入力される。このデータセル84は、再生時間情報を基にビデオデコーダ部58、オーディオデコーダ部60及び副映像デコーダ部62に与えられてデコードされ、D/A及び再生処理部64で信号変換されてモニタ部6に画像が再現されるとともにスピーカ部8から音声が再生される。
更に、ナビゲーションパック86を利用したビデオデータの通常再生に関してフローチャートを参照してより詳細説明する。
ビデオデータの通常再生では、図48に示すように通常再生が開始される場合には、ステップS11に示すスタートの後に既に説明したようにビデオマネージャー情報(VMGI)75がシステムCPU部50によってサーチされてシステムROM/RAM部52に格納される(ステップS12)。同様にこのビデオマネージャー情報(VMGI)75に基づいてビデオタイトルセット(VTS)72のビデオタイトルセット情報(VTSI)94が読み込まれるとともにビデオタイトルセットメニューがそのビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)95を利用してモニター部6に表示される。この表示を基にステップS13で示すように再生すべきタイトルセット72及び再生条件の等をユーザーが決定する。この決定したタイトルセット72をキー操作/表示部4を用いて選択すると、ステップS14に示すように選択したタイトルセット72中の図12に示すプログラムチェーン情報テーブル(VTS_PGCIT)100から図17、図21及び図22に示すセル再生情報テーブル(C_PBIT)107のデータがシステムCPU部50によって読み込まれ、これがシステムROM/RAM部52に格納される。
システムCPU部50は、ステップS15に示すようにキー操作/表示部4から入力された再生条件に応じて再生を開始するプログラムチェーン番号(VTS_PGC_Ns)、アングル番号(ANGNs)、オーディオストリーム番号及び副映像ストリーム番号が決定される。例えば、プログラムチェーンとしてボクシングのワールドチャンピョン第11戦がタイトルとして選定され、英語のナレーションの基に副映像として日本語の字幕を映し出すことを決定する。また、アングルとして常に両者の戦いが良く鑑賞できる映像に決定する等の選択がユーザによって実行される。この決定された副映像番号及びオーディオストリーム番号がステップS16に示すようにシステムプロセッサ部54のレジスタ54Bに設定される。同様に、再生スタート時間がシステムプロセッサ部54、ビデオデコーダ部58、オーディオデコーダ部60及び副映像デコーダ部62のシステムタイムクロック(STC)54A、58A、60A、62Aに設定される。また、スタートアドレスとしてのセル中の最初のVOBUのスタートアドレス及びPGC番号、即ち、セル番号がシステム用ROM/RAM部52に格納される。
ステップS17に示すようにビデオタイトルセットの読み込み準備が整った時点でリードコマンドがシステムCPU部50からディスクドライブ部30に与えられ、上述したスタートアドレスを基に光ディスク10がディスクドライブ部30によってシークされる。このリードコマンドによって光ディスク10からは、指定されたプログラムチェーン(PGC)に係るセルが次々に読み出され、システムCPU部50及びシステム処理部54を介してデータRAM部56に送られる。この送られたセルデータは、図6に示すようにビデオオブジェクトユニット(VOBU)85の先頭パックであるナビゲーションパック86からパックがデータRAM部56に格納される。その後、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)のビデオパック87、オーディオパック91、副映像パック90、及びコンピュータデータパック88が夫々ビデオデコーダ部58、オーディオデコーダ部60、副映像デコーダ部62及びデータRAM部56に分配され、夫々のデコーダでデコードされてD/A及びデータ再生部64に送られる。その結果、モニタ部6に映像信号が送られ、スピーカ部8に音声信号が送られ、副映像を伴った映像の表示が開始されるとともに音声の再現が開始される。
上記コンピュータデータパック88の内容は、データRAM部56内のシステムCPU部50による作業エリアに格納される。
これにより、システムCPU部50はこのコンピュータデータとしてのプログラムデータを用いて別の処理を実行したり、システムROM/RAM部52内の別のプログラムを起動するようになっている。
たとえば、ビデオの途中において、双六ゲームが行われる際に、その簡単な双六ゲームのプログラムが、システムROM/RAM部52に記録されておらず、上述したようにコンピュータデータとして読み出されるようになっている。
また、上述したようにコンピュータデータとして読み出されることにより、システムROM/RAM部52に記録されている所定のプログラムを起動するようになっている。
このような映像及び音声の再生中においては、キー操作/表示部4からの割り込み処理があった場合には、その得られたキーデータがシステムRAM/ROM部52に格納される。キーデータがない場合には、ドライブ部からの再生終了の割り込みがあったか否かがチェックされる。再生終了の割り込みがない場合には、ナビゲーションパック86の転送を待つこととなる。ナビゲーションパック86の転送が終了している場合には、ナビゲーションパック86中の論理セクタ番号(NV_PCK_LSN)を現在の論理ブロック番号(NOWLBN)としてシステムRAM/ROM部52に格納される。
NVパック86の転送が終了すると、そのセル内の最終NVパック86かがチェックされる。即ち、セル84中の最終ナビゲーションパック86であるか否かがチェックされる。このチェックは、図22に示すセル再生情報テーブル(C_PBI)107のC_LVOBUのスタートアドレス(C_LVOBU_SA)とナビゲーションパック86のアドレス(V_PCK_LBN)を比較することによってチェックされる。NVパック86がセル84内での最終である場合には、アングルの変更があるか否かがチェックされる。アングルの変更は、キー操作/表示部4からシステムCPU部50にアングル変更の入力があるか否かに基づいて判断される。アングルの変更がない場合には、そのセル84が属するプログラムチェーン(PGC)の最終セルであるかがチェックされる。このチェックは、図17及び図21に示すそのセル84がセル再生情報テーブル(C_PBIT)107の最終セルであるかによって判断される。即ち、プログラムチェーンを構成するセル数及び再生されたセルの識別番号によってチェックされる。
再生終了である場合、或いは、次に再生されるプログラムチェーンがない場合には、ステップS18に示すようにPCI113の一般情報(PCI-GI)に記載されるエンドPTS(VOBU_EPTS)が参照され、このエンドPTS(VOBU_EPTS)がシステムタイムクロック(STC)に一致すると、ステップ19に示されるようにモニタ6の画面の表示が中止され、ステップS20に示すようにシステムCPUからディスクドライブ部30にデータ転送中止コマンドが与えられ、データ転送が中止され、再生動作が終了される。
次に、上記各パックの転送処理について、図49に示すフローチャートを参照して説明する。
すなわち、システムCPU部50は、ディスクドライブ部30にリードコマンドと再生するパックの論理セクタアドレスを転送する(ステップS31)。
すると、ディスクドライブ部30は、目的アドレスをシークする(ステップS32)。
ついで、ディスクドライブ部30は、目的アドレスのデータをエラー訂正し、論理セクタデータ内の主データ部分を、システムプロセッサ部54に転送する (ステップS33)。
システムプロセッサ部54は、読出した論理セクタのデータをデータRAM部56に保存する(ステップS34)。
システムプロセッサ部54は、データRAM部56内に保存されている論理セクタのデータの先頭よりパックヘッダ110、120を読出し、そのSCR(システム時刻基準参照値)を保存する(ステップS35)。
このとき、論理セクタの先頭とパックデータの先頭が一致しているため、データの取り出しが容易に行える。
そして、システムプロセッサ部54は、自身のPTSと上記保存した各パックのSCRとを比較し、PTSに達したSCRに対応するパックつまり再生出力するパックを判断し、この判断したパックデータをデータRAM部56から読出し、パケット転送処理部200でデータの種別を判別し、この判別した種類に応じてデコーダ部58、60、62あるいはデータRAM部56に転送する(ステップS36)。
そして、各デコーダ部58、60、62はそれぞれのデータフォーマットと上記設定されている符号化方式に従ってデータをデコードし、D/A&再生処理部64に送る。D/A&再生処理部64でビデオデータのデコード結果のディジタル信号をアナログ信号に変換した後、上記設定されている条件によりフレームレート処理、アスペクト処理、パンスキャン処理等を施して、モニタ部6に出力される。D/A&再生処理部64でオーディオデータのデコード結果を上記設定されている条件によりディジタル信号をアナログ信号に変換した後、D/A&再生処理部64で上記設定されている条件によりミキシング処理を施してスピーカ部8に出力される。D/A&再生処理部64は、副映像データのデコード結果のディジタル信号をアナログ信号に変換した後、モニタ部6に出力される(ステップS37)。
また、データRAM部56は、コンピュータデータとしてのプログラムデータが供給された際、そのデータをそのCPU種別と使用OSを示すコンピュータ環境種別とともに記録し、システムCPU部50ヘコンピュータ環境種別とそのデータを出力する。
再生が終了するまで、上記S33〜S37が繰り返される。
次に、パケット転送処理部200の処理を説明する。
すなわち、データRAM部56から読出されたパックデータがメモリI/F部201を介してスタッフィング長検知部202、パック種別判別部204、パケットデータ転送制御部205、およびデコーダI/F部206に供給される(ステップS41)。
これにより、スタッフィング長検知部202によって、スタッフィング長が検知され、そのスタッフィング長を示すデータがパックヘッダ終了アドレス算出部203に出力される(ステップS42)。
パックヘッダ終了アドレス算出部203は供給されるスタッフィング長により、パックヘッダ終了アドレスを算出し、このパックヘッダ終了アドレスがパック種別判別部204、パケットデータ転送制御部205に供給される(ステップS43)。
パック種別判別部204は、供給されるパックヘッダ終了アドレスに従って、そのアドレスの次に供給される4〜6バイトのデータの内容により、NVパック86、ビデオパック87、ドルビーAC3のオーディオパック91、リニアPCMのオーディオパック91、副映像パック90、コンピュータデータパック88のいずれであるかを判別し、この判別結果がパケットデータ転送制御部205に供給される(ステップS44)。
すなわち、4バイトのシステムヘッダスタートコードが供給された場合、NVパック86と判別し、3バイトのパケットスタートコードと1バイトのビデオストリームを示すストリームIDによりビデオパック87と判別し、3バイトのパケットスタートコードと1バイトのストリームIDとしてのプライベートストリーム1によりドルビーAC3のオーディオパック91、リニアPCMのオーディオパック91、副映像パック90、コンピュータデータパック88のいずれかであると判別する。
また、ストリームIDがプライベートストリーム1の際に、パケットヘッダ121に続くサブストリームID(131、141、151)が「10100×××」の場合、リニアPCMのオーディオパックと判別し、その「×××」によりストリーム番号を判別する。
また、ストリームIDがプライベートストリーム1の際に、パケットヘッダ121に続くサブストリームID(131、141、151)が「10000×××」の場合、ドルビーAC3のオーディオパックと判別し、その「×××」によりストリーム番号を判別する。
また、ストリームIDがプライベートストリーム1の際に、パケットヘッダ121に続くサブストリームID(131、141、151)が「001×××××」の場合、副映像ストリームと判別し、その「×××××」によりストリーム番号を判別する。
また、ストリームIDがプライベートストリーム1の際に、パケットヘッダ121に続くサブストリームID(131、141、151)が「11000000」の場合、コンピュータデータストリームと判別する。
上記リニアPCMのオーディオパック91あるいはドルビーAC3のオーディオパック91を判別した際、そのサブストリームID131の後のフレームヘッダ数132に続く2バイトのファーストアクセスユニットポインタ133により最初のフレームの先頭位置を示すオフセットバイト番号が判別される。
そして、パケットデータ転送制御部205は、供給されるパック種別の判別結果とパックヘッダ終了アドレスとファーストアクセスユニットポインタ133に応じて、転送先とパケットスタートアドレスを判断し、さらに供給されるパックデータのパケットヘッダ121内のパケット長を判断する。これにより、パケットデータ転送制御部205は、転送コントロール信号としての転送先を示す信号をデコーダI/F部206に供給し、パケットスタートアドレスからパケット終了アドレスがメモリI/F部201に供給される(ステップS45)。
したがって、実質的に有効なパケットデータが、メモリI/F部201からデータバスを介して、デコーダI/F部206に供給され、その後、その種別に応じた転送先としての各デコーダ58、60、62あるいはデータRAM部56に転送される(ステップS46)。
すなわち、ビデオデータのパケットデータはデコーダ58へ転送され、オーディオデータのパケットデータはデコーダ60へ転送され、副映像データのパケットデータはデコーダ62へ転送され、コンピュータデータのパケットデータはデータRAM部56へ転送される。
この際、上記パックデータが一定長のため、データRAM部56での記憶状態がつまり開始アドレスが一定間隔なため、データRAM部56内のパックデータの先頭が常に同じ間隔のアドレスに保存される事となり、パックデータの管理がアドレス管理せずに、パック番号だけの管理で良い。
尚、データの種別の判別過程では、データがビデオデータの再生位置等を示すNVデータとしてのPCIデータおよびDSIデータの場合には、このNVデータはデコーダヘは転送されず、このNVデータは、データRAM部56に格納される。このNVデータは、システムCPU部50によって必要に応じて参照されてビデオデータの特殊再生をする際に利用される。この際、PCIデータとDSIデータとはそれらに付与されているサブストリームIDにより識別されるようになっている。
また、1つのセルの再生が終了すると、次に再生するセル情報がプログラムチェーンデータ中のセル再生順序情報から取得し、同様にして再生が続けられる。
次に、図50から図55を参照して図4から図31に示す論理フォーマットで映像データ及びこの映像データを再生するための光ディスク10への記録方法及びその記録方法が適用される記録システムについて説明する。
図50は、映像データをエンコーダしてあるタイトルセット84の映像ファイル88を生成するエンコーダシステムが示されている。図50に示されるシステムにおいては、ビデオデータ、オーディオデータ、副映像データ、及びコンピュータデータのソースとして、例えば、ビデオテープレコーダ(VTR)211、オーディオテープレコーダ(ATR)212、副映像再生器(Subpicturesource)213、及びコンピュータデータ再生器214が採用される。これらは、システムコントローラ(Syscon)215の制御下でビデオデータ、オーディオデータ、副映像データ、及びコンピュータデータを発生し、これらが夫々ビデオエンコーダ(VENC)216、オーディオエンコーダ(AENC)217、副映像エンコーダ(SPENC)218及びコンピュータデータエンコーダ(CENC)219に供給され、同様にシステムコントローラ(Sys con )215の制御下でこれらエンコーダ216、217、218、219でA/D変換されると共に夫々の圧縮方式でエンコードされ、エンコードされたビデオデータ、オーディオデータ、副映像データ及びコンピュータデータ(Comp Video,Comp Audio,Comp Sub-pict、Comp computer )としてメモリ221、221、222、223に格納される。
このビデオデータ、オーディオデータ、副映像データ及びコンピュータデータ(Comp Video, Comp Audio, Comp Sub-pict、Comp computer )は、システムコントローラ(Sys con )215によってファイルフォーマッタ(FFMT)224に出力され、既に説明したようなこのシステムの映像データのファイル構造に変換されるとともに各データの設定条件及び属性等の管理情報がファイルとしてシステムコントローラ(Sys con )215によってメモリ226に格納される。
以下に、映像データからファイルを作成するためのシステムコントローラ(Sys con)215におけるエンコード処理の標準的なフローを説明する。
図51に示されるフローに従ってビデオデータ及びオーディオデータがエンコードされてエンコードビデオ及びオーディオデータ(Comp Video, Comp Audio)のデータが作成される。即ち、エンコード処理が開始されると、図51のステップ50に示すようにビデオデータ及びオーディオデータのエンコードにあたって必要なパラメータが設定される。この設定されたパラメータの一部は、システムコントローラ(Sys con )215に保存されるとともにファイルフォーマッタ(FFMT)224で利用される。ステップS51で示すようにパラメータを利用してビデオデータがプリエンコードされ、最適な符号量の分配が計算される。ステップS52に示されるようにプリエンコードで得られた符号量分配に基づき、ビデオのエンコードが実行される。このとき、オーディオデータのエンコードも同時に実行される。ステップS53に示すように必要であれば、ビデオデータの部分的な再エンコードが実行され、再エンコードした部分のビデオデータが置き換えられる。この一連のステップによってビデオデータ及びオーディオデータがエンコードされる。
また、ステップS54及びS55に示すように副映像データがエンコードされエンコード副映像データ(Comp Sub-pict )が作成される。即ち、副映像データをエンコードするにあたって必要なパラメータが同様に設定される。ステップS54に示すように設定されたパラメータの一部がシステムコントローラ(Sys con )215に保存され、ファイルフォーマッタ(FFMT)224で利用される。このパラメータに基づいて副映像データがエンコードされる。この処理により副映像データがエンコードされる。
また、ステップS56及びS57に示すようにコンピュータデータがエンコードされエンコードコンピュータデータ(Comp computer )が作成される。即ち、データをエンコードするにあたって必要なパラメータが同様に設定される。ステップS56に示すように設定されたパラメータの一部がシステムコントローラ (Sys con )215に保存され、ファイルフォーマッタ(FFMT)224で利用される。このパラメータに基づいコンピュータてデータがエンコードされる。この処理によりコンピュータデータがエンコードされる。
図52に示すフローに従って、エンコードされたビデオデータ、オーディオデータ、副映像データ、及びコンピュータデータ(Com Video, Comp Audio, Comp Sub-pict、Comp computer )が組み合わされて図4及び図12を参照して説明したような映像データのタイトルセット構造に変換される。即ち、ステップS61に示すように映像データの最小単位としてのセルが設定され、セルに関するセル再生情報(C_PBI)が作成される。次に、ステップS62に示すようにプログラムチェーンを構成するセルの構成、ビデオ、副映像及びオーディオ属性等が設定され(これらの属性情報の一部は、各データエンコード時に得られた情報が利用される。)、図12に示すようにプログラムチェーンに関する情報を含めたビデオタイトルセット情報管理テーブル情報(VTSI_MAT)98及びビデオタイトルセット時間サーチマップテーブル(VTS_MAPT)101が作成される。このとき必要に応じてビデオタイトルセットダイレクトアクセスポインタテーブル(VTS_DAPT)も作成される。次にステップS63に示すように、エンコードされたビデオデータ、オーディオデータ、副映像データ、及びコンピュータデータ(Com Video, Comp Audio,Comp Sub-pict 、Comp computer )が一定のパックに細分化され、各データのタイムコード順に再生可能なように、VOBU単位毎にその先頭にNVパック86を配置しながら各データセルが配置されて図6に示すような複数のセルで構成されるビデオオブジェクト(VOB)が構成され、このビデオオブジェクトのセットでタイトルセットの構造にフォーマットされる。
尚、図52に示したフローにおいて、プログラムチェーン情報は、ステップS62の過程で、システムコントローラ(Sys con )215のデータベースを利用したり、或いは、必要に応じてデータを再入力する等を実行し、プログラムチェーン情報(PGI)として記述される。
図53は、上述のようにフォーマットされたタイトルセットを光ディスクヘ記録するためのディスクフォーマッタのシステムを示している。図53に示すようにディスクフォーマッタシステムでは、作成されたタイトルセットが格納されたメモリ230、232からこれらファイルデータがボリュームフォーマッタ(VFMT)236に供給される。ボリュームフォーマッタ(VFMT)236では、タイトルセット84、86から管理情報が引き出されてビデオマネージャー71が作成され、図4に示す配列順序でディスク10に記録されるべき状態の論理データが作成される。ボリュームフォーマッタ(VFMT)236で作成された論理データにエラー訂正用のデータがディスクフォーマッタ(DFMT)238において付加され、ディスクヘ記録する物理データに再変換される。変調器(Modulater)240において、ディスクフォーマッタ(DFMT)238で作成された物理データが実際にディスクヘ記録する記録データに変換され、この変調処理された記録データが記録器(Recoder)242によってディスク10に記録される。
上述したディスクを作成するための標準的なフローを図54及び図55を参照して説明する。図54には、ディスク10に記録するための論理データが作成されるフローが示されている。即ち、ステップS80で示すように映像データファイルの数、並べ順、各映像データファイル大きさ等のパラメータデータが始めに設定される。次に、ステップS81で示すように設定されたパラメータと各ビデオタイトルセット72のビデオタイトルセット情報81からビデオマネージャー71が作成される。その後、ステップS82に示すようにビデオマネージャー71、ビデオタイトルセット72の順にデータが該当する論理ブロック番号に沿って配置され、ディスク10に記録するための論理データが作成される。
その後、図55に示すb、なディスクヘ記録するための物理データを作成するフローが実行される。即ち、ステップS83で示すように論理データが一定バイト数に分割され、エラー訂正用のデータが生成される。次にステップS84で示すように一定バイト数に分割した論理データと、生成されたエラー訂正用のデータが合わされて物理セクタが作成される。その後、ステップS85で示すように物理セクタを合わせて物理データが作成される。このように図55に示されたフローで生成された物理データに対し、一定規則に基づいた変調処理が実行されて記録データが作成される。その後、この記録データがディスク10に記録される。
上述したデータ構造は、光ディスク等の記録媒体に記録してユーザに頒布して再生する場合に限らず、図56に示すような通信系にも適用することができる。即ち、図50から図53に示した手順に従って図4に示すようなビデオマネージャー71及びビデオタイトルセット72等が格納された光ディスク10が再生装置300にロードされ、その再生装置のシステムCPU部50からエンコードされたデータがディジタル的に取り出され、モジュレータ/トランスミッター310によって電波或いはケーブルでユーザ或いはケーブル加入者側に送られても良い。また、図50及び図53に示したエンコードシステム320によって放送局等のプロバイダー側でエンコードされたデータが作成され、このエンコードデータが同様にモジュレータ/トランスミッター310によって電波或いはケーブルでユーザ或いはケーブル加入者側に送られても良い。このような通信システムにおいては、始めにビデオマネージャー71の情報がモジュレータ/トランスミッター310で変調されて或いは直接にユーザ側に無料で配布され、ユーザがそのタイトルに興味を持った際にユーザー或いは加入者からの要求に応じてそのタイトルセット72をモジュレータ/トランスミッター310によって電波或いはケーブルを介してユーザ側に送られることとなる。タイトルの転送は、始めに、ビデオマネージャー71の管理下でビデオタイトルセット情報94が送られてその後にこのタイトルセット情報94によって再生されるビデオタイトルセットにおけるタイトル用ビデオオブジェクト95が転送される。このとき必要であれば、ビデオタイトルセットメニュー用のビデオオブジェクト95も送られる。送られたデータは、ユーザ側でレシーバ/復調器400で受信され、エンコードデータとして図1に示すユーザ或いは加入者側の再生装置のシステムCPU部50で上述した再生処理と同様に処理されてビデオが再生される。
ビデオタイトルセット72の転送においてビデオオブジェクトセット95、96は、図6に示すビデオオブジェクトユニット85を単位として転送される。このビデオオブジェクトユニット85には、ビデオの再生及びサーチ情報が格納されたNVパック86がその先頭に配置されている。しかも、このNVパック86には、そのNVパック86が属するビデオオブジェクトユニット85を基準として前後に再生されるべきビデオオブジェクトユニットのアドレスが記載されていることから、ビデオオブジェクトユニット85の転送中に何らかの原因でビデオオブジェクトユニット85が欠けたとしても欠けたビデオオブジェクトユニット85の再転送を要求することによって確実にユーザ側でビデオデータを再生することができる。また、転送は、ビデオオブジェクトユニットの再生順に実施されなくともユーザ側のシステムROM/RAM部52が正確なプログラムチェーンの再生情報を保持することでそのNVパック86のアドレスデータを参照して再生順序をシステムCPU部50が指示することができる。
上述した説明においては、ビデオオブジェクトユニットは、ビデオ、オーディオ、副映像及びコンピュータデータを含むデータ列として説明したが、ビデオ、オーディオ、副映像及びコンピュータデータのいずれかが含まれれば良く、オーディオパックのみ或いは副映像パックのみコンピュータデータパックのみで構成されても良い。
上記したように、ディスクのデータ領域に、プログラムチェーン、プログラム、セル、パックの階層構造でデータが記録され、上記各パックが、各パックを識別するためのパックヘッダとデータストリームが記録されるパケットよりなり、上記パケットが少なくともプライベートストリームを示すデータを有するパケットヘッダとプライベートストリームの種別を示すデータとこの種別に対応するパケットデータよりなるようにしたものである。
これにより、さまざまな種別データを複数種類取り扱うことができる。
また、取り扱うデータがドルビーAC3オーディオデータ、リニアPCMオーディオデータの場合には、途中からの再生がスムーズにでき、コンピュータデータの時には、使用できる環境が簡単に検出できる。
上述した実施例においては、記録媒体として高密度記録タイプの光ディスクについて説明したが、この発明は、光ディスク以外の他の記憶媒体、例えば、磁気ディスク或いはその他の物理的に高密記録可能な記憶媒体等にも適用することができる。
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、さまざまな種別データを複数種類取り扱うことができる。
また、取り扱うデータがリニアオーディオデータの場合には、途中からの再生がスムーズにでき、コンピュータデータの時には、使用できる環境が簡単に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明の一実施例に係る光ディスク装置の概略を示すブロック図。
【図2】
図1に示したディスクドライブ装置の機構部の詳細を示すブロック図。
【図3】
図1に示したディスクドライブ装置に装填される光ディスクの構造を概略的に示す斜視図。
【図4】
図3に示す光ディスクの論理フォーマットの構造を示す図。
【図5】
図4に示されるビデオマネージャーの構造を示す図。
【図6】
図5に示されビデオオブジェクトセット(VOBS)の構造を示す例である。
【図7】
図6に示されたビデオオブジェクトユニットの構造を示す説明図。
【図8】
図5に示されたビデオマネージャ(VMGI)内のビデオマネージャ情報管理テーブル(VMGI_MAT)のパラメータ及び内容を示す図。
【図9】
図5に示されたビデオマネージャ(VMGI)内のタイトルサーチポインタテーブル(TSPT)の構造を示す図。
【図10】
図9に示したタイトルサーチポインタテーブル(TSPT)のタイトルサーチポインタテーブルの情報(TSPTI)のパラメータ及び内容を示す図。
【図11】
図9に示したタイトルサーチポインタテーブル(TSPT)の入力番号に対応したタイトルサーチポインタ(TT_SRP)のパラメータ及び内容を示す図。
【図12】
図4に示したビデオタイトルセットの構造を示す図。
【図13】
図12に示したビデオタイトルセット情報(VTSI)のビデオタイトルセット情報の管理テーブル(VTSI_MAT)のパラメータ及び内容を示す図。
【図14】
図12に示したビデオタイトルセット情報(VTSI)のビデオタイトルセットプログラムチェーン情報のテーブル(VTS_PGCIT)の構造を示す図。
【図15】
図14に示したビデオタイトルセットプログラムチェーン情報のテーブル(VTS_PGCIT)の情報(VTS_PGCIT_I)のパラメータ及び内容を示す図。
【図16】
図14に示したビデオタイトルセットプログラムチェーン情報のテーブル(VTS_PGCIT)のプログラムチェーンに対応したサーチポインタ(VTS_PGCIT_SRP)のパラメータ及び内容を示す図。
【図17】
図14に示したビデオタイトルセットプログラムチェーン情報のテーブル(VTS_PGCIT)のプログラムチェーンに対応したビデオタイトルセットの為のプログラムチェーン情報(VTS_PGCI)の構造を示す図。
【図18】
図17に示したプログラムチェーン情報(VTS_PGCI)のプログラムチェーンの一般情報(PGC_GI)のパラメータ及び内容を示す図。
【図19】
図17に示したプログラムチェーン情報(VTS_PGCI)のプログラムチェーンのマップ(PGC_PGMAP)の構造を示す図。
【図20】
図19に示したプログラムチェーンのマップ(PGC_PGMAP)に記述されるプログラムに対するエントリーセル番号(ECELLN)のパラメータ及び内容を示す図。
【図21】
図17に示したプログラムチェーン情報(VTS_PGCI)のセル再生情報テーブル(C_PBIT)の構造を示す図。
【図22】
図21に示したセル再生情報テーブル(C_PBIT)のパラメータ及び内容を示す図。
【図23】
図18に示したプログラムチェーン情報(VTS_PGCI)のセル位置情報(C_POSI)の構造を示す図。
【図24】
図23に示したセル位置情報(C_POSI)のパラメータ及び内容を示す図。
【図25】
図6に示したナビゲーションパックの構造を示す図。
【図26】
図6に示したビデオ、オーディオ、副映像パックの構造を示す図。
【図27】
図26に示されるナビゲーションパックの再生制御情報(PCI)のパラメータ及び内容を示す図。
【図28】
図27に示される再生制御情報(PCI)中の一般情報(PCI_GI)のパラメータ及び内容を示す図。
【図29】
図26に示されるナビゲーションパックのディスクサーチ情報(DSI)のパラメータ及び内容を示す図。
【図30】
図29に示されるディスクサーチ情報(DSI)のDSI一般情報(DSI_GI)のパラメータ及び内容を示す図。
【図31】
図29に示されるビデオオブジェクト(VOB)の同期再生情報(SYNCI)のパラメータ及びその内容を示す図。
【図32】
調整データ長が7バイト以上の際の調整例を説明するための図。
【図33】
調整データ長が6バイト以下の際の調整例を説明するための図。
【図34】
パックの構成を説明するための図。
【図35】
パックの構成を説明するための図。
【図36】
ビデオパックの構成を説明するための図。
【図37】
オーディオパックの構成を説明するための図。
【図38】
副映像パックの構成を説明するための図。
【図39】
コンピュータデータのパックの構成を説明するための図。
【図40】
コンピュータデータの環境種別を説明するための図。
【図41】
ストリームIDの構成を説明するための図。
【図42】
プライベートストリーム1に対するサブストリームIDの内容を説明するための図。
【図43】
プライベートストリーム2に対するサブストリームIDの内容を説明するための図。
【図44】
オーディオパックとパケットの構成を説明するための図。
【図45】
コンピュータデータのパックとパケットの構成を説明するための図。
【図46】
副映像パックとパケットの構成を説明するための図。
【図47】
パケット転送処理部の構成を説明するためのブロック図。
【図48】
ビデオデータ、オーディオデータ、副映像データ、コンピュータデータの再生処理の手順を示すフローチャート。
【図49】
パケット転送処理を説明するためのフローチャート。
【図50】
映像データをエンコーダして映像ファイルを生成するエンコーダシステムを示すブロック図。
【図51】
図50に示されるエンコード処理を示すフローチャートである。
【図52】
図51に示すフローでエンコードされたビデオデータ、オーディオデータ及び副映像データを組み合わせて映像データのファイルを作成するフローチャートである。
【図53】
フォーマットされた映像ファイルを光ディスクヘ記録するためのディスクフォーマッタのシステムを示すブロック図。
【図54】
図53に示されるディスクフォーマッタにおけるディスクに記録するための論理データを作成するフローチャートである。
【図55】
論理データからディスクヘ記録するための物理データを作成するフローチャートである。
【図56】
図4に示すビデオタイトルセットを通信系を介して転送するシステムを示す概略図。 【符号の説明】
10…光ディスク
71…管理領域
72…データ領域
84…セル
86…ナビゲーションパック
87…ビデオパック
88…コンピュータデータパック
90…副映像パック
91…オーディオパック
120…パックヘッダ
121…パケットヘッダ
131、141、151…サブストリームID
133…フレームデータの開始アドレス
187…プログラムチェーン
189…プログラム
 
訂正の要旨 訂正の要旨
▲1▼訂正事項a
特許請求の範囲第1項に係る記載
「 このデータ・パケットは、パケット・ヘッダ、これに続くサブ・ストリームID領域及びパケット・データ領域を具備し、」を
「 このデータ・パケットは、パケット・ヘッダ、これに続くサブ・ストリームID領域、ファースト・アクセス・ポインタ領域、オーディオ・データ情報領域及びパケット・データ領域を具備し、」に訂正する。
▲2▼ 訂正事項b
特許請求の範囲第1項に係る記載
「前記サブ・ストリームID領域には、前記パケット・データが特定のオーディオ・ストリームに属するオーディオ・データである旨を示しているサブ・ストリームIDが記録されていることを特徴とする光ディスク」を
「前記サブ・ストリームID領域には、前記パケット・データが特定のオーディオ・ストリームに属するオーディオ・データである旨を示しているサブ・ストリームIDが記録され、前記ファースト・アクセス・ポインタ領域には、当該パケット・データ中の最初のオーディオ・フレームの先頭位置を示すポインタ情報が記録され、前記オーディオ・データ情報領域には、データ長及びサンプリング周波数が記録されていることを特徴とする光ディスク。」に訂正する。
▲3▼ 訂正事項c
特許請求の範囲第2項に係る記載
「前記オーディオ・データは、リニア・PCMオーディオ・ストリーム及びAC3オーディオ・ストリームのいずれかに属することを特徴とする請求項1の光ディスク。」を
「前記オーディオ・データは、リニア・PCMオーディオ・ストリームに属することを特徴とする請求項1の光ディスク。」に訂正する。
▲4▼ 訂正事項d
特許請求の範囲の請求項4を削除し、請求項5を請求項4に訂正する。
▲5▼ 訂正事項e
特許請求の範囲の請求項4を削除したことに伴い請求項6を請求項5に訂正する。
▲6▼ 訂正事項f
特許請求の範囲の請求項4を削除したことに伴い請求項7を請求項6に訂正する。
▲7▼ 訂正事項g
特許請求の範囲の請求項4を削除したことに伴い請求項8を請求項7に訂正する。
▲8▼ 訂正事項h
明細書の【課題を解決するための手段】の欄の全文
「この発明によれば、
再生対象としてのデータ・ストリームが記録され、このデータ・ストリームが少なくともオーディオ・パックを含むデータ・パック列から構成されている光ディスクにおいて、
前記オーディオ・パックは、1つのパック・ヘッダ及び1つのデータ・パケットから構成され、
このデータ・パケットは、パケット・ヘッダ、これに続くサブ・ストリームID領域及びパケット・データ領域を具備し、このパケット・データ領域には、MPEGオーディオ・ストリーム以外のストリームに属するオーディオ・パケット・データが格納され、前記パケット・ヘッダには、前記パケット・データがMPEG規格に定められたプライベート・ストリーム1に属するデータである旨を示すストリームIDが記録され、前記サブ・ストリームID領域には、前記パケット・データが特定のオーディオ・ストリームに属するオーディオ・データである旨を示しているサブ・ストリームIDが記録されていることを特徴とする光ディスク。」を
「この発明によれば、
再生対象としてのデータ・ストリームが記録され、このデータ・ストリームが少なくともオーディオ・パックを含むデータ・パック列から構成されている光ディスクにおいて、 前記オーディオ・パックは、1つのパック・ヘッダ及び1つのデータ・パケットから構成され、
このデータ・パケットは、パケット・ヘッダ、これに続くサブ・ストリームID領域、ファースト・アクセス・ポインタ領域、オーディオ・データ情報領域及びパケット・データ領域を具備し、このパケット・データ領域には、MPEGオーディオ・ストリーム以外のストリームに属するオーディオ・パケット・データが格納され、前記パケット・ヘッダには、前記パケット・データがMPEG規格に定められたプライベート・ストリーム1に属するデータである旨を示すストリームIDが記録され、前記サブ・ストリームID領域には、前記パケット・データが特定のオーディオ・ストリームに属するオーディオ・データである旨を示しているサブ・ストリームIDが記録され、前記ファースト・アクセス・ポインタ領域には、当該パケット・データ中の最初のオーディオ・フレームの先頭位置を示すポインタ情報が記録され、前記オーディオ・データ情報領域には、データ長及びサンプリング周波数が記録されていることを特徴とする光ディスクが提供される。」に訂正する。
異議決定日 2000-08-16 
出願番号 特願平10-169021
審決分類 P 1 651・ 4- YA (H04N)
P 1 651・ 121- YA (H04N)
P 1 651・ 113- YA (H04N)
最終処分 維持  
特許庁審判長 水谷 好男
特許庁審判官 小林 秀美
小池 正彦
登録日 1998-11-27 
登録番号 特許第2857142号(P2857142)
権利者 東芝エー・ブイ・イー株式会社 株式会社東芝
発明の名称 光ディスク  
代理人 橋本 良郎  
代理人 鈴江 武彦  
代理人 鈴江 武彦  
代理人 鈴江 武彦  
代理人 坪井 淳  
代理人 河井 将次  
代理人 中村 誠  
代理人 村松 貞男  
代理人 村松 貞男  
代理人 橋本 良郎  
代理人 鈴江 武彦  
代理人 橋本 良郎  
代理人 橋本 良郎  
代理人 村松 貞男  
代理人 中村 誠  
代理人 河野 哲  
代理人 坪井 淳  
代理人 坪井 淳  
代理人 村松 貞男  
代理人 河井 将次  
代理人 坪井 淳  
代理人 河野 哲  

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