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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  C04B
管理番号 1032216
異議申立番号 異議2000-71681  
総通号数 17 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1993-12-14 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-04-25 
確定日 2001-01-10 
異議申立件数
事件の表示 特許第2966644号「窒化珪素質焼結体及びその製造方法」の請求項1、2、4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第2966644号の請求項2、4に係る特許を取り消す。 同請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第2966644号の請求項1ないし4に係る発明についての出願は、平成4年5月29日に特許出願されたものであって、平成11年8月13日にその発明について特許の設定登録がなされたものである。
これに対して、京セラ株式会社より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年9月14日に意見書が提出されたものである。

2.特許異議申立ての理由の概要
特許異議申立人は、証拠方法として下記の甲第1ないし3号証を提出し、請求項1に係る発明は甲第1ないし3号証に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるから、請求項1に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反したものであり取り消されるべきものである旨、また、請求項2及び4に係る発明は甲第2号証に記載された発明であるから、請求項2及び4に係る発明の特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反したものであり取り消されるべきものである旨主張している。

甲第1号証:「J.Am.Ceram.Soc.」Vol.73,No.6,第1606〜1612頁(1990)
甲第2号証:特開平2-157161号公報
甲第3号証:特開平3-170373号公報

3.当審が通知した取消理由通知の概要
当審が通知した取消理由通知の概要は以下のとおりである。
「請求項1に係る発明は、刊行物1ないし3(それぞれ上記甲第1ないし3号証と同じ)に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるか、または刊行物2に記載された発明であるか、また、請求項2及び4に記載された発明は刊行物2に記載された発明であるか、または刊行物2に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるから、請求項1、2及び4に係る発明の特許は、特許法第29条第1項第3号、第2項の規定に違反したものであり取り消されるべきものである。」

4.本件発明
本件特許の請求項1、2、4に係る発明(以下、「本件発明1」、「本件発明2」、「本件発明4」という)は、それぞれ特許請求の範囲の請求項1、2、4に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】窒化珪素粒子の間隙に、Al-Yb-Si-O-N系酸窒化物ガラス及びYb2Si2O7微結晶を含有することを特徴とする窒化珪素質焼結体。
【請求項2】平均粒径が10μm以下の窒化珪素粒子に対して、いずれも平均粒径が10μm以下の酸化物である、第1添加物のアルミナ及び第2添加物の酸化イッテルビウム、又は第1添加物のアルミナ、第2添加物の酸化イッテルビウム及び第3添加物のシリカを、全添加量が3〜30重量%となるように添加調整し、有機溶媒中で分散剤とともに均一に混合した後、乾燥・成形し、脱脂してから窒素加圧ガス雰囲気中で1600〜1950℃の温度で焼結することを特徴とする窒化珪素質焼結体の製造方法。
【請求項4】請求項2又は3記載の窒化珪素質焼結体の製造方法において、第2添加物の酸化イッテルビウムと第1添加物のアルミナの重量比を0.5〜7の範囲に保つか、又は、第2添加物の酸化イッテルビウムと第1添加物のアルミナの重量比を0.5〜7の範囲に保ち、かつ第3添加物のシリカを27重量%以下添加することを特徴とする窒化珪素質焼結体の製造方法。」
5.甲号各証の記載内容
甲第1号証には、次の事項(訳文)が記載されている。
(a)「窒化珪素に YSiAlON ガラスを添加して緻密化することにより、非加圧焼成で99%の緻密な材料が得られた。・・・(焼成後の)1350℃の熱処理により、β-Y2Si2O7のみが粒界に結晶化されることが、透過型電子顕微鏡により観察できた。・・・Alは残りの非晶質相中に集中し、Si3N4への固溶か、粒界微結晶としても存在する。この材料は、4点曲げ強度試験において、1300℃でも常温強度の 73%まで、426MPaまでを維持していた。このような高強度の維持は、粒界相の完全な結晶化と、残部の非晶質相の高度な耐火性によるものである。」(第1606頁左欄第1〜17行)
(b)「(3)1450℃までの熱処理により、Y2SiO5と、4成分化合物であるYSiO2N及びY4SiO7N2が粒界に結晶化した。1350℃の低温で熱処理するとβ-Y2Si2O7のみが生成された。この相は、上記の4成分化合物よりも耐酸化性が高いため、好適である。」(第1612頁左欄第19〜25行)
甲第2号証には、窒化珪素質焼結体に関し次の事項が記載されている。
(c)「本発明によれば、・・・Y2O3に比較してYb2O3はSi-Al-RE-OまたはSi-Al-RE-O-N系化合物の形成が容易になし得るという性質を有する。・・・即ち高温強度の劣化を有効に防止することができるのである。・・・SiまたはYbのいずれかが上記の範囲をはずれても高強度、高密度の焼結体を得ることができず、Alが2.5モル%を超えると1400℃における高温強度が劣化する。」(第2頁左下欄第6行〜右下欄第2行)
(d)「本発明の窒化珪素質焼結体の製造にあたっては、まず、原料としてSi3N4粉末87.5〜99.5モル%、特に90〜95モル%とYbの酸化物、炭化物、窒化物あるいは珪化物を酸化物換算で0.5〜10モル%、特に1〜5モル%の割合で、またAlの酸化物、炭化物、窒化物あるいは珪化物を酸化物換算で2.5モル%以下、特に1〜2モル%の割合で混合する。この時Yb2O3を1モル%以上含有することが望ましい。混合物は周知の成形手段、例えばプレス成形、鋳込み成形、押出成形、冷間静水圧成形等によって所望の形に成形される。次に成形体を1800〜2000℃の焼成温度で窒素を含む非酸化性雰囲気で焼成する。焼成方法としては常圧焼成、ホットプレス、ガス圧力焼成、熱間静水圧焼成等が採用できるが、強度あるいは形状の多様性からガス圧力焼成、熱間静水圧焼成が望ましい。」(第2頁右下欄第3〜20行)
(e)「(実施例)窒化珪素粉末として、平均粒径0.5μm、酸素含有量1.0重量%、β化率50%の原料に対し、Yb化合物およびをAl化合物を第1表に示す割合で配合した後、成形し2000℃、N2ガス圧9.8atmの雰囲気で2時間焼成した。」(第3頁左上欄第5〜10行)
(f)第3頁第1表において、試料No.2の組成(モル%)が「Si3N4が94.8%、Yb2O3が3.7%、Al2O3が1.5%」で、1000℃酸化増量(mg/cm2)が0.03、1400℃MOR(Kg/mm2)が76であること、試料No.3の組成(モル%)が「Si3N4が90.3%、Yb2O3が8.1%、Al2O3が1.6%」で、1000℃酸化増量(mg/cm2)が0.20、1400℃MOR(Kg/mm2)が71であること、及び試料11の組成(モル%)が「Si3N4が93.5%、Yb2O3が4.0%、Al2O3が2.5%」で、1000℃酸化増量(mg/cm2)が0.02、1400℃MOR(Kg/mm2)が73であること。
(g)「本発明の窒化珪素質焼結体は、・・・Yb2O3 を用いることによって高温強度を劣化することなく、中温域(800〜1100℃)の耐酸化性を大きく向上させることが可能となり・・・」(第3頁左下欄第15〜19行)
甲第3号証には、窒化珪素質焼結体の製造方法に関し次の事項が記載されている。
(h)「窒化珪素70乃至99モル%と、希土類元素酸化物0.1〜5モル5と、過剰酸素(SiO2換算量)25モル%以下からなり、(過剰酸素/希土類元素)モル比が2より大きく、25以下の範囲にあり、且つ窒化珪素のα化率が30%以上、対理論密度比が95%以上の焼結体を1500〜1800℃の非酸化性雰囲気で処理することを特徴とする窒化珪素質焼結体の製造方法。」(請求項1)
(i)「このようにして得られる焼結体は、針状化したβ型窒化珪素結晶相、具体的には平均アスペクト比が3以上の結晶相と、場合により少量のα型窒化珪素結晶相、該結晶相の粒界に珪素、希土類元素、酸素並びに窒素が存在するが、上記のような製法によれば、通常高融点ガラス相の他にSi2N2Oで表わさせるシリコンオキシナイトライド結晶相あるいはRE2O3・2SiO2で表されるダイシリケート結晶相が生成する場合もある」(第3頁左下欄第15行〜右下欄第3行)
(j)第5頁第1表には焼結体番号9の欄には組成(モル%)としてSi3N4が90、RE2O3としてYb2O3が1.0、過剰酸素が9.0の例が示されている。
6.当審の判断
(1)本件発明1について
本件発明1は「窒化珪素焼結体は難焼結性物質であるため焼結助剤としてAl2O3、Y2O3、MgOなどを添加して焼結するが、この方法で作製した焼結体は粒界ガラス相の固相温度が約1300℃と低いため、高温に加熱されると1300℃前後の温度領域で粒界に液相が現れ始め、焼結体の強度が徐々に低下する」といった従来技術における課題を解決することを目的とするものであって、その課題を「窒化珪素粒子の間隙に、Al-Yb-Si-O-N系酸窒化物ガラス及びYb2Si2O7微結晶を含有する」構成を有することにより解決するものである。
これに対し、甲第1号証には、焼成後の1350℃の熱処理により、粒界にYSiAlONガラスと結晶化したβ-Y2Si2O7が存在する窒化珪素焼結体が1300℃でも高強度を維持していることや耐酸化性が向上することが記載されている。しかしながら、甲第1号証には、窒化珪素粒子の間隙に、Al-Yb-Si-O-N系酸窒化物ガラス及びYb2Si2O7微結晶を含有することについては何も示唆する記載はない。
次に、甲第2号証には、上記(c)から明らかなように、本件発明1の「Al-Yb-Si-O-N系酸窒化物ガラス」に相当する「Si-Al-Yb-O-N系化合物」が窒化珪素粒子の間隙に形成されていることは記載されているが、窒化珪素粒子の間隙にYb2Si2O7微結晶を含有することについては何も示唆する記載はない。また、後述の(2)で述べるように、甲第2号証に記載されている「窒化珪素質焼結体の製造方法」は本件発明2と同一ではないから、本件発明1は甲第2号証に記載されている「窒化珪素質焼結体」と同一であるとは云えない。
次に甲第3号証には、粒界組織としてシリコンナイトライド結晶相、あるいはダイシリケート結晶相が存在することは記載されているが、Al成分が記載されておらず、窒化珪素粒子の間隙に、Al-Yb-Si-O-N系酸窒化物ガラス及びYb2Si2O7微結晶をを含有することについて何も示唆する記載はない。
また、特許異議申立人は、甲各号証はいずれも同様の組成を持った窒化珪素質焼結体に関するものであり、その技術的課題も類似のものであるから、当業者であれば甲第1号証に記載された発明に、甲第2、3号証に記載された発明を適用することに何ら困難性はない旨主張している。
そこで検討すると、甲第1号証に記載された発明はイットリウムを含む系であり、形成する微結晶もY2Si2O7であるし、甲第2、3号証に記載された発明には上述のようにYb2Si2O7微結晶が形成することは示唆されていない。してみると、高温加熱時の強度があまり低下しないという技術課題を達成するためにYb2Si2O7微結晶を形成するということは、甲第2、3号証に何も示唆されていないと云える。さらに、本件特許明細書(段落【0020】、表4)には、甲第1号証記載の発明と同じイットリウムを含む系である93Si3N4-2Al2O3-5Y2O3組成の従来例に比べて、本件発明1のイッテルビウムを含む系である実施例の方が耐酸化性に優れていることが記載されているから、Yb2Si2O7微結晶を形成することの効果が甲第1号証から予測される範囲内であるとは云えない。
したがって、甲第1ないし3号証に記載された発明を組み合わせても、本件発明1は当業者が容易に想到し得るものであるとは云えない。
(2)本件発明2について
当審が通知した取消理由において引用した刊行物2(甲第2号証と同じ)には、上記(d)から明らかなように「Si3N4粉末90〜95モル%、Ybの酸化物1〜5モル%、Alの酸化物1〜2モル%を配合し、成形し1800〜2000℃、窒素を含む非酸化性雰囲気でガス圧力焼成する窒化珪素質焼結体の製造方法。」が記載されていると云える。
また、上記(e)から明らかなように刊行物2の実施例では、窒化珪素粉末として 平均粒径0.5μmのものを使用している。
また、上記(f)から明らかなように刊行物2記載の実施例のうちYbの酸化物としてYb2O3、Alの酸化物としてAl2O3を使用した全ての実施例において、試料No.2では、「Si3N4が94.8モル%、Yb2O3が3.7モル%、Al2O3が1.5モル%」、試料No.3では「Si3N4が90.3モル%、Yb2O3が8.1モル%、Al2O3が1.6モル% 」、試料No.11では「Si3N493.5モル%、Yb2O34.0モル%、Al2O32.5モル%」の組成比となっている。このモル%を重量%に換算すると、試料No.2では「Si3N489.1重量%、Yb2O39.7重量%、Al2O31.0重量%」であり、試料No.3では「Si3N479.0重量%、Yb2O319.9重量%、Al2O31.0重量%」であり、試料No.11では「Si3N487.7重量%、Yb2O310.6重量%、Al2O31.7重量%」である。
そうすると、Yb2O3とAl2O3の全添加量は、試料No.2では、10.7重量%、試料No.3では20.9重量%、試料No.11では12.3重量%であって、添加剤としてYb2O3とAl2O3を用いた全ての試料において、本件発明2で規定するアルミナと酸化イッテルビウムの「全添加量3〜30重量%」の数値範囲内に含まれる。
してみると、上記刊行物2には、「平均粒径0.5μmの窒化珪素粉末、アルミナ、酸化イッテルビウムを、アルミナと酸化イッテルビウムとの全添加量が本件発明2の数値範囲内と重複する量を添加調製し、成形し、1800〜2000℃で窒素を含む非酸化性雰囲気でガス圧力焼成する窒化珪素質焼結体の製造方法。」という発明が記載されていると云える(以下、刊行物2発明という。)。
そこで本件発明2と刊行物2発明とを対比すると、刊行物2発明の窒化珪素の平均粒径0.5μmは本件発明2の「平均粒径10μm以下」に該当するから、両者は「平均粒径が10μm以下の窒化珪素粒子に対して、第1添加物のアルミナ及び第2添加物の酸化イッテルビウムを全添加量が本件発明2の数値範囲内と重複する量を添加調整し、成形してから窒素加圧ガス雰囲気中で焼結することを特徴とする窒化珪素質焼結体の製造方法。」で一致し、
(ア)本件発明2では、第1添加物のアルミナと第2添加物の酸化イッテルビウムのいずれも平均粒径が10μm以下の酸化物であるのに対して、刊行物2発明では、添加物の粒径に触れられていない点、
(イ)本件発明2では、有機溶媒中で分散剤とともに均一に混合した後、乾燥・成形し、脱脂しているのに対し、刊行物2発明では、その点に触れられていない点、
(ウ)本件発明2では、1600〜1950℃の温度で焼結しているのに対して、刊行物2発明では、1800〜2000℃で焼結している点、
で相違している。
そこでまず相違点(ア)について検討する。
刊行物2発明において組成の大部分を占める窒化珪素粉末を平均粒径0.5μmにしているのであるから、成形性等を勘案すれば、添加物であるアルミナ及び酸化イッテルビウムの粒径が窒化珪素粉末のそれと比較して格別大きいものとは認められず、添加剤の粒径を「平均粒径が10μm以下」とすることに格別の創意工夫を要することであるとは云えない。
次に相違点(イ)について検討する。
一般に、セラミックスの成形において有機溶媒中で分散剤とともに均一に混合した後、乾燥・成形することは普通に行われていることであり(必要ならば特開昭61-263627号公報、特開昭62-297268号公報、特開昭62-292676号公報、特開昭62-167258号公報参照)、また焼成の前工程の脱脂も普通に行われていることであるから(必要ならば特開昭62-167258号公報参照)、刊行物2発明において、有機溶媒中で分散剤とともに均一に混合した後、乾燥・成形し、脱脂することは当業者にとって格別困難なこととは云えない。
次に相違点(ウ)について検討する。
刊行物2発明の焼成温度は1800〜2000℃で、本件発明2の焼成温度1600〜1950℃と重複している。したがって、焼成温度は実質的な相違ではない。特許権者はこの点に関し、「刊行物2で具体的に焼成実験で得たものは2000℃の焼成物だけでありそれ以外の焼成温度で焼成したものが、いかなる構成の焼成物が得られるのか、その焼成物がどの程度の緻密性や耐酸化性を有するものであるかについて何も記載されていない。」旨の主張をしている(平成12年9月14日付け特許異議意見書第6頁第28行〜第7頁第3行)。しかしながら、上記(c)(g)から明らかなように、刊行物2において高密度で、耐酸化性を有する窒化珪素質焼結体が得られることが記載されており、焼成温度2000℃で窒化珪素質焼結体が得られる実施例がある以上、刊行物2において焼成温度1800〜2000℃で高密度で、耐酸化性を有する焼結窒化珪素質焼結体が得られることが推認されるから、特許権者の上記主張を採用することはできない。
したがって、本件発明2は刊行物2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、本件発明2の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。
(3)本件発明4について
本件発明4は本件発明2を引用し、さらに第2添加物の酸化イッテルビウムと第1添加物のアルミナの重量比を0.5〜7の範囲に保つか、又は、第2添加物の酸化イッテルビウムと第1添加物のアルミナの重量比を0.5〜7の範囲に保ち、かつ第3添加物のシリカを27重量%以下添加するよう限定したものである。
刊行物2の試料No.11の例の場合、上記のようにSi3N487.7重量%、Yb2O310.6重量%、Al2O31.7重量%であるから、第2添加物の酸化イッテルビウムと第1添加物のアルミナの重量比は6.2である。してみるとこの重量比は本件発明4に規定した重量比の範囲内に入る。
したがって、上記(2)と同じ理由で、本件発明4は刊行物2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、本件発明4の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである
7.むすび
以上のとおり、特許異議申立ての理由及び証拠方法によっては、本件請求項1に係る発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、本件請求項2及び4に係る発明の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、同法第113条第2号に該当し取り消されるべきものである。
よって、結論とおり決定する。
 
異議決定日 2000-11-17 
出願番号 特願平4-138634
審決分類 P 1 652・ 121- ZC (C04B)
最終処分 取消  
前審関与審査官 三崎 仁  
特許庁審判長 江藤 保子
特許庁審判官 唐戸 光雄
野田 直人
登録日 1999-08-13 
登録番号 特許第2966644号(P2966644)
権利者 三菱重工業株式会社
発明の名称 窒化珪素質焼結体及びその製造方法  
代理人 内田 明  
代理人 安西 篤夫  
代理人 萩原 亮一  

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