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審決分類 審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載  B32B
管理番号 1024561
異議申立番号 異議2000-70595  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-08-16 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-02-03 
確定日 2000-09-11 
異議申立件数
事件の表示 特許第2929880号「突き刺し耐性に優れる包装材料」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第2929880号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 I.手続きの経緯
本件特許第2929880号の請求項1に係る発明は、平成5年2月2日出願の特願平5-15343号に係り、平成11年5月21日にその特許の設定登録がなされ、その後東洋紡績株式会社より特許異議の申立てがなされたものである。

II.本件発明
本件請求項1に係る発明は、特許明細書の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項によって特定されるとおりのものと認める。
「熱接着性樹脂、ポリエチレン、無機物質の薄膜層を形成したバリヤーフィルム、印刷基材を順次積層した包装材料であって、前記熱接着性樹脂とバリヤーフィルムを、厚さ10〜30μmの溶融ポリエチレンを介して、しかもバリヤーフィルムの無機物質の薄膜層を熱接着性樹脂側向きとして積層したことを特徴とする、突き刺し耐性に優れた包装材料。」

III.特許異議の申し立てについて
1.特許異議申立の理由の概要
特許異議申立人東洋紡績株式会社は、本件請求項1に係る発明は、その出願前に頒布された甲第1号証刊行物に記載された発明であるので、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものであるから、本件請求項1に係る特許は取り消されるべきであると主張している。

2.甲第1号証刊行物の記載事項
甲第1号証刊行物(「’91-3<産業材料レポート> 真空蒸着フイルム・紙の需給動向と新展開」、綜合包装出版株式会社)には、以下のことが記載されている。
なお、特許異議申立人は甲第1号証の頒布日を確認できるもの(例えば、甲第1号証の奥付きの写し)を提出していないが、甲第1号証は、そのタイトルからみて1991年の年末には頒布されていたものと認められるので、その出願前に頒布された刊行物であると認める。

ア.PET12μ、蒸着アルミ、PE25〜60μまたはCPP20〜40μを積層したPET蒸着フイルムの図(93頁、○付きの1で示されている図)
イ.PET12μ、蒸着アルミ、PE15μ、CPP20〜40μを積層したPET蒸着フイルムの図(93頁、○付きの2で示されている図)
ウ.印刷、紙、PET12μ、蒸着アルミ、PE30〜40μを積層したPET蒸着フイルムの図(93頁、○付きの5で示されている図)

3.特許異議申立人の主張の検討
本件請求項1に係る発明(以下、単に本件発明という。)と甲第1号証の2図に記載の発明(上記イ.参照。以下、2図の発明という。)を対比すると、2図の発明においてPET12μ及び蒸着アルミ、PE15μ、CPP20〜40μはそれぞれ本件発明における無機物質の薄膜層を形成したバリヤーフィルム、ポリエチレン、熱接着性樹脂に該当するので、両者は、「熱接着性樹脂、ポリエチレン、無機物質の薄膜層を形成したバリヤーフィルムを順次積層した包装材料であって、前記熱接着性樹脂とバリヤーフィルムを、厚さ15μm程度のポリエチレンを介して、しかもバリヤーフィルムの無機物質の薄膜層を熱接着性樹脂側向きとして積層した包装材料」である点で一致し、
(1)2図の発明は、印刷基材を有していない点、
(2)2図の発明は、蒸着アルミとCPPを溶融ポリエチレンを介して積層することが規定されていない点、
で相違している。
(1)について
特許異議申立人は、「甲第1号証第93頁に蒸着PETフィルムの応用構成例の一つとして記載されております積層フィルムA(イ.参照)は、本件特許発明の積層フィルムと比較して、印刷基材がないのを除き構成は全く同じであります。・・包装用フィルムを実際に用いる場合に、包装用フィルムに印刷せずに用いることはございません。その例として、甲第1号証には積層フィルムB(ア.参照)のPET上に印刷基材(紙)と印刷層を積層した構成である積層フィルムC(ウ.参照)が例示されております。・・一例として積層フィルムCを例示されておれば、積層フィルムAに同様に印刷基材を積層した積層フィルムDは当然記載されているものとするのが妥当であります。」(特許異議申立書4頁)と主張している。
しかしながら、印刷をせずに用いる包装用フィルムも存在するし、実際、甲第1号証の第93頁に記載されている「PET蒸着フイルムの応用構成例」6個のうち半数の3個は印刷基材を有さない構成となっている。また、印刷をすることが当然であるとしても、その手段が積層フィルムCに例示されているものであるべき必然性はない。
従って、2図の発明においてさらに印刷基材を有するものが実質的に甲第1号証に記載されているとすることはできない。
(2)について
特許異議申立人は、「甲第2号証の201頁に熱接着性樹脂である未延伸ポリプロピレンフィルムとポリオレフィン(PO)を積層した構成例が記載されており、この構成は同206頁4-2の記載によれば押出機で樹脂(PO:ポリオレフィン)を溶融し、ダイより薄膜状に押出し、この樹脂を中間層として、他の材料(未延伸ポリプロピレン)と共にサンドウィッチ状に貼り合わせる方法により積層されたものであるので、熱接着層が2層のポリオレフィン層で構成される場合、内側のポリオレフィン層は溶融押出しにより形成されるものである。そして、2図の発明は熱接着層が2層のポリオレフィン層で構成されているので、甲第2号証の記載を参酌すれば、内側のポリオレフィン層は溶融押出しにより形成されている」旨主張している(特許異議申立書3-5頁)。
しかしながら、甲第2号証はそもそも2図の発明に関するものではないし、同201頁に記載の構成例も本件発明とは構成が異なっている。しかも、甲第2号証の206頁4-2は押出ラミネート用樹脂に関する記載であって、同201頁に記載の構成例に関してポリオレフィン(PO)の層を押出機で樹脂(PO:ポリオレフィン)を溶融し、ダイより薄膜状に押出し、この樹脂を中間層として、未延伸ポリプロピレン(CPP)の層と共にサンドウィッチ状に貼り合わせる方法により積層することまでも記載されているとは認められない。
従って、2図の発明において蒸着アルミとCPPが溶融ポリエチレンを介して積層されているとすることはできない。

よって、本件請求項1に係る発明は、甲第1号証刊行物に記載の発明であるとすることはできない。

IV.むすび
以上のとおりであるので、特許異議の申立の理由および証拠によっては、本件請求項1に係る特許を取り消すことができない。
また、他に本件請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2000-08-22 
出願番号 特願平5-15343
審決分類 P 1 652・ 113- Y (B32B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 中島 庸子加藤 志麻子  
特許庁審判長 小林 正巳
特許庁審判官 藏野 雅昭
仁木 由美子
登録日 1999-05-21 
登録番号 特許第2929880号(P2929880)
権利者 凸版印刷株式会社
発明の名称 突き刺し耐性に優れる包装材料  
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