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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1026208
審判番号 審判1997-2683  
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-04-21 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1997-02-20 
確定日 2000-10-11 
事件の表示 平成 6年特許願第119298号「分散処理システムにおけるマスタファイルの自動デリバリシステム」拒絶査定に対する審判事件[平成 7年 4月21日出願公開、特開平 7-105147]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.本件出願の経緯・本件発明
本件出願は、平成6年5月31日(優先権主張平成5年8月11日)の出願であって、平成8年11月25日に成された補正によれば、特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、
「分散処理システムにおけるプログラム開発環境の信頼性を常に保証する事ができる分散処理システムにおけるマスタファイルの自動デリバリシステムを提供すること」、「親ワークステーションが備えるマスタファイルと子ワークステーションが備えるスレーブファイルとを常に同一内容にすることができ、子ワークステーションの利用者がスレーブファイルの更新履歴を意識することなく利用することができる分散処理システムにおけるマスタファイルの自動デリバリシステムを提供すること」および「マスタファイルからスレーブファイルへ、登録または更新があった内容のみ転送する回線使用効率の良い分散処理システムにおけるマスタファイルの自動デリバリシステムを提供すること」を目的とし、
その請求項1記載のとおりの下記のものにある。
「【請求項1】 分散処理システム全体で共有されるデータまたは情報が格納されるマスタファイルを備える親ワークステーションと、この親ワークステーションと通信回線によって接続され、前記マスタファイルから取得したデータまたは情報が格納されるスレーブファイルを備える子ワークステーションとによって分散処理を実行する分散処理システムにおけるマスタファイルの自動デリバリシステムであって、
前記親ワークステーションは、
前記子ワークステーションから送付されたデータまたは情報で前記マスタファイルを更新するマスタファイル更新部と、
前記子ワークステーションに対して、前記マスタファイルのディレクトリリストを送付するデリバリ開始通知部と、
前記子ワークステーションから要求されたデータまたは情報を前記マスタファイルから取り出して送付するマスタデリバリ部とを備え、
前記子ワークステーションは、
前記スレーブファイルを更新するスレーブファイル更新部と、
このスレーブファイル更新部が更新した前記スレーブファイルのデータまたは情報を前記親ワークステーションに送付する更新資産登録部と、
前記親ワークステーションから送付された前記マスタファイルのディレクトリリストの内容と前記スレーブファイルのディレクトリリストの内容とを比較し、
相違する前記マスタファイルのデータまたは情報の送付を前記親ワークステーションに要求し、その結果として受け取った該データまたは情報で前記スレーブファイルを更新することを前記スレーブファイル更新部に指示するスレーブデリバリ部とを備えたことを特徴とする分散処理システムにおけるマスタファイルの自動デリバリシステム。」
2.刊行物記載発明
原査定の拒絶の理由に引用された特開平3-282745号公報(以下、「刊行物」という。)には、
「システムの管理者の操作を省き、各コンピュ-タシステム上のファイルの更新状況を最新の状態に確実に保持させることの可能なファイル配布方式を提供すること」を目的とし、
「本発明は、通信路を介して接続された複数のコンピュータシステム間で更新ファイルを配布するファイル配布方式に関する。」(第1頁右下欄15行〜同頁同欄17行)、
「更新されたファイルの配布は、配布元からの通知にもとづいて、各々のコンピュータシステムの管理者がそれを引き取る方式になっていた。」(第1頁右下欄19行〜第2頁左上欄1行)、
「サーバコンピュータは、クライアントコンピュータからの遠隔コマンド実行要求に基づきファイルの更新状況が記録されている更新情報データベースファイルから所定のファイルに関する情報を取り出しクライアントコンピュータに転送するデータベースファイル読込転送手段と、自コンピュータ上のファイルの最終更新時刻を読み取りクライアントコンピュータに転送する日付読取転送手段と、自コンピュータ上の更新手順記述ファイルの内容をクライアントコンピュータに転送する更新手順転送手段とを備え」(第2頁左上欄17行〜同頁右上欄7行)、
「本実施例では、クライアントコンピュータ1とサーバコンピュータ2が通信路30を介して接続されている。
第1図において、サーバコンピュ-タ2は、クライアントコンピュ-タ1からの遠隔コマンド実行要求を処理する遠隔実行要求処理手殿22と、ファイルの更新状況を記録する更新情報データべースファイル26と、更新情報データべースファイル26から必要な情報を取り出すデータベース読込手段23と、自コンピュ‐タ1上の更新済みファイル27の最終更新時刻を読み取る日付読み取り手段24と、クライアントコンピュータ1からの遠隔ファイル転送要求を処理する遠隔ファイル転送手段25と、クライアントコンピュータ1との通信を行う通信手段21とを備えている。
また、クライアントコンピュータ1は、更新処理の実行を管理する更新実行管理手段14と、サーバコンピュ-タ2上のデ-タベースファイル読込手段23を起動する要求を発行し、更新情報を得る遠隔データベース読込手段15と、読み込んだ更新情報の中から、自コンピュータ1にすでに存在するファイルに関する情報のみを抽出する更新情報フィルタ手段16と、自コンピュータ1上の被更新ファイル1bの最終更新時刻を読み取る日付読み取り手段18と、サ-バコンピュータ2上の更新済みファイル27の最終更新時刻と自コンピュータ1上の被更新ファイル1bの最終更新時刻とを比較する日付比較手段17と、サーバコンピュータ2上の更新手順記述ファイル28の転送を要求し、これを受け取る遠隔更新手順ファイル読込手段19と、更新手順記述ファイル28の内容にもとづいて更新処理を実施する更新手順実行手段1aと、定刻になると更新実行管理手段14を起動する定刻起動処理手段11と、システム起動時に更新実行管理手段14を起動するシステム起動時起動処理手段12と、クライアントコンピュータ1の利用者が対話的に更新実行管理手段14を起動する対話起動処理手段13と、サーバコンピュータ2との通信を行う通信手段1cとを備えている。
次にこのような構成におけるファイル配布処理動作について説明する。先づ、2台のコンピュータのうち、どちらをサ-バにしてどちらをクライアントにするかを予め決定する。
第1図のようにコンピュータ1をクライアントにし、コンピュータ2をサ-バにして、ファイルを更新し、その配布を行う場合、サーバコンピュータ2上では、そのファイルを更新済みファイル27として格納すると同時に、そのファイルをクライアントコンピュータ1上に格納する場合の手順を記述した更新手順記述ファイル28を作成し、さらにファイル更新の履歴を更新情報デ-タべ-スファイル26へ記入する。
クライアントコンピュータ1では、定刻起動処理手段11による定刻時、システム起動時起動処理手段12によるシステム起動時、もしくは対話起動処理手段13によるシステム管理者の指示時、のいずれかを契機として、更新実行管理手段14が起動され、更新済みファイル27の有無の検査およびその転送を開始する。
更新実行管理手段14は、まず遠隔データべース読込手段15を起動し、サーバコンピュータ2上の遠隔実行要求処理手段22に対し、更新情報データべースファイル26の内容を転送するよう要求する。遠隔実行要求処理手段22は、デ-タべ-スファイル読込手段23により、更新情報データベースファイル26の内容を読み込み、遠隔デ-タべース読込手段15に転送する。」(第2頁右下欄3行〜第3頁左下欄10行)、
「第2図は更新情報データベースファイル26のフォーマットを示したものであり」(第3頁左下欄11〜12行)、
「更新実行管理手段14は、得られた更新情報の各エントリについて、更新情報フィルタ手段16によって、自コンピュータ1上にすでに存在する被更新ファイル1bの情報だけを抽出する。これにより、日付比較手段17では、自コンピュータ1上の被更新ファイルlbとサーバコンビュータ上の更新済みファイル27との新旧を比較する。すなわち、日付比較手段17は、自コンピュータ1上の被更新ファイルlbについては日付読み取り手段18により、またサ-バコンピュータ2上の更新済みファイル27については日付読み取り手段24から遠隔実行要求処理手段22を介して、各々の最終修正日時を得る。
更新済みファイル27より被更新ファイルlbが古い場合、更新実行管理手段14は遠隔更新手順ファイル読込手段19により要求を発行し、遠隔実行要求処理手段22を介して遠隔ファイル転送手段25により、更新手順記述ファイル28を読み込む。
読み込んだ更新手段の内容は、更新手順実行手段1aにより実行され、更新されたファイルがクライアントコンピュータ1に転送および格納される。この手順により更新済みファイル27を格納すると、次に更新実行管理手段14が起動されても、すでにファイルの日付は最新のものになっているので、日付比較手段17で古いと判断されることがなく、再度転送処理が行われることはない。
以上の処理により、サーバコンピュータ2上で更新されたファイル27をクライアントコンピュータ1上に自動的に配布することができて、各コンピュータ1,2上のファイルの更新状況を最新の状態に確実に保持させることができる。」(第3頁左下欄17行〜第4頁左上欄8行)、とする発明が記載されている。
3.対比・判断
本件請求項1に係る発明と上記刊行物記載発明とを対比するに、
刊行物記載発明は通信路を介して接続された複数のコンピュータシステム間で更新ファイルを配布するものであることから本件請求項1に係る発明の「分散処理システム」に相当し、
刊行物記載発明の「更新済みファイル27」はサーバコンピュータの最新基準データを格納するものである点で本件請求項1に係る発明「マスタファイル」に相当し、
刊行物記載発明の「サーバコンピュータ2」は本件請求項1に係る発明「親ワークステーション」に相当し、
刊行物記載発明の「通信路30」は本件請求項1に係る発明の「通信回線」に相当し、
刊行物記載発明の「被更新ファイル1b」はクライアントコンピュータの最新基準データを格納するものである点で本件請求項1に係る発明の「スレーブファイル」に相当し、
刊行物記載発明の「クライアントコンピュータ1」は本件請求項1に係る発明の「子ワークステーション」に相当し、
上記刊行物の「更新実行管理手段14は、まず遠隔データべース読込手段15を起動し、サーバコンピュータ2上の遠隔実行要求処理手段22に対し、更新情報データべースファイル26の内容を転送するよう要求する。遠隔実行要求処理手段22は、デ-タべ-スファイル読込手段23により、更新情報データベースファイル26の内容を読み込み、遠隔デ-タべース読込手段15に転送する。」および「日付比較手段17は、・・・サ-バコンピュータ2上の更新済みファイル27については日付読み取り手段24から遠隔実行要求処理手段22を介して、各々の最終修正日時を得る。」との記載からみて、刊行物記載発明の「日付読み取り手段24」と「遠隔実行要求処理手段22」と「データベースファイル読込手段23」は、「「最終修正日時」および「ファイルの更新情報」」と「ディレクトリリスト」の相違はあるが、本件請求項1に係る発明の「デリバリ開始通知部」に対応し、
上記刊行物の「日付比較手段17は、・・・サーバコンピュータ2上の更新済みファイル27については日付読み取り手段24から遠隔実行要求処理手段22を介して、各々の最終修正日時を得る」および「更新実行管理手段14は遠隔更新手順ファイル読込手段19により要求を発行し、遠隔実行要求処理手段22を介して遠隔ファイル転送手段25により、更新手順記述ファイル28を読み込む。読み込んだ更新手段の内容は、更新手順実行手段1aにより実行され、更新されたファイルがクライアントコンピュータ1に転送および格納される。この手順により更新済みファイル27を格納する」との記載によれば、上記刊行物記載発明の「遠隔実行要求処理手段22」と「日付読み取り手段24」と「遠隔ファイル転送手段25」は、本件請求項1に係る発明の「前記子ワークステーションから要求されたデータまたは情報を前記マスタファイルから取り出して送付するマスタデリバリ部」に相当し、
刊行物記載発明が「読み込んだ更新手段の内容は、更新手順実行手段1aにより実行され、更新されたファイルがクライアントコンピュータ1に転送および格納される。」および「日付比較手段17では、自コンピュータ1上の被更新ファイルlbとサ‐バコンビュ-タ上の更新済みファイル27との新旧を比較する。」とするものであってみれば、刊行物記載発明の「被更新ファイル1b」を更新する「更新手順実行手段」は本件請求項1に係る発明の「スレーブファイルを更新するスレーブファイル更新部」に相当し、
刊行物記載発明が「更新実行管理手段14は、得られた更新情報の各エントリについて、更新情報フィルタ手段16によって、自コンピュータ1上にすでに存在する被更新ファイル1bの情報だけを抽出する。これにより、日付比較手段17では、自コンピュータ1上の被更新ファイルlbとサーバコンピュータ上の更新済みファイル27との新旧を比較する。すなわち、日付比較手段17は、自コンピュータ1上の被更新ファイルlbについては日付読み取り手段18により、またサーバコンピュータ2上の更新済みファイル27については日付読み取り手段24から遠隔実行要求処理手段22を介して、各々の最終修正日時を得る。更新済みファイル27より被更新ファイルlbが古い場合、更新実行管理手段14は遠隔更新手順ファイル読込手段19により要求を発行し、遠隔実行要求処理手段22を介して遠隔ファイル転送手段25により、更新手順記述ファイル28を読み込む。読み込んだ更新手段の内容は、更新手順実行手段1aにより実行され、更新されたファイルがクライアントコンピュータ1に転送および格納される。」とするものであってみれば、刊行物記載発明の「更新実行管理手段14」は本件請求項1に係る発明の「スレーブデリバリ部」に相当し、
刊行物記載発明の「ファイル配布方式」は本件請求項1に係る発明の「分散処理システムにおけるマスタファイルの自動デリバリシステム」に相当する。
結局、両者は
「分散処理システム全体で共有されるデータまたは情報が格納されるマスタファイルを備える親ワークステーションと、この親ワークステーションと通信回線によって接続され、前記マスタファイルから取得したデータまたは情報が格納されるスレーブファイルを備える子ワークステーションとによって分散処理を実行する分散処理システムにおけるマスタファイルの自動デリバリシステムであって、
前記親ワークステーションは、
前記子ワークステーションに対して、前記マスタファイルの(更新情報)を送付するデリバリ開始通知部と、
前記子ワークステーションから要求されたデータまたは情報を前記マスタファイルから取り出して送付するマスタデリバリ部とを備え、
前記子ワークステーションは、
前記スレーブファイルを更新するスレーブファイル更新部と、
前記親ワークステーションから送付された前記マスタファイルのディレクトリリストの内容と前記スレーブファイルのディレクトリリストの内容とを比較し、
相違する前記マスタファイルのデータまたは情報の送付を前記親ワークステーションに要求し、その結果として受け取った該データまたは情報で前記スレーブファイルを更新することを前記スレーブファイル更新部に指示するスレーブデリバリ部とを備えたことを特徴とする分散処理システムにおけるマスタファイルの自動デリバリシステム。」で一致し、
(1)デリバリ開始通知部が送付する対象を、本件請求項1に係る発明では「マスタファイルのディレクトリリスト」であるのに対し刊行物記載発明では「マスタファイル」の「最終修正日時」および「ファイルの更新情報」である点、
(2)親ワークステーションは、本件請求項1に係る発明では「子ワークステーションから送付されたデータまたは情報でマスタファイルを更新するマスタファイル更新部」を備えているのに対し、刊行物記載発明ではそのような構成が明記されていない点、
(3)子ワークステーションは、本件請求項1に係る発明では「スレーブファイル更新部が更新したスレーブファイルのデータまたは情報を親ワークステーションに送付する更新資産登録部」を備えているのに対し、刊行物記載発明ではそのような構成が明記されていない点、
で相違する。
以下、相違点について審究する。
(相違点(1)について)
本件請求項1に係る発明の「ディレクトリリスト」は、発明の詳細な説明の欄には、「マスタリストファイルおよび前記スレーブリストファイルには、ディレクトリリストとして少なくともファイル名と版数が格納されている。」(段落【0009】)と説明されている。ファイル単位で更新するものであってみれば、更新情報としてファイル名は当然自明であり、ファイルを記憶する必要から版数および修正日時も当然自明である。さらには更新情報としてバージョン情報即ち版数は先の拒絶の理由で引用した刊行物である特開平4-294433号公報にも示されている。しかも、上記刊行物には更新対象として修正日時の他にファイル名も上記刊行物に「第2図は更新情報データベースファイル26のフォーマットを示したものであり」と示されている第2図に図示されている。
してみれば、上記相違点(1)は、当業者には自明な事項であり、当業者が必要に応じて容易に成し得ることである。
(相違点(2)について)
上記刊行物には、産業上の利用分野の項に(a)「本発明は、通信路を介して接続された複数のコンピュータシステム間で更新ファイルを配布するファイル配布方式に関する。」、従来の技術の項に(b)「更新されたファイルの配布は、配布元からの通知にもとづいて、各々のコンピュータシステムの管理者がそれを引き取る方式になっていた。」、本件発明のファイル配布処理の説明において(c)「サーバコンピュータ2上で更新されたファイル27をクライアントコンピュータ1上に自動的に配布することができて、各コンピュータ1,2上のファイルの更新状況を最新の状態に確実に保持させることができる。」
(d)「先づ、2台のコンピュータのうち、どちらをサ-バにしてどちらをクライアントにするかを予め決定する。」
と記載されている。
以上の記載によれば、サーバコンピュータ2の更新済みファイル27はサーバコンピュータ2上で更新されることから、実質的にサーバコンピュータ2に更新済みファイル27の更新部を有することは明らかである。
また、更新ファイルを配布元からの通知にもとづいて、各々のコンピュータシステムが引き取ることが、上記(b)の様に周知事項(例えば特開平5-66985号公報参照)であってみれば、更新ファイルを、更新処理するコンピュータ、即ち、サーバコンピュータ2以外のコンピュータから更新ファイルとして送付されるようにし、その更新ファイルをサーバコンピュータ2が引き取り更新処理することは上記周知事項に基づいて当業者が容易に成し得ることといえる。
してみれば、上記相違点(2)は上記刊行物の上記記載および周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものといえる。
(上記相違点(3)について)
上記(b)に示されているように、更新ファイルを配布元からの通知にもとづいて、各々のコンピュータシステムが引き取ることが、上記(b)の様に周知事項(例えば特開平5-66985号公報参照)であってみれば、当該コンピュータシステムの更新ファイルを他のコンピュータシステムに送付する手段を有することは明らかである。そして、前記手段を更新資産登録部ということは当業者が適宜成しうることである。
してみれば、上記相違点(3)は上記刊行物の上記記載および周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものといえる。
4.むすび
以上のとおりであるから、本件請求項1に係る発明は、上記刊行物記載発明および周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2000-07-19 
結審通知日 2000-08-01 
審決日 2000-08-18 
出願番号 特願平6-119298
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石井 茂和  
特許庁審判長 及川 泰嘉
特許庁審判官 菅原 道晴
江頭 信彦
発明の名称 分散処理システムにおけるマスタファイルの自動デリバリシステム  
代理人 京本 直樹  
代理人 京本 直樹  

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