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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B01J
管理番号 1031717
異議申立番号 異議1998-75169  
総通号数 17 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1989-08-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-10-22 
確定日 2000-10-16 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2743067号「乳化組成物」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2743067号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 (1)手続の経緯
特許2743067号の請求項1に係る発明についての出願は、昭和63年2月16日に特許出願され、平成10年2月6日に特許の設定登録がなされ、その後、特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年3月15日(後日取下げ)に訂正請求がなされ、再度取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年8月18日に訂正請求がなされたものである。
(2)訂正の適否についての判断
ア.訂正の内容
訂正事項a.
特許請求の範囲の請求項1を、
「下記一般式[I]で表される高分子量シリコーンの一種又は二種以上、揮発性通分の一種又は二種以上、下記一般式[A]〜[D]で表されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの一種又は二種以上、水、並びに多価アルコールを含有し、かつ、前記高分子量シリコーンの一種又は二種以上が乳化されていることを特徴とする、乳化組成物。



(R1はメチル基又は一部がフェニル基を表わし、R2 はメチル基又は水酸基を表わす。又、nは3,000〜20,000の整数を表わす。)





(式中、Rは炭素数1乃至3のアルキル基、又はフェニル基、R’は水素、又は炭素数1乃至12のアルキル基、pは1乃至5の整数、mは0乃至100の整数、nおよびxは1乃至50の整数、tおよびyは0乃至50の整数である。)」と訂正する。
訂正事項b.
明細書第4頁第9行目〜第15行目(特許第2743067号公報第4頁第8欄第8行目〜同欄第13行目)を、
「即ち、本発明は、下記一般式[I]で表される高分子量シリコーンの一種又はニ種以上、揮発性油分の一種又はニ種以上、下記一般式[A]〜[D]で表されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの一種又は二種以上、水、並びに多価アルコールを含有し、かつ、前記高分子量シリコーンの一種又は二種以上が乳化されていることを特徴とする、乳化組成物を提供するものである。」
と訂正する。
訂正事項c.
明細書第4頁第6行目(特許第2743067号公報第4頁第8欄第5行目)の「解消されるこを」を「解消されることを」と訂正する。
イ.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項aは、請求項1に「前記高分子シリコーンの1種又は2種以上が乳化されている」という構成を付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。また、この点については、願書に添付された明細書第9頁第9行目(同公報第7頁第14欄第20行目)および実施例1〜4に記載されており、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。また、訂正事項bは上記訂正事項aに伴って、発明の詳細な説明の記載を該訂正に整合させるための訂正であるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正であって、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。さらに、訂正事項cは、誤記の訂正を目的とする訂正である。
ウ.独立特許要件
(本件発明)
訂正明細書の請求項1に係る発明(以下、本件発明という)は、上記(2)ア.の訂正事項aに記載された事項により特定されるとおりのものである。
(引用刊行物)
当審が訂正拒絶理由で引用した刊行物1(特開昭62-48615号公報)には、「(a)ヘアセット性重合体約0.5%〜約10%、(b)高分子量シリコーン物質約0.05%〜約2%、(c)エアゾール噴射剤約5%〜約20%、および(d)残部の水からなり、前記シリコーン物質は前記噴射剤がエアゾール容器に注入される前に前記噴射剤に溶解されることを特徴とするエアゾール整髪ムース。」が記載されている。同刊行物2(特開昭62-91235号公報)には、多価アルコール、ポリエーテル変性シリコーンおよび油分からなる乳化組成物が、また、同刊行物3(特開昭62-216635号公報)には、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、水膨潤性粘土鉱物、第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤、シリコン油、水および多価アルコールを含有する乳化組成が記載されている。
(対比・判断)
刊行物1〜3には、本件発明の構成要件である「乳化組成物中に、揮発性油分、水および多価アルコールを含有させ、高分子シリコーンが乳化されていること」については記載がない。そして、本件発明は、前記特定の成分を配合することにより、明細書記載の顕著な効果を奏するものであるから、刊行物1〜3に記載されたものでもなければ、これらに記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
したがって、本件発明は特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
エ.むすび
以上のとおり、上記訂正は、平成6年改正法附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120の4第3項において準用する平成6年改正法による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
(3)特許異議の申立てについての判断
ア.本件発明
本件の請求項1に係る発明は、上記(2)ア.の訂正事項a.に記載されたとおりのものである。
イ.特許異議申立の理由の概要
(a)特許異議申立人(以下、「申立人1」という)名越千栄子は、甲第1〜6号証(それぞれ、特開昭61-6号公報、特開昭51-21589号公報、特開昭61-90732号公報、「合成ゴム加工技術全書 ふっ素ゴム シリコーンゴム」昭和55年発行、97〜93頁;「CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary」、83〜84頁、1982年;特開昭62-48615号公報、に相当)を提出し、本件特許の請求項1に係る発明は、甲第1号証若しくは甲第6号証に記載された発明と同一であり、また、甲第1〜6号証に記載された発明にも基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号または同条第2項の規定により特許を受けることができないと主張する。
(b)特許異議申立人(以下、「申立人2」という)プロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インクは甲第1〜3号証[それぞれ、特開昭62-48615号公報、「シリコーンハンドブック」(日刊工業新聞社、1990年8月31日発行)、ダウコーニング社技術資料「Information about Cosmetic Ingredients、1980年、に相当]を提出し、本件請求項1に係る発明は、甲第2号証および甲第3号証の記載を参照すれば甲第1号証に記載された発明と同一であり、また、甲第1号証に記載された発明にも基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号または同条第2項の規定により特許を受けることができないと主張する。
ウ.甲号各証に記載された発明
申立人1の提出した甲第6号証および申立人2の提出した甲第1号証は、前述の刊行物1と同じであるので、それ以外のものについて記載する。
申立人1の提出した甲第1号証には、5種の必須成分、即ちシリコーンヘアコンディショニング剤、ジメチコーンコポリオール、脂質ビヒクル物質、陽イオン界面活性剤ビヒクル物質および水を含有するコンディショニング組成物が記載されている。甲第2号証には、シリコーンオイル系の離型剤組成物が記載されている。甲第3号証には、高粘性シリコーン油とポリオキシアルキレンーポリシロキサン共重合体と水からなる乳化組成物が記載されている。甲第4号証には、シリコーンゴムの性質と特徴が記載されている。甲第5号証には、ダウコーニング190界面活性剤がジメチコーンポリオールであることが記載されている。
申立人2が提出した甲第2号証には、ジメチルシリコーンオイルの分子量と、重合度と粘度の関係が記載されている。甲第3号証には、ダウコーニング190界面活性剤がジメチコーンコポリオールであることが記載されている。
エ.対比・判断
申立人1が提出した甲第6号証に記載された発明との対比は、前項(3)ウの(対比・判断)に記載したとおりである。特許異議申立人が提出したいずれの証拠にも、本件発明の構成要件である「乳化組成物中に、揮発性油分、水および多価アルコールを含有させ、高分子シリコーンが乳化されていること」については記載がないから、本件請求項1に係る発明は、これら証拠に記載された発明と同一でもなければ、これら証拠に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
(4)むすび
以上のとおりであるから、本件特許は各特許異議申立人の主張および提出された証拠によっては、取り消すことができない。
また、他に本件発明の特許を取り消すべき理由および証拠を発見しない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、上記のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
乳化組成物
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】下記一般式〔I〕で表される高分子量シリコーンの一種又は二種以上、揮発性油分の一種又は二種以上、下記一般式〔A〕〜〔D〕で表されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの一種又は二種以上、水、並びに多価アルコールを含有し、かつ、前記高分子量シリコーンの一種又は二種以上が乳化されていることを特徴とする、乳化組成物。

(R1はメチル基又は一部がフェニル基を表わし、R2はメチル基又は水酸基を表わす。又、nは3,000〜20,000の整数を表わす。)


(式中、Rは炭素数1乃至3のアルキル基、又はフェニル基、R’は水素、又は炭素数1乃至12のアルキル基、pは1乃至5の整数、mは0乃至100の整数、nおよびxは1乃至50の整数、tおよびyは0乃至50の整数である。)
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、高分子量シリコーンをポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンを用いて効率よく安定に乳化し、且つ得られた乳化組成物の撥水性、肌への密着感、毛髪へのなめらかさ賦与等の使用性が良好で、化粧料又は医薬品基剤として有用な乳化組成物に関する。
[従来の技術]
従来、化粧料等で高い撥水性や優れた使用性等が求められる場合の油相構成としては、シリコーンオイルや流動パラフィンの様な液状油分や、ワセリンの様な常温でペースト状の油分が用いられてきたが、これらは水洗によって容易に洗い流されてしまったり、或はべたつく等の欠点を有していた。一方、本発明に用いる様な高分子量シリコーンは、その形成する被膜から優れた撥水性や使用性や光沢が期待されるが、これまで安定な乳化組成物を得ることが困難だった。
[発明が解決しようとする課題]
本発明者らは、高分子量シリコーン被膜の性質である撥水性やなめらかな感触を与え且つ乳化組成物として良好な安定性を示す乳化系を得るべく鋭意検討した結果、乳化剤としてポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンを用いると前述の様な欠点が解消されることを見出し本発明を完成した。
[課題を解決するための手段]
即ち、本発明は、下記一般式〔I〕で表される高分子量シリコーンの一種又は二種以上、揮発性油分の一種又は二種以上、下記一般式〔A〕〜〔D〕で表されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの一種又は二種以上、水、並びに多価アルコールを含有し、かつ、前記高分子量シリコーンの一種又は二種以上が乳化されていることを特徴とする、乳化組成物を提供するものである。

(R1はメチル基又は一部がフェニル基を表わし、R2はメチル基又は水酸基を表わす。又、nは3,000〜20,000の整数を表わす。)


(式中、Rは炭素数1乃至3のアルキル基、又はフェニル基、R’は水素、又は炭素教1乃至12のアルキル基、pは1乃至5の整数、mは0乃至100の整数、nおよびxは1乃至50の整数、tおよびyは0乃至50の整数である。)
以下、本発明について詳述する。
本発明に用いられる高分子量シリコーンは、上記一般式[I]で表わされるもので、式中のnの値が3,000〜20,000であり、常温で軟質ゴム状の性状を呈するものである。具体例で示すと、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、末端水酸基含有ジメチルポリシロキサン、末端水酸基含有メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。従来、重合度が3〜650の範囲のジメチルポリシロキサンは、化粧料や医薬品等に使用されているが、本発明のごとき高分子量シリコーンを乳化し配合した例は全く見られない。
本発明に用いられる高分子量シリコーンの配合量は、組成物中の0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
本発明に用いられるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンは、上記一般式[A]〜[D]で表わされ、平均分子量は1000以上を有するものが好ましく、更に好ましくは3000以上である。また、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン分子中にポリオキシアルキレン基を2〜85重量%含有するものが好ましく、効果発現の面から更に好ましくは、40〜80重量%である。
本発明に用いられるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの配合量は、組成物中の0.1〜10重量%であり、好ましくは乳化安定性を考慮して0.5〜5重量%である。
本発明においては、上記ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの水相における溶解性を確保して、さらにこの水相と高分子量シリコーンとを接触させる際の表面張力を低下させて、系におけるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンによる高分子量シリコーンの乳化安定性を向上させるために、多価アルコールを配合することができる。
本発明に用いられる多価アルコールは、プロピレングリコール、1,3-ブタジオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等のポリグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、グリコール、ソルビトール、マルチトール、シュクロース、ラフィノース、トレハ口ース、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等が挙げられ、また適量の水を含んでもよい。乳化組成物の調製に際してはこれらのうち一種又は二種以上が組み合わされて用いられる。
分子内に2個以上の水酸基を有する多価アルコールの配合量は、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンに対し重量比で1〜1,000倍の範囲である。多価アルコールの配合量がポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンに対し1未満であるとポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの溶解性が悪くなり、1,000を越えると乳化安定性が悪くなる。
本発明の高分子量シリコーンを乳化する場合、低沸点鎖状シリコーン油や、低沸点環状シリコーン油や、低沸点イソパラフィン系炭化水素等の揮発性油分に溶解して用いることが好ましい。
低沸点鎖状シリコーンは次の一般式で表され、具体例を挙げれば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサンなどである。

(式中、nは0〜5の整数を表す。)
環状シリコーンは次の一般式で表され、具体例を挙げれば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサンなどである。

(式中、nは3〜7の整数を表す。)
低沸点イソパラフィン系炭化水素としては、常庄における沸点が60〜260℃の範囲にあるイソパラフィン系炭化水素を挙げることができ、例えばエクソン社製のアイソバー(登録商標)A、同C、同D、同E、同G、同H、同K、同L、同M、シェル社製のシェルゾール(登録商標)71、フィリップ社製のソルトロール(登録商標)100あるいは同130、同220などを挙げることができる。
上記低沸点油は任意の一種又は二種以上を用いることができ、合計の配合量は高分子量シリコーンに対して1〜50倍(重量)が好ましい。
本究明の乳化組成物の油相を構成する油としては、高分子量シリコーンとともにその他のつぎのような油を併用することができる。
すなわち、オリーブ油、ヤシ油、サフラワー油、ヒマシ油、綿実油などの油脂類、ラノリン、ホホバ油、カルナバロウなどのロウ類、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、揮発性イソパラフィンなどの炭化水素油、脂肪酸類、アルコール類、オクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピルなどのエステル油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーン油、シリコーン樹脂等の油である。
本発明の乳化組成物の調製方法は、特に限定されないが、あらかじめポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンと多価アルコールとの混合物を調製し、ついで高分子量シリコーン(又は高分子量シリコーンと他の油分)と混合して得る方法が最も好ましい。ここに得られた乳化組成物は、透明乃至半透明、若しくは乳白色の粘稠液体又はゲルであり、ハンドクリーム、美容ゼリー、マッサージゼリー、薬用ゼリー等に使用することができる。またこのようにして得られた乳化組成物と、水又は水相成分とを混合すれば、乳液、クリーム、ファンデーション、シャンプー、リンス、アクネクリーム等に使用できる水中油型乳化組成物が得られ、産業上非常に有用である。なお、ここで水相成分とは、水に保湿剤、薬剤、防腐剤、高分子、顔料、分散剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、生薬抽出物、ムコ多糖、アミノ酸、色素等の成分を溶解、分散したものである。
本発明に係わる乳化組成物には、使用目的によっては薬剤、紫外線吸収剤、防腐剤、酸化防止剤、アルコール、色素、香料等を添加してもよい。
[発明の効果]
本発明の乳化組成物は、安定性、撥水性、肌への密着感、毛髪へのなめらかさ賦与等の使用性に優れ、化粧料又は医薬品基剤として有用なものである。
[実施例]
以下、本発明を実施例及び比較例によって更に詳細に説明する。本発明はこれにより限定されるものではない。配合量は重量%である。
実施例1 乳化組成物
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 50
(2)ジメチルポリシロキサン(一般式[I]でR1およびR2はメチル基、n=5000) 14
(3)ジプロピレングリコール 13
(4)1,3-ブチレングリコール 13
(5)イオン交換水 5
(6)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(一般式[A],Rはメチル基,R′は水素,p=3,ポリオキシエチレン基含有率70%,粘度100CS/25℃) 5
製法
(1)に(2)を溶解し、(3)〜(6)の混合物に加えて乳化する。
比較例1
実施例1においてポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの代りにポリエチレン(60)硬化ヒマシ油エステルを全量用いたものを比較例1とする。
実施例1及び比較例1で得た乳化組成物の専門パネルによる使用性評価を表-1に示す。

表-1から明らかなように実施例1は、比較例1に比べて、べたつき、なじみ、つや、皮膜の透明度が優れていた。また安定性も非常に良好であった。
実施例2 ハンドクリーム
(1)ジメチルポリシロキサン 5cs 37.5
(2)メチルフェニルポリシロキサン(一般式[I]で、R1はメチル基:フェニル基=1:1、R2はメチル基、n=10,000) 15.0
(3)グリセリン 15.0
(4)1,3-ブチレングリコール 25.0
(5)イオン交換水 4.45
(6)ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
(7)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(一般式[A],Rの5%がフェニル基で残りはメチル基,R′はメチル基,p=3,ポリオキシエチレン基含有率75%,ポリオキシプロピレン基含有率5%,粘度320CS/25℃) 3.0
製法
(1)に(2)を溶解し、(3)〜(7)の混合物に加えて乳化する。
実施例3 ヘアブロー
(1)オクタメチルシクロテトラシロキサン 15.0
(2)ジメチルポリシロキサン(一般式[I]で、R1はメチル基、R2は水酸基、n=7,000) 3.0
(3)1,3-ブチレングリコール 3.0
(4)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(一般式[C],Rはメチル基,R′は水素,p=3,ポリオキシエチレン基含有率40%,粘度200CS/25℃ 2.0
(5)エタノール 15.0
(6)イオン交換水 62.0
(7)香料 適量
製法
(1)に(2)を溶解し、(3)(4)の混合物に加えて乳化して、(5)〜(7)と混合する。

(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
(2)ジメチルポリシロキサン(一般式[I]で、R1はメチル基、R2は水酸基、n=6,000) 5.0
(3)ジプロピレングリコール 5.0
(4)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(一般式[B],Rはメチル基,R′はブチル基,p=3,ポリオキシエチレン基含有率50%,ポリオキシプロピレン基含有率10%,粘度100CS/25℃) 3.0
(5)エタノール 10.0
(6)イオン交換水 51.0
(7)香料 適量
(8)ブタン 4.0
(9)ジメチルエーテル 2.0
製法
(1)に(2)を溶解し、(3)(4)の混合物に加えて乳化して、(5)〜(7)とを混合してなる溶液をエアゾール容器に入れて弁を取りつけた後に(8)(9)を充▲填▼する。
実施例2〜4は、安定性、撥水性、使用性に優れていた。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
特許第2876776号の明細書を訂正請求書に添付された明細書のとおりに訂正する。
訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1を、
「下記一般式[I]で表される高分子量シリコーンの一種又は二種以上、揮発性通分の一種又は二種以上、下記一般式[A]〜[D]で表されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの一種又は二種以上、水、並びに多価アルコールを含有し、かつ、前記高分子量シリコーンの一種又は二種以上が乳化されていることを特徴とする、乳化組成物。

(R1はメチル基又は一部がフェニル基を表わし、R2はメチル基又は水酸基を表わす。又、nは3,000〜20,000の整数を表わす。)


(式中、Rは炭素数1乃至3のアルキル基、又はフェニル基、R’は水素、又は炭素数1乃至12のアルキル基、pは1乃至5の整数、mは0乃至100の整数、nおよびxは1乃至50の整数、tおよびyは0乃至50の整数である。)」と訂正する。
訂正事項b.
明細書第4頁第9行目〜第15行目(特許第2743067号公報第4頁第8欄第8行目〜同欄第13行目)を、
「即ち、本発明は、下記一般式[I]で表される高分子量シリコーンの一種又はニ種以上、揮発性油分の一種又はニ種以上、下記一般式[A]〜[D]で表されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの一種又は二種以上、水、並びに多価アルコールを含有し、かつ、前記高分子量シリコーンの一種又は二種以上が乳化されていることを特徴とする、乳化組成物を提供するものである。」
訂正事項c.
明細書第4頁第6行目(特許第2743067号公報第4頁第8欄第5行目)の「解消されるこを」を「解消されることを」と訂正する。
異議決定日 2000-09-26 
出願番号 特願昭63-33545
審決分類 P 1 651・ 121- YA (B01J)
最終処分 維持  
前審関与審査官 野田 直人  
特許庁審判長 江藤 保子
特許庁審判官 山田 充
新居田 知生
登録日 1998-02-06 
登録番号 特許第2743067号(P2743067)
権利者 株式会社資生堂
発明の名称 乳化組成物  
代理人 古川 秀利  
代理人 志村 光春  
代理人 曾我 道照  
代理人 望月 孜郎  
代理人 鈴木 憲七  
代理人 池谷 豊  
代理人 曾我 道治  
代理人 志村 光春  
代理人 福井 宏司  
代理人 長谷 正久  

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