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審決分類 |
審判 一部申し立て 2項進歩性 B29D |
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管理番号 | 1032174 |
異議申立番号 | 異議2000-73015 |
総通号数 | 17 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1997-08-19 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-08-04 |
確定日 | 2001-01-17 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第3007418号「高温用ポリウレタン/尿素エラストマー」の請求項9に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第3007418号の請求項9に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.本件特許第3007418号の発明〔平成7年7月14日(優先権主張 平成6年7月14日、米国)出願、平成11年11月26日設定登録(請求の数12)〕は、特許明細書の記載からみて、その特許請求の範囲請求項1〜12に記載されたとおりのものと認める。 2.特許異議申立人は、請求項9に係る発明(以下、本件発明という。)は、甲第1号証(特開平3-220224号公報)及び甲第2号証(特開平5-43645号公報)に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであると主張している。 3.甲第1号証には、パラフェニレンジイソシアネートと、平均分子量900〜3000で且つ分子量分布の小さいポリカプロラクトンポリオールとを反応せしめて得られる、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーと、1,4-ブタンジオール及びトリメチロールプロパンから成る硬化剤とを含んで成るポリウレタンエラストマー(特許請求の範囲請求項1)、請求項1乃至5のいずれかに記載のポリウレタンエラストマーから成るベルト(同請求項6)、平ベルト、歯付きベルト、Vベルトから成る群より選ばれた一種である請求項6記載のベルト(同請求項7)が記載され、「このプレポリマー法としては、従来、・・・トリレンジイソシアネートとポリエステルポリオールより生成したプレポリマーに硬化剤として3,3′-ジクロロ-4,4′-ジアミノジフェニルメタンを加える方法等が知られている。」(第2頁右上欄第6〜14行)、「また、パラフェニレンジイソシアネートと反応してプレポリマーを生成するポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が知られており、代表的なものとしては、・・・等を挙げることができる。」(第2頁右下欄第17行〜第3頁左上欄第8行」、「また、前記プレポリマーの硬化剤としては、分子内に活性水素含有基を2個以上含む化合物である3,3′-ジクロロ-4,4′-ジアミノジフェニルメタン、4,4′-メチレンジアミン、2,2′,3,3′-テトラクロロ-4,4′-ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ジアミン、1,4-ブタン等のジオール、トリメチロールプロパン等があるが、」(第3頁右下欄第4〜11行)との記載がなされ、 甲第2号証には、パラフェニレンジイソシアネートと、ヒドロキシル基末端ポリエステルポリオールと、4,4′-メチレンビス(o-クロロアニリン)とを主成分とし、前記ヒドロキシ基末端ポリエステルポリオールが、・・・であるポリウレタンエラストマー組成物で形成されたことを特徴とする耐油性ベルト(特許請求の範囲請求項1)、前記ヒドロキシ基末端ポリエステルポリオールが、・・・とから成るポリエステルポリオール、又は、カプロラクトンポリオールを含有することを特徴とする請求項1記載の耐油性ベルト(同請求項2)が記載されていることが認められる。 前記記載事実によれば、甲第1、2号証には、特許異議申立人が主張するとおり、イソシアネートとしてパラ-フェニレンジイソシアネートやトリレンジイソシアネートを使用し、ポリオールとしてポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオールを使用し、さらに硬化剤として3,3′-ジクロロ-4,4′-ジアミノジフェニルメタンや4,4′-メチレンビス(o-クロロアニリン)等の芳香族対称1級ジアミンを使用して、ベルト用のポリウレタンエラストマーを製造することの記載がなされているものと認められる。 本件発明と甲第1、2号証に記載のものとを対比すると、両者は、ポリウレタンエラストマーからなるベルトに係り、前者におけるジイソシアネート、ポリオール及び連鎖延長剤は、甲第1、2号証に記載がなされていることは認められるが、同甲号証には、本件発明の特定要件である「動的用途において、約140℃までの高温耐熱性及び約-35℃までの低温耐熱性を有する」ベルトの記載、又はこれを示唆する記載はなされていないものと認められる。 そして、本件発明は、前記事項により明細書に記載されたとおりの目的、効果を達成し得たものと認められるから、本件発明は、甲第1、2号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 4.また、他に本件発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2000-12-19 |
出願番号 | 特願平8-505192 |
審決分類 |
P
1
652・
121-
Y
(B29D)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 井出 隆一、中島 庸子 |
特許庁審判長 |
小林 正巳 |
特許庁審判官 |
仁木 由美子 寺本 光生 |
登録日 | 1999-11-26 |
登録番号 | 特許第3007418号(P3007418) |
権利者 | ザ ゲイツ コーポレイション |
発明の名称 | 高温用ポリウレタン/尿素エラストマー |
代理人 | 今城 俊夫 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 大塚 文昭 |
代理人 | 村社 厚夫 |
代理人 | 竹内 英人 |
代理人 | 小川 信夫 |
代理人 | 浅井 賢治 |
代理人 | 宍戸 嘉一 |