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審決分類 審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備  H01L
審判 全部申し立て 2項進歩性  H01L
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  H01L
管理番号 1027571
異議申立番号 異議2000-71543  
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1992-11-05 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-04-10 
確定日 2000-09-20 
異議申立件数
事件の表示 特許第2963549号「半導体パッケージ」の請求項1、2についての特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第2963549号の請求項1、2についての特許を維持する。 
理由 [1]本件発明
本件特許第2963549号(平成3年4月10日出願、平成11年8月6日設定登録)の発明は、特許された明細書及び図面(以下、「特許明細書」という。)の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1、2に記載されたとおりのもの(以下「本件発明1、2」という。)である。

[2]特許異議の申立ての理由の概要
異議申立人京セラ株式会社は、甲第1号証を提示して、本件発明1、2は甲第1号証に記載の発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、また、本件発明1、2は甲第1号証に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、同法第29条第2項の規定に該当し、さらに、発明の詳細な説明には、当業者が容易に発明を実施することができる程度にその発明の構成が記載されていないから、同法第36条第4項の規定に該当し、本件発明の1、2ついての特許は同法第113条第2号により、また、本件発明1についての特許は同法第113条第4号により取り消すべきものである旨主張している。
なお、異議申立人は、甲第1号証とともに参考資料1を提出している。

[3]甲第1号証について
甲第1号証の特開平3-224253号公報は、本件特許に係る出願の出願日である平成3年4月10日後の平成3年10月3日に公開されたものであって、本件特許に係る出願の出願前に公開されたものではなく、特許法第29条第1項第3号に規定する、特許出願前に頒布された刊行物には該当しないから、異議申立人の、本件発明1、2は甲第1号証に記載の発明であり、同法第29条第1項第3号の規定に該当し、また、本件発明1、2は甲第1号証に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、同法第29条第2項の規定に該当する、との主張は、特許出願前に頒布された刊行物には該当しないものを刊行物とする主張であって、採用できない。

[4]記載不備について
異議申立人は、本件発明1の「ろう材と反応してろう材の凝固点を上昇させる反応成分」について、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、銀ろうに対するリン成分以外には何ら記載されておらず、具体的にいかなるろう材に対していかなる反応成分がろう材の凝固点をいかほど上昇させるのかについて何ら開示されていない旨主張している。
しかしながら、発明の詳細な説明には、本件発明1の実施例として、凝固点780℃の銀ろうがNi-8%Pの合金メッキ層のリン成分と反応して、その凝固点を約20℃上昇させることにより、ろう付け時の銀ろうの周囲への広がりを防止することが開示されており、本件発明1の「ろう材と反応してろう材の凝固点を上昇させる反応成分」の具体例が、発明の詳細な説明中に明りょうに開示されているから、発明の詳細な説明には、当業者が容易に実施できる程度にその発明の構成が記載されている。
したがって、異議申立人の上記主張は採用できない。

[6]むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由によっては、本件発明1、2についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1、2についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件発明1、2についての特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してなされたものとは認められない。
よって、平成6年改正法附則第14条の規定に基づく、平成7年政令第205号第4条第2項の規定により、上記のとおり決定する。
 
異議決定日 2000-08-25 
出願番号 特願平3-77892
審決分類 P 1 651・ 113- Y (H01L)
P 1 651・ 531- Y (H01L)
P 1 651・ 121- Y (H01L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 田中 永一  
特許庁審判長 関根 恒也
特許庁審判官 伊藤 明
池田 正人
登録日 1999-08-06 
登録番号 特許第2963549号(P2963549)
権利者 日本特殊陶業株式会社
発明の名称 半導体パッケージ  

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