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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L 審判 査定不服 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L |
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管理番号 | 1031435 |
審判番号 | 審判1999-9518 |
総通号数 | 17 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1995-01-10 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-06-15 |
確定日 | 2001-01-04 |
事件の表示 | 平成 5年特許願第147349号「半導体装置用基板製造方法」拒絶査定に対する審判事件[平成 7年 1月10日出願公開、特開平 7- 7007]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.本願発明 本願は、平成5年6月18日に出願されたものであって、その発明の要旨は、平成10年4月24日付け、平成11年6月15日付け及び平成12年8月29日付け手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載よりみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された下記のとおりのものである。 「基板裏面に第一膜を形成する第一膜形成工程、 形成された第一膜のみを選択的に除去する第一膜選択除去工程、 基板裏面に基板内の不純物をトラップするためのゲッタリング膜を形成するゲッタリング膜形成工程、 ゲッタリング膜に生じるゲッタリング膜応力が、基板に生じる基板応力に対してそれぞれ逆方向に働くよう基板裏面に残存する第一膜をウエットエッチング法により除去する第一膜除去工程、 を備えたことを特徴とする半導体用基板製造方法。」(以下、本願発明という。) 2.引用刊行物 当審で拒絶の理由において引用された特開平4-302432号公報(以下、引用例1という。)には、「裏面に付けたポリシリコン膜2は、シリコンウエハ1上にデバイスを形成する際特性を劣化させる要因となる金属不純物をとり込んで、ウエハ表面を清浄に保つために形成されたものである。通常これをイクストリンシックゲッタリングと呼んでいる。シリコンウエハ1内に存在する金属不純物は、シリコンウエハ1とポリシリコン膜2の界面にできる微少な結晶欠陥を核としたゲッタサイトにとり込まれる。」(第2頁左欄第17〜25行)、「ところが片側だけにポリシリコン膜をつけているために(「ら」は誤りのため削除)ウエハの反りがおこる。」(第2頁左欄第36〜37行)及び「この発明における半導体ウエハ基板は、裏面のポリシリコン膜に溝を設けたことにより、溝部では応力がなくなり、これにより、ウエハの反りが軽減される。」(第2頁右欄第6〜8行)と記載されている。 したがって、引用例1にはシリコン基板の裏面に基板内の不純物をトラップするためのゲッタリング膜であるポリシリコン膜に溝を設け、この溝で応力を緩和させることにより、反りを軽減することが記載されている。 また、引用例1のシリコン基板のゲッタリング膜がポリシリコン膜である点は、本願発明の実施例と同じであるから、引用例1の場合もゲッタリング膜に生じるゲッタリング膜応力が、基板に生じる基板応力に対してそれぞれ逆方向に働いているものと認める。 同じく、特開昭62-105425号公報(以下、引用例2という。)には、「第1図は本発明に係るポリシリコン膜形成方法の工程断面図である。 o 第1図(1) 熱酸化あるいはCVD法等によって、Si基板1上に補助膜となる厚さ約0.6μmの酸化シリコン膜2を成長させる。次いで、ポリシリコン膜非形成部分にレジスト3が残るようにパターニングを行う。 o 第1図(2) レジスト3をマスクとしてウエットエッチングを行い、側面部が順テーパ形状に加工された酸化シリコン膜から成る補助膜4を得る。レジスト3を除去する。 o 第1図(3) CVD法により全面に厚さ約0.6μmのポリシリコン膜5を成長させ、さらに、その表面にAZレジスト等から成る平坦化膜6を塗布により形成する。 o 第1図(4) RIEにより、ポリシリコン膜表面が露出するまで平坦化膜6をエッチングする。 o 第1図(5) CF4プラズマ等により、補助膜4が露出するまでポリシリコン膜5をエッチングする。これにより、所定パターンに加工されたポリシリコン膜7が得られる。 o 第1図(6) 残存している平坦膜6を除去する。 なお、第1図(3)から第1図(6)への加工方法としては、ポリシリコン膜と平坦化膜のエッチング速度がほぼ等しい条件で異方性エッチングを行う方法もある。 o 第1図(7) NH4F+HF系エッチング液を用いたウェットエッチングにより補助膜4を除去する。」(第2頁左上欄第6行〜左下欄第20行)と記載されている。 したがって、引用例2には、シリコン基板にシリコン酸化膜である第一膜を形成する第一膜形成工程、形成された第一膜のみを選択的に除去する第一膜選択除去工程、ポリシリコン膜形成工程、基板に残存する第一膜をウェットエッチング法により除去する第一膜除去工程から成る、所定パターンのポリシリコン膜の形成方法が記載されている。 3.対比 本願発明と引用例1記載の発明を対比すると、両者は、基板裏面に基板内の不純物をトラップするためのゲッタリング膜を形成するゲッタリング膜形成工程を備え、ゲッタリング膜に生じるゲッタリング膜応力は、基板に生じる基板応力に対してそれぞれ逆方向に働いていることを特徴とする半導体用基板製造方法の点で一致し、下記の点で相違している。 (相違点) ゲッタリング膜パターン形成方法として、本願発明では基板裏面に第一膜を形成する第一膜形成工程、形成された第一膜のみを選択的に除去する第一膜選択除去工程、ゲッタリング膜形成工程、基板裏面に残存する第一膜をウェットエッチング法により除去する第一膜除去工程を備えているのに対し、引用例1記載の発明では、基板裏面のゲッタリング膜に溝を形成しているのみで、どの様に溝を形成してゲッタリング膜パターンを形成するのか不明である点。 4.検討 上記相違点について以下で検討する。 引用例2には、シリコン基板にシリコン酸化膜である第一膜を形成する第一膜形成工程、形成された第一膜のみを選択的に除去する第一膜選択除去工程、ポリシリコン膜形成工程、基板に残存する第一膜をウェットエッチング法により除去する第一膜除去工程から成る、所定パターンのポリシリコン膜の形成方法が記載されているから、上記相違点は、引用例1のゲッタリング膜であるポリシリコン膜のパターン形成方法として、引用例2のポリシリコン膜のパターン形成方法を採用することにより、当業者が容易に想到し得ることである。 5.まとめ 以上のとおりであるから、本願発明は引用例1および2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2000-10-12 |
結審通知日 | 2000-10-27 |
審決日 | 2000-11-07 |
出願番号 | 特願平5-147349 |
審決分類 |
P
1
8・
534-
WZ
(H01L)
P 1 8・ 121- WZ (H01L) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 宮崎 園子 |
特許庁審判長 |
今野 朗 |
特許庁審判官 |
小田 裕 左村 義弘 |
発明の名称 | 半導体装置用基板製造方法 |
代理人 | 松下 正 |
代理人 | 眞島 宏明 |
代理人 | 古谷 栄男 |