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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G02B
管理番号 1026297
審判番号 審判1999-2061  
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1991-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-02-10 
確定日 2000-09-29 
事件の表示 平成 1年特許願第287214号「大出力レーザ光伝送構造体」拒絶査定に対する審判事件[平成 3年 6月25日出願公開、特開平 3-148608]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成1年11月2日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成11年3月9日付で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。(以下、「本願発明」という。)
「安全域に設けたレーザ源から発生した大出力レーザ光を、放射能汚染域や有毒ガス発生域等の悪環境域内の出射端まで伝送する伝送構造体に於て、
ファイバ伝送路が、上記安全域内に配置される光ファイバと、上記悪環境域内に配置される光ファイバとを、接続分離自在のコネク夕接続部で接続してなり、該コネクタ接続部が、上記安全域と悪環境域との境界又はその近傍に配設されたことを特徴とする大出力レーザ光伝送構造体。」
2.引用例
これに対して、当審における、平成12年4月19日付けで通知した拒絶の理由に引用した本願の出願前に頒布された特開昭60-218606号公報(以下、「引用例1」という。)には、次のように記載されている。
「従来イメージファイバ像伝送装置で使用するイメージファイバは長さ方向に一体に形成されているため、部分的に変質したり、性能が劣化したりすると、その部分だけ変換することが不可能であり、このため大部分が正常であってもその全部を廃棄しなければならない不便がある。例えば、イメージファイバ像伝送装置の使用の一例として、第1図に示すような耐放射線性を備えたグローブボックス01中にある被試験物02をボックス01の外から観察するためにイメージファイバ03が使用される。
この場合被試験物02の放射能によりイメージファイバ03の先端部04は数時間で失透し劣化してしまう。このため先端部04以外の部分が充分使用に耐える状態にあってもイメージファイバ全体を交換せねばならない。さらにその際の交換工事はボックス内除線作業など時間と手間のかかるものとなり、場合によっては交換が事実上不可能なためボックス毎廃棄せねばならない場合もある。
同様のことは放射線に限らず有害ガス、高熱源等の存在する場所での作業を外部から遠隔操作する場合にも生じているのが現状である。一方、このような従来のイメージファイバ像伝送装置の前記欠点を解消する手段として、3個のイメージファイバを夫々着脱自在に接続し、先端の1個を作業場内に入れ、他端を完全に場外に出して取扱い、損傷、変質或いは劣化したものを取外して交換する方法が考えられる。」(第1頁右下欄第12行〜第2頁左上欄第20行)
「撮像イメージファイバ1の出射部1b、結像レンズ2aと伝送イメージファイバの端部5cとは着脱可能にネジ形成された3個の環状部材6a,6b,6cからなる接続部6に被覆支持されて部品交換性を保持している。そして、この接続部6の内部には中間伝送イメージファイバ3が嵌入しており、さらに結像レンズ2aおよび第2次結像レンズ4aも嵌入している。」(第3頁左上欄第7行〜15行)
「このようにして構成されている像伝送系は撮像イメージファイバ1部分を作業場内に入れ、中間伝送イメージファイバ3部分を作業場との遮断壁間に入れ、伝送イメージファイバ5部分を完全に遮断壁外に出して使用するようにすればよい。」(第3頁左上欄第16行〜右上欄第1行)
この記載によれば、引用例1には、「放射線や有害ガス等の存在する場所の撮像イメージを安全域に伝送する伝送構造体において、ファイバ伝送路が、安全域内に配置される伝送イメージファイバ5と悪環境域内に配置される撮像イメージファイバ1とからなり、これらは接続分離自在に接続部6に接続されており、この接続部6を遮断壁間に入れて配置してなる光伝送構造体。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
また、同じく、本願の出願前に頒布された実願昭62-158377号(実開平1-62512号)のマイクロフィルム(以下、「引用例2」という。)には、「本考案の目的は、〜高エネルギのレーザービーム伝送に用いても安全性を損なうことのないエネルギ伝送用光コネクタを提供することにある。」(第3頁第11行〜14行)と記載され、また、「ハウジング3のスリーブ33内に2つのプラグ1のフェルール先端部を両端から挿入し、袋ナット12をアダプタ32のネジ部に噛合してプラグ1とハウジング3とを締結する。これにより、双方の光ファイバ心線14の端面が突き合わされ、光学的な接続がなされる。」(第5頁第20行〜第6頁第5行)と記載されている。
この記載によれば、引用例2には、高エネルギのレーザービーム伝送に用いる光ファイバをネジ部により接続分離自在に接続するエネルギ伝送用光コネクタの発明が記載されているものと認められる。
3.対比
本願発明と引用発明を比較すると、両者はともに光の伝送構造体に関する発明であって、引用発明の「伝送イメージファイバ5」と「撮像イメージファイバ1」は、それぞれ、安全域内に配置される光ファイバと悪環境内に配置される光ファイバであり、また、引用発明の「接続部6」は、伝送イメージファイバ5と撮像イメージファイバ1とを接続分離自在に接続するものであり、また、これは、安全域と悪環境域との境界またはその近傍である遮断壁間に入れて配置されるものであるから、両者は、ともに
「安全域と放射能汚染域や有毒ガス発生域等の悪環境域内との間で光を伝送する伝送構造体に於て、
ファイバ伝送路が、上記安全域内に配置される光ファイバと、上記悪環境域内に配置される光ファイバとを、接続分離自在のコネク夕接続部で接続してなり、該コネクタ接続部が、上記安全域と悪環境域との境界又はその近傍に配設された光伝送構造体。」の発明である点で一致する。
一方、安全域と放射能汚染域や有毒ガス発生域等の悪環境域内との間で光を伝送する伝送構造体によって、本願発明は、安全域に設けたレーザ源から発生した大出力レーザ光を悪環境域内の出射端まで伝送するものであるのに対し、引用発明は、悪環境域での撮像イメージを安全域に伝送するものである点で相違する。
4.当審の判断
上記相違点について検討するに、引用発明において、ファイバを安全域内に配置される伝送イメージファイバ5と悪環境内に配置される撮像イメージファイバ1とに分け、これらを接続部6で接続分離自在に接続するという構成を採用しているのは、引用例1に記載されているとおり、「ファイバは長さ方向に一体に形成されているため、部分的に変質したり、性能が劣化したりすると、その部分だけ変換することが不可能であり、このため大部分が正常であってもその全部を廃棄しなければ成らない不便がある。」という課題に対応するためであり、この構成により、「損傷、変質或いは劣化したものを取外して交換する」ことができるという作用効果を奏するものであるから、本願発明の目的、作用効果と格別異なるところはない。
また、上記引用例2には、高エネルギのレーザービーム伝送に用いる光ファイバをエネルギ伝送用光コネクタで分離自在に接続することが記載されているのだから、引用発明において撮像イメージを伝送するファイバの代わりに前記引用例2に記載の高エネルギレーザビームを伝送する光ファイバを適用し、本願発明の上記相違点の構成を想到することは、当業者が容易になし得たものと認められる。
5.むすび
したがって、本願発明は、引用例1及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2000-07-06 
結審通知日 2000-07-18 
審決日 2000-07-31 
出願番号 特願平1-287214
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 服部 秀男  
特許庁審判長 青山 待子
特許庁審判官 稲積 義登
吉田 禎治
発明の名称 大出力レーザ光伝送構造体  
代理人 中谷 武嗣  
代理人 中谷 武嗣  
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