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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B65G |
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管理番号 | 1026415 |
審判番号 | 審判1998-7067 |
総通号数 | 16 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1994-05-10 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1998-04-30 |
確定日 | 2000-10-11 |
事件の表示 | 平成 4年特許願第276872号「熱風乾燥装置」拒絶査定に対する審判事件[平成 6年 5月10日出願公開、特開平 6-127649]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
【1】本願発明 本願は、平成4年10月5日の出願であって、その請求項1乃至3に係る発明は、平成12年6月2日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1乃至3に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりである。 「【請求項1】ベルト走行路と直交させて第1ローラー、第2ローラー、及び第3ローラを連続的に配置し、該ベルトを、第1ローラーの上側、第2ローラーの下側、第3ローラーの上側を通過させ、上記第2ローラーをその軸線がベルト走行路とほぼ平行な面内で回動調節可能に支持したベルト走行路の制御装置を備え、さらに、上記ベルト走行路にベルト走行路の長さ調節装置を設けてなることを特徴とする熱風乾燥装置。」 【2】引用例 これに対し、当審における拒絶理由通知で引用した実願昭52-42261号(実開昭53-136782号)のマイクロフィルム(以下、「引用例」という。)には、 a.「リターンベルト又はキヤリヤベルトに係合する少なくとも1個以上の調芯ローラはその両端を可動板上に軸支され、該可動板はその中心を固定部材に枢支されていると共に、該可動板にリンク等を介して偏位モータが連設されていることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第1項記載のベルト蛇行自動調芯制御装置」(明細書第1頁第12〜18行) b.「図面において、(1)はリターンベルト、(2)はキヤリヤベルト、(3)はテールプーリー、(4)はヘツドプーリー、(5)はリターンローラー、(6)はキヤリヤローラー、(7)はスナツプローラー、(8)はリターン用調芯ローラー・・・を示している。」(明細書第2頁第11〜20行) c.「この発明は、・・・キヤリヤベルト(2)又はリターンベルト(1)のいずれか又はその双方に少なくとも1個以上接触せしめた調芯ローラ(8),(9)と、該調芯ローラ(8),(9)をベルト蛇行の修正のために駆動する偏角モータ(19)とから成り、ベルト蛇行の変位量を連続的に検出してこれに対応する修正量を前記偏角モータ(19)に賦与せしめるようにしたものに係わる。」(明細書第3頁第1〜12行) 等の記載があり、これらの各記載及び図面における各ローラーの配置を特に参照すれば、上記引用例には、 「リターンベルト1走行路と直交させて上流側のリターンローラー5、リターン用調芯ローラー8、及び下流側のリターンローラー5を連続的に配置し、該リターンベルト1を、上流側のリターンローラー5の上側、リターン用調芯ローラー8の下側、下流側のリターンローラー5の上側を通過させ、上記第リターン用調芯ローラー8をその軸線がリターンベルト1走行路とほぼ平行な面内で回動調節可能に支持したベルト蛇行自動調芯制御装置」 が記載されているものと認められる。 【3】対比、判断 本願発明と上記引用例に記載された発明とを対比すると、後者における「リターンベルト1」、「上流側のリターンローラー5」、「リターン用調芯ローラー8」、「下流側のリターンローラー5」、「ベルト蛇行自動調芯制御装置」は、その機能からみて各々前者における「ベルト」、「第1ローラー」、「第2ローラー」、「第3ローラー」、「ベルト走行路の制御装置」に相当することから、両者は、 「ベルト走行路と直交させて第1ローラー、第2ローラー、及び第3ローラを連続的に配置し、該ベルトを、第1ローラーの上側、第2ローラーの下側、第3ローラーの上側を通過させ、上記第2ローラーをその軸線がベルト走行路とほぼ平行な面内で回動調節可能に支持したベルト走行路の制御装置」 である点で一致するものの、次の各点で相違しているものと認められる。 (相違点1)前者のベルト走行路が熱風乾燥装置に備えられているものであるのに対し、後者のベルト走行路は、熱風乾燥装置に備えられているのか否か不明である点。 (相違点2)前者のベルト走行路には、ベルト走行路の長さ調節装置が設けられているのに対し、後者のベルト走行路には、このような長さ調節装置が設けられていない点。 以下、上記相違点について検討する。 (相違点1について) 被乾燥物を搬送しながら熱風により乾燥を行う熱風乾燥装置において、被乾燥物の搬送手段としてベルトを用いることは、この出願前周知の技術事項であり(例えば、特開昭61-134572号公報、特開昭49-124674号公報等参照)、しかも熱風乾燥装置においても、被乾燥物の搬送用ベルトに関し、その適正な走行制御は当然に望まれる事項であるから、引用例に記載されたベルトを熱風乾燥装置における被乾燥物の搬送用ベルトに適用して、ベルト走行路の制御装置を備えた熱風乾燥装置として構成することは、当業者であれば容易に想到し得るものと認められる。 (相違点2について) エンドレスコンベヤに関する技術分野において、コンベヤ自体の伸びを吸収するために、コンベヤ走行路に長さ調節装置を設けることは、この出願前周知の技術事項である(例えば、実願昭60-76696号(実開昭61-191317号)のマイクロフィルム、実願昭54-114737号(実開昭56-33206号)のマイクロフィルム)等参照)から、エンドレスコンベヤの一種であるベルトコンベヤを用いた引用例記載のベルト走行路に、斯かる周知技術を付加して、上記相違点における前者の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得るものと認められる。 そして、本願発明の奏する効果も、上記引用例に記載の発明及び周知技術から、当業者が予測できる範囲内のものであって、格別のものとは認められない。 【4】むすび したがって、本願発明は、上記引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2000-07-11 |
結審通知日 | 2000-07-25 |
審決日 | 2000-08-07 |
出願番号 | 特願平4-276872 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(B65G)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 深澤 幹朗、中島 昭浩、川口 薫 |
特許庁審判長 |
西野 健二 |
特許庁審判官 |
関谷 一夫 清水 信行 |
発明の名称 | 熱風乾燥装置 |
代理人 | 今城 俊夫 |
代理人 | 村社 厚夫 |
代理人 | 竹内 英人 |
代理人 | 大塚 文昭 |
代理人 | 小川 信夫 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 宍戸 嘉一 |