• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  A63F7
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載  A63F7
管理番号 1027522
異議申立番号 異議1999-70008  
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-03-12 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-01-07 
確定日 2000-07-24 
異議申立件数
事件の表示 特許第2772921号「弾球遊技機の制御装置」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第2772921号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 アルゼ株式会社の特許異議の申立てを却下する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第2772921号請求項1ないし6に係る発明は、平成6年8月31日に出願され、平成10年4月24日にその特許権の設定の登録がなされたものであり、その後、アルゼ株式会社及び町田 彬より特許異議の申立てがなされ、平成11年5月14日付けで取消理由通知がなされ、平成11年11月5日付けでその決定がなされ、その後、東京高等裁判所に特許取消決定取消請求がなされ、更に訂正審判請求(訂正2000-39022号)がなされ、平成12年3月30日付けで、上記訂正を認める旨の審決がなされ、平成12年5月31日付けで、上記決定を取り消す旨の判決がなされたものである。
2.特許異議申立てについて
ア.本件発明
本件請求項1ないし4に係る発明は、上記訂正審判請求書に添付された訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】遊技盤(5)に複数個の図柄表示部(23)(24)(25)を備え、遊技球が始動ゲート(20)に入った時に乱数処理手段(31)の乱数処理により各図柄表示部(23)(24)(25)の図柄を変動させて、各図柄表示部(23)(24)(25)の停止図柄が所定の当たり図柄の組み合わせになった当たり時に利益を還元するようにした弾球遊技機において、遊技盤(5)に、前記各図柄表示部(23)(24)(25)と異なる画像を表示する画像表示手段(18)を設け、始動ゲート(20)に遊技球が入球する毎に、画像表示手段(18)がその時の前記乱数処理手段(31)の乱数処理条件に応じた画像を表示するように該画像表示手段(18)を制御する制御手段(33)を備え、始動ゲート(20)に遊技球が入球した時に発生する乱数を、当たり図柄を表示させる当たり乱数と、当たり図柄と関連する関連図柄を表示させる関連乱数と、これら当たり乱数及び関連乱数以外の外れ乱数とに分け、制御手段(33)は、画像表示手段(18)に、当たり乱数の時に当たり画像、関連乱数の時に当たり画像と関連する関連画像、外れ乱数の時に当たり画像及び関連画像以外の外れ画像を夫々表示させ、所定条件の下で関連乱数となる都度、画像表示手段(18)に特定順序で関連画像を表示させるようにしたことを特徴とする弾球遊技機の制御装置。
【請求項2】遊技盤(5)に複数個の図柄表示部(23)(24)(25)を有する変動図柄表示手段(17)を備え、遊技球が始動ゲート(20)に入った時に乱数処理手段(31)の乱数処理により変動図柄表示手段(17)の各図柄表示部(23)(24)(25)の図柄を変動させて、各図柄表示部(23)(24)(25)の停止図柄が所定の当たり図柄の組み合わせになった当たり時に利益を還元するようにした弾球遊技機において、遊技盤(5)に、前記変動図柄表示手段(17)の各図柄表示部(23)(24)(25)と異なる画像を表示する画像表示手段(18)を設け、始動ゲート(20)に遊技球が入球する毎に、画像表示手段(18)がその時の前記乱数処理手段(31)の乱数処理条件に応じた画像を表示するように該画像表示手段(18)を制御する制御手段(33)を備え、始動ゲート(20)に遊技球が入球した時に発生する乱数を、当たり図柄を表示させる当たり乱数と、当たり図柄と関連する関連図柄を表示させる関連乱数と、これら当たり乱数及び関連乱数以外の外れ乱数とに分け、制御手段(33)は、画像表示手段(18)に、当たり乱数の時に当たり画像、関連乱数の時に当たり画像と関連する関連画像、外れ乱数の時に当たり画像及び関連画像以外の外れ画像を夫々表示させ、所定条件の下で関連乱数となる都度、画像表示手段(18)に特定順序で関連画像を表示させるようにしたことを特徴とする弾球遊技機の制御装置。
【請求項3】全乱数を複数個のブロックに分割すると共に、各ブロック毎に、当たり乱数、関連乱数及び/又は外れ乱数と、他のブロックに移動させるための移動乱数とを設定し、始動ゲート(20)に遊技球が入った時の乱数に応じて前記複数個のブロックの何れかを選択した後、移動乱数になるまで当該ブロックでの乱数処理に従って画像表示手段(18)に画像を表示させる制御手段(33)を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機の制御装置。
【請求項4】当たり乱数を含む当たりブロックと、当たり乱数を含まない外れブロックとに分割し、当たりブロックの関連乱数を外れブロックよりも多く設定したことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の弾球遊技機の制御装置。」
イ.申立ての理由の概要
申立人アルゼ株式会社は、本件特許請求項1ないし3に係る発明は、甲第1号証、甲第2号証に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができず、特許法第113条第2号の規定により取り消すべきものであると主張している。
申立人町田 彬は、「本件請求項1,2に係る発明は、甲第1号証,甲第2号証に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、これにより特許を受けることができないものであり、特許法第113条第1項第2号の規定により取り消すべきものである。
また、本件請求項1,2に係る発明は、本件特許出願前に日本国内において頒布された刊行物である甲第1号証に記載された発明であるから、特許法第29条1項第3号の規定に該当し、これにより特許を受けることができないものであり、特許法第113条第1項第2号の規定により取り消すべきものである。
また、本件請求項3に係る発明は、甲第1号証,甲第3号証(又は甲第4号証)に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、これにより特許を受けることができないものであり、特許法第113条第1項第2号の規定により取り消すべきものである。
さらに、本件請求項4に係る発明は、甲第1号証,甲第4号証に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、これにより特許を受けることができないものであり、特許法第113条第1項第2号の規定により取り消すべきものである。」と主張している。
ウ.申立人町田 彬の提出した甲各号証記載の発明
甲第1号証:特開平3-112578号公報
甲第2号証:特開平5-317500号公報
甲第3号証:特開平6-134109号公報
甲第4号証:特開平6-98968号公報
上記甲各号証には、それぞれ以下の如く記載されている。
[甲第1号証]
「遊技球が始動口60A、60B、60Cに入球したときに左図柄用乱数値、中図柄用乱数値、右図柄用乱数値、上図柄用乱数値の4つの乱数値がそれぞれ記憶され、この4つの乱数値が記憶されてから遊技球が始動口60A、60B、60Cに入球したときには既に記憶された4つの乱数値はそれぞれ新たに更新される。」(第8頁右下欄第3行〜第9行)
「遊技球が始動口60A、60B、60Cに入球すると、ドットマトリックス表示体109の各図柄表示部110A、110B、110C、110Dが一斉に図柄の変動表示を開始し、約5.2秒経過すると、各図柄表示部110A、110B、110C、110Dが左図柄112B、中図柄112C、右図柄112D、上図柄112Aの順に変動表示を停止する。
各図柄表示部110A、110B、110C、110Dが変動表示を停止したときに各図柄112A、112B、112C、112Dの組合せが入賞条件に合致するか否かが判定され、図柄の組合せが次表に示す組合せの通りになったときに「大当たり」と判定されて大入賞口65が開放される。」(第9頁左上欄第15行〜右上欄第9行)
[甲第2号証]
「この発明は、特定の入賞口に入賞する遊技媒体の検出信号に基づいて、所定の確率で、遊技媒体が入賞し易い状態に変換する特別遊技を実行する遊技機に関する。」(第1欄第18行〜第21行)
「この実施例に係るパチンコ遊技機10および球貸機20は概略上記のように構成されていて、遊技中、遊技領域19の始動口35、36、37のいずれかに球が入賞すると、その入賞がそれらの中の特定入賞検出器SW1に検出されて役物制御装置(後述)に記憶され、その記憶個数分だけ入賞個数記憶表示器(LED)45a〜45dが点灯されるようになっている。そして、その記憶に基づいて、前記左図柄表示部41、中図柄表示部42、右図柄表示部43の図柄(数字、記号、図柄なども含む。)の変動表示が所定時間なされた後に停止表示される可変表示ゲームが行なわれる。
・・・その結果、左図柄表示部41、中図柄表示部42、右図柄表示部43の停止図柄が・・・等のぞろ目の数字、或いは・・・等の同じ記号、或いは同じ図柄になると、大当りが発生する。この大当りが発生すると、変動入賞装置50の開閉扉52が所定時間ずつ所定サイクル開放される特別遊技が行なわれる。」(第4欄第48行〜第5欄第23行)
[甲第3号証]
「始動口112,120,121のいずれかへのパチンコ玉の入賞によって近接センサSからパチンコ玉の検出信号が役物制御装置800に入力され、役物制御装置800のCPU806は.確率設定装置801で設定された所定の確率値に基づいて、例えば、リーチ状態であるか否か(即ち、特別図柄表示装置103の停止図柄が当り図柄 配列と一部で一致するか否か)を判定し、この判定の結果がリーチ状態である場合には、CPU806の制御によって特別図柄表示装置103で可変表示ゲームの実行が開始されると同時に、役物制御装置800から所定の制御信号が発せられ、その制御信号に基づいて前記作動表示ランプ及びLEDがリーチ状態の視覚的報知装置として作動すると共に、前記スピーカー92がリーチ状態の聴覚的報知装置として作動し、可変表示ゲームの開始前、或いは可変表示ゲームの実行中に(例えば、中図柄表示部105に図柄が停止表示されるまでの間)、遊技者に対して大当りの発生する可能性を報知するようにも構成できる。」(第11欄第39行〜第12欄第6行)、
「本実施例では、視覚的報知装置としてランプやLED等の発光素子を点滅させる場合について説明したが、これに限らずCRTディスプレイや液晶ディスプレイ等に所定の映像や文字情報を表示するようにして、当り状態やリーチ状態を報知するようにしても良い。」(第15欄第12行〜第17行)
[甲第4号証]
「【0090】図44(A)は、リーチ状態が開始された後の途中における各図柄の表示の例を示している。図に示すように、すでに左図柄と右図柄が一致し、それらの図柄枠を持つ女性キャラクタも同一のキャラクタが表示されている。図44(A)に示すように左右の停止図柄が「7」「7」の場合には、中図柄が「7」となれば当りであり、中図柄が「6」または「8」となれば特殊リーチ状態となるが、その他の図柄(例えば、「1」や「2」)には特典はないため、それら1や2等の図柄には特にキャラクタは付加されていない。
【0091】しかし、図44(B)に示すように、「6」の図柄などでは、上記の図32のステップS324 のデータにより、最初から女性キャラクタ付きで変換(移動)表示される。遊技者にこの図柄で停止すれば特典があることを報知する意味もこめられている。
【0092】図45(A)は、ハズレ(例えば、「7,1,7」)の図柄に停止した直後の様子を示している。リーチ状態となっても、ハズレの場合は、このように、中図柄の背後から通常の停止時の女性キャラクタが登場する。ハズレであるから、当然、この女性キャラクタは左右の女性キャラクタとは異なるキャラクタである。
【0093】一方、図45(B)は、通常のリーチ状態から直接「当り」となる直前の様子を示したものである。図に示すように、当りとなる「7」の図柄には最初から女性キャラクタが付加されており、背後から登場するのではなく、そのままキャラクタ付きで「7」変換(移動)表示される。」(第18欄第50行〜第19欄第26行)
「【0101】図46(A)は、特殊リーチ状態で一旦停止した時点における各図柄の表示の例を示している。図に示すように、すでに左図柄と右図柄がそれぞれ「7」となって一致し、それらの図柄枠を持つ女性キャラクタも同一のキャラクタが表示されている。そして、中図柄が「6」となっており、特殊リーチ状態となったことが表示されている。図44(A)に示すように左右の停止図柄が「7」「7」の場合には、中図柄が「6」または「8」となれば特殊リーチ状態である。この場合には、予め女性キャラクタ付きで変換表示(移動表示)され、図46(A)のような状態で一旦停止するのである。
【0102】次に、特殊リーチ状態で一旦停止した後は、中図柄の女性キャラクタは、図柄枠で頭部を隠し、図柄枠を高く掲げるようにして持つ。その後、この女性キャラクタ及び掲げられた図柄枠自体は停止するが、図柄枠内で図柄が上方から下方に移動するように変換表示される(図46(B))。
【0103】図47(A)は、上記の特殊リーチ状態からハズレ(例えば、「7,8,7」)となる直前の様子を示している。そして、中図柄が「8」で停止すると、図47(B)に示すように、高く掲げられていた額縁状の図柄枠がおろされ、中図柄の背後から女性キャラクタの頭部が現れる。ハズレであるから、当然、この女性キャラクタは左右の女性キャラクタとは異なるキャラクタである。
【0104】一方、図48(A)は、上記の特殊リーチ状態から当り(例えば、「7,7,7」)となる直前の様子を示している。そして、中図柄が「7」で停止すると、図48(B)に示すように、高く掲げられていた額縁状の図柄枠がおろされ、中図柄の背後から女性キャラクタの頭部が現れる。当りであるから、当然、この女性キャラクタは左右の女性キャラクタと同一のキャラクタである。最後に、この中図柄の女性キャラクタは、遊技者に「当り」であることを知らせる意味を込めてウインクし、停止が完了する。」(第20欄第22行〜第21欄第6行)
エ.判断
本件訂正明細書の請求項1及び2に係る発明は、本件訂正前の特許明細書の請求項4に係る発明に相当し、本件訂正明細書の請求項3に係る発明は、本件訂正前の特許明細書の請求項5に係る発明に相当し、本件訂正明細書の請求項4に係る発明は、本件訂正前の特許明細書の請求項6に係る発明に相当し、本件訂正前の特許明細書の請求項1ないし3に係る発明は、実質的に削除された。
したがって、申立人アルゼ株式会社の特許異議の申立ての対象が存在しない。また、申立人町田 彬の本件訂正前の特許明細書の請求項1ないし3に係る発明についての特許異議の申立てについては判断を要しない。
そこで、本件訂正明細書の請求項1及び2に係る発明と上記甲第1〜4号証に記載された発明とを対比する。
上記甲第1〜4号証に記載された発明は、本件訂正明細書の請求項1及び2に係る発明を特定する事項である「所定条件の下で関連乱数となる都度、画像表示手段(18)に特定順序で関連画像を表示させる」構成を備えておらず、これを示唆する記載も認められない。そして、本件訂正明細書の請求項1及び2に係る発明は、上記構成を備えることにより、「その関連画像自体によって物語性等の変化を持たせた面白いゲームを構成することができる」という顕著な効果を奏するものであるから、上記甲第1〜4号証に記載された発明でないことは明らかであり、かつこれらの甲各号証に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
なお、上記甲第4号証では、リーチ状態に応じて、女性キャラクタが異なっているが、本件訂正明細書の請求項1及び2に係る発明のように、関連乱数となる都度(リーチ状態)、画像表示手段(18)に特定順序で関連画像を表示させるようにするものではない。
エ.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件訂正明細書の請求項1及び2に係る発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件訂正明細書の請求項1及び2に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 1999-11-05 
出願番号 特願平6-232238
審決分類 P 1 652・ 113- Y (A63F7)
P 1 652・ 121- Y (A63F7)
最終処分 維持  
前審関与審査官 土屋 保光  
特許庁審判長 馬場 清
特許庁審判官 鈴木 寛治
吉村 尚
村山 隆
平瀬 博通
登録日 1998-04-24 
登録番号 特許第2772921号(P2772921)
権利者 株式会社藤商事
発明の名称 弾球遊技機の制御装置  
代理人 有我 軍一郎  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ