• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G11C
管理番号 1031253
審判番号 審判1997-21003  
総通号数 17 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1997-12-11 
確定日 2001-01-24 
事件の表示 平成 6年特許願第300178号「半導体メモリ装置およびそのリフレッシュ方法」拒絶査定に対する審判事件[平成 8年 5月31日出願公開、特開平 8-138374]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯・本願発明
本願は、平成6年11月10日の出願であって、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という)は、平成9年1月27日付の手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。
「リフレッシュ機能を有する半導体メモリ装置において、1回のリフレッシュサイクル内において実行されるリフレッシュ実行回数が製造時に予め設定されたリフレッシュ制御手段を有し、1回のリフレッシュサイクル内に前記リフレッシュ制御手段に設定されたリフレッシュ実行回数だけリフレッシュが実行されることを特徴とする半導体メモリ装置。」
なお、本願については、平成9年9月22日付の手続補正がされたが、これは平成9年10月31日付の補正の却下の決定により却下された。

2.引用文献
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用した特開昭60-35398号公報(以下「刊行物1という。」には、以下の事項が記載されている。
「第2図は本発明の一実施例の要部を示すブロック図である。
本実施例は、・・・リフレッシュ制御機能を有するRSFHバー端子を備えるダイナミック形半導体記憶装置において、RSHFバー端子へのクロック入力により活性化され、・・・指定のリフレッシュ回数が終了したときに外部へリフレッシュ終了信号14を出力するリフレッシュ制御回路13と、このリフレッシュ制御回路13からの制御信号15、16により・・・リフレッシュ回数として取り込みリフレッシュ回数をリフレッシュするのに必要な時間間隔で計数しリフレッシュ回数があらかじめ指定した回数となったときにリフレッシュ回数終了信号18をリフレッシュ制御回路13に出力するリフレッシュ回数入力計数回路11と、このリフレッシュ回数入力計数回路11からの出力信号17及びリフレッシュ制御回路13からの制御信号19とによりリフレッシュアドレス20を発生させるリフレッシュアドレス発生回路12とを含むことから構成される。」(第2頁左下欄第17行-右下欄第20行)
「RSFHバー端子への1回のクロック入力と、アドレス端子へのリフレッシュ回数入力のみにより、あらかじめ指定した回数だけ外部から制御を必要とせずに、リフレッシュと内部初期化を連続的に行い、かつ、リフレッシュ終了後はリフレッシュ終了信号を外部へ送出することができる。」(第3頁左下欄第19行-右下欄第5行)
(なお、刊行物1原文においては、「RSFHバー」は、RSFHの上部に横棒で記載されている。)
したがって、刊行物1には、
「リフレッシュ機能を有するダイナミック形半導体記憶装置において、リフレッシュ回数入力計数回路11とリフレッシュアドレス発生回路12とリフレッシュ制御回路13とを有し、リフレッシュ回数入力計数回路11へリフレッシュ回数を入力し、RSFHバー端子への1回のクロック入力により、あらかじめ決められた回数だけ外部から制御を必要とせずに、リフレッシュを連続的に行い、かつ、リフレッシュ終了後はリフレッシュ終了信号を外部へ送出する半導体記憶装置。」が記載されている(以下「刊行物1発明」という)。

また、特開昭57-212691公報(以下、「刊行物2」という。)には、下記の事項が記載されている。
「ダイナミックMOS・RAMは、リフレッシュを必要とするため、従来から種々のリフレッシュ制御方式が提案されている。」(第1頁右下欄第3行-第5行)
「あらかじめ、CPU1からデータ母線11を介して・・・カウンタ3に対しリフレッシュ回数が、それぞれ設定される。・・・リフレッシュ回数は、バースト・モードで連続的に発生するリフレッシュ動作の数であって、第4図のnで示される。」(第3頁右上欄第2行-第10行)
「なお、実施例において、計時器2、カウンタ3の値を可変にできることを前提にしているが、固定の値にすることも勿論可能であり、その場合にはCPU1からのバス線11は不要となる。」(第4頁左下欄第12行-第15行)

3.対比・判断
本願発明と刊行物1発明を比較すると、
刊行物1発明の「半導体記憶装置」は本願発明の「半導体メモリ装置」に、刊行物1発明の「リフレッシュ回数入力計数回路11とリフレッシュアドレス発生回路12とリフレッシュ制御回路13」は本願発明の「1回のリフレッシュサイクル内において実行されるリフレッシュ実行回数が設定されたリフレッシュ制御手段」に、刊行物1発明の「RSFHバー端子への1回のクロック入力により、あらかじめ決められた回数だけ外部から制御を必要とせずに、リフレッシュを連続的に行い、かつ、リフレッシュ終了後はリフレッシュ終了信号を外部へ送出する」は本願発明の「1回のリフレッシュサイクル内に前記リフレッシュ制御手段に設定されたリフレッシュ実行回数だけリフレッシュが実行される」にそれぞれ相当するから、本願発明と刊行物1発明は、
「リフレッシュ機能を有する半導体メモリ装置において、1回のリフレッシュサイクル内において実行されるリフレッシュ実行回数が設定されたリフレッシュ制御手段を有し、1回のリフレッシュサイクル内に前記リフレッシュ制御手段に設定されたリフレッシュ実行回数だけリフレッシュが実行されることを特徴とする半導体メモリ装置。」で一致し、以下の点で相違している。

相違点
1回のリフレッシュサイクル内において実行されるリフレッシュ実行回数の設定が、本願発明では「製造時に予め設定」されているのに対し、刊行物1発明では、リフレッシュ回数入力計数回路11へリフレッシュ回数を入力する点。

上記相違点について検討する。
刊行物2には、連続的に発生するリフレッシュ動作の数を決めるカウンタの値を固定値にすることも可能である旨の記載がある。刊行物2に記載されたものは、刊行物1発明と同様にダイナミック形記憶装置のリフレッシュに関するものであるから、刊行物1発明に刊行物2に記載の発明を適用して、リフレッシュ回数入力計数回路11へリフレッシュ回数を入力することに換えて、リフレッシュ回数を製造時に予め設定することは当業者が容易になし得たことである。

4.むすび
したがって、本願の請求項1に係る発明は、刊行物1、2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2000-10-31 
結審通知日 2000-11-10 
審決日 2000-11-21 
出願番号 特願平6-300178
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G11C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 徳永 民雄須原 宏光  
特許庁審判長 馬場 清
特許庁審判官 鈴野 幹夫
村上 友幸
発明の名称 半導体メモリ装置およびそのリフレッシュ方法  
代理人 京本 直樹  
代理人 河合 信明  
代理人 福田 修一  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ