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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H05K |
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管理番号 | 1031312 |
審判番号 | 審判1998-14685 |
総通号数 | 17 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1994-08-05 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1998-09-22 |
確定日 | 2001-02-13 |
事件の表示 | 平成5年特許願第309268号「プリント回路基板とその製造方法」拒絶査定に対する審判事件〔平成6年8月5日出願公開、特開平6-216479、平成7年9月13日出願公告、特公平7-85510、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
I.手続の経緯 本願は、平成5年12月9日(パリ条約に基づく優先権主張1992年12月12日、ドイツ国)の出願であって、平成7年9月13日に出願公告されたところ、菊地一夫の特許異議の申立に理由があるものと決定され、その決定された特許異議申立の理由によって拒絶査定されたものである。 II.原査定における拒絶の理由 原審における拒絶の理由となった特許異議決定の理由の概要は、本願の請求項1に係る発明は、本願出願前に頒布された刊行物である、日本規格協会編「JISハンドブック 電子 1985」1985年4月12日、財団法人日本規格昭協会発行、第938〜939頁(以下、「引用例」という。)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとするものである。 III.本願発明 本願発明は、出願公告後の平成10年9月22日付手続補正書及び平成13年1月5日付手続補正書により補正された明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至3に記載された以下のとおりのものである。 「【請求項1】導電性材料で作られる導電線(2)と、導電線(2)を垂直方向に相互接続する導電性材料でコーティングされるホール(3)とを有するプリント回路基板(1)において、第1の配線密度を有する第1の領域(4)と、前記第1の領域の副領域であり、前記第1の領域(4)より約4倍高い配線密度を有する第2の領域(5)とが、前記プリント回路基板の表面上に存在することを特徴とするプリント回路基板の製造方法において、 a)内部層(7)と外部導電線(2)を有するプリント回路基板(1)を設ける工程を含み、前記導電線(2)の配線密度は、前記第1の領域(4)の配線密度に対応し、 b)前記プリント回路基板(1)の表面の前記副領域(5)上に誘電体(8)を設ける工程と、 c)第1のフォトレジスト(9)で全プリント回路基板をコーティングし、露光し、前記フォトレジストを現像した後、前記副領域(5)から前記フォトレジストを除去する工程と、 d)前記副領域(5)内の導電線(2)へ前記誘電体(8)を通してホール(3)を設ける工程と、 e)全プリント回路基板上に、特に前記副領域(5)上に、金属層(10)を堆積する工程と、 f)全プリント回路基板、特に前記副領域(5)を、第2のフォトレジスト(11)でコーティングし、特に前記副領域(5)内の前記フォトレジストをイメージ露光し、前記フォトレジストを現像する工程と、 g)前記フォトレジスト(11)により被覆されていない前記金属層(10)を除去し、前記第1と第2のフォトレジストを除去する工程と、 を含むことを特徴とするプリント回路基板の製造方法。 【請求項2】前記第1の領域(4)は、1層当たり約5cm/cm2より大きい配線密度を有し、前記第2の領域(5)は、1層当たり約20cm/cm2より大きい配線密度を有することを特徴とする請求項1記載のプリント回路基板の製造方法。 【請求項3】前記第2の領域(5)は、チップを直接取付けるための領域であることを特徴とする請求項1又は2記載のプリント回路基板の製造方法。」 IV.当審の判断 前記平成13年1月5日付手続補正書による補正により、補正前の請求項1ないし3が削除されるとともに、補正前の請求項1に記載されていた「プリント回路基板」に係る発明の構成が、補正前の請求項4ないし6に記載されていた「プリント回路基板の製造方法」の発明の構成に付加されて、補正後の請求項1ないし3に係る「プリント回路基板の製造方法」の発明となったものである。 よって、本願の補正前の請求項1は前述のとおり削除されたため、原査定における拒絶の理由は、既に解消されている。 また、補正後の請求項1ないし3に係る発明と、上記引用例に記載された発明とを比較すると、上記引用例には、「スルーホールめっき印刷配線板のテストパターン」が記載されているだけで、その製造方法については何ら示唆する記載もないから、本願の請求項1ないし3に係る「プリン回路基板の製造方法」の発明が、引用例に記載された発明から容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 さらに、前記特許異議の申立てにおいて、補正前の請求項4乃至6に係る「プリント回路板の製造方法」の発明については、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとする特許異議の申立理由及び証拠は、何ら提出されていない。 よって、本願に対する特許異議申立において示された他の証拠方法および申立理由をも含めて、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2001-01-23 |
出願番号 | 特願平5-309268 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H05K)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 鈴木 由紀夫、加藤 友也 |
特許庁審判長 |
江藤 保子 |
特許庁審判官 |
野田 直人 唐戸 光雄 |
発明の名称 | プリント回路基板とその製造方法 |
代理人 | 市位 嘉宏 |
代理人 | 坂口 博 |