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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1030627
審判番号 審判1999-15770  
総通号数 17 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1992-08-14 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-10-07 
確定日 2000-12-13 
事件の表示 平成 2年特許願第408362号「半導体装置の製造方法」拒絶査定に対する審判事件[平成 4年 8月14日出願公開、特開平 4-225531]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 (出願の経緯・発明の要旨)
本願は、平成2年12月27日の出願であって、その発明の要旨は、平成11年8月4日付、平成11年8月9日付及び平成11年11月8日付手続き補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲1〜6に記載されたとおりの「半導体装置の製造方法」と認められるところ、請求項1記載の発明(以下、本願発明という。)は以下のとおりである。
「半導体基板上に第1の絶縁膜を堆積する工程と、
前記第1の絶縁膜上に所定形状のパターンを形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上に少なくとも前記パターンの側壁を覆うように第2の絶縁膜を堆積する工程と、
前記パターンを除去して前記第2の絶縁膜に開口を形成する工程と、
前記開口内の前記第1の絶縁膜を除去し前記半導体基板を露出した後、前記半導体基 板上に第3の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜及び第3の絶縁膜上に亘って電極材料膜を堆積する工程と、
前記電極材料膜を前記開口のみに残存せしめる工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。」
(引用例)
原審における拒絶理由において引用された特開平1-137673号公報(以下、「引用例」という。)は、半導体装置の製造方法に関するものであり、第1A図〜1E図と共に以下の点が記載されている。
「以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1A図から第1E図は本発明の一実施例を説明するための工程断面図である。
まず第1A図に示すように従来の技術でも説明したように通常の工程で、シリコン(100)基板1上に例えばSiO2からなるフィールド絶縁膜2 、ゲート絶縁膜3を形成した後、Si3N4をCVD(化学的気相成長)法で全面に堆積しゲートのパターニングと同様のパターニングをSi3N4に行ない Si3N4からなるゲートと同一形状のゲ-ト部位絶縁膜4を形成する。その後ソ-ス・ドレインの不純物注入を行ないアニールによる活性化を行なう。
次に第1B図(第10図は第1B図の誤記と認定した。)に示すようにCVD法によりゲート絶縁膜と同一材質のSiO2からなる第3の絶縁膜5をゲート部位絶縁膜4を十分に被覆できしかもゲート絶縁膜3上ではゲート部位絶縁膜4の厚さ以上の程度の厚さに堆積する。
次に第1C図に示すようにプラズマエッチング等によりエッチバック(平坦化エッチング)を行ないゲ-ト部位絶縁膜4上面が露出する位置迄第3の絶縁膜5を除去する。
次に第1D図に示すようにリン酸系エッチング液を用いて Si3N4からなるゲート部位絶縁膜4のみエッチオフし、次にAlを蒸着しパターニングすることにより第1E図のようにAlゲートのMOSFETがセルフアラインで形成できる。」(第3頁左上欄第2行目〜右上欄第7行目)、「なお、第1D図で説明したSi3N4膜4のエッチングによりリン酸系エッチング液によるゲート酸化膜の荒れを考慮して第1D図の段階で一度ゲート酸化膜3をエッチオフして新たに熱酸化により形成してもよい。なお Si3N4膜以外に本実施例ではSiC等も使用できる。」(第3頁右上欄第11〜16行目)
してみると、上記引用例には、「シリコン基板1上にゲート絶縁膜3を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜3上にパターニングによってゲ-ト部位絶縁膜4を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜3上に少なくとも前記パターニングによって形成したゲ-ト部位絶縁膜4の側壁を覆うように第3の絶縁膜5を堆積する工程と、
前記パターニングによって形成されたゲ-ト部位絶縁膜4を除去して前記第3の絶縁膜に開口を形成する工程と、
前記開口内の前記記ゲート絶縁膜3を除去し前記シリコン基板1を露出した後、前記シリコン基板1上に新たに熱酸化により形成したゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記第3の絶縁膜及び新たに熱酸化により形成したゲート絶縁膜上に亘ってAlを蒸着しパターニングする工程とを有する半導体装置の製造方法。」が記載されているものと認められる。
(対比)
次に、本願発明と上記引用例記載の発明とを対比すると、上記引用例記載の発明の「シリコン基板1」、「ゲート絶縁膜3」、「パターニングによって形成されたゲ-ト部位絶縁膜4」、「第3の絶縁膜5」、「新たに熱酸化により形成したゲート絶縁膜」、「Al」はそれぞれ本願発明の 「半導体基板」 、「第1の絶縁膜」 、「パタ-ン」、「第2の絶縁膜」 、「第3の絶縁膜」、「電極材料膜」に相当するから、本願発明と上記引用例記載の発明とは、
「半導体基板上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上にパターンを形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上に少なくとも前記パターンの側壁を覆うように第2の絶縁膜を堆積する工程と、
前記パターンを除去して前記第2の絶縁膜に開口を形成する工程と、
前記開口内の前記第1の絶縁膜を除去し前記半導体基板を露出した後、前記半導体基板上に第3の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜及び第3の絶縁膜上に亘って電極材料膜を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。」の点で一致するが、
相違点1:本願発明は半導体基板上に第1の絶縁膜を堆積によって形成しているのに対して引用例には堆積による形成の記載がない点、
相違点2:本願発明は第1の絶縁膜上に形成するパターンを所定形状にするのに対して
引用例には上記パターンを所定形状にする記載がない点、
相違点3: 本願発明は電極材料膜を堆積して形成するのに対して引用例1では電極材料膜を蒸着しパターニングして形成する点、
相違点4:本願発明は電極材料膜を開口のみに残存せしめるのに対して引用例1では電極材料膜を開口以外にも残存せしめる点 、
において両者は相違する。
(検討)
そこで、上記相違点について検討する。
相違点1:半導体基板上への絶縁膜の形成に堆積を用いることは普通に用いられている絶縁膜の形成の一つの方法にすぎず、半導体基板上に第1の絶縁膜を堆積することに格別の困難性は認められない。
相違点2:第1の絶縁膜上に形成するパターンの形状を所定のものにすることは当業者が必要に応じて容易に採りうる設計的事項にすぎない。
相違点3:電極材料膜の形成方法として堆積して形成するか、あるいは蒸着しパターニングして形成するは、両者とも周知の電極材料膜の形成方法であり、どちらを採用するかは、当業者が必要に応じて容易に選択しうるものと認められる。
相違点4:半導体装置の製造方法において、電極材料膜を絶縁膜に形成された開口のみに残存せしめることは、特開平1-225362号公報(例えば、第3頁左下欄第6〜12行目,第5図(g)〜(i)参照。)に示すように周知技術である。従って、引用例記載の電極材料膜を上記周知技術を適用して絶縁膜に形成された開口のみに残存せしめることに格別の困難性は認められない。
(むすび)
本願発明は、上記引用例に記載された発明及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることできたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。そうである以上、他の発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2000-08-23 
結審通知日 2000-09-01 
審決日 2000-10-13 
出願番号 特願平2-408362
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 今井 拓也  
特許庁審判長 張谷 雅人
特許庁審判官 浅野 清
橋本 武
発明の名称 半導体装置の製造方法  
代理人 鈴江 武彦  

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