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審決分類 審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  C12N
審判 全部申し立て 2項進歩性  C12N
審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備  C12N
管理番号 1024814
異議申立番号 異議1998-72343  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-09-20 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-05-12 
確定日 1999-06-30 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2675723号「マイコバクテリア属細菌の核酸の検出およびマイコバクテリア属細菌の同定のための試薬および方法」の請求項1ないし22に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2675723号の請求項1ないし15に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第2675723号は、出願日が平成4年8月14日(パリ条約による「優先権主張」 1992年7月17日 米国)である特願平4-258819号の特許出願に係り、平成9年7月18日に設定登録がなされたもので、その後、石井宏司(以下、申立人という)から特許異議の申立てがなされ、当審において取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年5月12日に訂正請求がなされたものである。
2.訂正の適否
2-1.訂正の概要
本件訂正の趣旨は、請求項3,4,7,8,15〜17を削除すると共に請求項の番号を順に並べ、かつ、それに伴い不明りょうとなった請求項の引用関係を整理したものである。
2-2.訂正の目的、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正は、請求項を削除するものなので、願書に添付した明細書に記載された事項の範囲内の訂正であり、かつ、特許請求の範囲を減縮するものと認められる。
そして、当該訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものとは認められない。
2-3.独立特許要件
訂正明細書記載の請求項1〜15に係る発明(以下、訂正発明1〜15という。)は、その特許請求の範囲請求項1〜15に記載されたとおりの事項により特定されるものと認める。
[訂正発明1、2、5〜9、11〜15]
これらの発明は、取消理由を発見しえず本件特許出願の際独立して特許を受けることができるものと認められる。
なお、取消理由の対象となった訂正前の請求項3、4、7、8、15〜17は削除され、この点についての取消理由は解消した。
[訂正発明3、4]
取消理由の対象となった訂正発明3、4は、取消理由で引用した刊行物1 (Boris Boddinghaus et al.,J.Clin.Microbio.,28(8),p.1751-1759(1990))に記載もその示唆もされていない新規なプローブであるKY165及びKY166を構成要件とするものである。してみると、刊行物1に基づいて、当該プローブを見いだし、訂正発明3、4の如く構成することは、当業者といえども困難であると認められる。
そして、これらの発明は、かかるプローブを採用することにより訂正明細書(【0047】)記載の格別な作用効果を奏するものである。
よって、訂正明細書記載の請求項3、4項に係る発明は、甲第1号証記載の発明から容易に発明できたものといえず、本件特許出願の際独立して特許を受けることができるものといえる。
[訂正発明10]
特許異議意見書(第6頁第16行〜第7頁下から2行)において、「内部対照オリゴヌクレオチド」と「内部陽性対照オリゴヌクレオチド」の学術的な意味が示され、不明瞭な記載は無いことが判明した。よって、特許法第36条第5項に関する取消理由は解消し、本件特許出願の際独立して特許を受けることができるものといえる。
以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第2項、同条第3項で準用する126条第2〜4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.特許異議申立について
3-1.申立理由の概要
申立人は、以下(1)〜(3)の理由により、訂正前の請求項1〜22にかかる特許は、取り消されるべきである旨を主張する。
(1)証拠方法として、甲第1号証(上記、当審の取消理由で引用した刊行物1と同じ。)及び甲第2号証(U.Edwards,et.al.,Nucleic Acids Res.,17(19)p.7843-7853(1989))を提出し、訂正前の請求項1〜22にかかる発明は、「甲第1号証に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものである」又は「甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものである」から、訂正前の請求項1〜22にかかる特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(2)訂正前の特許請求の範囲に記載のプローブの種特異性がはっきりと示されておらず、また、これを実証した実施例も記載されていない。
また、当該プローブが16SリボゾームRNAのどこに存在するのか不明であり、技術的意義が不明である。よって、訂正前の本件特許明細書の記載は、特許法第36条第4項又は第5項に規定する要件を満たしていない。
(3)KY75は、16SリボゾームRNAの塩基配列中に見いだせない配列であり、下流プライマーとして使用してPCR法により増幅できるとした理由が不明である。また、訂正前の本件特許明細書例5(本件特許明細書【0093】〜【0097】。特に、表4)において、M.simeacを増幅できないので、KY75をプライマーとする技術的意義が不明である。よって、訂正前の本件特許明細書の記載は、特許法第36条第4項又は第5項に規定する要件を満たしていない。
3-2.甲各号証記載の事項
[甲第1号証]
▲1▼第2図
種特異的な配列として、本願発明におけるKY21(M.tuberculosis左から-も入れて31番目の塩基から右の配列),KY25(M.kahsasii.KY21と同様の箇所),KY26(M.intrace11ulare,KY21と同様の箇所)及びKY63(M.avium,KY21と同様の箇所)が記載されている。
▲2▼第3図
属特異的な配列として、本願発明におけるKY102及びKY101に相当する部分を含む13塩基配列(247領域に相当する第3図B)が記載されている。
▲3▼第6図
プライマーとして(A)246と逆向き264の対、(B)246と逆向き260及び(C)246と逆向き266+逆向き267の3セットを試験した結果、全てのプライマーの対が他の細菌等由来のDNAには反応せずマイコバクテリアのみを検出できた旨が記載されている。
[甲第2号証]
▲1▼第3図に、KY18に相当する配列が記載されている。
▲2▼表1のプライマーBには、KY18に含まれる13ヌクレオチドが、19種の他の微生物の同じ部位と比較して、約半数が全く同一で、6種が1塩基のみ相違、1種が2塩基相違であることが記載されている。
3-3.各申立理由に対する検討
3-3-1.申立理由(1)について
[訂正発明1]
甲第1号証においては、3-2.甲各号証記載の事項▲3▼で摘記したように、246等の配列をプライマーと使用した実験はなされているが、これは、訂正発明の構成要件であるKY18及びKY75とは異なる配列による実験と認められる。よって、甲第1号証には、訂正発明の構成要件であるKY18及びKY75に相当する配列は記載もされていなければ、その示唆もされていない。
甲第2号証には、KY18については記載されているものの、KY75については何等記載されていないなければ、示唆もされていない。
また、甲第1号証及び甲第2号証のいずれにもKY18がマイコバクテリアを特異的に検出できる領域であることを示唆する記載は在しない。逆に、甲第2号証には、上記▲2▼で摘記したように、KY18は他の微生物と非常に相同性の高い部分を含むことが記載されており、KY18のみでは他の微生物も検出されてしまいマイコバクテリアの検出ができないことが示唆されていると認められる。
訂正発明1は、KY18のみではなく、KY18とKY75を一対のプライマーとして使用することにより、明細書記載のMycobacteriaの検出が行えるという効果本件訂正明細書【0015】)を奏するものである。そうすると、KY75について何等記載されていない甲第1号証記載の発明に基づいて訂正発明1の如く構成することは、当業者といえども困難である。また、甲第1号証及び甲第2号証記載の発明を組み合わせてみても、これらの刊行物にKY75について何等記載も示唆もされていないのであるから、訂正発明1の如く構成することは、当業者といえども困難である。
したがって、訂正発明1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとはいえない。
[訂正発明2、5〜15]
また、訂正発明2、5〜15は、すべて請求項1を引用する請求項であって、請求項1をより減縮した発明であるので、訂正発明1にかかる特許を取り消すことができない以上、訂正発明2、5〜15にかかる特許もまた取り消すことはできない。
[訂正発明3、4]
甲第1号証、甲第2号証には、訂正発明3,4の構成要件であるKY165及びKY166が記載されておらず、また、その示唆もされていない。
してみると、甲第1号証及び甲第2号証に基づいて、当該プローブを見いだし、訂正発明3、4の如く構成することは、当業者といえども困難であると認められる。
そして、これらの発明は、かかるプローブを採用することにより訂正明細書(【0047】)記載の格別な作用効果を奏するものである。
よって、訂正発明3、4にかかる特許を取り消すことはできない。
[申立理由(2)]
訂正明細書【0048】の表3に、訂正発明8、9及び13の構成要件である各プローブが、どのマイコバクテリアと対応するか明記されており、種特異的なプローブとして技術的意義があることは明らかである。また、当該プローブの位置がl6Sのどこに存在するか記載されて無くとも、前記したように種特異的プローブとしての技術的意義は、明らかであり、申立人の主張は失当である。
[申立理由(3)]
甲第2号証第3図には、全16sリボゾームRNA配列が記載されており、ここにKY75に相当する配列は見いだせないが、訂正明細書【0095】表4に記載のように16Sの開始領域付近に位置するKY18と共にKY75を用いることでPCR法による16Sリボゾームを含む領域の増幅が可能である具体的データが記載されていることからして、KY75は、16sリボゾームRNAの更に下流に存在する配列であると認められる。このように、KY75を使用してPCR法による増幅したデータがある以上、増幅できるとした理由が明記されて無くとも、特許法第36条第4項又は第5項に規定する要件を満たしていないということはできない。
また、訂正明細書【0095】表4においては、申立人の主張するようにKY18及びKY75を用いてM.simeaeを増幅できないデータが示されている。しかしながら、実験されたマイコバクテリアに属する15種のうち増幅できなかったのはM.simeaeのみであって、しかも訂正明細書【0094】に記載されているようにM.simeaeは、ヒトの病気との関連は殆ど報告されておらず、臨床的に重要なものではない。そうすると、病原性を有する多くのマイコバクテリアに属する種を検出できる点において、その技術的意義は明らかであり、臨床的に重要でないM.simeaeのみが検出できないとしても訂正発明1〜15の技術的意義は何等損なわれるものではない。
よって、申立人の主張は採用できない。
4.むすび
以上のとおりであるから、申立人の主張する理由及び証拠方法によっては、訂正明細書の請求項1〜15に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に訂正明細書の請求項1〜15に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
マイコバクテリア属細菌の核酸の検出およびマイコバクテリア属細菌の同定のための試薬および方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 マイコバクテリア(Mycobacteria)属種の16SリボソームRNA遺伝子の標的領域またはそれに相当するRNAを増幅できる一対のオリゴヌクレオチドプライマーで、第一のプライマーはバイブリダイズする配列として配列KY18(配列番号1)の少なくとも14ヌクレオチドからなるサブ配列を含み、第二のプライマーはハイブリダイズする配列として配列KY75(配列番号2)の少なくとも14ヌクレオチドからなるサブ配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー。
【請求項2】 ハイブリダイズする配列として、第一のプライマーが配列KY18(配列番号1)を含有し、第二のプライマーが配列KY75(配列番号2)を含有する請求項1に記載のオリゴヌクレオチドプライマー。
【請求項3】 請求項1に記載の一対のプライマーにより増幅されるマイコバクテリア属種の16SリボソームRNA遺伝子の標的領域またはそれに相当するRNA内に保存される領域にハイブリダイズすることができる核酸配列を含むオリゴヌクレオチドプローブであって、このプローブとハイブリダイズする配列が検出されるべきマイコバクテリア属種の16SリボソームRNA遺伝子配列とは同一ではなく、かつこのプローブとハイブリダイズする配列が配列KY165(配列番号13)の少なくとも14ヌクレオチドからなるサブ配列またはその相補性配列を含有するオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項4】 請求項1に記載の一対のプライマーにより増幅されるマイコバクテリア属種の16SリボソームRNA遺伝子の標的領域またはそれに相当するRNA内に保存される領域にハイブリダイズすることができる核酸配列を含むオリゴヌクレオチドプローブであって、このプローブとハイブリダイズする配列が検出されるべきマイコバクテリア属種の16SリボソームRNA遺伝子配列とは同一ではなく、かつこのプローブとハイブリダイズする配列が配列KY166(配列番号14)の少なくとも14ヌクレオチドからなるサブ配列またはその相補性配列を含有するオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項5】 請求項1に記載の一対のプライマーからなるサンプル中のマイコバクテリア核酸を検出し、場合により同定するキット。
【請求項6】 更に、一対のプライマー、KY18(配列番号1)およびKY75(配列番号2)により増幅された16SリボソームRNA遺伝子の領域にハイブリダイズすることができる核酸を含むオリゴヌクレオチドプローブからなる請求項5に記載のキット。
【請求項7】 前記プローブ配列が、検出されるマイコバクテリア属種のいずれとも配列において同一ではない請求項6に記載のキット。
【請求項8】 更に、配列KY21(配列番号5)、配列KY25(配列番号6)、配列KY26(配列番号7)、配列KY63(配列番号8)、配列KY151(配列番号9)、配列KY106(配列番号10)、配列KY126<配列番号11)、配列KY139(配列番号12)、配列KY157(配列番号16)、配列KY167(配列番号17)、配列KY168(配列番号18)、配列KY169(配列番号19)、配列KY170(配列番号20)、配列KY171(配列番号21)、配列KY172(配列番号22)および配列KY173(配列番号23)の少なくとも14ヌクレオチドからなるサブ配列、並びにこれらの相補的な配列からなる群から選択される少なくとも一つのオリゴヌクレオチドプローブからなる請求項5〜7のいずれか一つに記載のキット。
【請求項9】 更に、配列KY21(配列番号5)、配列KY25(配列番号6)、配列KY26(配列番号7)、配列KY63(配列番号8)、配列KY151(配列番号9)、配列KY106(配列番号10)、配列KY126<配列番号11)、配列KY139(配列番号12)、配列KY157(配列番号16)、配列KY167(配列番号17)、配列KY168(配列番号18)、配列KY169(配列番号19)、配列KY170(配列番号20)、配列KY171(配列番号21)、配列KY172(配列番号22)および配列KY173(配列番号23)の少なくとも14ヌクレオチドからなるサブ配列、並びにこれらの相補的な配列からなる群から選択される少なくとも二つのオリゴヌクレオチドプローブからなる一群のオリゴヌクレオチドプローブを含んでなる請求項5〜7のいずれか一つに記載のキット。
【請求項10】 プライマーKY18(配列番号1)およびKY75(配列番号2)に相補的な上流および下流の配列に隣接した内部対照オリゴヌクレオチド配列を更に含む請求項5〜9のいずれか一つに記載のキット。
【請求項11】 試料中に含まれるマイコバクテリアの核酸を検出する方法であって、
(a)請求項1に記載の一対のプライマーを用いて16SリボソームRNA遺伝子由来の前記核酸領域を増幅し、
(b)工程(a)にて増幅される前記核酸を、マイコパクテリア属に特異的なプローブと混合し、そして
(C)前記核酸および前記プローブの間に形成されたハイブリッドを検出することを含んでなる方法。
【請求項12】 マイコバクテリア属に特異的なプローブが、請求項3および4のいずれかに記載のプローブである請求項11に記載の方法。
【請求項13】 マイコバクテリアを分類する方法であって、
(a)請求項1に記載の一対のプライマーを用いて16SリボソームRNA遺伝子由来の核酸領域を増幅し、
(b)工程(a)にて増幅される前記核酸を、配列KY21(配列番号5)、配列KY25(配列番号6)、配列KY26(配列番号7)、配列KY63(配列番号8)、配列KY151(配列番号9)、配列KY106(配列番号10)、配列KY126(配列番号11)、配列KY139(配列番号12)、配列KY157(配列番号16)、配列KY167(配列番号17)、配列KY168(配列番号18)、配列KY169(配列番号19)、配列KY170(配列番号20)、配列KY171(配列番号21)、配列KY172(配列番号22)
および配列KY173(配列番号23)並びにこれらの完全に相補的な配列からなる群から選択される少なくとも二つのオリゴヌクレオチドプローブからなる一群の配列特異的オリゴヌクレオチドプローブと混合し、そして
(C)前記核酸および前記プローブの間に形成されたハイブリッドを検出することを含んでなる方法。
【請求項14】 増幅がポリメラーゼ連鎖反応により行われる請求項12および13のいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】 ボリメラーゼ連鎖反応が、配列KY18(配列番号1)および配列KY75(配列番号2)からなる一対のプライマーを用いて行われる請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明はマイコバクテリア(Mycobacteria)核酸の存在を検出し、試料中のMycobacteriaの核酸が生じたMycobacteria属種を同定するための試薬および方法に関するものである。特に、本発明はMycobacteria種の16SリボソームRNA遺伝子の標的領域または相当するRNAにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーに関するもので、前記プライマーはハイブリダイズする配列として配列5′CACATGCAAGTCGAACGGAAAGG3′(KY18)または5′GCCCGTATCGCCCGCACGCTCACA3′(KY75)を含む。さらに本発明は一対のプライマーを用いた増幅により得られたMycobacteria属種の16SリボソームRNA遺伝子または相当するRNAの標的領域にハイブリダイズできるオリゴヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドプローブに関するもので、ハイブリダイズする配列として、第一ののプライマーは配列KY18を含み、第二のプライマーは配列KY75を含む。さらに特異的には、本発明はMycobacteria種の16SリボソームRNA遺伝子または相当するRNAの標的領域を増幅し、プローブと増幅した核酸を混合し、および前記核酸および前記プローブ、ここには特異的プローブが存在するが、との間に形成される雑種を検出または同定することにより、試料中のMycobacteriaの核酸を検出または同定する方法に関するものである。またさらに発明は方法を実施するためのキットに関しても指示する。
【0002】
Mycobacteriaは遅い生育をする、耐酸性好気性バチルスである。小なくとも19種のMycobacteria、最も著名なものではM.tuberculosis、M.bovisおよびM.lepraeがこれまでヒトのの病気に関連している。M.avium.M.intracellulare、およびM.kansasiiのようないくつかの種は健康人には通常病原ではないが、AIDSウイルスに感染しているような免疫不全者に病気を引き起こす。さらに、いくつかの種が希にヒトに病気を引き起こすが、腐生植物のような臨床試料に生じる。Mycobacteria種の検出および同定の方法には細菌の培養、抗体による検出および最近では放射活性標識された核酸プローブを用いたハイブリダイゼーションによるrRNAの検出が含まれる。これらの方法のそれぞれは重要な問題をもつ。
【0003】
バチルスを培養することによる検出は遅く、二カ月まで必要で、典型的には種の同定のためにさらに生化学的試験が必要である。抗体による検出はMycobacteria種間の交差反応のために特異性を欠いており、また感度も不足している。さらに現在および過去の感染の区別が困難である。小サブユニットリボソームRNA(16S rRNA)にハイブリダイズするプローブとして放射活性標識したDNA断片を用いる検出は感度が不足しており、さらに少なくとも数日の培養期間が必要である(PCT/WO84/02721参照)。
【0004】
核酸の特異的な配列を増幅する方法であるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の発明は、以前には検出できない程の少量であった細胞に存在する核酸の迅速な検出を可能にした。PCR増幅を用いて、一コピーの標的核酸でさえ検出できる。配列特異的なオリゴヌクレオチドプローブを用いたハイブリダイゼーションによる検出できるレベルにまで増幅された核酸配列の直接的な検出は、配列の単一のヌクレオチドの変化を検出するのに充分な程特異的な診断試験を可能にした。しかし、全てのプライマーの対およびプローブが有効なわけではない。プローブの選択とともに、プライマーおよびそれ故増幅される領域の選択が得られる特異性および感度を大部分決定する。
【0005】
PCRによる増幅はMycobacteriaの核酸のシークエンシング、試料中のMycobacteria核酸の検出およびMycobacteria種の同定に用いられた。最近ゲノムの各種の領域が試料中のMycobacteria核酸を検出および同定するために用いられた。これらの診断試験のほとんどはたった一つまたは小数の種を検出するためにデザインされており、ある場合には、限定された特異性チェックがMycobacteriaではない細菌のDNAに対して行われた。
【0006】
65キロダルトンの抗原を暗号化する遺伝子領域の検出がChiaらの1990年、J.Clin.Microbiol.、第28巻(第9号)、1877から1880ページ;Brisson-Noelらの1989年、Lancet、第334巻、1069から1071ページ;Hackelらの1990年、Molecular and Cellular Probes、第4巻、205から210ページ;WoodsおよびColeの1989年、FEMS Mycrobiology Letters、第65巻、305から310ページおよびHanceらの1989年、Molecular Microbiology、第3巻(第7号)、843から849ページに記述されている。65キロダルトン抗原遺伝子に基づく一度の試験ではMycobacteria種を三種以上区別することはできない。
【0007】
繰り返しのDNA要素であるIS6110の増幅について、Thierryらの1990年、J.Clin.Microbiol.、第28巻(第12号)、2668から2673ページおよびEisenachらの1990年、J.Infectious Disease、第161巻、977から981ページで報告された。M.tuberculosisおよびM,bovisはコピー数により区別されるのだが(Plikaytisらの1991年、Molecular and Cellular Probes、第5巻、215から219ページ)、IS6110の増幅は基本的にはMycobacteriaの特定の種の存在を試験するときにのみ用いられる。
【0008】
M.lepraeの36キロダルトン抗原はHartskeerlらの1989年、J.Gen..Microbiol.、第135巻、2357から2364ページの中で診断試験に用いられた。試験はM.lepraeに対して特異的であることを意味したが、他のMycobacteriaからのDNAに対して弱いものから中程度のハイブリダイゼーションが観察された。
【0009】
タンパク抗原bをコードする遺伝子配列が増幅産物の存在または非存在に基づくM.tuberculosis/bovisの試験を作り出すためにSjobringらの1990年、J.Clin.Microbiol.、第28巻(第10号)、2200から2204ページの中で用いられた。
【0010】
MPB64タンパク質を暗号化する遺伝子配列に基づくM.tuberculosisの存在の単なる試験がShankarらの1990年、Lancet、第335巻、423ページに記述された。
【0011】
クローニングされたDNA断片から構築されたプローブがPatelらの1990年、J.Clin.Microbiol.、第28巻(第3号)、513から518ページおよびFriesらの1990年、Molecular and Cellular Probes、第4巻、87から105ページに記述された。プローブの特異性はプローブのデザインの間の配列解析によるよりはむしろ選択の過程により得られた。
【0012】
診断試験に用いるために解析され、標的とされるMycobacteriaのゲノムの領域のーつは、小サブユニットリボソームRNA(16S rRNA)である。Bottgerらの1989年、FEMS Microbiology Letters、第65巻、171から176ページで、各種の生物の16S rRNAが広範囲の生物の核酸を増幅するようにデザインされた「共通」プライマーを用いて増幅され、その後直接的にシークエンスされた。Mycobacteria種の系統発生学的関係はRogallらの1990年、J.Gen.Micro.、第136巻、1915から1920ページの中で、16S rRNA遺伝子配列を比較することにより研究された。Boddinghausらの1990年、J.Clin.Microbiol.、第28巻(第8号)、1751から1759ページにおいて、同定に関して増幅のための配列特異的オリゴヌクレオチドおよび16S rRNA配列領域へのハイブリダイゼーションを用いてなされた証拠が示された。16S rRNA配列の高度に可変的な領域が三種のMycobacteriaについて研究された。属特異的プライマーが種特異的プローブハイブリダイゼーションに用いられるための可変領域を含む領域を増幅するために用いられた。
【0013】
Mycobacteriaに近縁の、および疎遠の多くの生物の小サブユニットrRNAが研究され、シークエンスされている。多くの生物の小サブユニットrRNA配列の編集がNeefsらにより、Nuc.Acids Res.、補遺、第18巻、2237から2317ページ(1990)に用意されている。
【0014】
MycobacteriaのDNAの存在およびDNAが生じた種を同定するために迅速で感度の良い試験が必要である。
【0015】
本発明はMycobacteriaの検出および種の同定のための迅速で感度の良いPCRに基づく方法を提供する。16SリボソームRNA遺伝子配列に特異的なプライマーおよびプロープが提供される。Mycobacteriaの検出は属特異的プライマーを用いた増幅およびそれに続くドットブロットハイブリダイゼーションによる属特異的プローブを用いたスクリーニングにより行われる。Mycobacteriaが検出されると、種の同定が増幅されたDNAから、通常リバースドットブロット法による種特異的プローブを用いた同じ増幅反応から決定される。
【0016】
16SリボソームRNA(RNA)を暗号化する配列の増幅はいくつかの利点をもつ。本発明は臨床試料に存在する30以上のMycobacteria属種および非常に多くの他の生物を検出し、区別するために用いられる。本発明のプローブおよびプライマーは可能な最大の特異性を提供し、それにより類似配列をもつ関連生物の存在により引き起こされる誤りの陽性の可能性を最小限にする。16S RNA遺伝子は高度に保存された領域を含む。本発明の属特異的プライマーおよびプローブはそのような保存された領域にハイブリダイズし、属の中のほとんど全ての種の配列にハイブリダイズできる;プライマーは試験された15のMycobacteria種のうち14の核酸を増幅し、これらの14の増幅されたMycobacteriaのDNA配列のうち、属特異的プローブは12にハイブリダイズする。16S rRNAはまた増幅される領域内に高度に可変的な領域を含む。本発明の種特異的プローブは目的のそれぞれの種が独特の配列をもつ可変領域にハイブリダイズする。
【0017】
16S rRNAからプライマーおよびプローブを選択することのさらに有利な点は、RNAが生細胞中に多くのコピー数(103から104)で存在することである。与えられた臨床試料中のRNAの形態での遺伝子配列の数はそれ故これに相当するDNA配列の数の104倍にまでなる。さらに検出感度を望むならば、RNA自身が増幅標的として用いられる。
【0018】
本発明の別の面で、第二の増幅反応が確認試験として行われる。第二の増幅反応は、直接的ではなく第一の標的、即ち16SリボソームRNA核酸に関連する標的配列の存在をあてにするものである。適当な標的配列が好ましくはMycobacteria種に保存され、Mycobacteriaではない種には関連しない。適当な標的遺伝子は例えば、65kDaタンパク質遺伝子を暗号化する遺伝子である(Paoらの1989年、FEMS Micro.Letters、第65巻、305から310ページ;Hartskeerlらの1989年、J.Gen.Micro.、第135巻、2357から2364ページ;およびHackelらの1990年、Mol.Cel.Probes、第4巻、205から210ページ)。第一の増幅反応の結果を確認するために役立つ一方、第二の標的配列の増幅は比較研究、特にPCRおよび培養法の比較から生じた一致しない結果を解析するために特に意味がある。
【0019】
さらに本発明は、Mycobacteriaを検出するために陽性の対照として用いる新規組成に関するものである。発明は種特異的Mycobacteriaプローブ同様、属特異的プローブを用いて、試験の結果を確認するための新規組成を提供する。
【0020】
本発明の一面は、Mycobacteriaの核酸の存在を検出し(属特異的プローブ)、核酸を生じる種の同一性を決定できる(種特異的プローブ)プローブに関するものである。
【0021】
本発明の別の面は共通プローブに関するものである。好ましい具体例では、発明はMycobacteriaの単離の異種の増幅および検出のための共通オリゴヌクレオチドを提供する。共通オリゴヌクレオチドプローブはMycobacteriaに近縁の非Mycobacteria種にはハイブリダイズしない。
【0022】
共通プローブは単一のオリゴヌクレオチドプローブを用いた広範囲の標的特異的な検出に適している。ここで用いられているような共通プローブは検出されるべきMycobacteriaのいずれの核酸配列とも同一でないオリゴヌクレオチドプローブである。共通プローブは非天然核酸配列を含む雑種オリゴヌクレオチド構成物である。本発明で記述されるような共通プローブは検出法において、選択された種を包含すると同時に排除するために用いられる。具体的には、発明は新規配列からなるオリゴヌクレオチドプローブを提供する。これらのプローブは広くMycobacteria種を検出するが、例えばCorynebacterのような近縁ではあるが、Mycobacteriaではない種を検出しない。
【0023】
本発明の別の面は、Mycobacteriaの核酸の特異的な領域を増幅するためのプライマーに関するものである。この領域はMycobacteria種間に保存される領域および配列特異的オリゴヌクレオチドプローブを用いて標的核酸の起源を決定できるような種間の充分な不均一性をもつ可変領域の両者を含む。
【0024】
本発明の別の面は、検出および種同定法に関するものである。発明のプライマーを用いたPCRによる標的核酸の増幅は、増幅された核酸を属特異的プローブと混合し、ハイブリダイゼーションが起きるかを検出することにより、Mycobacteriaの核酸の検出をさせ、一方種の同定は種特異的プローブとのハイブリダイゼーションのパターンを決定することにより行われる。
【0025】
本発明のまた別の面は、キットに関するものである。これらのキットは各種の形態をとり、一つまたはそれ以上のプローブを含み、具体的には種レベルで感染したMycobacteriaの同一性を決定するのに充分な一群のプローブおよびキットの成分を用いるための指示書を含む。キットはまた一つまたはそれ以上の増幅試薬、例えば属特異的プライマー、ポリメラーゼ、緩衝液およびヌクレオシド三リン酸を含むことができる。
【0026】
さらに具体的には、キットはまた陽性および陰性の対照を含む。好ましい陽性の対照はこの中で記述される。
【0027】
本発明を理解するために、いくつかの用語が下に定義される。
【0028】
「オリゴヌクレオチド」なる用語は、検出されるDNA断片および核酸の対照のような二つまたは通常それ以上のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドからなる分子を指す。オリゴヌクレオチドの正確な大きさは、多くの因子およびオリゴヌクレオチドの最終的な機能または利用に依存する。オリゴヌクレオチドは、例えば適当な配列のクローニングおよび制限酵素による切断およびNarangらの1979年、Meth.Enzymol.、第68巻、90から99ページのホスホトリエステル法;Brownらの1979年、Meth.Enzymol.、第68巻、109から151ページのホスホジエステル法;Beaucageらの1981年、Tetrahedron Lett.、第22巻、1859から1862ページのジエチルホスホアミダイド法;および米国特許第4,458,066号の固体支持体法のような方法による直接的な化学合成を含む適当な方法により調製される。
【0029】
「プライマー」なる用語は、天然または合成の、適当な緩衝液で、適当な温度で、核酸の鎖に相補的なプライマー伸長産物の合成が誘導される、即ち四種の異なるデオキシリボヌクレオシド三リン酸およびポリメリゼーションの試薬(即ちDNAポリメラーゼまたは逆転写酵素)の存在条件下で、DNA合成の開始点として作用できるオリゴヌクレオチドを指す。プライマーは好ましくは一本鎖のオリゴデオキシリボヌクレオチドである。プライマーの適当な長さは用いようとするプライマーに依存するが、典型的には15から25ヌクレオチドの範囲である。短いプライマー分子は一般に鋳型と充分に安定な雑種複合体を形成するのに、より低い温度が必要である。プライマーは鋳型の正確な配列を反映する必要はないが、鋳型とハイブリダイズし、DNA合成を開始できるのに充分相補的でなければならない。
【0030】
ここで明らかにされている発明の具体例では、特異的配列のプライマーおよびプローブが提供される。これらの具体例で提供される特異的配列のプライマーおよびプローブは、例えば5′または3′端に標的配列に相補的な、または相補的ではないヌクレオチドを付加することにより修飾されることは技術者には明らかなことである。プライマー組成が標的配列の伸長開始点として作用し、プライマーおよびプローブがこれらの例示される具体例に含まれる少なくとも14の連続したヌクレオチドからなる限り、そのような組成は発明の範囲内にある。
【0031】
「プライマー」は、特に増幅される標的領域の一方または両端の情報に不明瞭さがある場合、一つ以上のプライマーを指す。「保存された」領域が集団中で著しいレベルの多型を示すなら、そのような配列を増幅するプライマーの混合液が調製されるか、またはプライマーがミスマッチの配列さえ増幅するようにデザインされる。もし望むならば、プライマーは分光学的に、光化学的、生化学的、免疫化学的、または化学的手段により検出できる標識を取り込むことにより標識される。例えば、有効な標識には32P、蛍光色素、電子密度試薬、(通常ELISAで用いられるような)酵素、ビオチン、またはハプテン、および抗血清またはモノクローナル抗体が得られるタンパク質が含まれる。標識はまた、プライマーまたは増幅されたDNAのようなプライマー伸長産物の固体支持体上への固定化を促進するために、プライマーを「捕捉する」のに用いられる。
【0032】
「配列特異的オリゴヌクレオチド」および「SSO」は、「ハイブリダイズする」領域と呼ばれる検出される配列に相補的な配列をもつ、「配列特異的な緊縮のハイブリダイゼーション条件」下で、正確に相補的な標的配列にのみハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを指す。ハイブリダイゼーションの条件の緊縮度を緩めることにより、配列のミスマッチが許容される;許容されるミスマッチの程度はハイブリダイゼーション条件の適当な調整によりコントロールされる。「プローブ」および「SSOプローブ」はSSOと互換的に用いられる。
【0033】
「標的領域」は解析される核酸の領域を指す。
【0034】
「熱安定性ポリメラーゼ酵素」は、相対的に熱に安定で、標的配列の核酸の鎖の一方に相補的なプライマー伸長産物を形成するためにヌクレオシド三リン酸の重合を触媒する酵素を指す。酵素はプライマーの3′端で合成を開始し、合成が停止するまで、鋳型の5′端へ向かって進む。精製された熱安定性ポリメラーゼ酵素は米国特許第4,889,818号により充分に記述されている。
【0035】
「逆転写酵素」は、リボ核酸の鋳型に相補的なプライマー伸長産物を形成するためにヌクレオシド三リン酸の重合を触媒する酵素を指す。酵素はプライマーの3′端で合成を開始し、合成が停止するまで、鋳型の5′端へ向かって進む。RNA標的配列を相補的なコピーDNA(cDNA)配列に変換する適当な重合試薬の例は、トリ骨髄芽腫ウィルス逆転写酵素および逆転写酵素活性をもつ熱安定性DNAポリメラーゼである。Thermus thermophilusのDNAポリメラーゼである。
【0036】
図1は本発明の属特異的および種特異的プローブ両者を用いたハイブリダイゼーション試験の結果を示している。プローブの特異性はMycobacteriaの異なる13種のDNAで試験された。
【0037】
本発明はMycobacteriaの検出および種の同定に関する迅速かつ感度の良いPCRに基づく方法を提供する。Mycobacteriaの16SリボソームRNA遺伝子配列に特異的なプライマーおよびプローブが提供される。Mycobacteriaの検出は、属特異的プライマーを用いた増幅およびそれに続くドットブロットハイブリダイゼーション法による属特異的プローブを用いたスクリーニングにより行われる。Mycobacteriaが検出されると、種の同定がリバースドットブロット法により種特異的プローブを用いて、同じ
増幅反応のDNAから決定される。正逆、両ドットブロット法は非常に簡便にマイクロタイタープレートで行われる。
【0038】
属特異的プライマーおよびプローブは16S rRNA遺伝子の保存領域にハイブリダイズし、種特異的プローブは16S rRNA遺伝子の可変領域にハイブリダイズする。合成はプライマーの3′端で始まるので、3′端でのミスマッチはより重大である。チミジンは他の塩基のミスマッチよりも許容される;それでプライマーは3′端にチミジン塩基を付けないようにデザインされた。オリゴヌクレオチドの塩基含量は変性温度に影響を及ぼす。プライマーまたはプローブの結合の緊縮度および特異性は温度上昇を増加する。しかし、全てのプローブがリバースドットブロット法では同時にハイブリダイズされるので、最適なプローブハイブリダイゼーション条件は全てのプローブで類似している。
【0039】
本発明のプライマーの対は目的の全てのMycobacteria種の16S rRNA遺伝子配列の増幅で効果的に機能するが、殆どの他の材料からの相当するDNAを増幅しない。さらに、これらのプライマーの増幅条件および効率は種間でかなり一定で、そのため殆ど全てのMycobacteria種が一回の試験で検出可能である。表1は本発明のプライマーのハイブリダイズする配列を示している。
【0040】
【表1】

【0041】
大腸菌番号システムを用いると、上述プライマーKY18は16S rRNA遺伝子の塩基52から74に、下流プライマーKY75は塩基624から647に広がる。合わせると、これらのプライマーは約583塩基対の長さの産物を合成する;正確な大きさは種に依存する。
【0042】
MycobacteriaのDNAの存在に対する最初のスクリーニングは混合液として同時に用いられる二つの属特異的プローブを用いて行われる。
【0043】
【表2】

【0044】
混合プローブが用いられる理由は、殆どのMycobacteria種がKY101(配列番号3)およびKY102(配列番号4)の領域の配列に関して、二つのグループに分けられることである。これらの二つのプローブは試験されたMycobacteria属の14種のうち12種のDNAを検出する。
【0045】
別の具体例では、KY165(配列番号13)がプローブKY101(配列番号3)およびKY102(配列番号4)に置き換わる。プローブKY101(配列番号3)、KY102(配列番号4)、KY165(配列番号13)およびKY166(配列番号14)は表2に与えられる。KY165(配列番号13)はKY101(配列番号3)およびKY102(配列番号4)の両者の配列を含む共通プローブである。KY101(配列番号3)およびKY102(配列番号4)は互いに二塩基異なる。KY165(配列番号13)はKY101(配列番号3)またはKY102(配列番号4)と同一ではないが、互いに一塩基異なる。この一致は一方のミスマッチの「有利な」KY101(配列番号3)およびもう一方のミスマッチのKY102(配列番号4)で達成された。KY165(配列番号13)は全てのKY101(配列番号3)およびKY102(配列番号4)特異的なMycobacteria種に充分ハイブリダイズできる。KY165(配列番号13)はさらにミスマッチがあるために、高緊縮条件下でM.xenopi(配列番号15)にハイブリダイズしない。
【0046】
KY166(配列番号14)は、M.xenopi(配列番号15)を含むMycobacteria種を検出するための境界共通プローブである。KY165(配列番号13)の配列同様、KY166(配列番号14)の配列は非Mycobacteria種に相当しない。プローブはKY101(配列番号3)、KY102(配列番号4)、およびM.xenopi(配列番号15)(GenBank取得番号X52929、Intelligeneticsから入手可能)の相当する配列と同様に異なるようにデザインされる。KY166(配列番号14)はKY101(配列番号3)、KY102(配列番号4)およびM.xenopi(配列番号15)とそれぞれ二塩基異なる。KY166(配列番号14)は効果的に全てのKY101(配列番号3)およびKY102(配列番号4)に特異的な種およびM.xenopi(配列番号15)にハイブリダイズする。さらにKY166(配列番号14)は、Mycobacteriaに近縁の二種の非Mycobacteriaである、Corynebacter pseudodiphtheriticumまたはC.diphtheriaeにはハイブリダイズしない。M.xenopi(配列番号15)の相当する配列は表2に含まれる。表で、KY166(配列番号14)に対してのミスマッチは下線が引かれている。KY165(配列番号13)に対するミスマッチは小文字で示される。
【0047】
Mycobacteria核酸が試料に存在するならば、核酸が生じた種が一群の種特異的プローブへのハイブリダイゼーションにより決定される。種の同定の段階で用いられるプローブは表3に示される。
【0048】
【表3】

【0049】
最も臨床的に興味のある種は、M.tuberculosis..M.kansasii、M.xenopi、M.intracellulareおよびM.aviumである。M.gordonaeは普通は病気とは関係ないが、頻繁にヒト試料に生じる。したがって、属特異的プローブによるMycobacteriaの核酸の検出は臨床的に重要ではないM.gordonaeによることが頻繁に予想される。例6は種特異的プローブの特異性に関する追加情報を含む。
【0050】
本発明の重要な一面は、16S rRNA遺伝子領域の増幅である。本発明を実施する者は、ポリメラーゼ連鎖反応は好ましい増幅方法であるが、試料中の標的配列の増幅はリガーゼ連鎖反応(LCR)、転写増幅および自己を維持する配列の複製のような、それぞれが充分な増幅をでき、その結果標的配列がSSOプローブへの核酸ハイブリダイゼーションにより検出される既知の方法により行われることに注目すべきである。代わりとして、Qβ-レプリカーゼ増幅のような、検出できるレベルまでプローブを増幅する方法が用いられる。「プローブ」は上記の方法に用いられる配列特異的オリゴヌクレオチドを含む;例えば、LCRで用いられる二つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドは、LCRが配列の存在を示すためにプローブの連結のみを必要とする場合でも本発明の目的の「プローブ」である。
【0051】
PCRの過程は技術的に良く知られているが(米国特許第4,683,195号、4,683,202号、および4,965,188号を参照せよ)、一般的なPCRの情報は以下のPCRの過程に不慣れな者に発明を明らかにし、充分理解させる目的を提供する。
【0052】
PCRにより試料中の標的核酸配列を増幅するために、配列は増幅システムの成分に入れやすくなければならない。一般に、この入りやすさは試料から核酸を分離することにより保証される。生物試料から核酸を抽出する各種の方法が技術的に知られている。例えば、Higuchiらが1989年に「PCR工学」(Erlich編、Stockton Press、New York)の中で記述していることを参照せよ。代わって、試料がかなり容易に壊れるものならば、核酸はPCR技術による増幅の前に精製される必要はない、即ち、試料が細胞、特に末梢血リンパ球またはアミニオサイトを含むなら、細胞内成分の溶解および分散は単に低調緩衝液に細胞を懸濁することにより行われる。
【0053】
PCRのそれぞれのサイクルはプライマー伸長により形成される核酸二重鎖の分離を含む。PCR過程の好ましい具体例では、鎖の分離は反応液を二重鎖の変性を引き起こすが、ポリメラーゼの非可逆的な変性は引き起こさないような効果的な時間で、充分な高温に熱することにより達成される(米国特許第4,965,188号を参照せよ)。典型的な熱変性は秒から分の範囲の時間に対して、約80℃から105℃の範囲の温度を含む。しかし、鎖の分離は物理的、化学的または酵素的手段を含むいずれかの適当な変性法により行われる。鎖の分離は例えば、へリカーゼまたはへリカーゼ活性をもつ酵素により誘導される。例えば、酵素RecAはATP存在下でヘリカーゼ活性をもつ。へリカーゼによる鎖の分離に適した反応条件は技術的に知られている(Kuhn Hoffman-Berlingの1978年、CSH-Quantitative Biology、第43巻、63から67ページ;およびRaddingの1982年、Ann.Rev.Genetics、第16巻405から436ページを参照せよ)。
【0054】
しかし例え鎖の分離が達成されても、鎖が一度分離されると、PCRの次の段階には標的配列に隣接したプライマーを用いて分離された鎖をハイブリダイズすることが含まれる.。プライマーは標的の鎖の相補鎖を形成するために伸長される。好結果のPCR増幅では、プライマーは、二重鎖配列にハイブリダイズするそれぞれのプライマーが一つのプライマーから合成される伸長産物が鋳型(相補鎖)から分離されると、他のプライマーの伸長の鋳型として作用するような位置になるようにデザインされる。変性、ハイブリダイゼーションおよび伸長のサイクルは望みの量の増幅された核酸を得るために必要な回数繰り返される。
【0055】
PCRにおけるプライマーの鋳型依存性の伸長は、適当な塩、金属陽イオンおよびpH緩衝システムを含む反応系で、適当量の四種のデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dATP.dGTP.dCTP、およびdTTP;以下に記述されるUNG滅菌システムが取り込まれているならば、dUTPがdTTPに代わって、またはこれに加えて用いられる)存在下で重合試薬により触媒される。適当な重合試薬は鋳型依存性DNA合成を触媒することが知られている酵素である。DNA鋳型とともに用いるのに適しているポリメラーゼの例には、大腸菌ポリメラーゼIまたはこの酵素のKlenow断片、T4DNAポリメラーゼおよびThermus aquaticusから分離された熱安定性DNAポリメラーゼであるTaqポリメラーゼが含まれる。後者の酵素は核酸の増幅およびシークエンシングに広く用いられる。Taqポリメラーゼを用いる反応条件は技術的に知られており、上述の「PCR工学」(1989)中でGelfandにより記述されている。RNA鋳型から相補的なコピーDNA(cDNA)を合成するために適している重合試薬はトリ骨髄芽腫ウイルスRTのような逆転写酵素(RT)または逆転写酵素活性をもつ熱安定性DNAポリメラーゼであるThermusthermophilusのDNAポリメラーゼである。典型的には、RNA鋳型は次の増幅のためのDNA鋳型だけを残して、最初の逆転写の段階後の最初の変性段階の間に熱分解される。
【0056】
16S rRNAが増幅されるべきならば、このRNAのDNAコピー(cDNA)を作るために最初の逆転写(RT)段階が行われる。PCT特許公示WO91/09944はPCR増幅でも機能する熱安定性ポリメラーゼによる高温での逆転写について記述している。高温RTはより高いプライマーの特異性および改良された効率を提供する。同一のプライマーおよびポリメラーゼは逆転写およびPCR増幅段階の両者に充分であり、反応条件は両反応が試薬の変化なしに起きるように最適化される。逆転写酵素として機能できる熱安定性DNAポリメラーゼである、Thermus thermophilus DNAポリメラーゼは鋳型に関係なく全てのプライマー伸長段階に用いられる。両過程は試薬を変えるまたは添加するためにチューブを開くことなしに行われる;温度プロフィールのみが最初のサイクル(RNA鋳型)および残りの増幅サイクル(DNA鋳型)の間で調整される。
【0057】
PCR法はそれぞれの段階の後、新たな試薬が添加される段階的な様式で、または全ての試薬が同時に添加される様式で、あるいは与えられた数の段階の後、新鮮な、または異なる試薬が添加される、部分的に段階的な様式で行われる。例えば、鎖の分離が熱により誘導され、ポリメラーゼが熱感受性であるなら、ポリメラーゼは鎖分離の回転後に添加されなければならない。しかし、例えばへリカーゼが変性に用いられ、または熱安定性ポリメラーゼが伸長に用いられるならば、全ての試薬が最初に添加され、あるいは代わって、試薬の分子の割合が反応にとって重大であるならば、試薬は合成反応により消費された場合、定期的に補充される。
【0058】
PCR過程が最も普通に熱安定性酵素を用いて自動的な過程として行われることを技術者は知るであろう。この過程において、反応液の温度は変性領域、プライマーアニーリング領域および反応領域をサイクルする。熱安定性酵素の使用に特異的に適している機械はPerkin Elmerから購入できる。
【0059】
当業者はまた前の反応の増幅された核酸によるPCRの汚染の問題に気づくであろう。この問題を減少する方法は前の反応の増幅されたDNAを酵素的に分解することである。PCR増幅はdTTPの代わりにdUTP存在下で行われる。得られた二重鎖ウラシルを含む産物はウラシルーN-グリコシラーゼ(UNG)により分解され、一方通常のチミンを含むDNAはUNGにより分解されない。増幅前に増幅反応液にUNGを添加することにより、標的として作用する全てのウラシルを含むDNAの分解が始まる。ウラシルを含むDNAの唯一の材料は前の反応の増幅産物であるので、この方法は効果的に反応液を滅菌し、前の反応からの汚染の問題(持ち越し)を取り除く。UNGは熱により一時的に不活化され、増幅の変性段階もまだUNGを不活化するように作用する。それ故ウラシルを取り込んだ新たな増幅産物はUNGのない環境で形成され、分解はされない。
【0060】
配列特異的プローブハイブリダイゼーションは本方法を旨く実践するための重要な段階である。本発明の配列特異的オリゴヌクレオチドプローブは特異的にM ycobacteriaゲノムの特定の断片とハイブリダイズし、属特異的プローブの場合、他の生物からの、種特異的プローブの場合、他のMycobacteria種からの配列について不安定化するミスマッチをもつ。緊縮ハイブリダイゼーション条件は、プローブが特異的に正確に相補的な配列にのみハイブリダイズするように選択される。増幅産物の検出は、正しい増幅産物のみが検出され
、関連生物の相同配列の存在により引き起こされる偽の陽性シグナルの機会を減少させることを保証するためにこの配列特異的ハイブリダイゼーションを用いる。
【0061】
SSOプローブおよび核酸配列の間に形成される雑種を検出する方法は、ハイブリダイゼーションの領域に加え、プローブがさらに特徴をもつことを必要とする。ドットブロット法では、例えばプローブは典型的に標識される。以下に記述される「リバース」ドットブロット法の場合のように、プローブが最初に固定化されるならば、プローブはまたPCT特許公示89/11548により詳細に記述される技術である、照射によりナイロン膜へ固定されるポリ-dTの長い伸長を含むことができる。
【0062】
本発明のプローブは上述のオリゴヌクレオチドを合成する技術を利用して、合成され、標識される。例えば、プローブは32P-ATPおよびキナーゼとともにプローブをインキュベートすることにより、32Pで5′端が標識される。SSOプローブの適当な非放射活性標識は西洋ワサビのパーオキシダーゼ(HRP)である。この標識を含むプローブの調製および検出方法が米国特許第4,914,210号および4,962,02号に記述されている。そのような標識プローブに関する追加情報は、米国特許第4,789,630号;Saikiらの1988年、N.Eng.J.Med.、第319巻、537から541ページ;およびBugawanらの1988年、Bio/Thchnology、第6巻、943から947ページを参照せよ。有効な色素原には赤白色素および3,3′,5,5′-テトラメチルベンジジン(TMB)が含まれる。Helmuthは「PCRプロトコール」(San Diego、California.Academic Press、1990)の119から128ページで、PCR産物の非アイソトープ検出の方法について記述している。
【0063】
本発明のプローブは、核酸配列が試料中に存在しているかをプローブが試料中に存在している配列に結合するかを決定することにより決めるのに用いられる。試料中にプローブ1および核酸配列の間に形成される雑種を検出するための本発明の目的の適当な方法は技術的に知られている。例えば、検出は例4に記述されるようにドットブロット法を用いて行われる。ドットブロット法で、未標識の増幅試料は膜のような固体支持体に結合され、膜は適当なハイブリダイゼーション条件下で標識プローブとインキュベートされ、ハイブリダイズしなかったプローブ
は洗浄により除去され、フィルターは結合プローブの存在をモニターされる。試料が属特異的プローブを用いてMycobacteriaの核酸の存在をスクリーニングされる場合のように、複数試料がいくつかのプローブで解析される場合、ドットブロット法は非常に有効である。
【0064】
非常に多くのプローブが用いられる場合別の方法が非常に有効である。この方法は、増幅配列が標識を含み、プローブが固体支持体に結合しているような「リバース」ドットブロットである。この方法で、未標識プローブは膜に結合され、適当な緊縮ハイブリダイゼーション条件下で標識試料にさらされる。ハイブリダイズしない標識試料はその後適当な緊縮条件下で洗浄により除去され、フィルターは結合配列の存在がモニターされる。種の決定にはそれぞれの増幅試料に対する複数の種特異的プローブの使用が必要なので、リバースドットブロット法はこの段階で好ましい試験方法である。
【0065】
別法として、多数のプローブハイブリダイゼーション部位またはウェルをもつ検出方法を使用することが望ましい。例えば、マイクロタイタープレートのような固体支持体が発明の方法の大規模な臨床応用に特に有効である。PCRで増幅されたDNAのハイブリダイゼーション/捕捉または固体支持体についての方法は知られている。これらの方法の具体例で、増幅された標的DNAはPCR反応の増幅の間に(例えばビオチンで)標識される。標識DNAは、PCR産物のマイクロタイタープレートのウェルに結合した標的特異的オリゴヌクレオチド捕捉プローブへのハイブリダイゼーションにより特異的に捕捉される。結合産物は用いられる標識の型にしたがって適当に検出される。例えば、ビオチンが標識として用いられるならば、アビジンHRP複合体が添加され、(a)過酸化水素基質およびO-フェニレンジアミン(OPD)色素原、または(b)過酸化水素基質およびテトラメチルベンジジン色素原(TMB)のいずれかと反応される。PCRで増幅されたDNAを定量的に検出させる色素定量シグナルが開発された。
【0066】
臨床生物医学研究室で行われる場合、マイクロタイタープレート法を用いた検出方法が広範囲の標的で標準化されている。長さ25ヌクレオチド以下の検出プローブをもつことが望ましい。より短いプローブは交差反応の機会を最小にし、特に大規模スクリ-ニング法では有効である。したがって、例8はマイクロタイタープレート法によるMycobacteria種を検出する好ましい方法が記述される。25ヌクレオチド以上のプローブはマイクロタイタープレート検出法に同様に適しているが、最大の特異性を保証するためにハイブリダイゼーションおよび緊縮条件を個々に決定しなければならないことを技術者は認識せねばならない。
【0067】
別の適当な検定システムでは、標識プローブはPCR増幅過程の間に添加される。それぞれの合成段階の間に標的DNAにハイブリダイズするプローブはプライマー伸長を触媒するために用いられるポリメラーゼの5′から3′へのエキソヌクレアーゼ活性により分解される。プローブの分解産物はその後検出される。それ故、分解産物の存在はプローブおよび標的DNAの間にハイブリダイゼーションが起きたことを示す。
【0068】
本発明はまた発明のプライマーおよびプローブからなる複数容器単位であるキットに関するものである。有用なキットはMycobacteriaの核酸を検出するためにSSOプローブを含むことができる。いくつかの場合、SSOプローブは適当な支持膜に固定される。キットはまたPCR増幅のプライマーを含むことができる。キットの他の付随的な組成には、例えば逆転写酵素またはポリメラーゼ、その基質のヌクレオシド三リン酸、標識に用いられる手段(例えば、標識がビオチンならば、アビジン-酵素コンジュゲートおよび酵素基質および色素原)または検出標識、およびPCR、逆転写またはハイブリダイゼーション反応のための適当な緩衝液が含まれる。上記成分に加え、キットはまた発明の増幅および検出方法を行うための支持書を含む。
【0069】
本発明の好ましい具体例では、Mycobacteriaを検出するキットにはまた陽性および陰性の対照が含まれる。好ましくは陽性の対照は試験試料中のMycobacteriaの核酸を増幅するために用いられた同一のプライマーの対を用いて増幅可能な核酸配列を含む。陽性の対照を用いる方法は知られており、ここでは存在するまたはしない標的および陽性の対照は同一のプライマーの対を用いる。好ましくは陽性の対照は産物DNAが標的の大きさと直ちに区別できる分離した大きさとなるようにデザインされる。
【0070】
別の面で、本発明は種特異的Mycobacteriaプローブ同様、属特異的Mycobacteriaプローブを検出するためのプローブにハイブリダイズできる陽性の対照を提供する。例9は陽性の対照核酸の構築について記述している。
【0071】
ここで記述されているように、特に一致しないPCRおよび培養のデータを解決するために、第二の増幅標的を用いることが望ましい。内部陽性対照ベクターを提供するための本発明の教訓を与えると、さらに内部陽性対照が構築されることを普通の技術者直ちに認識するであろう。例えば、ハイブリダイズし、続いて陽性の対照DNAの分離した断片を増幅するために、陽性の対照は一次(16SrRNA)および二次標的(例えば、65kDaタンパク質遺伝子)の両者に対するプライマ一部位を取り込む。
【0072】
以下に示される本発明の例は例証の目的のみで、発明の範囲を限定するものではない。
【0073】
【実施例】
例1
試料の調製
核酸はMicroProbeから市販されるIsoQuickTMシステムを用いて唾液試料から分離される。約10mlの唾液試料は液化/消毒され、遠心により沈澱され、BSAを含む緩衝液約1mlに再懸濁される。この試料のうち200から500μlが細菌を沈澱させるために遠心される。沈澱は100μlの試料緩衝液Aに再懸濁され、100μlの溶菌試薬1で溶菌される。溶菌液は7容の試薬2および4容の試薬3で抽出される(試薬1、2および3は試料緩衝液AとともにIsoQuickシステムで供給される)。試料は遠心され、その後1/3容の10M酢酸アンモニウムが水層に添加され、DNAが等量のイソプロパノールで沈澱される。沈澱したDNAは70%エタノールで洗浄され、風乾後、100μlのTE、pH8.0に再懸濁される。50μlのそれぞれの試料標品が増幅反応に用いられる。
【0074】
例2
MycobacteriaのDNAの増幅
マスター試薬液はそれぞれの反応が次の試薬:それぞれのプライマ-25pmol、それぞれのdNTP10nmol、2×PCR緩衝液(10×緩衝液=500mM KCl、500nM Tris-HCl、pH8.9、20mM MgCl2)、3単位のTaqポリメラーゼ、2単位のUNG、および反応当り50μlの反応液になるようにH20を含むように調製される。このマスター溶液は50μlの鉱物油を重層され、DNA試料が油層の下で反応液に添加される。
【0075】
DNAはParkin Elmerのサーマルサイクラーで増幅される。サーマルサイクラーは変性、プライマーアニーリングおよびプライマー伸長の37サイクル;それぞれ1分当り98℃、62℃および72℃を2サイクル、続いて1分当り94℃、62℃および72℃を35サイクルとなるようにプログラムされる。Perkin Elmerサーマルサイクラーは、UNG滅菌システムが用いられているなら、最終の伸長を完全にし、UNG酵素を不活性化したままにするために、最後のサイクルの後適当な時間72℃に試料をおくようにプログラムされる。増幅産物はその後ゲル電気泳動および/またはドットブロットハイブリダイゼーションにより解析される。ゲル電気泳動による解析がなされるなら、10×試料緩衝液(0.25%キシレンシアノール、0.25%ブロモフェノールブルー、25%フィコール)が添加され、100μlのクロロホルムで鉱物油が抽出され、Taqポリメラーゼは不活化される。
【0076】
例3
ドットブロット法
増幅試料の最初のスクリーニングにより、Mycobacteriaの核酸の存在が検出される。ドットブロット法で、増幅DNAの少量が変性され、ナイロンフィルターにのせられ、以下に記述されるように固定化される。フィルターはその後標識プローブの一つにハイブリダイゼーションさせるためにプローブ溶液に浸される。それぞれのプローブは放射活性標識されるが、西洋ワサビのパーオキシダーゼ(HRP)に共有結合したプローブはまた色素原の、または化学蛍光の基質存在下での非同位元素の検出の手段を提供するために用いられる。固定化された標的DNAは二つの属に特異的なプローブKY101およびKY102の混合液にハイブリダイズされる。試験される試料数がプローブ数をはるかに超えると予想されるので、(一つの混合液に二つのプローブ)、ドットブロット法はこの最初のスクリ-ニングには最も便利である。非常に多くの試料が単一の固体支持体の別々の位置でハイブリダイズされ、プローブ溶液に支持体を浸すことによって同時に標識プローブにさらされる。
【0077】
増幅は例2のように行われる。PCR産物はその後アルカリで処理することにより変性される。PCR産物5μlに対して5μlの0.5M EDTA、pH8.0、8μlの5N水酸化ナトリウムおよび82μlが添加される。混合液は室温で10分間放置される。
【0078】
BioDyneTMBナイロンフィルター(Pall Corp.、GlenCove.NY)はH20に5から10分間浸され、さらにドットブロットマニフォールド(Bio-DotTM、Bio Rad、Richmond、CA)が設定された後、200μlのH20で洗浄されることにより調製される。変性に続き、100μlの試料混合液はドットブロット器を用いてナイロン膜へ真空下でのせられる。それぞれのウェルはその後200μlの0.4N水酸化ナトリウムで洗浄され、さらに簡単に2×SSCで洗浄され、液体が残らなくなるまで乾燥される。DNAはStratalinker(Stratagene、LaJolla、CA)UVライトボックスを用いて(「オ一トクロスリンク」の設定で)、1200mJ/cm2の紫外線照射によりナイロン膜に固定化されクロスリンクされる。
【0079】
フィルターは少なくとも30分間60℃(エアシェイカー)で熱シールできる袋の中でハイブリダイゼーション緩衝液(0.5×SSC、5×Denhardt溶液、0.1% SDS、50μg/mlのマス精子DNA)に浸されて「プレハイブリダイズ」される。放射活性標識されたプローブが用いられるなら、緩衝液はその後1×106cpmのプローブを含む等量の同一溶液に置き換えられ、フィルターは60℃で2時間から一晩の間ハイブリダイズされる。
【0080】
ハイブリダイゼーション後、フィルターは三回2×SSC/0.1%SDSで、二回20分間室温で、さらに一度20分間振とう水浴中で71℃の高度の緊縮温度で洗浄される。フィルターは乾燥され、プラスチックラップにくるまれ、一枚または二枚の増感スクリーンとともに-70℃でX線フィルムに露光される。
【0081】
視覚化する別の方法は西洋ワサビを結合したオリゴヌクレオチドプローブを用いてハイブリダイズすることで、このオリゴヌクレオチドプローブは「PCRプロトコール:方法と応用へのガイド」(Innisら(編)、Academic Press.San Diego)(1989)の92から112ページのLevensonおよびChangにより、およびN.Eng.J.Med.の第319巻、537から541ページ(1988)のSaikiらにより記述されたように調製される。ハイブリダイゼーションは5mlのハイブリダイゼーション溶液当たり2pmolのHRP-SSOプローブを用いて行われる。
【0082】
洗浄後、色素原の色素基質で現像されるフィルターは100mMクエン酸ナトリウム、pH5.0で洗浄され、0.1mg/mlの3,3′,5,5′-テトラメチルベンジジン(Fluka)および0.0015%過酸化水素を含む100mMクエン酸ナトリウム、pH5.0に入れられ、緩やかに攪拌しながら10から30分間室温でインキュベートされる。現像されたフィルターは水で洗浄され、直ちに写真撮影される。TMB検出システムはHoffmann-La Rocheにより開発され製造され、Perkin Elmerから入手できるAmpliType DQalphaDNAタイピングキットに記述されているように基本的には調製され用いられる。別の具体例では、フィルターは化学蛍光検出システム(ECL;Amersham、Arlington Heights、IL)を用いて現像される。フィルターは5分間PBSで洗浄され、緩やかに攪拌しながらECL溶液に1分間入れられる。フィルターはその後室温で1から5分間X線フィルムに露光される。
【0083】
例4
リバースドットブロット法
種の同定にはそれぞれの試料が各種の種特異的プローブにさらされる必要がある;同一性はプロ-ブが試料DNAに結合することにより示される。それぞれの試料が複数のプロ-ブにさらされるため、リバースドットブロット法がより便利である。プローブは膜の別々の位置に固定され、その後膜に結合したプローブにハイブリダイズさせるために、膜全体が増幅された標的DNAを含む溶液に浸される。リバースドットブロットの過程は申請中の出願第197,000号および第347,495号に;Saikiらの1989年、Proc.Natl.Acad.Sci.、第86巻、6230から6234ページ;およびHoffmann-La Rocheにより開発製造され、Perkin Elmerから市販されるAmpliType DQalpha DNAタイピングキットに記述される。増幅プライマーは上述のLevensonおよびChang の1989年の報告に記述されたようにビオチン化され、そのため、膜結合プローブにハイブリダイズするいずれの増幅されたDNAも容易に検出される。
【0084】
一つの具体例で、検出はストレプトアビジンを結合させた西洋ワサビのパーオキシダーゼ(SA-HRP)を膜に結合したプローブにハイブリダイズしたビオチン化させた(プライマーを介した)増幅DNAと反応させることにより行われる。それ故HRPはSA-ビオチン相互作用を介して増幅DNAに結合し、例えばテトラメチルベンジジンの酸化により色素化合物の生成のような各種の既知の手段によりシグナルを生成するために用いられる(米国特許第4,789,630号を参照)。
【0085】
プローブはいずれかの手段により膜に固定化されるが、好ましい方法はオリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイズする領域にポリーdTの長い配列を「テーリング」させることを含む。得られたポリ-dTの「テール」はナイロン膜上でプローブを膜に共有結合で固定するためにアミン基と反応させることができる。この反応はUV照射により促進される。
【0086】
市販されるDNA合成機でテールを付けたプローブをまた合成できるが、末端デオキシリボヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT、Ratliff Biochemicals;以下の反応に約120単位/μl(100pmole/μl)の濃度を仮定)がプローブにポリ-dTテールを付けるために用いられる。しかし、テールを付けたプローブを作るためにDNA合成機を用いる場合、プローブの5′端にテールを配置し、そのために望まない未成熟の鎖の停止が主としてテール領域に生じる。
【0087】
TdT反応は、1×TdT塩、200pmoleのオリゴヌクレオチド、800μM DTTおよび60単位のTdTを含む約100μlの容量で行われる。10×TdT塩は1000mMカコジル酸カリウム、10mM塩化コバルト、2mMジチオスレイトール、250mM Tris-HCl、pH7.6であり、ここで参考として取り入れられているRoychoudhuryおよびWuによるMeth.Enzymol.、第65巻、43から62ページに記述されているように調製される。8mM dTTPの10×保存溶液は簡単に調製される(水酸化ナトリウムでpH7に中和される)。
【0088】
TdT反応は37℃で二時間行われ、その後100μlの10mM EDTA、pH8を添加することにより停止される。テールを付けたオリゴヌクレオチドの終濃度は1μM(lpmole/μl)で、ホモポリマーテールの長さは約400残基である。テールの長さはdTTPのオリゴヌクレオチドに対する分子比を調整することにより変えられる。テールを付けたプローブは-20℃で使用まで保存される。
【0089】
リバースドットブロット法に好ましいナイロン膜はPallにより製造され、BioTransナイロン膜としてICNより販売されている、0.45ミクロのポアサイズのBiodyne Bナイロン膜である。プローブはBioRad製のBio-Dotブロット器を用いて非常に容易に膜にスポットされる。それぞれのプローブは膜上の単一の独立した位置にスポットされる。それぞれのテールを付けたプローブ2から10pmoleはドットブロット器にのせる前に50から100μlのTE緩衝液に予め混合される。ドットブロット後、膜は過剰の液体を取り去るために吸収紙上に一時的におかれる。膜はその後Stratagene製のStratalinkerライトボックスのようなUVライトボックス内へ入れられ、ナイロン膜へテールを付けたプローブを固定するために254nmで50から60mJ/cm2でUVにさらされる。未結合のプローブを除去するための簡単な洗浄後(ハイブリダイゼーション溶液で約15分間)、膜はビオチン化PCR産物とのハイブリダイゼーションに用いられる。
【0090】
増幅PCR産物は3から10分間95℃で熱することにより変性され、40μlの変性PCR産物がハイブリダイゼーションのためにそれぞれのプローブに添加される。ハイブリダイゼーションは0.5×SSC.0.25% SDS、および5×Denhardt溶液からなるハイブリダイゼーション緩衝液中で、振とう水浴で20分間57℃で行われる。ハイプリダイゼーション緩衝液は、3.1mlのハイブリダイゼーション緩衝液にPerkin Elmerから市販される25μlのSA-HRPを含む3mlの溶液に置き換えられ、振とう水浴中で5
7℃、20分間インキュベートされる。
【0091】
洗浄は2×SSCおよび0.1%SDSの洗浄緩衝液中で行われる。10mlの洗浄緩衝液での簡単な膜の洗浄後、10mlの緩衝液での12分の厳密な洗浄が57℃で行われる。さらに5分の室温での洗浄が行われ、続けて10mlの0.1Mクエン酸ナトリウム、pH5.0による5分間の洗浄が行われる。
【0092】
色素原の結合は、5mlの0.1Mクエン酸ナトリウム、5μlの3%過酸化水素および0.25mlの色素原(Perkin ElmerのTMB)からなる5mlの色素原溶液中で25から30分間、室温で行われる。蒸留水による10分間の洗浄が三回室温で行われる。1×PBSでの室温、30分間の後洗浄はシグナルの質を増すことができる。色素原が存在する段階の間は、膜はアルミ箔で被うことにより光から遮断されなければならない。現像された膜は永久に記録するために写真撮影される。
【0093】
例5
MycobacteriaのDNAの検出
MycobacteriaのDNAの検出は上の例2に記述されたプロトコールを用いた、ビオチン化した属特異的プライマーKY18(配列番号1)およびKY75(配列番号2)による増幅およびそれに続く上の例3に記述されたドットブロット法を用いた、属特異的プローブKY101 (配列番号3)およびKY102(配列番号4)へのハイブリダイゼーションにより行われる。上流プライマーKY18(配列番号1)および下流プライマーKY75(配列番号2)のハイブリダイズする領域の配列は上の表1にあげられている。属特異的プローブKY101(配列番号3)およびKY102(配列番号4)のハイブリダイズする領域の配列は上の表2にあげられている。
【0094】
属特異的プライマーKY18(配列番号1)およびKY75(配列番号2)はMycobacteriaの15種の核酸を増幅するためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅に用いられた。結果が表4に示されている。予想されるように、KY18(配列番号1)/KY75(配列番号2)は、M.simiaeを除く全てのMycobacteria種のDNAを増幅した。KY75(配列番号2)がM.simiaeの3′端5塩基のうち4塩基が、M.chitaeの3′端の2塩基が異なっているため、M.simiaeまたはM.chitaeのDNAの増幅は予想されなかった。しかし、ヒトの病気へのM.simiaeの関連は殆ど報告されていないので、検出は臨床的には重要ではない。M.xenopiおよびM.terraeのDNAを除いて、ハイブリダイズした全ての増幅したMycobacteriaのDNAは属特異的プローブKY101(配列番号3)およびKY102(配列番号4)とのハイブリダイゼーションにより検出された。
【0095】
【表4】

【0096】
これらのプライマーの特異性は22の異なるMycobacteriaではない種のDNAを増幅させることにより試験された。増幅産物はCorynebacter diptheriaeおよびCorynebacter xerosis、Nisseria siccaおよびPropinibacterium acnesのDNAのみから得られた。しかし、これらの増幅産物は属特異的プローブとはハイブリダイズせず、それ故、誤りの陽性結果は得られなかった。試験された生物は下の表5にあげられている。
【0097】
【表5】

【0098】
例6
種の同定
MycobacteriaのDNAが臨床試料に検出されると、核酸を生じる種が例4のリバースドットブロット法を用いて種特異的プローブとのハイブリダイゼーションのパターンにより決定される。現在のシステムにより検出される臨床的に興味のある種はM.avium、M.intracellulare、M.kansasiiおよびM.tuberculosisである。さらに、この種が頻繁に臨床試料に見いだされるため、M.gordonaeの検出が望まれる。
【0099】
図1は表3のプローブから選択された種特異的プローブの特異性の試験の結果を示す。予想された特異性とともに、それぞれのプローブのハイブリダイズする領域の配列が上の表3に示されている。Micobacteriaの異なる13種の精製DNAの増幅産物が属特異的および種特異的プローブの特異性を試験するために用いられた。それぞれの種に対して、培養された細菌から精製された1pgのDNA(約300の細菌ゲノムに相当)がビオチン化プライマーを用いて、例2のように増幅された。プローブハイブリダイゼーションの検出は例4のリバースドットブロット法を用いて行われた。増幅DNAの存在の陽性の対照として、属特異的プローブが種特異的プローブとともに試験ストリップに含まれた。
【0100】
例7
Mycobacteriaの16S rRNAの増幅
16S rRNAは逆転写により最初にcDNAを作成し、このcDNAを増幅することにより増幅される。上述の例2と同一のプライマーが用いられる。この例では、高温での逆転写およびPCR増幅の両者が熱安定性Tthポリメラーゼを用いて行われる。
【0101】
逆転写は次の組成を含む20μlの容量で行われる:8μlのH20、2μlの10×RT反応緩衝液(100mM Tris-HCl、pH8.3、および900mM塩化カリウム)、2μlの10mM塩化マンガン、2μlのdNTP溶液(それぞれH2Oに溶解した2mMのdATP、dCTP、dGTPおよびdTTP、pH7.0)、2μlの「下流」プライマー(H20に溶解した7.5mM)、1×保存緩衝液(20mM Tris-HCl、pH7. 5、100mM塩化カリウム、0.1mM EDTA、1mM DTT、10.2% Tween 20(Pierce Surfactants)、50%(v/v)グリセロール)に溶解した2μlの0.18μMのTthポリメラーゼおよび2μlの鋳型RNA溶液(10mM Tris-HClおよび1mM EDTAに溶解した250ng以下)。Trisを除く全ての溶液は、Maniatusらの1982年の「Molecular Cloning,a Laboratory Manual(Cold Springs Harbor Laboratory、New York)」の190ページに記述されたように混入しリボヌクレアーゼを除去するためにジエチルピロカーボネート(DEPC)で処理される。逆転写はサーモサイクラーで5分間、72℃で行われる。反応は氷で4℃まで冷却することにより停止される。
【0102】
PCR増幅は次の試薬を添加することにより行われる:2μlの残りのプライマー(H2oに溶解した7.5mM)、2μlのdNTP溶液(それぞれH2oに溶解した10mM dATP、dCTP、dGTPおよびdTTP.pH7.0)、8μlの10×PCR反応緩衝液(100mM Tris-HCl、pH8.3、1mM塩化カリウム、18.75mM塩化マグネシウム、7.5mM EGTAおよび50%(v/v)グリセロール)および68μlのDEPC処理したH2o。核酸は例2と同一の熱プローフィールを用いて、Perkin Elmerサーマルサイクラーで増幅される。増幅産物は前述の例のように解析される。
【0103】
例8
Mycobacteriaの検出のためのマイクロタイタープレートアッセイ
本発明のこの具体例で、プローブはマイクロタイタープレートのウェルに固定される。増幅された標的DNAは上述のように結合したプローブにハイブリダイズされる。前例にあるように、増幅プライマーは結合プローブにハイブリダイズした増幅DNAを検出するためにビオチン化される。
【0104】
BSAに結合した望みのプローブは最初に個々のウェルのプラスチック表面に吸着された。ウェルはその後ウシ血清アルブミンのようなタンパク質でブロックされた。好ましくはCorning製の96ウェルプレートが用いられる。
【0105】
増幅が完了すると、PCRチューブはサーモサイクラー(Perkin Elmer)から取り出された。100μlの変性溶液がそれぞれのPCRチューブに添加された。新しいチップがそれぞれのチューブに用いられる。一つの具体例で、検出は直ちには行われない。その場合、PCRチューブは2から8℃で一晩保存された。変性された増幅反応液は2から8℃の保存で粘性をもつようになる。チューブは開ける前にピペッテイングを容易にするために25から30℃で簡単に温められた。
【0106】
適当な数の8ウェルのマイクロタイタープレートのストリップ(少なくとも二つのストリップ)が取り出され、マイクロタイタープレート枠にセットされた。100μlのハイブリダイゼーション緩衝液がマイクロタイタープレートのそれぞれのウェルに入れられた。
【0107】
変性溶液は0.4M水酸化ナトリウム;80mM EDTAおよび0.005%チモールブルーを含む。ハイブリダイゼーション/中和緩衝液は3Mチオシアン化ナトリウム;80mMリン酸一ナトリウム;10mMリン酸一ナトリウムおよび0.125%Tween20を含む。使用前にpHは5.0+/-0.2になるようにチェックされる。
【0108】
マルチチャンネルピペッターで充電チップを用いて、トレーのそれぞれのPCRチューブからの25μlの変性された増幅反応液がマイクロタイタープレートの相当するウェルの位置に入れられた。プレートはマイクロタイタープレートの蓋で被われ、10から15回側面を緩やかにたたかれた。適正な試薬のピペッティングが行われたウェルは黄色に着色する。色の変化がない、または青色への単一の変化が注目されるなら、過剰量のアンプリコンが添加される。陽性のOD値は増加するが、陰性のOD値は影響されなくなるまで試験は続けられる。プレートは60分間、37℃でインキュベートされた。37℃、一時間の最初のハイプリダイゼーション後、ハイブリダイゼーション/中和緩衝液は除去され、同一緩衝液に置き換えられ、プレートはさらに15分、37℃インキュベートされた。
【0109】
インキュベーションに続いて、プレートは五回、洗浄溶液で洗浄された。プレートの洗浄は手動で、または適当にプログラムされた自動マイクロタイタープレート洗浄機を用いて行われる。洗浄には、1×PCR洗浄緩衝液が用いられた。10×濃度のPCR洗浄緩衝液は次のように調製された:9.94g/lのリン酸二ナトリウム;4.41g/1のリン酸一ナトリウム;3.722g/lのEDTA;87.66g/lの塩化ナトリウム;13.7g/lのTween20および10g/lのPro Clin300(Rohm and Haas、Philandelphia.PA)。溶液はpHをリン酸で調整される(pH6.5から7.1が望ましい)。
【0110】
手動洗浄では、プレートの中身は空にされ、乾燥された。300μ1の洗浄溶液が試験されるプレートのそれぞれのウェルに添加され、プレートは15から30秒乾かされた。プレートは再び空にされ、乾燥された。この洗浄の過程はさらに四回繰り返された。その後プレートは乾燥された。
【0111】
自動マイクロプレート洗浄機では、次の手法が用いられた。ウェルの中身は吸引された。洗浄機は試験されるプレートのそれぞれのウェルに350μlの洗浄溶液が添加され、30秒間浸され、吸引されるようにプログラムされた。この段階がさらに四回繰り返された。プレートはその後乾燥された。
【0112】
100μlのコンジュゲートが試験されるプレートのそれぞれのウェルに添加された。アビジン-HRPコンジュゲートは次のように調製される。希釈液は0.1モル;0.25%Emulsit25(DKS International,Inc.、Tokyo、Japan);1.0%Kathon CG(Rohm and Haas、Philadelphia、PA);0.1%フェノール;1.0%ウシγ-グロブリンを含む。溶液は濃塩酸でpH7.3に調整された。この希釈液に対して、10nMの結合したアビジン(Vector Labs、Burlingame、CA)が添加された。プレートはその後カバーされ、50分間、37℃でインキュベートされ、再び上述のように洗浄された。作用基質は二つの8ウェルマイクロタイタープレートのストリップ(16検体)に対し、2.0mlの基質Aおよび0.5mlの基質Bを混合することにより調製された。基質Aは3mM過酸化水素、6.5mMクエン酸および0.1%Kathon CGを含む。基質Bは4.2mM3,3′,5,5′-テトラメチルベンジジンおよび40%ジメチルホルムアミドを含む。作用基質は使用三時間以内に調製され、直射日光を避けて保存された。
【0113】
100μlの作用基質(基質AおよびBの混合液)が試験されるプレートのそれぞれのウェルに添加された。プレートはカバーされ、10分間、室温(20から25℃)で、暗所にてインキュベートされた。100μlの停止試薬(5%硫酸)が試験されるそれぞれのウェルに添加された。それぞれのウェルの450nmの吸収が停止試薬を添加後一時間以内に読まれた。吸収値は試料および対照について記録された。
【0114】
例9
Mycobacteriaの核酸の増幅および検出のための方法に有効な陽性の対照ベクターの構築
種特異的プローブ結合配列を含むオリゴヌクレオチドがその相補鎖(KY178(配列番号24)からKY181(配列番号27))とともに合成された。(これらのオリゴはクローニングを容易にするために両端に制限酵素の認識部位を含む。)KY178(配列番号24)およびKY179(配列番号25)、またはKY180(配列番号26)およびKY181(配列番号27)のそれぞれ1μgが、相補鎖をアニールさせるために、合わされ、5分間98℃で熱処理され、一時間75℃でインキュベートされた。アニール産物は3%Nusieve(FMC Products)/1%アガロースゲルの電気泳動により、残留した一本鎖のオリゴから分離された。二本鎖の産物のバンドは切り出され、DNAが溶出された。DNA断片はその後適当な制限酵素で切断され、互いに連結された。連結産物は上記のNusieve/アガロースゲルから分離された。
【0115】
レシピエントベクターが調製された。レシピエントベクターはプライマーおよびプローブ結合部位を含むM.tbの16S rRNA遺伝子の断片が挿入されたプラスミドで、次のように調製された。
【0116】
50pgのM.tuberculosisのDNAがプライマーKY70(配列番号28)およびCR01(配列番号29)を用いて、全反応系100μl中に50pmo1のCR01(配列番号29)、80pmo1のKY70(配列番号28)、20nmo1のそれぞれのdNTP12.5単位のTaqポリメラーゼおよび1×PCR緩衝液(50mM Tris-HCl、pH8.9;50mM塩化カリウム;1.5nIM塩化マグネシウム)が存在する状態で増幅された。熱のサイクル条件は例2の概略の通りである。増幅産物は100μlのクロロホルムで抽出された。
【0117】
増幅産物およびベクターpBS(+)(Stratagene)の両者は制限酵素PstIで消化され、一度フェノール/クロロホルムで抽出され、エタノールで沈澱された。(CR01は5′端にPstI部位を含み、増幅産物はMycobacteria特異的プライマーおよびプローブの結合部位の下流に内部PstI部位を含む。)PstIで切断されたベクターは仔ウシの腸のホスファターゼでの処理により脱リン酸化され(Maniatis)、フェノール/クロロホルムで抽出された後、エタノールで沈澱された。調製された増幅産物は標準条
件下でベクターに連結された(Maniatis)。
【0118】
連結されたDNAは大腸菌のコンピテント細胞に形質転換された。望みの挿入を含むプラスミドをもつコロニーは次のようにtb一特異的プローブKY21(配列番号5)に対するコロニーブロットハイブリダイゼーションにより同定された。細菌は栄養寒天プレート上に重層されたニトロセルロースフィルターディスクに画線され、一晩培養された。フィルターは取り出され、続いて3MM漉紙に細菌側を上にして)重層され、10%SDS(3分)、0.5M水酸化ナトリウム/1.5M塩化ナトリウム(5分)、0.5M Tris-HC1、pH8/1
.5M塩化ナトリウム(5分)および2×SSC(5分)に浸された。フィルターは風乾された。DNAはフィルター上でUV照射によりクロスリンクされ、その後KY21(配列番号5)にハイブリダイズされ、例3の概略のように洗浄された。
【0119】
【化1】

【0120】
pKY5と命名されたこのベクターは、種特異的プローブ結合部位を含むが、完全なプライマーおよび属特異的プローブ結合部位を取り去った174塩基対の断片を除去するために、制限酵素StyIおよびXhoIで切断されたプラスミドは1.5%低融点アガロースゲル電気泳動により174塩基対の断片から分離された。ベクターを含むバンドはゲルから切り出され、NACSカラム(Bethesda Research Lab)を用いたクロマトグラフィおよびエタノール沈殿により精製された。種特異的プローブの認識部位を含む挿入断片は調整したベクターに連結される。連結産物はコンピテントの宿主細菌に形質転換される。
【0121】
適当な挿入を含む形質転換体はPCR増幅により同定される。形質転換体の細菌コロニーは0.5mlのTE緩衝液に再懸濁される。50μlの細菌懸濁液はMycobacteriaのDNAの増幅に必要な組成を含むPCR反応チューブに入れられ、増幅が上述のように行われる。望みの挿入を含むプラスミドをもつ細菌はプライマーKY18(配列番号1)およびKY75(配列番号2)の対を用いて、640塩基対のPCR産物を生成する。元々のpKY5プラスミドを含む細菌の増幅は584塩基対のPCR産物を生成する。
【0122】
それ故生成されたアンプリコンは、例に記述されている属特異的および種特異的プローブのハイブリダイゼーション部位の存在を確認するために、Mycobacteriaの属特異的および種特異的プローブに例4に概略されるリバースドットブロットハイブリダイゼーションによりハイブリダイズされる。陽性の対照プラスミドは、属プローブおよび種特異的プローブの選択された部分にハイブリダイズするように類似して調製される。キットでは例えば、KY178からKY181(配列番号24から27)の配列を含む陽性の対照プラスミドを含むことに加え、tuberculosisを他の種と区別するための陽性の対照プラスミドを含むことが望ましい。
【0123】
【化2】

【0124】
例10
陽性の対照プラスミドの利用
陽性の対照プラスミドの一つの利用は、特異的な実験における増幅の効率をモニターすることである。そのような応用では、陽性の対照プラスミドの連続的な希釈液が作成される。既知のコピー数のプラスミドが増幅反応の鋳型として用いられる。増幅されるプラスミドDNAの最低数が増幅反応の効率の測定を与える。陽性の対照プラスミドの別の利用は、属および種特異的プローブがMycobacteriaのDNAを検出する効率をモニターするために用いられる産物を生成することである。上述のように生成された増幅産物はハイブリダイゼーション反応の基質として作用できる。適当なハイプリダイゼーションシグナルの生成はプローブがどの程度良好にMycobacteriaのDNAを検出できるかについての評価を可能にする。
【0125】
【配列表】
配列番号:1:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:23塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:1:
【化3】
CACATGCAAG TCGAACGGAA AGG 23
【0126】
配列番号:2:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:24塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎮
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:2:
【化4】
GCCCGTATCG CCCGCACGCT CACA 24
【0127】
配列番号:3:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:30塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:3:
【化5】
TCGCGTTGTT CGTGAAATCT CACGGCTT AA 30
【0128】
配列番号:4:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:30塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:4:
【化6】
TCGCGTTGTT CGTGAAAACT CACAGCTTAA 30
【0129】
配列番号:5:
(i)配列の特徴:
(A)長さ=36塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:5:
【化7】
ACGGGATGCA TGTCTTGTGG TGGAAAGCGC TTTAGC 36
【0130】
配列番号:6:
(i)配列の特徴:
(A)長さ=30塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:6:
【化8】
ACTTGGCGCA TGCCTTGTGG TGGAAAGCTT 30
【0131】
配列番号:7:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:30塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:7:
【化9】
TTTAGGCGCA TGTCTTTAGG TGGAAAGCTT 30
【0132】
配列番号:8:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:34塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:8:
【化10】
TCAAGACGCA TGTCTTCTGG TGGAAAGCTT TTGC 34
【0133】
配列番号:9:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:30塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:9:
【化11】
TCCCGAAGTG CAGGCCAGAT TGCCCACGTG 30
【0134】
配列番号:10:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:30塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:10:
【化12】
GAAGGCTCAC TTTGTGGGTT GACGGTAGGT 30
【0135】
配列番号:11:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:30塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:11:
【化13】
GCAATCTGCC TGCACACCGG GATAAGCCTG 30
【0136】
配列番号:12:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:34塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:12:
【化14】
GGGTCTAATA CCGAATAGGA CCACAGGACA CATG 34
【0137】
配列番号:13:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:30塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO=:13:
【化15】
TCGCGTTGTT CGTGAAATCT CACAGCTTAA 30
【0138】
配列番号:14:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:30塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:14:
【化16】
TCGCGTTGTT CGTGGAATCT CACAGCTTAA 30
【0139】
配列番号:15:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:30塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO=:15:
【化17】
TCGCGTTGTT CGTGGAATGC CACAGCTTAA 30
【0140】
配列番号:16:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:30塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:16:
【化18】
ATAGGACCAT TCTGCGCATG TGGTGTGGTG 30
【0141】
配列番号:17:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:24塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:17:
【化19】
ACCTCAAGAC GCATGTCTTC TGGT 24
【0142】
配列番号:18:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:24塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:18:
【化20】
CCGAATAGGA CCACAGGACA CATG 24
【0143】
配列番号:19:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:24塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:19:
【化21】
ACCTTTAGGC GCATGTCTTT AGGT 24
【0144】
配列番号:20:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:24塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:20:
【化22】
AACACTTGGC GCATGCCTTG TGGT 24
【0145】
配列番号:21:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:24塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:21:
【化23】
GAAGGCTCAC TTTGTGGGTT GACG 24
【0146】
配列番号:22:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:24塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:22:
【化24】
TGTGGTGGAA AGCGCTTTAG CGGT 24
【0147】
配列番号:23:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:24塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:23:
【化25】
AGGACCATTC TGCGCATGTG GTGT 24
【0148】
配列番号:24:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:139塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:24:
【化26】

【0149】
配列番号:25:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:139塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:25:
【化27】

【0150】
配列番号:26:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:126塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:26:
【化28】

【0151】
配列番号:27:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:126塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:27:
【化29】

【0152】
配列番号:28:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:29塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列ID NO:28:
【化30】
GCGGTACCTG CACACAGGCC ACAAGGGAA 29
【0153】
配列番号:29:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:31塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の記述:配列IDNO:29:
【化31】
CGCCTGCAGT TAACACATGC AAGTCGAACG G31
【図面の簡単な説明】
【図1】
表3のプローブから選択されたプローブの特異性の試験の結果を示す図である。
 
訂正の要旨 請求の要旨
特許第2675723号の明細書を請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求める。
すなわち、請求項3,4,7,8,15,16および17を削除し、請求項7および8の削除に伴い、請求項20を以下のごとく訂正する。
請求項20において、
「請求項8に記載の」を『配列KY21(配列番号5)、配列KY25(配列番号6)、配列KY26(配列番号7)、配列KY63(配列番号8)、配列KY151(配列番号9)、配列KY106(配列番号10)、配列KY126(配列番号11)、配列KY139(配列番号12)、配列KY157(配列番号16)、配列KY167(配列番号17)、配列KY168(配列番号18)、配列KY169(配列番号19)、配列KY170(配列番号20)、配列KY171(配列番号21)、配列KY172(配列番号22)および配列KY173(配列番号23)ならびにこれらの完全に相補的な配列からなる群から選択される少なくとも二つのオリゴヌクレオチドプローブからなる』に訂正する。
異議決定日 1999-06-03 
出願番号 特願平4-258819
審決分類 P 1 651・ 534- YA (C12N)
P 1 651・ 121- YA (C12N)
P 1 651・ 531- YA (C12N)
最終処分 維持  
前審関与審査官 上條 肇  
特許庁審判長 眞壽田 順啓
特許庁審判官 佐伯 裕子
郡山 順
登録日 1997-07-18 
登録番号 特許第2675723号(P2675723)
権利者 エフ・ホフマン-ラ ロシユ アーゲー
発明の名称 マイコバクテリア属細菌の核酸の検出およびマイコバクテリア属細菌の同定のための試薬および方法  
代理人 木川 幸治  
代理人 長沼 暉夫  
代理人 浅村 皓  
代理人 長沼 暉夫  
代理人 木川 幸治  
代理人 浅村 肇  
代理人 浅村 肇  
代理人 浅村 皓  

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