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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  G01C
管理番号 1031762
異議申立番号 異議1999-71642  
総通号数 17 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-04-12 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-04-27 
確定日 2000-10-07 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2816104号「ナビゲーション装置」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2816104号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 【1】手続の経緯
本件特許第2816104号は平成6年9月22日に出願され、平成10年8月14日に設定登録されたものである。
これに対して、平成11年4月27日に特許異議申立人 パイオニア株式会社より特許異議の申立てがなされ、平成11年9月16日付で当審より取消理由を通知したところ、平成11年12月1日付で訂正請求がなされた。これに対して、平成12年1月25日付で当審より訂正拒絶理由を通知したところ、平成12年4月17日付で意見書及び手続補正書が提出されたものである。
【2】訂正及び補正の適否
ア.訂正の内容
前記平成11年12月1日付訂正請求の請求の趣旨は本件特許明細書を請求書に添付した訂正明細書のとおり次のように訂正することを求めるものである。
(1)訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1の中の「該入力形態検出手段により検出された入力形態が所定の入力形態の時に、前記入力手段により入力された地点が名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段」を、特許請求の範囲の減縮を目的として、「該入力形態検出手段により検出された入力形態が所定の入力形態の時に、前記入力手段により入力された地点に対応する前記記憶手段に記憶された地点の情報に名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段」と訂正する。
イ.補正の内容
(1)補正事項a(訂正明細書に対する補正)
前記平成12年4月17日付手続補正書による補正は、前記訂正請求の請求書を補正するものであり、その内容は前記訂正請求の請求書に添付した訂正明細書を次のように補正するものである。
(イ)訂正明細書における特許請求の範囲の「該入力形態検出手段により検出された入力形態が所定の入力形態の時に、前記入力手段により入力された地点に対応する前記記憶手段に記憶された地点の情報に名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段」を、特許請求の範囲の減縮を目的として、「該入力形態検出手段により検出された入力形態が所定の入力形態の時に、前記入力手段により入力された地点に一致する前記記憶手段に記憶された地点の情報に名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段」と補正する。
(2)補正事項b(訂正事項に対する補正)
請求書中の訂正事項に対する補正は次の通りである。
「マル1訂正事項a
特許請求の範囲請求項1の中の「該入力形態検出手段により検出された入力形態が所定の入力形態の時に、前記入力手段により入力された地点が名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段」を特許請求の範囲の減縮を目的として「該入力形態検出手段により検出された入力形態が所定の入力形態の時に、前記入力手段により入力された地点に対応する前記記憶手段に記憶された地点の情報に名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段」と訂正する。」を、次のように補正する。
「マル1訂正事項a
特許請求の範囲請求項1の中の「該入力形態検出手段により検出された入力形態が所定の入力形態の時に、前記入力手段により入力された地点が名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段」を特許請求の範囲の減縮を目的として「該入力形態検出手段により検出された入力形態が所定の入力形態の時に、前記入力手段により入力された地点に一致する前記記憶手段に記憶された地点の情報に名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段」と訂正する。」。

ウ.補正の適否についての判断
補正事項a、bは、訂正事項が、「特許請求の範囲の請求項1の中の「該入力形態検出手段により検出された入力形態が所定の入力形態の時に、前記入力手段により入力された地点が名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段」を、特許請求の範囲の減縮を目的として、「該入力形態検出手段により検出された入力形態が所定の入力形態の時に、前記入力手段により入力された地点に対応する前記記憶手段に記憶された地点の情報に名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段」と訂正する」(前記訂正事項a)ものであったところ、特許請求の範囲をより減縮する目的で、特許請求の範囲の請求項1の中の前記訂正箇所を、より下位概念である「該入力形態検出手段により検出された入力形態が所定の入力形態の時に、前記入力手段により入力された地点に一致する前記記憶手段に記憶された地点の情報に名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段」と限定しようとするものであり、特許請求の範囲の減縮に該当するので、訂正請求書の要旨を変更するものであるから、前記手続補正書による訂正請求の請求書の補正は特許法第120条の4第3項で準用する特許法第131条第2項の規定に違反するものである故、 これを採用することはできない。

エ.訂正の適否についての判断
(1)訂正事項aについて
本件特許に係る発明において、名称データ判別手段が「入力手段により入力された地点に対応する前記記憶手段に記憶された地点の情報に名称データを有するか否かを判別する」構成を有することは、明細書及び図面の記載から明らかである。そして、前記訂正事項aは、特許明細書の特許請求の範囲に記載された「入力手段により入力された地点が名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段」をより限定するように「入力手段により入力された地点に対応する前記記憶手段に記憶された地点の情報に名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段」と減縮するものである。
したがって前記訂正aは、特許請求の範囲の減縮に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

オ.独立特許要件の判断
訂正明細書の請求項1に係る発明は、平成11年12月1日付訂正請求書により訂正された特許請求の範囲の請求項1に記載されている次のとおりのものと認める。
「【請求項1】地図上に指定した地点を登録する機能を備えたナビゲーンョン装置において、
地点を入力する入力手段と、
該入力手段の入力形態に応じた地点の情報を記憶する記憶手段と、
前記入力手段により入力された形態を検出する入力形態検出手段、該入力形態検出手段により検出された入力形態が所定の入力形態の時に、前記入力手段により入力された地点に対応する前記記憶手段に記憶された地点の情報に名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段、該名称データ判別手段により名称データありと判別した時に前記名称データを取得する登録名称取得手段、及び該登録名称取得手段により取得された名称を登録する登録手段を有する制御手段と、
該制御手段に登録された登録情報を表示する表示手段と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。 」。
(引用刊行物)
これに対して特許異議申立人 パイオニア株式会社の提出した甲第1号証(特開平5ー303328号公報、以下「刊行物」という。)は、本件発明と同じく地図上に指定した地点を登録する機能を備えたナビゲーンョン装置に関し、
(1)「【0019】そして、このPOSモードおよびMAPモードの時の目的地までのナビゲーション表示動作の際に用いられる『目的地』は、WPモードの動作によってユーザーによって指定され、その座標データが目的地メモリ14に登録される。また、座標データだけではユーザーの使用、つまり登録した目的地の読み出しに不便であるので、その座標データには名称が付され、この名称も共に目的地メモリ14に登録される。
【0020】 例えばPOSモード又はMAPモードの時に操作装置7の操作ボタン7bを押すと、ナビゲーションコンピュータ1(CPU10)の処理動作はWPモードに移行し、その時カーソルKSで指定されている地点(つまりPOSモードからWPモードに移行した場合ば自車位置、MAPモードからWPモードに移行した場合はユーザーがジョイスティック7a等により選んだ所望の位置)が登録されるべき位置として、その座標データと名称が登録される。そして、登録動作後は元のモード(POSモード又はMAPモード)に復帰する。」(刊行物の公報第3頁第4欄第47行〜第4頁第5欄第14行)との記載中には、目的地の座標データと名称を登録する操作ボタン7bが記載されており、
(2)「【0025】次に、表示データメモリ15に地図情報とともにCD-ROM4から読み込まれているシンボルを検索する。シンボルとしては、例えば図2(a)にSB1 として示すように、POSモード又はMAPモードにおいて地図表示とともに画面表示される、地名、道路名、地図記号があり、また、通常は地図表示とともに表示はされないが必要に応じて付加的に利用できる情報として設定されている道路名、交差点名などのデータ(SB2 )や、さらにサービス情報としてレストラン、ホテル、駐車場の案内などのデータ(SB3 )等が存在し、これらのシンボルSB1 ,SB2 ,SB3 は図7のように直接的又は間接的(付随的)に座標データと対応されて記憶されている。」(公報第4頁第5欄第44行〜第6欄第6行)との記載中には、地名、道路名、地図記号、交差点名、レストラン、ホテル、駐車場の案内などのデータ等、複数の形態の地点情報がCD-ROM中に記憶されていることが記載されている。
(3)「【0026】これらの地図情報とともに表示データメモリ15に保持されているシンボルのうち、指定位置座標(xP ,yP )から最も距離の短い座標位置に設定されているシンボル(A:座標(xA ,yA ))を探す(F104)。
ここで、仮に座標(xn ,ym )に設定された『飯田橋駅』というシンボルが指定位置座標(xP ,yP )から最も近いシンボル(A:座標(xA ,yA ))であったとする。
【0027】するとナビゲーションコンピュータ1は図2(b)のような表示をモニタ装置2に実行させる。つまり、指定位置を例えば『WP』を付したフラグFによって表現するとともに、その指定位置の名称を『飯田橋駅』として表示し、ユーザーに指定位置及びその名称を提示する(F105)。
【0028】そして、その指定位置座標(xP ,yP )と、名称とされたシンボル(例えば『飯田橋駅』)を対応させて目的地メモリ14に登録する(F106)。」(公報第4頁第6欄第7行〜第23行)には、ナビゲーションコンピュータ1は、操作ボタン7bにより入力された地点に対応するCD-ROMに記憶された地点に最も近い距離にある、シンボルを有する地点のシンボルを取得する手段、及び、取得されたシンボルを登録する手段を有すること、また、登録されたシンボルを表示するモニタ装置2、が記載されている。
したがって、刊行物には、
地図上に指定した地点を登録する機能を備えたナビゲーンョン装置において、
目的地(本件発明の「地点」に相当する)を入力する操作ボタン7b(「入力手段」に相当する)と、
複数の形態の地点の情報を記憶するCD-ROM(「記憶手段」に相当する)と、
前記入力手段により入力された地点に最も近い前記記憶手段に記憶されたシンボル(「名称データ」に相当する)を有する地点の情報からシンボルを取得する登録名称取得手段、及び該登録名称取得手段により取得された名称を登録する登録手段を有するナビゲーションコンピュータ1(「制御手段」に相当する)と、
該制御手段に登録された登録情報を表示するモニタ装置2(「表示手段」に相当する)と
を備えたナビゲーション装置、が記載されていることになる。
(対比・判断)
そこで、訂正明細書の請求項1に係る発明と、刊行物の発明とを対比すると、刊行物の発明には、本件請求項1に係る発明の構成要件である「名称データ判別手段」及び「該名称データ判別手段により名称データありと判別した時に前記名称データを取得する」登録名称取得手段、を有しない。
すなわち、刊行物のものは、「複数の形態の地点の情報を記憶する記憶手段と、前記入力手段により入力された地点に最も近い前記記憶手段に記憶された名称データを有する地点の情報から名称データを取得する登録名称取得手段」を有するものであるから、記憶手段に記憶されている地点の情報には名称データが含まれていることが前提となっており、したがって刊行物のものに名称データ判別手段を設ける技術的必然性は何ら存在しない。
更に、刊行物のものにおける登録名称手段は、入力手段により入力された地点に最も近い地点の名称データを取得しているが、これを訂正明細書の請求項1に係る発明におけるように、入力手段により入力された地点の情報に名称データありと判別したときにその名称データを取得するように構成を変更することは、直ちには想起し得ない。
そして、訂正明細書の請求項1に係る発明は、前記構成により、「日常的に認識している地点に関する情報に近い電話番号やゴルフ場の具体的な名前、施設の名前のあるものについては、これらの内容を登録情報とすることができ、目的地や通過点等の地点を入力するために登録情報を用いても、判りやすく勘違いや誤認識が生じるのを防ぐことができる」という明細書に記載の効果を奏するものと認められる。
したがって、訂正明細書の請求項1に係る発明は、刊行物に記載のものから当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできず、訂正明細書の請求項1に係る発明は特許出願の際独立して特許を受けることができない発明とすることはできない。
カ.むすび
以上のとおりであるから、前記訂正請求は、特許法第120条の4第2項、及び同条第3項で準用する同法第126条第2項から第4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
【3】特許異議申立てについての判断
ア.申立ての理由の概要
申立人 パイオニア株式会社は、請求項1に係る発明は、甲第1号証(特開平5ー303328号公報)に記載された発明をもとに容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものであるから、特許を取り消すべきであると主張している。
イ.判断
本件請求項1に係る発明は、前記【2】オ.で示したように、甲第1号証に記載された発明から容易に発明をすることができたものとすることはできない。
ウ.むすび
したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては本件請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ナビゲーション装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 地図上に指定した地点を登録する機能を備えたナビゲーション装置において、
地点を入力する入力手段と、
該入力手段の入力形態に応じた地点の情報を記憶する記憶手段と、
前記入力手段により入力された形態を検出する入力形態検出手段、該入力形態検出手段により検出された入力形態が所定の入力形態の時に、前記入力手段により入力された地点に対応する前記記憶手段に記憶された地点の情報に名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段、該名称データ判別手段により名称データありと判別した時に前記名称データを取得する登録名称取得手段、及び該登録名称取得手段により取得された名称を登録する登録手段を有する制御手段と、
該制御手段に登録された登録情報を表示する表示手段と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】 前記登録名称取得手段は、前記入力形態検出手段により検出された入力形態が所定の入力形態でない時には前記記憶手段に記憶された住所データから住所名を取得し、該住所名を前記登録手段に登録するとともに、前記制御手段は、前記表示手段に前記登録情報を表示することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】 前記登録名称取得手段は、前記名称データ判別手段により名称データなしと判別した時には前記記憶手段に記憶された住所データから住所名を取得し、該住所名を前記登録手段に登録するとともに、前記制御手段は、前記表示手段に前記登録情報を表示することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項4】 前記制御手段は更に入力された地点の移動を検出する移動距離検出手段を備え、該移動距離検出手段が所定距離以上の地点に移動があった場合には、前記記憶手段に記憶された住所データから住所名を取得し、該住所名を前記登録手段に登録するとともに、前記制御手段は、前記表示手段に前記登録情報を表示することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項5】 地図上の指定した地点を登録する機能を備えたナビゲーション装置において、
地点を入力するための電話番号入力手段と、
地点情報を記憶する記憶手段と、
前記電話番号入力手段により入力された電話番号が名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段、該名称データ判別手段により名称データありと判別した時に前記名称データを取得する登録名称取得手段、及び該登録名称取得手段により取得された名称を登録する登録手段を有する制御手段と、
該制御手段に登録された登録情報を表示する表示手段と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】 前記制御手段に更に前記入力された電話番号が前記記憶手段に登録されているか否かを判別する電話番号判別手段を備え、該電話番号判別手段により前記入力された電話番号が前記記憶手段に登録されていないと判別された場合には、前記入力された電話番号を前記登録手段に登録するとともに、前記制御手段は、前記表示手段に前記登録情報を表示することを特徴とする請求項5記載のナビゲーション装置。
【請求項7】 前記制御手段は更に入力された地点の移動を検出する移動距離検出手段を備え、該移動距離検出手段が所定距離以上の地点に移動があった場合には、前記記憶手段に記憶された住所データから住所名を取得し、該住所名を前記登録手段に登録するとともに、前記制御手段は、前記表示手段に前記登録情報を表示することを特徴とする請求項5記載のナビゲーション装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、目的地や通過点等の地点を入力して現在位置や出発地から経路探索を行って経路案内を行うナビゲーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等に搭載される車両用ナビゲーション装置では、目的地あるいは通過点等の地点を入力する場合、一度入力した地点をシステムに登録することにより、次回からその登録地点を利用して入力操作を容易にする地点登録機能を備えたナビゲーション装置が提案されている。
【0003】
地点登録機能を備えたナビゲーション装置として例えば特開平5-313573号公報で提案されている装置では、地点登録した場合に登録した地点を識別するために、文字情報の指示入力により登録指示があった場合には入力情報を地点名として登録するが、文字情報の指示入力によらず表示されたリストの中から選択して登録指示があったような場合には、日時情報を得て地点名として登録するように構成したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来の地点登録機能を備えたナビゲーション装置では、地点名称の登録を容易にするためにシステムが日時情報を自動的に地点名として書き込むように構成しているが、日時情報では、あとで見てもその情報がどこの地点のものなのか判りにくいといった不具合がある。また、このシステムでは、地点登録したい地名を文字により入力することもできるが、文字を入力する際に1文字ずつ入力しなければならないといった従来からの問題もある。このように従来の装置では、地点登録及びその呼び出しが必ずしも容易に行えるようにはなっていない。
【0005】
また、このような問題を解決するために、システムが登録地点名称で登録した地点を含む住所名について自動的に書き込むことにより登録する方法も考えられるが、施設名等を選択して地点登録する場合でも、例えば△△ゴルフ場を選んで登録すると、ゴルフ場の名前では登録されずそのゴルフ場の地点を含む住所名で登録されるため、運転者が登録したゴルフ場名に対応する住所名を覚えていないと、登録したときの施設名との対応がとれず判らなくなってしまうという問題がある。
さらには、観光地等の名所を登録する場合には、複数の地点が同一区域内、住所内に存在すると、全て同一の住所名で登録されてしまうといった不具合も生じる。
このように従来の装置では、メモリ機能を使って好んで利用される地点を予め登録して地点入力を簡便化しようとしても、様々な内容で認識している地点に関する情報を制限された日時情報や住所名で登録するために、運転者の地点に関する認識情報と乖離が生じてしまい、判りにくく勘違いや誤認識が生じやすいという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる問題を解決するものであって、地点の入力に用いるために予め地点を登録する場合に登録した地点が容易に運転者に判るようにしたナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明は、図1に示すように地図上に指定した地点を登録する機能を備えたナビゲーション装置において、地点を入力する入力手段100と、該入力手段の入力形態に応じた地点の情報を記憶する記憶手段200と、前記入力手段により入力された形態を検出する入力形態検出手段301、該入力形態検出手段により検出された入力形態が所定の入力形態の時に、前記入力手段により入力された地点が名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段303、該名称データ判別手段により名称データありと判別した時に前記名称データを取得する登録名称取得手段304、該登録名称取得手段により取得された名称を登録する登録手段305を有する制御手段300と、該制御手段に登録された登録情報を表示する表示手段400とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、図2に示すように地図上の指定した地点を登録する機能を備えたナビゲーション装置において、地点を入力するための電話番号入力手段100′と、地点情報を記憶する記憶手段200と、前記入力された電話番号が前記記憶手段に登録されているか否かを判別する電話番号判別手段306、前記電話番号入力手段により入力された電話番号が名所データを有するか否かを判別する名称データ判別手段303、該名称データ判別手段により名称データありと判別した時に前記名称データを取得する登録名称取得手段304、該登録名称取得手段により取得された名称を登録する登録手段305を有する制御手段300と、該制御手段に登録された登録情報を表示する表示手段400とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
【作用及び発明の効果】
本発明のナビゲーション装置では、地図上に指定した地点を登録する機能を備えたナビゲーション装置において、地点を入力する入力手段100或いは地点を入力するための電話番号入力手段100′と、該入力手段の入力形態に応じた地点の情報を記憶する記憶手段200と、前記入力手段により入力された形態を検出する入力形態検出手段301或いは前記入力された電話番号が前記記憶手段に登録されているか否かを判別する電話番号判別手段306、該入力形態検出手段により検出された入力形態が所定の入力形態の時に、前記入力手段により入力された地点が名称データを有するか否かを判別し或いは前記電話番号入力手段により入力された電話番号が名所データを有するか否かを判別する名称データ判別手段303、該判別手段により名称データありと判別した時に前記名称データを取得する登録名称取得手段304、該登録名称取得手段により取得された名称を登録する登録手段305を有する制御手段300と、該制御手段に登録された登録情報を表示する表示手段とを備えたので、日常的に認識している地点に関する情報に近い内容を登録情報とすることができ、目的地や通過点等の地点を入力するために登録情報を用いても、判りやすく勘違いや誤認識が生じるのを防ぐことができる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。
図3は本発明に係るナビゲーション装置の1実施例を示す図、図4は登録地点データファイルの構成例を示す図、図5は電話番号データファイルの構成例を示す図、図6は住所データファイルの構成例を示す図である。本発明に係るナビゲーション装置は、図3に示すように経路案内に関する情報を入出力する入出力装置1、自車両の現在位置に関する情報を検出する現在位置検出装置2、経路の算出に必要なナビゲーション用データや誘導案内に必要な表示案内データ等が記録されている情報記憶装置3、経路探索処理や経路案内に必要な表示案内処理を行うと共に、システム全体の制御を行う中央処理装置4から構成されている。まず、それぞれの構成について説明する。
【0011】
入出力装置1は、目的地を入力したり、運転者が必要な時に案内情報を音声および/または画面により出力できるように、運転者の意志によりナビゲーション処理を中央処理装置4に指示すると共に、処理後のデータなどをプリント出力する機能を備えている。その機能を実現するための手段として、入力部には、目的地を電話番号や地図上の座標などにて入力したり、経路案内をリクエストしたりするタッチスイッチ11や操作スイッチを有し、出力部には、入力データを画面表示したり、運転者のリクエストに応じ自動的に経路案内を画面で表示するディスプレイ12、中央処理装置4で処理したデータや情報記憶装置3に格納されたデータをプリント出力するプリンタ13および経路案内を音声で出力するスピーカ16などを備えている。
【0012】
ディスプレイ12は、カラーCRTやカラー液晶表示器により構成されており、中央処理装置4が処理する地図データや案内データに基づく経路設定画面、区間図画面、交差点図画面などナビゲーションに必要なすべての画面をカラー表示出力すると共に、本画面に経路案内の設定および経路誘導中の案内や画面の切り換え操作を行うためのボタンが表示される。特に、通過交差点名などの通過交差点情報は、随時、区間図画面にポップアップでカラー表示される。
【0013】
このディスプレイ12は、運転席近傍のインストルメントパネル内に設けられており、運転者は区間図を見ることにより自車両の現在地を確認し、またこれからの経路についての情報を得ることができる。また、ディスプレイ12には機能ボタンの表示に対応してタッチパネル11が設けられており、ボタンをタッチすることにより入力される信号に基づいて上記の操作が実行されるように構成されている。このボタンとタッチスイッチなどから構成される入力信号発生手段は入力部を構成するものであるが、ここではその詳細な説明を省略する。
【0014】
現在位置検出装置2は、衛星航法システム(GPS)を利用したGPS受信装置21、ビーコン受信装置22、例えばセラルフォーンやFM多重信号を利用したGPSの補正信号を受信するデータ送受信装置23、地磁気センサなどで構成される絶対方位センサ24、車輪センサ、ステアリングセンサ、ジャイロなどで構成される相対方位センサ25、車輪の回転数から走行距離を検出する距離センサ26などを備えている。
【0015】
情報記憶装置3は、経路誘導に必要な地図データ、交差点データ、ノードデータ、道路データ、写真データ、登録地点データ、案内地点データ、目的地データ、電話番号データ、住所データ等のファイルからなりナビゲーション装置に必要なすべてのデータが記録されたデータベースである。
【0016】
中央処理装置4は、種々の演算処理を実行するCPU40、経路探索などの処理を行うためのプログラムや経路案内に必要な表示出力制御、音声案内に必要な音声出力制御を行うためのプログラム及びそれに必要なデータが格納された第1ROM41、設定された目的地の地点座標、道路面コードNo.等の探索された経路案内情報や演算処理中のデータを一時的に格納するRAM42、経路案内及び地図表示に必要な表示情報データが格納された第2ROM43、ディスプレイヘの画面表示に使用する画像データが記憶された画像メモリ44、CPU40からの表示出力制御信号に基づいて画像メモリ44から画像データを取り出し、画像処理を施してディスプレイに出力する画像プロセッサ45、CPUからの音声出力制御信号に基づいて情報記憶装置3から読み出した音声、フレーズ、1つにまとまった文章、音等を合成してアナログ信号に変換してスピーカ16に出力する音声プロセッサ46、通信による入出力データのやり取りを行う通信インタフェース47および現在位置検出装置2のセンサ信号を取り込むためのセンサ入力インタフェース48、内部ダイアグ情報に日付や時間を記入するための時計49などを備えている。ここで、経路案内は画面表示と音声出力で行い、音声出力の有無は、運転者が選択できるように構成されている。
【0017】
本発明に係るナビゲーション装置の情報記憶装置3に格納された登録地点データファイルは、図4に示すようにジャンル名と地点データアドレス、サイズのデータを有するインデックスデータ、及び各地点データ毎に地点データ名とその読み、東経・北緯、地図表示縮尺、登録地点番号のデータを有するジャンル別地点データからなり、インデックスデータの地点データアドレス、サイズでジャンル別地点データをポイントし、ジャンル名から各地点データ名が検索できるようになっている。また、電話番号データファイルは、図5に示すように電話番号データ、登録電話番号、目印データ、地点データからなり、電話番号データから登録電話番号、目印データをポイントし、目印データから地点データをポイントしている。電話番号データは、市外・市内局番、代表地点東経・北緯、地図表示縮尺、登録電話番号アドレス、サイズ、目印データアドレス、サイズの各データを有し、市外・市内局番から登録電話番号やジャンル名毎に地点データが検索できるようになっている。登録電話番号は、加入者番号、名称、地点東経・北緯、地図表示縮尺、登録電話番号の各データを有している。目印データは、ジャンル名と地図データアドレス、サイズの各データを有し、地点データは、地点データ名とその読み、地点東経・北緯、地図表示縮尺、目的地番号の各データを有している。そして、住所データは、図6に示すように一定距離でメッシュ化した左下東経座標と北緯データアドレス、そのポイント先毎の左下北緯座標と住所名称の各データを有し、東経・北緯の座標から住所名称が検索できるようになっている。
【0018】
次に、動作を説明する。図7は本発明に係るナビゲーション装置のシステム全体の流れを説明するための図、図8はメモリ地点名称の取得フローを説明するための図である。
【0019】
中央処理装置4のCPU51により経路案内システムのプログラムが起動されると、図7に示すようにまず現在位置検出装置2により現在位置を検出して現在位置を中心としてその周辺地図を表示すると共に、現在位置の名称等を表示する(ステップS1)。次に、電話番号や住所、施設名称、登録地点等を用いて目的地を設定し(ステップS2)、現在位置から目的地までの経路探索を行う(ステップS3)。経路が決まると、現在位置検出装置2による現在位置追跡を行いながら、目的地に到着するまで経路案内・表示を繰り返し行う(ステップS4)。目的地に到着する前に寄り道設定の入力があった場合には、探索エリアを設定してその探索エリアでの再探索を行い、同様に目的地に到着するまで経路案内を繰り返し行う。
【0020】
本発明では、この目的地設定や通過点等の地点設定において、運転者が好んで利用する地点を予めメモリに登録しておき、これを地点設定に際して利用する際に、登録するときの形態に応じた情報を提供することにより、地点設定をしやすくするものである。
【0021】
メモリ地点登録を行う場合には、電話番号入力や、ジャンルを選択後そのジャンルのリストより項目を選択して入力する方法、或いは地図上の特定の地点等を指定する方法により登録を行う。そのように登録した地点は、その登録地点の東経、北緯座標、及び名称、住所、電話番号等をRAM42に書き込む。このRAM42への書き込みの際に使用した形態、即ち、例えば電話番号で入力した場合には電話番号で、例えば住所入力した場合には住所を使用してRAM42に書き込むように構成することにより、登録した地点の呼び出しの際に、使用者が確認し易く登録地点を選ぶことが可能となる。以下にメモリ地点登録について詳細に説明する。
【0022】
以下図8を用いて種々の入力形態に対する地点登録を電話番号による入力とその他の入力の形態に分けて説明する。
種々の入力形態から入力後、例えば電話番号による入力後、その電話番号に対応する地点や、或いはその電話番号の局番に対応する代表地点を中心とする地図が表示される。また、住所入力や施設名入力においてもそれらの入力形態に対応した地点を中心とする地図が表示される。これらの入力を基に地点を登録する場合、例えば図27(a)に示すように、表示された地図を8方向カーソルをタッチすることによりスクロールして地図の中心を移動させることが可能である。
【0023】
電話番号の入力により地点登録を行う場合について説明する。電話番号入力手段により電話番号を入力することにより表示された地図をスクロールした距離が所定距離(L1)以内であったか否かを地点移動距離検出手段にて調べる(ステップS11)。そして、移動距離が所定の範囲L1以内であった場合には、その入力された電話番号が予め記憶装置内に登録されているものであるか否かを図5(a)に示す電話番号データで調べる(ステップS13)。ここで電話番号が登録されている場合、図5(b)に示す登録電話番号データにその電話番号に対応する名称データがあるか否かを名称データ判別手段により調べる(ステップS17)。名称データがある場合には登録名称手段により名称を取得して(ステップS19)、地点登録手段によりその取得された名称を現在表示されている地図の中心の位置座標とともにメモリ地点登録する。ステップS17において名称データがない場合には、その現在表示されている地図の中心の座標に対応する住所名を図6の住所データより取得して(ステップS21)、地図の中心の座標とともに取得された住所名をメモリ地点登録する(ステップS22)。また、ステップS11において移動距離がL1より大きいと判断された場合には、更に移動距離がL2(L2≧L1)であるか否かを調べる(ステップS18)。移動距離がL2より大きいと判断された場合には、座標から住所名を取得して座標とともにメモリ地点登録する(ステップS21、S22)。ステップS18において、移動距離がL2以下であれば入力された電話番号を現在表示中の地図の中心の座標とともにメモリ地点登録する(ステップS24)。つまり、移動距離検出手段により検出されたスクロール等による移動距離をSとすると、S≦L1の場合には名称データがあれば名称データを、名称データがなければ入力された電話番号に対応する座標を取得して対応する住所名を登録する。L1<S≦L2の場合には入力された電話番号を登録する。また、L2<Sの時には入力された電話番号に対応する座標を取得して対応する住所名を登録する。
【0024】
上記実施例の他種々の変形が可能である。例えば図8においてステップS18の処理を行わず、ステップS16において入力された電話番号が登録されていない場合は全てステップS24の処理に移行して、入力された電話番号を登録するようにしてもよい。また、ステップS23の処理を行わず、ステップS11で移動距離がL1以内でないと判断された場合に、全てステップS25の処理に移行して、入力された電話番号に対応する座標から住所名を取得して登録するようにしてもよい。
【0025】
上記のステップにより電話番号入力からのメモリ地点登録を行うことにより、入力された電話番号に対応する地図表示からあまりスクロールせずに登録した場合、使用者がその電話番号に対応する地点を登録したものとして、名称データがある場合にはその名称データを登録することができる。また、電話番号入力後の地図表示において、ある程度スクロールした場合は、その入力された電話番号に対応する地点ではないが、その代表的な電話番号に対応する地点を目印として近傍の地点を選定したものとして、なるべく入力形態に即した形で登録するよう、入力された電話番号を登録することができ、後に登録地点を呼び出す場合に使用者がどの地点のメモリ地点であったのかを確認し易く表示することが可能となる。しかし、電話番号入力後相当量のスクロールを行った場合(例えば入力された電話番号の局番エリアをはるかに越えて他の局番エリアにまでスクロールした場合)、逆に後ほど登録地点を読み出す時に迷ってしまうことがあり、この場合は、その地点の座標から住所名を読み出し登録できるようにしている。
【0026】
次に、例えば住所名入力や、施設名称入力、或いは地図上の地点を指定して入力する等、電話番号入力以外の形態で地点登録を行う場合について図8を用いて説明する。まず入力手段により種々の形態で入力され対応する地図表示がなされると、スクロールによる地図の移動が所定距離以内(L1)であったか否かを移動距離検出手段により調べる(ステップS11)。所定距離以内であった場合、その入力形態が例えば図10に示す入力キーの「住所」や施設名称の「ゴルフ場」や「他の施設」のように、図4に示すように予めシステムに登録されているジャンルから項目を選択したものであるか否か、即ち登録地点であるか否かを入力形態検出手段により調べる(ステップS13)。登録されている地点である場合、そのデータに名称が登録されているか否かを名称データ判別手段により調べる(ステップS17)。名称がある場合には、名称データ判別手段により名称データを取得して(ステップS19)、地点登録手段によりその取得された名称を現在表示されている地図の中心の位置座標とともにメモリ地点登録する(ステップS20)。また、ステップS11においてスクロール等の距離が所定範囲より大きかった場合、ステップS13において登録地点の入力ではなかった場合、或いはステップS17において登録地点の入力であるが名称データがなかった場合、表示されている地図の中心の座標から住所名を取得して座標とともにメモリ地点登録する。
【0027】
上述のように、上記のような入力形態の場合において、例えば予めシステムに登録されている地点から入力を行った場合、即ちジャンルを選択してそのジャンルに含まれる項目を選択して地点を登録する場合、なるべくその選択入力された名称を座標とともに地点登録することができ、登録された地点を呼び出す場合においても認識し易いものとなっている。
【0028】
次に、画面の具体的な構成例を示してメモリ地点登録の操作について流れを説明する。図9は操作部及び表示部の全体の構成例を示す図、図10は目的値設定画面の構成例を示す図、図11はメニュー画面及びメモリ地点登録画面の構成例を示す図、図12乃至図図14は電話番号入力による地点登録の操作例を説明するための図、図15乃至図19は住所入力による地点登録の操作例を説明するための図、図20乃至図23は施設名称入力による地点登録の操作例を説明するための図、図24乃至図31は地点登録を行う際に所定距離以上カーソル移動が行われた場合の例を説明するための図である。
【0029】
図9において、ディスプレイ61は、カラーCRTやカラー液晶表示器により構成されており、画面にタッチパネルを組み合わせ、運転席近傍のインストルメントパネル内に設けられるものである。そして、中央処理装置で処理する地図データや案内データに基づく現在地、案内画面、目的地設定画面、メニュー画面などナビゲーションに必要なすべての画面をカラー表示出力すると共に、画面内に選択、操作の指示を行うためのボタンが表示され、これらのボタンの選択、操作を検知するために画面上にタッチパネルが設けられる。また、通過交差点名などの通過交差点情報は、随時、区間図画面にポップアップでカラー表示される。
【0030】
ディスプレイ61の周囲のパネルには、現在地〔音声案内〕スイッチ62、目的地設定スイッチ63、メニュースイッチ64が設けられている。現在地〔音声案内〕スイッチ62は、他の表示画面でそれが押されると、現在地表示画画に切り換えて現在位置検出装置で検出された現在地を中心とする地図を表示し、この現在地表示画面でさらに押されると、経路案内を開始し案内音声と共に案内画面を出力するものである。現在地表示画面では、さらに詳細な地図に切り換える「詳細」ボタン、広域地図に切り換える「広域」ボタン、現在地(地図の中心位置)を補正する「補正」ボタンを表示し、現在地補正の画面では、上下左右斜めに矢印の移動ボタン、「セット」ボタンを表示し、移動ボタンがタッチされると、地図を移動させて中心を現在地として「セット」ボタンにより現在地補正をできるようにしている。
【0031】
目的地設定スイッチ63は、それが押されると、図10に示すような目的地設定画面に切り換わり、目的地の設定を行うことができる。目的地設定画面では、目的地を選択するときの選択肢として「電話番号」、「住所」、「ゴルフ場」や「他の施設」(駅、交差点、IC・SA・PA、その他のジャンル)による施設名称、「自宅」、「メモリ地点」、「前回出発地」による登録地点のボタンが表示され、これらを選択的にタッチすることによりそれぞれの内容で目的地を設定することができる。また、操作説明表示ボタンにより操作説明の画面を出すことができる。
【0032】
メニュースイッチ64は、それが押されると、図11(a)に示すようなメニュー画面に切り換わり、「電話帳」、「CD CRAFT」、「メモリ地点登録」、「メモリ地点消去」、ルートの「変更」・「消去」、音量の調整の各ボタンが表示され、これらを選択的にタッチすることによりそれぞれの機能を利用することができる。また、航続可能距離の領域にガソリンの残量や燃費等を基に算出される走行可能距離が表示される。「電話帳」は、例えばJAFや道路交通情報センター、観光情報センター、緊急医療情報センター、レストラン・ホテル等、目的地のようなしばしば電話番号を調べることがある施設等の電話番号を登録し提供するものである。「CD CRAFT」は、CD-ROMを装着してそのソフトをこの表示入力画面で利用する場合に選択するものである。「メモリ地点登録」は、運転者がゴルフ場や知人宅、諸施設、機関等の独自に好んで利用する地点を登録するものであり、図11(b)に示すように「電話番号」や「住所」、「現在地周辺」、「目的地周辺」、「ゴルフ場」、「他の施設」の施設名称等を用いて選択し、登録することができる。「メモリ地点消去」は、「メモリ地点登録」で登録された地点を消去するものである。ルートの「変更」は、新たな目的地や通過点、寄り道を経由する経路に変更し、「消去」は、既に探索された経路を消去するためのものである。そして、音量調整は、スピーカの音量を調整する場合に選択するものであり、それぞれ「OFF」は、音声出力を止め、「小」、「中」、「大」は、音量を小さくしたり大きくするときに操作するものである。また、「補正」は、現在位置検出の手段として装備している地磁気センサ等がノイズの影響を受けた場合にその補正を行うためのものである。
【0033】
メニュー画面から「メモリ地点登録」を経て「電話番号」が選択されると、図12に示すようにテンキーで市外局番から入力する画面を表示する。電話番号が入力されると図12(b)に示すようにその番号「052-931-1569」を表示し例えば予め入力されているNTT職業別電話帳を検索して、図13に示すようにその登録名を表示した後に入力した電話番号の登録地点を中心とする周辺の地図を画面に表示する。画面の位置を確認の上「セット」ボタンがタッチされると、図14に示すように登録領域の指定にしたがって例えば「2」の行に電話番号「052-931-1569」でメモリ地点を登録する。
【0034】
また、図15に示すようにメモリ地点登録の「住所」が選択されると、図16に示すようにまず、五十音順に県名・主要都市名のリストを表示し、その選択したがって県名から「名古屋市」、さらに「中区」、図17に示すように「栄」→「1丁目」と順に市→区→町→丁目まで表示する。そして、図18に示すように最終的に選択された住所を中心とする周辺の地図を画面に表示し、画面の位置を確認の上「セット」ボタンがタッチされると、図19に示すように登録領域の指定にしたがって「2」の行に入力された住所「愛知県名古屋市栄1丁目付近」でメモリ地点を登録する。
【0035】
また、図20に示すようにメモリ地点登録の施設名称のうち、例えば「ゴルフ場」が選択されると、図21に示すように全国のゴルフ場、各県のゴルフ場を五十音順に表示し、さらに選択された地域「愛知県のゴルフ場」のゴルフ場「愛知CC」、「葵CC」、……を表示して図22に示すように最終的に選択されたゴルフ場を中心とする周辺の地図を画面に表示する。そして、画面の位置を確認の上「セット」ボタンがタッチされると、図23に示すように登録領域の指定にしたがって入力されたゴルフ場名「愛知CC」でメモリ地点を登録する。
【0036】
図24に示すようにメモリ地点登録の施設名称のうち、他の施設が選択されると、図25に示すように「遊園地」や「スキー場」、「公園」、「動植物園」等の各ジャンルを表示し、続いて選択されたジャンル「美術・博物」の各施設名を五十音順に表示する。そして、最終的に施設名「徳川美術館」が選択されると、図26に示すようにその施設の位置を中心とする周辺の地図を画面に表示する。また、地図画面上部には、地点名称として「徳川美術館」を表示する。しかし、この地図において「位置変更」ボタンがタッチされると、図27(a)に示すように上下左右斜めのカーソルボタンを表示し、これがタッチされると、画面をスクロールすることによって地図を移動する。そこで、このような移動があった場合には、図27(b)に示すように所定距離以上のスクロール移動があったか否かを判断する。そして、所定距離以上のスクロール移動があった場合には、地図画面上部の地点名称を消去し、図28に示すように「セット」ボタンがタッチされたとき、登録領域の指定にしたがって「2」の行に図29に示すようにその位置の住所名「愛知県千種区古出来町付近」で地点を登録するが、所定距離以上のスクロール移動がなかった場合には、図30に示すように「セット」ボタンがタッチされたとき、登録領域の指定にしたがって「2」の行に図31に示すように施設名「徳川美術館」でメモリ地点を登録する。
【0037】
上記実施例により登録されたメモリ地点、または予めシステムに登録されている地点データにはその地点の座標とともに名称を格納させているために、図32(a)、(b)、図33に示すように、それら登録地点から選択して目的地や通過点等を指定して経路探索を行わせる場合に、選択された登録地点の表示を行うことができ、使用者が設定すべき地点の確認を行うことができる。以下詳細に説明する。
【0038】
まず図32(a)において、目的地設定のメニューが表示され、例えば「メモリ地点」を選択すると、図32(b)に示すように登録されているメモリ地点がリスト表示される。例えば「愛知CC」を選択すると、図33に示すように愛知CCを中心とする地図表示がなされ、更にスクロールを行うための「位置変更」キー、及びその地図の中心を目的地や通過点等に設定するための「セット」キーが表示される。この図33に示された地図表示において、「愛知CC」のように選択された地点の名称を登録地点のデータより読み出して表示させることにより、位置設定を行う時に使用者が確認することができる。また、上記のようにメモリ地点登録された地点から入力する場合の他、電話番号入力や住所入力、或いはシステムに登録されているジャンルから項目を選択して地点を入力し、目的地や通過点等の地点を設定する場合においても、入力後表示されている地図画面に、その入力された形態に応じて名称等の表示を行わせてもよい。
【0039】
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記の実施例では、登録情報として名称、電話番号、住所名を用いたがこれらの組み合わせや他の情報を付加してもよい。
【0040】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、地点の入力に用いるために予め地点を登録する場合、地点を指定入力するのに用いた名称や電話番号等の地点入力情報を登録情報とするので、日常的に認識している地点に関する情報に近い電話番号やゴルフ場の具体的な名前、施設の名前のあるものについては、これらの内容を登録情報とすることができ、目的地や通過点等の地点を入力するために登録情報を用いても、判りやすく勘違いや誤認識が生じるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るナビゲーション装置の基本的な構成例を示す図である。
【図2】 本発明に係るナビゲーション装置の他の基本的な構成例を示す図である。
【図3】 本発明に係るナビゲーション装置の1実施例を示す図である。
【図4】 登録地点データファイルの構成例を示す図である。
【図5】 電話番号データファイルの構成例を示す図である。
【図6】 住所データファイルの構成例を示す図である。
【図7】 本発明に係るナビゲーション装置のシステム全体の流れを説明するための図である。
【図8】 メモリ地点名称の取得フローを説明するための図である。
【図9】 操作部及び表示部の全体の構成例を示す図である。
【図10】 目的値設定画面の構成例を示す図である。
【図11】 メニュー画面及びメモリ地点登録画面の構成例を示す図である。
【図12】 電話番号入力による地点登録の操作例を説明するための図である。
【図13】 電話番号入力による地点登録の操作例を説明するための図である。
【図14】 電話番号入力による地点登録の操作例を説明するための図である。
【図15】 住所入力による地点登録の操作例を説明するための図である。
【図16】 住所入力による地点登録の操作例を説明するための図である。
【図17】 住所入力による地点登録の操作例を説明するための図である。
【図18】 住所入力による地点登録の操作例を説明するための図である。
【図19】 住所入力による地点登録の操作例を説明するための図である。
【図20】 施設名称入力による地点登録の操作例を説明するための図である。
【図21】 施設名称入力による地点登録の操作例を説明するための図である。
【図22】 施設名称入力による地点登録の操作例を説明するための図である。
【図23】 施設名称入力による地点登録の操作例を説明するための図である。
【図24】 地点登録を行う際に所定距離以上カーソル移動が行われた場合の例を説明するための図である。
【図25】 地点登録を行う際に所定距離以上カーソル移動が行われた場合の例を説明するための図である。
【図26】 地点登録を行う際に所定距離以上カーソル移動が行われた場合の例を説明するための図である。
【図27】 地点登録を行う際に所定距離以上カーソル移動が行われた場合の例を説明するための図である。
【図28】 地点登録を行う際に所定距離以上カーソル移動が行われた場合の例を説明するための図である。
【図29】 地点登録を行う際に所定距離以上カーソル移動が行われた場合の例を説明するための図である。
【図30】 地点登録を行う際に所定距離以上カーソル移動が行われた場合の例を説明するための図である。
【図31】 地点登録を行う際に所定距離以上カーソル移動が行われた場合の例を説明するための図である。
【図32】 目的地や通過点設定時にシステムに登録されている地点を選択する場合の例を説明するための図である。
【図33】 目的地や通過点設定時にシステムに登録されている地点を選択する場合の例を説明するための図である。
【符号の説明】
1…入出力装置、2…現在位置検出装置、3…情報記憶装置、4…中央処理装置、11…タッチスイッチ、12…ディスプレイ、13…プリンタ、16…スピーカ、21…GPS受信装置、22…ビーコン受信装置、23…データ送受信装置、40…CPU、41…第1ROM、42…RAM、43…第2ROM、44…画像メモリ、45…画像プロセッサ、46…音声プロセッサ、47…通信インタフェイス、48…センサ入力インタフェイス、49…時計
 
訂正の要旨 訂正の要旨
明細書(特許第2816104号明細書、以下同じ)を本件訂正請求書に添付された訂正明細書のとおり、すなわち特許請求の範囲の減縮を目的として下記のとおり訂正する。
(1)明細書の特許請求の範囲の請求項1において、
「該入力形態検出手段により検出された入力形態が所定の入力形態の時に、前記入力手段により入力された地点が名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段」を、特許請求の範囲の減縮を目的として、「該入力形態検出手段により検出された入力形態が所定の入力形態の時に、前記入力手段により入力された地点に対応する前記記憶手段に記憶された地点の情報に名称データを有するか否かを判別する名称データ判別手段」と訂正する。
異議決定日 2000-09-13 
出願番号 特願平6-228173
審決分類 P 1 652・ 121- YA (G01C)
最終処分 維持  
前審関与審査官 太田 恒明  
特許庁審判長 大森 蔵人
特許庁審判官 岩本 正義
西川 一
登録日 1998-08-14 
登録番号 特許第2816104号(P2816104)
権利者 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
発明の名称 ナビゲーション装置  
代理人 蛭川 昌信  
代理人 内田 亘彦  
代理人 青木 健二  
代理人 白井 博樹  
代理人 米澤 明  
代理人 米澤 明  
代理人 菅井 英雄  
代理人 韮澤 弘  
代理人 阿部 龍吉  
代理人 内田 亘彦  
代理人 青木 健二  
代理人 韮澤 弘  
代理人 阿部 龍吉  
代理人 白井 博樹  
代理人 菅井 英雄  
代理人 蛭川 昌信  

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