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審決分類 |
審判 一部申し立て 発明同一 G06F 審判 一部申し立て 2項進歩性 G06F |
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管理番号 | 1035422 |
異議申立番号 | 異議2000-71409 |
総通号数 | 18 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1998-12-08 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-04-06 |
確定日 | 2000-12-25 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2959545号「画像情報入出力装置及び画像情報入出力装置の制御方法及び画像情報処理システム」の請求項1乃至17、20、21、24、25、28、29、32に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第2959545号の請求項1乃至10、13、14、17、18、21、22、25に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件特許第2959545号の発明についての出願は、平成10年1月23日に出願(優先権主張、平成9年3月25日)され、平成11年7月30日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、その特許について、キャノン株式会社より特許異議の申立てがなされ、そして、訂正前の本件特許明細書の請求項1乃至16に係る発明については優先権の主張が認められるものの、同請求項17乃至32に係る発明については優先権の主張が認められないことから、特許異議申立人が提出した甲第4号証刊行物(特開平9-325925号公報)を引用して、訂正前の本件特許明細書の請求項1,3,5,6,8,10,12,13及び15に係る発明の特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものであり、また同請求項17,20,21,24,25,28,29及び32に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである旨の取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成12年11月8日に訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否について (1)訂正の内容 特許権者が求めている訂正の要旨は、以下のa,bのとおりである。 a.特許請求の範囲の訂正 1)請求項1の 「ハイパーテキスト型の情報検索環境を備え、制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行う画像情報入出力装置であって、検索情報と前記制御情報とを対応付けて管理する管理手段と、入力された検索情報に基づいて前記管理手段を検索し、該検索情報を所定の制御情報に変換する変換手段と、前記変換手段により変換された前記制御情報に基づいて、前記画像処理手段の作動を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像情報入出力装置。」を、 「ハイパーテキスト型の情報検索環境を備え、制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行う画像情報入出力装置であって、 ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLと前記制御情報とを対応付けて管理する管理手段と、入力されたURLに基づいて前記管理手段を検索し、該URLを所定の制御情報に変換する変換手段と、前記変換手段により変換された前記制御情報に基づいて、前記画像処理手段の作動を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像情報入出力装置。」に訂正する。 2)請求項3の 「ハイパーテキスト型の情報検索環境と、検索情報と制御情報とを対応付けて管理する管理手段とを備え、前記制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行う画像情報入出力装置を制御するための制御方法であって、前記検索情報を受信するステップと、受信された前記検索情報に基づいて前記管理手段を検索し、該検索情報を所定の制御情報に変換するステップと、変換された前記制御情報に基づいて、前記画像処理手段の作動を制御するステップと、前記画像処理手段により得られる画像情報を前記検索情報の入力元に転送するステップと、を備えたことを特徴とする画像情報入出力装置の制御方法。」を、 「ハイパーテキスト型の情報検索環境と、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLと制御情報とを対応付けて管理する管理手段とを備え、前記制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行う画像情報入出力装置を制御するための制御方法であって、前記URLを受信するステップと、受信された前記URLに基づいて前記管理手段を検索し、該URLを所定の制御情報に変換するステップと、変換された前記制御情報に基づいて、前記画像処理手段の作動を制御するステップと、前記画像処理手段により得られる画像情報を前記URLの入力元に転送するステップと、を備えたことを特徴とする画像情報入出力装置の制御方法。」に訂正する。 3)請求項6の 「ハイパーテキスト型の情報検索環境を有する画像情報入出力装置と、前記情報検索環境を閲覧検索するための閲覧検索手段を有する情報端末とを備えた画像情報処理システムであって、前記画像情報入出力装置は、検索情報と制御情報とを対応付けて管理する管理手段と、前記閲覧検索手段により入力された検索情報に基づいて前記管理手段を検索し、該検索情報を所定の制御情報に変換する変換手段と、前記変換手段により変換された前記制御情報に基づいて、画像処理手段の作動を制御する制御手段と、を備えて構成したことを特徴とする画像情報処理システム。」 を、 「ハイパーテキスト型の情報検索環境を有する画像情報入出力装置と、前記情報検索環境を閲覧検索するための閲覧検索手段を有する情報端末とを備えた画像情報処理システムであって、前記画像情報入出力装置は、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLと制御情報とを対応付けて管理する管理手段と、前記閲覧検索手段により入力されたURLに基づいて前記管理手段を検索し、該URLを所定の制御情報に変換する変換手段と、前記変換手段により変換された前記制御情報に基づいて、画像処理手段の作動を制御する制御手段と、を備えて構成したことを特徴とする画像情報処理システム。」に訂正する。 4)請求項13の 「制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行うためのプログラムを記録したプログラム記録媒体であって、ハイパーテキスト型の情報検索環境を生成する機能と、前記情報検索環境を利用するための検索情報と前記制御情報とを対応付けて管理する管理機能と、入力された検索情報を所定の制御情報に変換する変換機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムを前記コンピュータが読取り及び理解可能な形態で記録したプログラム記録媒体。」を、 「制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行うためのプログラムを記録したプログラム記録媒体であって、ハイパーテキスト型の情報検索環境を生成する機能と、 ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLと前記制御情報とを対応付けて管理する管理機能と、入力されたURLを所定の制御情報に変換する変換機能と、 をコンピュータに実現させるためのプログラムを前記コンピュータが読取り及び理解可能な形態で記録したプログラム記録媒体。」に訂正する。 5)請求項17の 「ウェブサーバ機能を備え、制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行う画像情報入出力装置であって、前記画像処理手段によって処理可能な処理内容に対応付けられた資源要求情報を有してなるウェブページを発生させるウェブページ発生手段と、前記資源要求情報と前記制御情報とを対応付けて管理する管理手段と、前記ウェブページを介して選択された資源要求情報を前記管理手段に基づいて所定の制御情報に変換する変換手段と、前記変換された制御情報に基づいて、前記画像処理手段の作動を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像情報入出力装置。」を、 「ウェブサーバ機能を備え、制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行う画像情報入出力装置であって、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、前記画像処理手段によって処理可能な処理内容に係る複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLを有してなるウェブページを発生させるウェブページ発生手段と、前記URLと前記制御情報とを対応付けて管理する管理手段と、前記ウェブページを介して選択されたURLを前記管理手段に基づいて所定の制御情報に変換する変換手段と、前記変換された制御情報に基づいて、前記画像処理手段の作動を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像情報入出力装置。」に訂正する。 6)請求項21の 「ウェブサーバ機能と、資源要求情報と制御情報とを対応付けて管理する管理手段とを備え、前記制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行う画像情報入出力装置を制御するための制御方法であって、前記画像処理手段によって処理可能な処理内容に対応付けられた資源要求情報を有してなるウェブページを発生させる第1ステップと、前記ウェブページを介して指示される資源要求情報を受信する第2ステップと、受信された前記資源要求情報を前記管理手段に基づいて所定の制御情報に変換する第3ステップと、変換された前記制御情報に基づいて、前記画像処理手段の作動を制御する第4ステップと、前記画像処理手段により得られる画像情報を含むウェブページを生成し、前記資源要求情報の入力元に転送する第5ステップと、を備えたことを特徴とする画像情報入出力装置の制御方法。」を、 「ウェブサーバ機能と、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLと制御情報とを対応付けて管理する管理手段とを備え、前記制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行う画像情報入出力装置を制御するための制御方法であって、前記画像処理手段によって処理可能な処理内容に対応付けられたURLを有してなるウェブページを発生させる第1ステップと、前記ウェブページを介して指示されるURLを受信する第2ステップと、受信された前記URLを前記管理手段に基づいて所定の制御情報に変換する第3ステップと、変換された前記制御情報に基づいて、前記画像処理手段の作動を制御する第4ステップと、 前記画像処理手段により得られる画像情報を含むウェブページを生成し、前記URLの入力元に転送する第5ステップと、を備えたことを特徴とする画像情報入出力装置の制御方法。」に訂正する。 7)請求項25の 「ウェブサーバ機能を有する画像情報入出力装置と、前記ウェブサーバを利用するためのウェブブラウザを有する情報端末とを備えた画像情報処理システムであって、前記画像情報入出力装置は、制御情報に基づいて駆動される画像処理手段と、前記画像処理手段によって処理可能な処理内容に対応付けられた資源要求情報を有してなるウェブページを発生させて前記情報端末に送信するウェブページ発生手段と、前記資源要求情報と前記制御情報とを対応付けて管理する管理手段と、前記ウェブブラウザにより前記ウェブページを介して選択された資源要求情報を前記管理手段に基づいて所定の制御情報に変換する変換手段と、前記変換された制御情報に基づいて、前記画像処理手段の作動を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像情報処理システム。」を、 ウェブサーバ機能を有する画像情報入出力装置と、前記ウェブサーバを利用するためのウェブブラウザを有する情報端末とを備えた画像情報処理システムであって、前記画像情報入出力装置は、制御情報に基づいて駆動される画像処理手段と、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、前記画像処理手段によって処理可能な処理内容に係る複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLを有してなるウェブページを発生させて前記情報端末に送信するウェブページ発生手段と、前記URLと前記制御情報とを対応付けて管理する管理手段と、前記ウェブブラウザにより前記ウェブページを介して選択されたURLを前記管理手段に基づいて所定の制御情報に変換する変換手段と、前記変換された制御情報に基づいて、前記画像処理手段の作動を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像情報処理システム。」に訂正する。 8)請求項29の 「制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行うためのプログラムを記録したプログラム記録媒体であって、資源要求情報に応じてウェブページを提供するウェブサーバ機能と、前記画像処理手段によって処理可能な処理内容に対応付けられた資源要求情報を有してなるウェブページを発生させるウェブページ発生機能と、前記資源要求情報と前記制御情報とを対応付けて管理する管理機能と、前記ウェブページを介して選択された資源要求情報を前記管理機能に基づいて所定の制御情報に変換する変換機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムを前記コンピュータが読取り及び理解可能な形態で記録したプログラム記録媒体。」を、 「制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行うためのプログラムを記録したプログラム記録媒体であって、URLに応じてウェブページを提供するウェブサーバ機能と、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、前記画像処理手段によって処理可能な処理内容に係る複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLを有してなるウェブページを発生させるウェブページ発生機能と、前記URLと前記制御情報とを対応付けて管理する管理機能と、前記ウェブページを介して選択されたURLを前記管理機能に基づいて所定の制御情報に変換する変換機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムを前記コンピュータが読取り及び理解可能な形態で記録したプログラム記録媒体。」に訂正する。 9)上記訂正に合わせて、請求項2,4,7,14の「検索情報」及び請求項18,19,20,22,23,24,26,27,28,30〜32の「資源要求情報」を「URL」に訂正する。 10)請求項8〜12,15及び16を削除する。 11)上記削除に合わせて、請求項13乃至14を請求項8乃至9に、請求項17乃至32を請求項10乃至25に改める。 b.発明の詳細な説明の訂正 発明の詳細な説明の【課題を解決するための手段】及び【発明の効果】の欄の記載を上記特許請求の範囲の訂正に合せて訂正する。(上記【課題を解決するための手段】及び【発明の効果】の欄の記載は、各請求項に係る発明に対応したものである。) (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 上記訂正aは、「検索情報」あるいは「資源要求情報」と記載されていた構成を、「ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能」であり、「複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURL(Uniform Resource Locator)」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮に該当し、新規事項の追加に該当せず、また実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。 また、上記訂正bは、特許請求の範囲の減縮に伴って、明細書の明りょうでない記載の釈明をしたものであり、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであって、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。 (3)独立特許要件 上記請求項18,19,22,23,26,27,30及び31に係る訂正は、特許異議の申立がされていない請求項についての訂正であって、特許請求の範囲の減縮を目的としたものに該当するから、訂正明細書の請求項11,12,15,16,19,20,23及び24に係る発明の独立特許要件について検討する。 訂正明細書の請求項11,12,15,16,19,20,23及び24に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項11,12,15,16,19,20,23及び24に記載された事項により特定されたとおりのものであって、訂正明細書の請求項11及び12に係る発明、請求項15及び16に係る発明、請求項19及び20に係る発明、並びに請求項23及び24に係る発明は、それぞれ同請求項10,21,25及び29に係る発明の構成要件を全て含むものである。 そして、当該請求項10,21,25及び29に係る発明が、下記のように、申立人が提出した全刊行物に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものと認めることができないので、同様の理由により、訂正明細書の請求項11,12,15,16,19,20,23及び24に係る発明は、申立人が提出した全刊行物に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものと認めることができない。 したがって、訂正明細書の請求項11,12,15,16,19,20,23及び24に係る発明は、出願の際、独立して特許を受けることができるものである。 (4)むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条第2項及び同条第3項において準用する同法第126条第2から4条の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議の申し立てについて (1)申し立て理由の概要 特許異議申立人キャノン株式会社は、下記の甲第1号証乃至7号証を提出し、本件特許明細書の請求項1、6、8、10、13、15、17、20、21、24、25、28、29、32に記載の発明は、甲第1号証及び甲第2号証記載された発明、あるいはその組合せに基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、 又、本件特許請求の範囲の請求項1〜4、6〜17、20、21、24、25、28、29、32に記載の発明は、甲第3号証記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、 又、本件特許請求の範囲の請求項1〜17、20、21、24、25、28、29、32に記載の発明は、甲第4号証乃至甲第6号証に記載された発明と同一であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものであり、 又、本件特許請求の範囲の請求項1、6、8、10、13、15、17、20、21、24、25、28、29、32に記載の発明は、甲第7号証に記載された発明と同一であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものであるから、上記各請求項に係る特許は、特許法第113条第1項第2号の規定により、取り消すべきものである旨主張している。 甲第1号証:特開平9-44527号公報(平成9年2月14日 発行) 甲第2号証:「Phaser 550J ユーザ・マニュアル」 付録A、A-1〜A-8、ソニー・テクトロニクス 株式会社(平成8(1996)年2月発行) 甲第3号証:「Beyond the Web: manipulating the real world」 Ken Goldberg et al., Computer Networks and ISDN System 28(1995)209-219, December 1995 甲第4号証:特開平9-325925号公報(平成9年1月17 日出願、平成9年12月16日発行) 甲第5号証:特開平9-233243号公報(平成9年2月26 日出願、平成9年9月5日発行) 甲第6号証:特開平10-119393号公報(平成8年10月 22日出願、平成10年5月12日発行) 甲第7号証:特開平10-173890号公報(平成8年12月 9日出願、平成10年6月26日発行) (2)本件発明 本件特許第2959545号の請求項1乃至10,13,14,17,18,21,22及び25に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1乃至10,13,14,17,18,21,22及び25に記載された事項により特定されるとおりのものである。 (3)判断 当審が通知した取消理由通知に引用された刊行物(特許異議申立人が提出した甲第4号証刊行物:特開平9-325925号公報)には、URLを制御パラメータに変換する旨の記載は認められるものの、当該URLを複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつものとする点については何ら示唆されていない。また特許異議申立人が提示したその他の甲第1乃至3,5乃至7号証刊行物には、URL自体を用いた制御パラメータの設定についてすら記載されていない。 したがって、特許異議申立人が提示した甲各号証刊行物記載の発明は、いずれも本件発明の構成に欠くことができない事項である「ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURL」を用いる点を有しておらず、また、この点を上記刊行物に記載された発明に基いて当業者が容易になし得たこととも認められない。 (4)むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件発明についての特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 4.むすび よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 画像情報入出力装置及び画像情報入出力装置の制御方法及び画像情報処理システム (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】ハイパーテキスト型の情報検索環境を備え、制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行う画像情報入出力装置であって、 ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLと前記制御情報とを対応付けて管理する管理手段と、 入力されたURLに基づいて前記管理手段を検索し、該URLを所定の制御情報に変換する変換手段と、 前記変換手段により変換された前記制御情報に基づいて、前記画像処理手段の作動を制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする画像情報入出力装置。 【請求項2】前記管理手段は、所定のURLに見本画像生成要求を対応付けて管理し、 前記所定のURLが入力されることにより前記見本画像生成要求が発生した場合には、予め設定された複数の制御情報に基づいた画像情報入出力処理の予測結果を、それぞれ見本画像として生成する見本画像生成手段と、 前記各見本画像に対応する前記URLを該各見本画像にそれぞれ関連付け、前記各見本画像を一覧的に表示させるための見本画像一覧情報を生成する見本画像一覧情報生成手段と、 前記見本画像一覧情報を前記URLの入力元に転送する転送手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像情報入出力装置。 【請求項3】ハイパーテキスト型の情報検索環境と、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform ReSource Locator)であって、複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLと制御情報とを対応付けて管理する管理手段とを備え、前記制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行う画像情報入出力装置を制御するための制御方法であって、 前記URLを受信するステップと、 受信された前記URLに基づいて前記管理手段を検索し、該URLを所定の制御情報に変換するステップと、 変換された前記制御情報に基づいて、前記画像処理手段の作動を制御するステップと、 前記画像処理手段により得られる画像情報を前記URLの入力元に転送するステップと、 を備えたことを特徴とする画像情報入出力装置の制御方法。 【請求項4】前記管理手段は、所定のURLに見本画像生成要求を対応付けて管理し、 前記見本画像生成要求が通知されたか否かを判定するステップと、 前記見本画像生成要求が通知された場合には、予め設定された複数の制御情報に基づいた画像情報入出力処理の予測結果を、それぞれ見本画像として生成するステップと、 前記各見本画像に対応する前記URLを該各見本画像にそれぞれ関連付け、前記各見本画像を一覧的に表示させるための見本画像一覧情報を生成するステップと、 前記見本画像一覧情報を前記URLの入力元に転送するステップと、 を備えたことを特徴とする請求項3に記載の画像情報入出力装置の制御方法。 【請求項5】前記画像処理手段により処理されるべきデータを受信するステップを備えたことを特徴とする請求項3または請求項4のいずれかに記載の画像情報入出力装置の制御方法。 【請求項6】ハイパーテキスト型の情報検索環境を有する画像情報入出力装置と、前記情報検索環境を閲覧検索するための閲覧検索手段を有する情報端末とを備えた画像情報処理システムであって、 前記画像情報入出力装置は、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLと制御情報とを対応付けて管理する管理手段と、 前記閲覧検索手段により入力されたURLに基づいて前記管理手段を検索し、該URLを所定の制御情報に変換する変換手段と、 前記変換手段により変換された前記制御情報に基づいて、画像処理手段の作動を制御する制御手段と、 を備えて構成したことを特徴とする画像情報処理システム。 【請求項7】前記管理手段は、所定のURLに見本画像生成要求を対応付けて管理し、 前記閲覧検索手段から前記所定のURLが入力されることにより、前記見本画像生成要求が発生した場合には、予め設定された複数の制御情報に基づいた画像情報入出力処理の予測結果を、それぞれ見本画像として生成する見本画像生成手段と、 前記各見本画像に対応する前記URLを該各見本画像にそれぞれ関連付け、前記各見本画像を一覧的に表示させるための見本画像一覧情報を生成する見本画像一覧情報生成手段と、 前記見本画像一覧情報を前記閲覧検索手段に転送する転送手段と、 を備えたことを特徴とする請求項6に記載の画像情報処理システム。 【請求項8】制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行うためのプログラムを記録したプログラム記録媒体であって、 ハイパーテキスト型の情報検索環境を生成する機能と、 ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLと前記制御情報とを対応付けて管理する管理機能と、 入力されたURLを所定の制御情報に変換する変換機能と、 をコンピュータに実現させるためのプログラムを前記コンピュータが読取り及び理解可能な形態で記録したプログラム記録媒体。 【請求項9】前記管理機能は、所定のURLに見本画像生成要求を対応付けて管理し、 前記所定のURLが入力されることにより前記見本画像生成要求が発生した場合には、予め設定された複数の制御情報に基づいた画像情報入出力処理の予測結果を、それぞれ見本画像として生成する見本画像生成機能と、 前記各見本画像に対応する前記URLを該各見本画像にそれぞれ関連付け、前記各見本画像を一覧的に表示させるための見本画像一覧情報を生成する見本画像一覧情報生成機能と、 前記見本画像一覧情報を前記URLの入力元に転送する転送機能と、 をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載のプログラム記録媒体。 【請求項10】ウェブサーバ機能を備え、制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行う画像情報入出力装置であって、 ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、前記画像処理手段によって処理可能な処理内容に係る複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLを有してなるウェブページを発生させるウェブページ発生手段と、 前記URLと前記制御情報とを対応付けて管理する管理手段と、 前記ウェブページを介して選択されたURLを前記管理手段に基づいて所定の制御情報に変換する変換手段と、 前記変換された制御情報に基づいて、前記画像処理手段の作動を制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする画像情報入出力装置。 【請求項11】前記URLは、選択された前記処理内容の履歴情報を含んで構成されていることを特徴とする請求項10に記載の画像情報入出力装置。 【請求項12】前記ウェブページ発生手段は、受信したURLを解析して前記履歴情報を検出し、該履歴情報を含んでなるURLを前記処理内容に対応付けることにより前記ウェブページを発生させることを特徴とする請求項11に記載の画像情報入出力装置。 【請求項13】前記ウェブページは、前記画像処理手段によって処理可能な処理パターンの一覧を表示し、前記各処理パターンには該各処理パターンを実現するためのURLがそれぞれ対応付けられていることを特徴とする請求項10に記載の画像情報入出力装置。 【請求項14】ウェブサーバ機能と、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLと制御情報とを対応付けて管理する管理手段とを備え、前記制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行う画像情報入出力装置を制御するための制御方法であって、 前記画像処理手段によって処理可能な処理内容に対応付けられたURLを有してなるウェブページを発生させる第1ステップと、 前記ウェブページを介して指示されるURLを受信する第2ステップと、 受信された前記URLを前記管理手段に基づいて所定の制御情報に変換する第3ステップと、 変換された前記制御情報に基づいて、前記画像処理手段の作動を制御する第4ステップと、 前記画像処理手段により得られる画像情報を含むウェブページを生成し、前記URLの入力元に転送する第5ステップと、 を備えたことを特徴とする画像情報入出力装置の制御方法。 【請求項15】前記URLは、選択された前記処理内容の履歴情報を含んで構成されていることを特徴とする請求項14に記載の画像情報入出力装置の制御方法。 【請求項16】前記第1ステップは、受信したURLを解析して前記履歴情報を検出し、該履歴情報を含んでなるURLを前記処理内容に対応付けることにより前記ウェブページを発生させることを特徴とする請求項15に記載の画像情報入出力装置の制御方法。 【請求項17】前記ウェブページは、前記画像処理手段によって処理可能な処理パターンの一覧を表示し、前記各処理パターンには該各処理パターンを実現するためのURLがそれぞれ対応付けられていることを特徴とする請求項14に記載の画像情報入出力装置の制御方法。 【請求項18】ウェブサーバ機能を有する画像情報入出力装置と、前記ウェブサーバを利用するためのウェブブラウザを有する情報端末とを備えた画像情報処理システムであって、 前記画像情報入出力装置は、 制御情報に基づいて駆動される画像処理手段と、 ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、前記画像処理手段によって処理可能な処理内容に係る複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLを有してなるウェブページを発生させて前記情報端末に送信するウェブページ発生手段と、 前記URLと前記制御情報とを対応付けて管理する管理手段と、 前記ウェブブラウザにより前記ウェブページを介して選択されたURLを前記管理手段に基づいて所定の制御情報に変換する変換手段と、 前記変換された制御情報に基づいて、前記画像処理手段の作動を制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする画像情報処理システム。 【請求項19】前記URLは、選択された前記処理内容の履歴情報を含んで構成されていることを特徴とする請求項18に記載の画像情報処理システム。 【請求項20】前記ウェブページ発生手段は、受信したURLを解析して前記履歴情報を検出し、該履歴情報を含んでなるURLを前記処理内容に対応付けることにより前記ウェブページを発生させることを特徴とする請求項19に記載の画像情報処理システム。 【請求項21】前記ウェブページは、前記画像処理手段によって処理可能な処理パターンの一覧を表示し、前記各処理パターンには該各処理パターンを実現するためのURLがそれぞれ対応付けられていることを特徴とする請求項18に記載の画像情報処理システム。 【請求項22】制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行うためのプログラムを記録したプログラム記録媒体であって、URLに応じてウェブページを提供するウェブサーバ機能と、 ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resoure Locator)であって、前記画像処理手段によって処理可能な処理内容に係る複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLを有してなるウェブページを発生させるウェブページ発生機能と、 前記URLと前記制御情報とを対応付けて管理する管理機能と、 前記ウェブページを介して選択されたURLを前記管理機能に基づいて所定の制御情報に変換する変換機能と、 をコンピュータに実現させるためのプログラムを前記コンピュータが読取り及び理解可能な形態で記録したプログラム記録媒体。 【請求項23】前記URLは、選択された前記処理内容の履歴情報を含んで構成されていることを特徴とする請求項22に記載のプログラム記録媒体。 【請求項24】前記ウェブページ発生機能は、受信したURLを解析して前記履歴情報を検出し、該履歴情報を含んでなるURLを前記処理内容に対応付けることにより前記ウェブページを発生させることを特徴とする請求項23に記載のプログラム記録媒体。 【請求項25】前記ウェブページは、前記画像処理手段によって処理可能な処理パターンの一覧を表示し、前記各処理パターンには該各処理パターンを実現するためのURLがそれぞれ対応付けられていることを特徴とする請求項22に記載のプログラム記録媒体。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、例えば、スキャナ装置、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の画像情報の入出力処理を行う画像情報入出力装置、画像情報入出力装置の制御方法及び画像情報処理システムに関する。 【0002】 【従来の技術】 例えば、画像情報入出力装置としては、紙媒体上の画像を読み取るスキャナ装置や、入力された印刷データに基づいて印刷記録媒体に印刷を行うプリンタ等が知られている。そして、例えば、パーソナルコンピュータ等の各種情報端末と画像情報入出力装置との間で、画像データを送受信することにより、ユーザーは、所望の画像データを得ることができる。 【0003】 即ち、スキャナ装置の場合は、該スキャナ装置によって読み取られ、デジタルデータに変換された画像データを、画像データベースや文書作成ソフトウエア等のアプリケーションプログラムで利用することができる。また、プリンタの場合は、文書作成ソフトウエア等のアプリケーションプログラムで作成した印刷データをプリンタに入力することにより、所望の印刷結果を得ることができる。 【0004】 従来技術による画像情報入出力装置を使用する場合は、情報端末側に、該画像情報入出力装置を利用するためのドライバソフトウエアを予め実装しておく必要がある。即ち、例えば、スキャナ装置の場合は、画像データを情報端末内に読み込むための読み込みプログラムを、情報端末が備えている必要がある。また、プリンタ場合には、プリンタに印刷データを転送するためのプログラムを情報端末側で有している必要がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 ところで、画像情報入出力装置の使用に必要なドライバソフトウエアは、各画像情報入出力装置毎に異なる。即ち、スキャナ装置に用いるドライバソフトウエアとプリンタで使用するドライバソフトウエアとは異なる。また、同様のスキャナ装置であっても、製造メーカー、品種等によってドライバソフトウエアは、それぞれ相違する。 【0006】 従って、ユーザーは、利用する画像情報入出力装置に応じたドライバソフトウエアを予め情報端末に実装しておかなければならない。しかし、ドライバソフトウエアをインストール等するのは煩雑であり、使い勝手が低い。また、例えば、カラーインクジェット式プリンタとモノクロレーザプリンタとの両方を印刷物に応じて使い分ける場合には、ドライバソフトウェアも切り換えなければならないため、操作性が低く、使い勝手が悪いという問題がある。特に、近年は、LAN(Local Area Network)やイントラネット等の各種ネットワークによって画像情報入出力装置を共同利用する場合が多くなっている。ネットワークで結ばれた複数の情報端末によって複数の画像情報入出力装置を利用する場合は、上述した通り、利用する画像情報入出力装置に応じたドライバソフトウエアをセットしなければならない。 【0007】 本発明は、上記のような種々の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、画像処理を実行させるための制御情報と情報端末から入力する情報(検索情報、指令情報または資源要求情報)とを切り離すことにより、機種に依存したドライバソフトウエアを不要とし、シームレスな操作によって所望する画像情報の入出力処理結果を得ることができるようにした画像情報入出力装置、画像情報入出力装置の制御方法及び画像情報処理システムを提供することにある。 【0008】 また、本発明の他の目的は、画像情報の入出力処理を行うために必要な制御情報を画像情報入出力装置内に保持しておき、情報端末から入力される情報によって制御情報を間接的に指定することにより、作動を制御することができるようにした画像情報入出力装置、画像情報入出力装置の制御方法及び画像情報処理システムを提供することにある。 【0009】 本発明の更なる目的は、ハイパーテキスト型の情報検索環境(またはウェブサーバ機能)と該情報検索環境との間で双方向通信が可能な閲覧検索手段(またはウェブブラウザ)とを利用することにより、特別なドライバソフトウエアを用いることなく、種々の画像情報処理を統一された操作環境下でシームレスに行うことができるようにした画像情報入出力装置、画像情報入出力装置の制御方法及び画像情報処理システムを提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】 上記目的達成のため、本発明に係る画像情報入出力装置では、画像処理手段によって所定の画像情報処理を行わせるために必要な制御情報を、情報端末側から発行させるのではなく、情報端末から入力するウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLによって間接的に制御情報を指定することにより、所望する画像情報の入出力処理を行わせるようにした点にある。図1の課題解決手段の説明図を参照して説明する。 【0011】 本発明に係る画像情報入出力装置1は、ハイパーテキスト型の情報検索環境2を備え、制御情報に基づいて画像処理手段3を駆動することにより画像情報の入出力処理を行う画像情報入出力装置であって、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURL(図1中では「検索1〜n」と表示)と前記制御情報とを対応付けて管理する管理テーブル4と、入力されたURLに基づいて前記管理テーブル4を検索し、該URLを所定の制御情報に変換する変換手段5と、前記変換手段5により変換された前記制御情報に基づいて、前記画像処理手段3の作動を制御する制御手段6と、を備えたことを特徴としている。 【0012】 ここで、「画像情報入出力装置1」とは、画像情報の入力装置、画像情報の出力装置、画像情報の入力及び出力が可能な装置を含む概念である。画像情報の入力装置には、例えば、スキャナ装置、フィルムスキャナ装置、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等が含まれる。画像情報の出力装置には、例えば、プリンタ、プロッタ、ディスプレイ装置等が含まれる。画像情報の入力及び出力が可能な装置としては、例えば、ファクシミリ装置等が含まれる。 【0013】 「ハイパーテキスト型の情報検索環境2」とは、複数の情報資源を相互に関連付けしてなるハイパーテキストを検索、閲覧可能な環境を意味し、具体的には、例えば、WWW(World Wide ウェブ)サーバ機能が該当する。 【0014】 「画像処理手段3」とは、画像情報を入力、出力、入出力するための手段を意味し、具体的には、例えば、プリントエンジンや画像データ読取り部等が該当する。 【0015】 「制御情報」とは、画像処理手段3の作動を制御するために必要な情報を意味し、具体的には、例えば、カラー/モノクロの指定、読み込み解像度の指定等の設定値が含まれる。設定値以外の制御コード等を含めてもよい。 【0016】 また、「URL」とは、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつ。 【0017】 画像情報入出力装置1の外部からURLが入力されると、変換手段5は、管理テーブル4を検索し、このURLを所定の制御情報に変換する。なお、入力されたURLが制御情報に対応していない場合は、通常のURLとして処理される。 例えば、「http://xxx/action/300dpi/」というURLが入力された場合は、予め管理テーブル4内に「action/300dpi/」が「読込み解像度300dpiで画像を読み取る」という意味の制御情報に対応付けされているならば、該URLは変換手段5によって制御情報に変換され、これにより、300dpiの画像読込み動作が実行される。一方、例えば、「http://xxx/status.html/」というURLが入力された場合、「status.html」が管理テーブル4に登録されていなければ、通常のURLとして扱われる。もしも情報検索環境2に「status.html」という文書ファイルが存在する場合は、該文書ファイルが呼び出される。なお、前記URL中の「xxx」とは、画像情報入出力装置に割り当てられたIPアドレスまたはウェブサーバを内蔵したマシンの名称を略記したものである。 【0018】 URLを利用して間接的に制御情報を指定することにより、所定の画像情報の入出力処理を行わせるため、ハイパーテキスト型の情報検索環境2を利用するためのURLを発行できる情報端末であれば、特別なドライバソフトウエアを実装せずに、画像情報入出力装置を利用することができる。また、URLによって制御情報を指定するため、操作環境を切り換える必要がなく、シームレスに種々の画像情報処理を行わせることができる。 【0019】 請求項2に係る発明では、前記管理テーブル4は、所定のURLに見本画像生成要求を対応付けて管理し、前記所定のURLが入力されることにより前記見本画像生成要求が発生した場合には、予め設定された複数の制御情報に基づいた画像情報入出力処理の予測結果を、それぞれ見本画像として生成する見本画像生成手段7と、前記各見本画像に対応する前記URLを該各見本画像にそれぞれ関連付け、前記各見本画像を一覧的に表示させるための見本画像一覧情報を生成する見本画像一覧情報生成手段8と、前記見本画像一覧情報を前記URLの入力元に転送する転送手段9と、を備えたことを特徴としている。 【0020】 ここで、「見本画像」とは、実際に行われる画像情報処理の入出力結果を予測して生成される画像を意味する。制御情報によって設定された条件で画像情報を実際に入出力処理する前に、見本画像によって処理結果を確認する。見本画像としては、例えば、実際の画像情報処理により得られる画像情報を間引きした小画像(サムネイル画像)が該当する。 【0021】 複数の制御情報によって得られる各見本画像にURLをそれぞれ対応付けて転送することにより、URLの入力元(情報端末)では、見本画像を見比べて希望する処理結果を選択することができる。各見本画像には、当該画像情報処理に対応したURLが関連付けられているため、この関連付けられたURLを指定することにより、所望の画像情報の入出力処理を得ることができる。 【0022】 請求項3に係る画像情報入出力装置の制御方法では、ハイパーテキスト型の情報検索環境2と、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLと制御情報とを対応付けて管理する管理テーブル4とを備え、前記制御情報に基づいて画像処理手段3を駆動することにより画像情報の入出力処理を行う画像情報入出力装置1を制御するための制御方法であって、前記URLを受信するステップと、受信された前記URLに基づいて前記管理テーブル4を検索し、該URLを所定の制御情報に変換するステップと、変換された前記制御情報に基づいて、前記画像処理手段3の作動を制御するステップと、前記画像処理手段3により得られる画像情報を前記URLの入力元に転送するステップと、を備えたことを特徴としている。 【0023】 これにより、請求項1に係る発明と同様の作用を得ることができる。 【0024】 請求項4に係る発明では、前記管理テーブル4は、所定のURLに見本画像生成要求を対応付けて管理し、前記見本画像生成要求が通知されたか否かを判定するステップと、前記見本画像生成要求が通知された場合には、予め設定された複数の制御情報に基づいた画像情報入出力処理の予測結果を、それぞれ見本画像として生成するステップと、前記各見本画像に対応する前記URLを該各見本画像にそれぞれ関連付け、前記各見本画像を一覧的に表示させるための見本画像一覧情報を生成するステップと、前記見本画像一覧情報を前記URLの入力元に転送するステップと、を備えたことを特徴としてる。 【0025】 これにより、請求項2に係る発明と同様の作用を得ることができる。 【0026】 請求項5に係る発明では、前記画像処理手段3により処理されるべきデータを受信するステップを備えたことを特徴としている。 【0027】 「画像処理手段3により処理されるべきデータ」とは、例えば、プリントエンジンに与えられるビットイメージデータ等の画像情報として入出力処理されるデータを意味する。なお、「画像処理手段3により処理されるべきデータを受信するデータ受信手段」として、請求項1に係る発明に加えることも可能である。 【0028】 請求項6に係る画像情報処理システムでは、ハイパーテキスト型の情報検索環境2を有する画像情報入出力装置1と、前記情報検索環境2を閲覧検索するための閲覧検索手段12を有する情報端末11とを備えた画像情報処理システムであって、前記画像情報入出力装置1は、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLと制御情報とを対応付けて管理する管理テーブル4と、前記閲覧検索手段12により入力されたURLに基づいて前記管理テーブル4を検索し、該URLを所定の制御情報に変換する変換手段5と、前記変換手段5により変換された前記制御情報に基づいて、画像処理手段3の作動を制御する制御手段6と、を備えて構成したことを特徴とする。 【0029】 ここで、「情報端末11」とは、例えば、パーソナルコンピュータや携帯情報端末等を意味する。これに限らず、画像情報入出力装置1の制御パネルとして、画像情報入出力装置1に一体的に搭載される場合も含む。情報端末11は、URL等を入力するための入力装置13と、情報検索環境2を閲覧した結果を表示等するための表示装置14とを備えていることが好ましい。入力装置13としては、例えば、キーボードスイッチ、マウス等のポインティングデバイス、タブレット、タッチパネル等が含まれる。表示装置14としては、例えば、CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等が含まれる。「閲覧検索手段12」とは、ハイパーテキスト型情報検索環境2を利用するための手段を意味し、例えば、ウェブブラウザ等が該当する。 【0030】 ユーザーは、閲覧検索手段12によって、画像情報入出力装置1や他の種々の装置に実装されたハイパーテキスト型の情報検索環境2を利用することができると共に、管理テーブル4に予め登録された所定のURLを入力することにより、印刷出力や画像読込み等の所望する画像情報処理を行わせることができる。URLを利用して制御情報を指定するため、ユーザーは、各種装置に登録された所定のURLを入力するだけで、種々の画像情報処理をシームレスに行うことができる。例えば、情報端末11がLAN等のネットワークによって複数のプリンタや複数のスキャナ装置と接続されている場合、ユーザーは、閲覧検索手段12を介してURLを入力するだけで、プリンタによる印刷出力やスキャナ装置による画像読込み等を滑らかに行うことができる。即ち、閲覧検索手段12という単一の操作手段によって、異なる種々の画像情報入出力装置1を利用することができる。 【0031】 請求項7に係る発明では、前記管理テーブル4は、所定のURLに見本画像生成要求を対応付けて管理し、前記閲覧検索手段12から前記所定のURLが入力されることにより、前記見本画像生成要求が発生した場合には、予め設定された複数の制御情報に基づいた画像情報入出力処理の予測結果を、それぞれ見本画像として生成する見本画像生成手段7と、前記各見本画像に対応する前記URLを該各見本画像にそれぞれ関連付け、前記各見本画像を一覧的に表示させるための見本画像一覧情報を生成する見本画像一覧情報生成手段8と、前記見本画像一覧情報を前記閲覧検索手段12に転送する転送手段9と、を備えたことを特徴としている。 【0032】 これにより、ユーザーは、閲覧検索手段12を介して見本画像を見比べることができ、所望の見本画像を選択することができる。各見本画像には、該各見本画像に係る画像情報処理を行うための制御情報に対応したURLがそれぞれ関連付けられている。従って、ユーザーは、見本画像を選択するだけで、画像情報入出力装置1に所定のURLを入力することができ、所望する画像情報処理を得ることができる。 【0033】 本発明では、前記情報端末31には、選択されたURL(図2中では「指令1〜n」と表示)を保存するための保存手段35を備えている。 【0034】 一度選択したURLを保存手段35に保存しておくことにより、次回の画像情報処理時に、同様の処理内容を速やかに得ることができる。 【0035】 請求項8に係る発明は、制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行うためのプログラムを記録したプログラム記録媒体であって、ハイパーテキスト型の情報検索環境を生成する機能と、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resoure Locator)であって複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLと前記制御情報とを対応付けて管理する管理機能と、入力されたURLを所定の制御情報に変換する変換機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムを前記コンピュータが読取り及び理解可能な形態で記録したプログラム記録媒体である。 【0036】 ここで、「記録媒体」としては、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、コンパクトディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、メモリ等の種々の記録媒体を採用することができる。また、有形的な記録媒体に限らず、例えば、通信回線を介してプログラムをリモートダウンロードする等のように、通信媒体を利用することもできる。 【0037】 このプログラムを画像情報入出力装置のマイクロコンピュータシステムに読み込ませることにより、ハイパーテキスト型の情報検索環境と、管理機能と、変換機能とを備えた装置が実現される。従って、請求項1に係る発明と同様の作用を得ることができる。 【0038】 請求項9に係る発明のように、前記管理機能は、所定のURLに見本画像生成要求を対応付けて管理し、前記所定のURLが入力されることにより前記見本画像生成要求が発生した場合には、予め設定された複数の制御情報に基づいた画像情報入出力処理の予測結果を、それぞれ見本画像として生成する見本画像生成機能と、前記各見本画像に対応する前記URLを該各見本画像にそれぞれ関連付け、前記各見本画像を一覧的に表示させるための見本画像一覧情報を生成する見本画像一覧情報生成機能と、前記見本画像一覧情報を前記URLの入力元に転送する転送機能と、をさらに備えることもできる。 【0039】 これにより、請求項2に係る発明と同様の作用を得ることができる。 【0040】 請求項10に係る発明では、ウェブサーバ機能を備え、制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行う画像情報入出力装置であって、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、前記画像処理手段によって処理可能な処理内容に係る複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLを有してなるウェブページを発生させるウェブページ発生手段と、前記URLと前記制御情報とを対応付けて管理する管理手段と、前記ウェブページを介して選択されたURLを前記管理手段に基づいて所定の制御情報に変換する変換手段と、前記変換された制御情報に基づいて、前記画像処理手段の作動を制御する制御手段と、を備えたことを特徴としている。 【0041】 ここで、「ウェブページ」とは、HTML(HyperText Markup Language)形式のファイルを意味する。 【0042】 ウェブページ発生手段は、例えば、処理内容毎にURLを対応付けて所定のウェブページを発生させる。このウェブページをウェブブラウザを介して閲覧したユーザーが、所望の処理内容を選択すると、当該処理内容に対応付けられたURLが画像情報入出力装置に入力される。そして、変換手段は、入力されたURLを制御情報に変換して制御手段に引き渡す。これにより、請求項1に係る発明と同様に、URLによって制御情報を間接的に指定することができる。 【0043】 請求項11に係る発明のように、前記URLは、選択された前記処理内容の履歴情報を含んで構成することもできる。 【0044】 ここで、「履歴情報」とは、一連の選択操作において、過去に選択された処理内容の選択履歴を示す情報の意味である。例えば、前の選択操作によって解像度が既に選択されている場合、ウェブページに対応付けられるURLは、この選択された解像度の情報を含んで構成されている。例えば、解像度を選択するボタンと中間階調処理を選択するボタンとがウェブページに表示されており、最初に解像度を選択し、次に、中間階調処理を選択する場合を例に挙げる。最初に解像度のみを選択した場合には、http://xxx/解像度選択/というURLが生成され、次に、中間階調処理を選択すると、http://xxx/解像度選択/中間階調処理選択/のように、前に選択された解像度の情報(履歴情報)を含む新たなURLが生成される。このように、画像処理手段による処理内容を選択する毎に、前に選択された処理内容の履歴情報を含んでなる新たなURLが生成される。これにより、最後に入力されるURLを変換手段によって一括して制御情報に変換することができる。 【0045】 例えば、請求項12に係る発明のように、前記ウェブページ発生手段は、受信したURLを解析して前記履歴情報を検出し、該履歴情報を含んでなるURLを前記処理内容に対応付けることにより前記ウェブページを発生させることもできる。 【0046】 即ち、ウェブページ発生手段は、入力されたURLの構造を解析して履歴情報を検出し、この履歴情報を含む新たなURLを生成してウェブページの処理内容に対応させる。例えば、前記例でいえば、解像度を選択すると、中間階調処理の各選択ボタンには、http://xxx/解像度選択/ディザ処理/、http://xxx/解像度選択/誤差拡散法/のように、既に選択された解像度の情報を含む新たなURLが対応付けられる。換言すれば、ウェブページ発生手段が、処理内容の履歴情報を含むようにURLを更新することにより、入力されるURLは、過去に選択された全ての履歴情報を保持することができる。 【0047】 請求項13に係る発明では、前記ウェブページは、前記画像処理手段によって処理可能な処理パターンの一覧を表示し、前記各処理パターンには該各処理パターンを実現するためのURLをそれぞれ対応付けることもできる。 【0048】 即ち、ウェブページには、「600dpi+ディザ処理」(http://xxx/600/ディザ/)、「600dpi+誤差拡散法」(http://xxx/600/誤差拡散/)、「300dpi+ディザ処理」(http://xxx/300/ディザ/)、「300dpi+誤差拡散法」(http://xxx/300/誤差拡散/)等のように、予め選択可能な処理パターンの一覧が表示されており、各処理パターンには、当該処理パターンを実現するためのURLが対応付けられている。従って、所望の処理パターンを選択するだけでよく、操作性が向上する。 【0049】 請求項14に係る発明では、ウェブサーバ機能と、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLと制御情報とを対応付けて管理する管理手段とを備え、前記制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行う画像情報入出力装置を制御するための制御方法であって、前記画像処理手段によって処理可能な処理内容に対応付けられたURLを有してなるウェブページを発生させる第1ステップと、前記ウェブページを介して指示されるURLを受信する第2ステップと、受信された前記URLを前記管理手段に基づいて所定の制御情報に変換する第3ステップと、変換された前記制御情報に基づいて、前記画像処理手段の作動を制御する第4ステップと、前記画像処理手段により得られる画像情報を含むウェブページを生成し、前記URLの入力元に転送する第5ステップと、を備えたことを特徴としている。 【0050】 これにより、請求項10に係る発明と同様の作用を得ることができる。 【0051】 請求項15に係る発明のように、前記URLは、選択された前記処理内容の履歴情報を含んで構成することもできる。 【0052】 これにより、請求項11に係る発明と同様の作用を得ることができる。 【0053】 また、請求項16に係る発明のように、前記第1ステップは、受信したURLを解析して前記履歴情報を検出し、該履歴情報を含んでなる∪RLを前記処理内容に対応付けることにより前記ウェブページを発生させることもできる。 【0054】 これにより、請求項12に係る発明と同様の作用を得ることができる。 【0055】 請求項17に係る発明のように、前記ウェブページは、前記画像処理手段によって処理可能な処理パターンの一覧を表示し、前記各処理パターンには該各処理パターンを実現するためのURLをそれぞれ対応付けることもできる。 【0056】 これにより、請求項13に係る発明と同様の作用を得ることができる。 【0057】 請求項18に係る発明では、ウェブサーバ機能を有する画像情報入出力装置と、前記ウェブサーバを利用するためのウェブブラウザを有する情報端末とを備えた画像情報処理システムであって、前記画像情報入出力装置は、制御情報に基づいて駆動される画像処理手段と、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、前記画像処理手段によって処理可能な処理内容に係る複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLを有してなるウェブページを発生させて前記情報端末に送信するウェブページ発生手段と、前記URLと前記制御情報とを対応付けて管理する管理手段と、前記ウェブブラウザにより前記ウェブページを介して選択されたURLを前記管理手段に基づいて所定の制御情報に変換する変換手段と、前記変換された制御情報に基づいて、前記画像処理手段の作動を制御する制御手段と、を備えたことを特徴としている。 【0058】 これにより、特有のドライバソフトウエアをインストールすることなく、情報端末側のウェブブラウザによって、画像情報入出力装置を操作でき、請求項10に係る発明と同様の作用を得ることができる。 【0059】 請求項19に係る発明のように、前記URLは、選択された前記処理内容の履歴情報を含んで構成することができる。 【0060】 これにより、請求項11に係る発明と同様の作用を得ることができる。 【0061】 請求項20に係る発明のように、前記ウェブページ発生手段は、受信したURLを解析して前記履歴情報を検出し、該履歴情報を含んでなるURLを前記処理内容に対応付けることにより前記ウェブページを発生させることもできる。 【0062】 これにより、請求項12に係る発明と同様の作用を得ることができる。 【0063】 請求項21に係る発明のように、前記ウェブページは、前記画像処理手段によって処理可能な処理パターンの一覧を表示し、前記各処理パターンには該各処理パターンを実現するためのURLをそれぞれ対応付けることもできる。 【0064】 これにより、請求項13に係る発明と同様の作用を得ることができる。 【0065】 請求項22に係る発明は、制御情報に基づいて画像処理手段を駆動することにより画像情報の入出力処理を行うためのプログラムを記録したプログラム記録媒体であって、URLに応じてウェブページを提供するウェブサーバ機能と、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって、前記画像処理手段によって処理可能な処理内容に係る複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURLを有してなるウェブページを発生させるウェブページ発生機能と、前記URLと前記制御情報とを対応付けて管理する管理機能と、前記ウェブページを介して選択されたURLを前記管理機能に基づいて所定の制御情報に変換する変換機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムを前記コンピュータが読取り及び理解可能な形態で記録したプログラム記録媒体である。 【0066】 これにより、請求項10に係る発明と同様の作用を得ることができる。 【0067】 請求項23に係る発明のように、前記URLは、選択された前記処理内容の履歴情報を含んで構成することができる。 【0068】 これにより、請求項11に係る発明と同様の作用を得ることができる。 【0069】 請求項24に係る発明では、前記ウェブページ発生機能は、受信したURLを解析して前記履歴情報を検出し、該履歴情報を含んでなるURLを前記処理内容に対応付けることにより前記ウェブページを発生させることを特徴としている。 【0070】 これにより、請求項12に係る発明と同様の作用を得ることができる。 【0071】 請求項25に係る発明では、前記ウェブページは、前記画像処理手段によって処理可能な処理パターンの一覧を表示し、前記各処理パターンには該各処理パターンを実現するためのURLがそれぞれ対応付けられていることを特徴としている。 【0072】 これにより、請求項13に係る発明と同様の作用を得ることができる。 【0073】 【発明の実施の形態】 以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。 【0074】 1.第1の実施の形態 図3〜図8は、本発明の第1の実施の形態に関わり、図1は、本実施の形態による画像情報処理システムのブロック構成図である。 【0075】 1-1スキャナ装置の機能構成 本実施の形態による「画像情報入出力装置」としてのスキャナ装置41は、それぞれ後述するように、ネットワーク接続部42と、画像データ読取り部43と、駆動制御部44と、設定部45と、ウェブサーバ部46とを含んで構成されている。 【0076】 ネットワーク接続部41は、通信回線100を介して後述の情報端末61と双方向通信を行うためのものであり、具体的には、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、HTTP(HyperText Transfer Protocol)等のプロトコル群等を備えて構成されている。 【0077】 画像データ読取り部43は、例えば、ラインCCD等の撮像素子及び光源からなる光学系と、該光学系を走査させるための光学系駆動機構とを備えて構成されている。光源から原稿等の読取り対象物に入射して反射した反射光を撮像素子で光電変換しつつ、光学系を走査することにより、画像データを読み込むことができる。 【0078】 駆動制御部44は、画像読取り部43の駆動を制御するためのものであり、画像読取り部43と共に「画像処理手段」を構成している。駆動制御部44は、例えば、光学系駆動機構を制御する駆動機構制御部と、撮像素子からの出力信号を処理する信号処理部とを備えて構成されている。 【0079】 設定部45は、駆動制御部44に対して「制御情報」としての各種設定値を入力するためのものであり、「制御手段」を構成している。より具体的には、設定部45は、読込み解像度、中間階調の処理アルゴリズム等の各種設定値を駆動制御部44に入力し、所定のモードで画像データを読み込ませるものである。 【0080】 ウェブサーバ部46は、WWWサーバ機能を実現するものであり、「ハイパーテキスト型の情報検索環境」に該当する。ウェブサーバ部46は、情報端末61からURLで指定されたHTML形式のファイルを、HTTPに従って転送等する機能を備えている。 【0081】 ウェブサーバ部46は、情報端末61から入力されるURL等のHTTPリクエストを受信するためのHTTPリクエスト受信部47と、該HTTPリクエストに応答して情報端末61に返送されるHTTPレスポンスを作成するためのHTTPレスポンス作成部48と、URL解釈部49と、管理テーブル50と、フォーマット作成部51とを備えている。 【0082】 「変換手段」としてのURL解釈部49は、HTTPリクエスト受信部47を介して入力されたURLを管理テーブル50を検索することにより解釈するものである。図4の説明図に示すように、管理テーブル50には、URLの種類毎に所定の設定値が予め対応付けられて記憶されている。具体的には、例えば、読込み解像度、中間階調め処理アルゴリズム等の各項日別にそれぞれの設定値が記憶されている。また、スキャナ装置41に割り当てられたIPアドレスには、「見本画像一覧情報」あるいは「処理内容一覧情報」を生成させるための設定値が対応付けられている。従って、例えば、「http://xxx/B600.html」というURLが入力された場合、URL解釈部49は、このURLに基づいて管理テーブル50を検索することにより、該URLを「誤差拡散法で処理される読込み解像度600dpiで画像データを読み込む」という処理を実現させる設定値に変換する。 【0083】 フォーマット作成部51は、画像データ読取り部43によって読み取られた画像データを、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)やGIF(Graphics Interchange Format)等のウェブブラウザで閲覧可能な形式の画像ファイルに変換するものである。この所定フォーマットの画像ファイルは、HTTPレスポンス作成部48によりHTML形式ファイルに埋め込まれる。 【0084】 1-2情報端末61の機能構成 例えば、パーソナルコンピュータや携帯情報端末等の情報端末61は、ウェブサーバ部46を利用するWWWクライアントである。情報端末61は、ネットワーク接続部62と、ウェブブラウザ63と、入力装置64と、表示装置65とを備えて構成されている。 【0085】 ネットワーク接続部62は、スキャナ装置41のネットワーク接続部42と同様に、TCP/IP,HTTP等のプロトコル群を備えて構成されている。 【0086】 「閲覧検索手段」としてのウェブブラウザ63は、ウェブサーバ部46のHTML形式ファイルを閲覧・検索するものである。例えば、「http://サーバ名/ディレクトリ名/ファイル名」等のように、「検索情報」または「指令情報」としてのURLによってHTML形式ファイルを指定することにより、該ファイルを閲覧することができる。また、ウェブブラウザ63によって所定のURL、即ち、管理テーブル50に予め登録されたURLをウェブサーバ部46に入力することにより、所望する設定条件で画像データを読み取らせることができるようになっている。 【0087】 入力装置64は、URL等を入力するためのものであり、例えば、キーボードスイッチやポインティングデバイス等を用いることができる。また、表示装置65は、閲覧内容等を表示するためのものであり、例えば、CRTや液晶ディスプレイ等を用いることができる。 【0088】 1-3 作用 次に、図5〜図8に基づいて本実施の形態の作用を説明する。図5は、ウェブブラウザ63により実行される閲覧検索処理を示すフローチャートである。閲覧検索手段63に入力されるURLに応じて、見本画像の転送要求等を行うことができる。 【0089】 ステップ(以下「S」と略記)1で、URLの入力が行われると、これにより生じたHTTPリクエストがネットワーク接続部62を介してスキャナ装置41に転送される。そして、このHTTPリクエストに応じてスキャナ装置41から返送されるHTML形式ファイルの受信待ちを行う(S3)。 【0090】 スキャナ装置41からHTML形式ファイルが入力された場合は、このHTML形式ファイルを表示装置65に表示する(S4)。次に、HTMLファイルに埋め込まれたリンク情報としてのタグを検出し(S5)、このタグによってリンクされたJPEG等の画像ファイルを要求するHTTPリクエストをスキャナ装置41に転送する(S6)。なお、ここで、画像ファイルの転送要求は、GETコマンド等を利用して行うことができる。S6で発行されたHTTPリクエストに応じて、スキャナ装置41から画像ファイルが入力されると(S7)、この画像ファイルは表示装置65によって表示される(S8)。S3で受信したHTML形式ファイルに埋め込まれた全ての画像ファイルを受信するまで、S5〜S8の処理が繰り返され(S9)、全ての画像ファイルを受信した場合には処理を終了する。 【0091】 注意すべきは、S1で入力するURLによって、S1〜S9の具体的処理内容が相違する点である。換言すれば、入力するURLを変化させるだけで、図5に示すフローチャートを種々の形式で利用することができる。 【0092】 (1)サムネイル画像の表示を要求する場合 「見本画像」としてのサムネイル画像は、本来得られる画像データを間引きした小画像データである。本実施の形態では、サムネイル画像によって、正式な画像読込みを行う前の予測結果(プレスキャン)を示している。後述する図7に示すように、本実施の形態では、スキャナ装置41によって実現可能な種々の画像読取りモードを、複数のサムネイル画像を埋め込んだHTML形式ファイルによって、情報端末61に提示するようになっている。 【0093】 サムネイル画像の一覧を要求するためのURLは、例えば、スキャナ装置41のIPアドレスとして指定されている。即ち、S1で入力するURLが、「http://IPアドレス/」のみであり、後続するディレクトリ名、ファイル名等を伴っていない場合は、URL解釈部49は、このURLを「サムネイル画像一覧の生成要求」として解釈する。 【0094】 そして、スキャナ装置41からサムネイル画像を表示するメニュー画面としてのHTML形式ファイルが入力されると(S3,S4)、このHTML形式ファイルに埋め込まれた各サムネイル画像の画像ファイル転送をそれぞれ要求し、HTMLと共に表示する(S5〜S9)。 【0095】 (2)画像読取りを指示する場合 情報端末61からスキャナ装置41に対して画像の読取りを指示する場合は、読込み解像度や中間階調の処理アルゴリズム等の各種設定値をURLを介して間接的に指示する。例えば、「http://IPアドレス/アルゴリズム選択/解像度選択/」のような構造のURLをS1で入力すると、URL解釈部49は、この入力されたURLを画像読込み処理に必要な各種設定値に変換する。そして、この指示された画像読込みモードによって画像の読込みが行われると、スキャナ装置41からスキャン結果を示すHTML形式ファイルが入力され(S3,S4)、該HTML形式ファイルに埋め込まれた画像ファイルが表示される(S5〜S9)。 【0096】 (3)他の装置の作動を指示する場合 通信回線100を介して他の画像情報入出力装置が接続されている場合、該画像情報入出力装置が、本実施の形態と同様の機能を果たすウェブサーバ部を実装していれば、当該ウェブサーバ部に予め登録された所定のURLをS1で入力することにより、画像情報入出力装置を操作することができる。 【0097】 (4)通常のウェブブラウザとして用いる場合 例えば、インターネット上のWWWサーバにアクセスしてウェブページ等を閲覧する場合は、S1で、所望するWebページのURLを入力すればよい。これにより、WWWサーバとの双方向通信が行われる。 【0098】 次に、図6のフローチャートに基づいて、スキャナ装置41側で行われる処理を説明する。 【0099】 まず、情報端末61から入力されるHTTPリクエストを受信すると(S11)、HTTPリクエスト内のURLを抽出する(S12)。URL解釈部49は、抽出したURLに基づいて管理テーブル50を検索し、URLを設定値に変換する(S13)。変換された設定値は、URL解釈部49から設定部45に入力され、設定部45によって駆動制御部44にセットされる(S14)。S11で入力された全てのURL、正確にはURLの各構成部分が全て変換されるまで、S13,S14の処理が繰り返される(S15)。 【0100】 次に、サムネイル画像の生成を行うためのプレスキャンが指示されたか否かを判定する(S16)。上述した通り、S11で入力されるURLがスキャナ装置41のIPアドレスのみである場合は、ブレスキャンの実行が要求されていると判定する。但し、当業者であれば、容易に理解できるように、本発明はこれに限定されない。例えば、「http://IPアドレス/プレスキャン/」という構造のURLによって、プレスキャンを行わせる構成とすることもできる。 【0101】 なお、URLの解釈の結果、プレスキャンであるか本来のスキャンであるかは一義的に定まるため、S16の判定ステップはプログラム上に現れない可能性がある。S16は、発明の理解に資するためのものである。 【0102】 S11で入力されたURLがプレスキャン実行の設定値を指示している場合、プレスキャンが行われる(S17)。具体的には、例えば、72*72dpiの間引き画像が得られるように、原稿等の画像を速やかに読み取る。読み取られた画像は、フォーマット作成部51により、例えば、JPEGやGIF等のWWWで利用可能な所定の画像フォーマットに変換される(S19)。HTTPレスポンス作成部48は、画像ファイルをHTML形式ファイルにタグを介して埋め込むことにより、HTTPレスポンスを作成する(S20)。このHTTPレスポンスとして作成されたHTML形式ファイルは、ネットワーク接続部42を介して情報端末61に転送される(S21)。 【0103】 一方、S11で入力されたURLが、正式なスキャンの実行に係る設定値を指示している場合は、この指定された各設定条件に従って画像が読み取られる(S18)。読み取られた画像は、所定フォーマットの画像ファイルに変換される(S19)。そして、HTML形式ファイルが作成され(S20)、このHTML形式ファイルは情報端末61に転送される(S21)。 【0104】 図7及び図8に基づいてURLによる設定値の指示方法等を説明する。図7は、サムネイル画像を一覧表示した状態の画面である。上述した通り、このサムネイル画像一覧表示画面は、スキャナ装置41で実行可能な画像読込み設定を網羅的に示すメニュー画面としての性質を有する。 【0105】 例えば、図7中の左上は、ディザ法により処理される解像度600dpiで読み取った場合の予測画像(A600.html)、図7中の右上は、誤差拡散法により処理される解像度600dpiで読み取った場合の予測画像、図7中の左下は、ディザ法により処理される解像度300dpiで読み取った場合の予測画像、図7中の右下は、誤差拡散法により処理される解像度300dpiで読み取った場合の予測画像を、それぞれ示している。 【0106】 従って、ユーザーは、各サムネイル画像を見比べることにより、最も好ましい画像読込み条件(設定値)を選択することができる。選択は、例えば、好ましいサムネイル画像をポインティングデバイス等で選択することにより行うことができる。また、キーボードスイッチ等によって所望のURLを直接入力することもできる。ユーザーがURLの選択入力を行うと、このURLがHTTPリクエストとしてスキャナ41に転送され、所望の画像読込みが行われる。読み込まれた画像は、HTML形式ファイルとして情報端末61に返送され、図8に示すように、画面表示される。 【0107】 表示された読取り画像をユーザーが気に入った場合は、選択したURLを保存することができる。即ち、ウェブブラウザ63は、URLを保存する「Bookmark保存」という機能を標準的に備えている。従って、この「Bookmark保存」を利用することにより、画像読取りに用いたURLを簡単に保存することができる。 【0108】 このように構成される本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。 【0109】 第1に、スキャナ装置41にウェブサーバ部46を実装し、ウェブブラウザ63を介して入力するURLにより、スキャナ装置41の諸設定を間接的に指定することができるため、従来技術のように各装置専用のドライバソフトウエアを情報端末61にインストールする手間がなく、ウェブブラウザ63という統一された操作環境下でシームレスにスキャナ装置41を作動させることができる。 【0110】 特に、ウェブブラウザ63は、通常の情報端末61における実質的な標準装備であるため、ユーザーは、専用ドライバソフトウエアを入手してインストールしたり、ドライバソフトウエアの操作方法を習得する必要がない。また、Webページの収集、スキャナ装置41の作動等を滑らかに行うことができる。 【0111】 第2に、各装置毎に異なる専用ドライバソフトウエアが不要となるため、情報端末61側のメモリ負担、CPU負荷を少なくすることができる。 【0112】 第3に、実際の正式な画像読込みを行う前に、処理結果の予測を示すサムネイル画像の一覧を表示できるため、所望の画像データを効率的に入手することができる。 【0113】 第4に、使用したURLを保存できるため、選択した画像情報入出力装置のアドレスと使用した設定値とを一括して保存でき、次回の画像読込みを速やかに行わせることができる。 【0114】 第5に、目的ごとに選択した最適な設定値を複数URLの形で保存することができ、次回の装置利用時に再度設定値を選び直す必要がなく、直ちに前回と同じ設定で利用することができる。 【0115】 第6に、本発明に係るウェブサーバ機能を備えた画像情報入出力装置がネットワーク上に複数存在する場合には、URLのうち装置アドレスのみを変更するだけで、当該画像情報入出力装置を利用して前回と同設定の処理を行わせることができる。 【0116】 第7に、情報端末の実質的な標準装備である閲覧検索手段を用いて画像情報入出力装置を操作することができるため、要求に応じてドライバソフトウエアを情報端末側に送り込む方法とは異なり、直ちに画像情報入出力装置を操作することができる。 【0117】 2.第2の実施の形態 次に、図9〜図12に基づき本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、以下の各実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。本実施の形態の特徴は、画像情報入出力装置としてのプリンタに適用した点にある。 【0118】 2-1 プリンタの機能構成 本実施の形態によるプリンタ71は、ネットワーク接続部72と、プリントエンジン73と、駆動部制御部74と、イメージ作成部75と、設定部76と、ウェブサーバ部77とを備えて構成されている。 【0119】 ネットワーク接続部72は、第1の実施の形態で述べたネットワーク接続部42と同様に、TCP/IP、HTTP等のプロトコル群を実装している。プリントエンジン73は、印刷記録媒体に印刷を行うためのものであり、例えば、インクジェット式、レーザ式等の種々のエンジンを採用することができる。 【0120】 駆動部制御部74は、プリントエンジン73の作動を制御するものであり、イメージ作成部75は、プリントエンジン73に与える印刷イメージデータを作成するためのものである。ここで、プリントエンジン73と駆動部制御部74とイメージ作成部75とによって、「画像処理手段」が構成されている。 【0121】 「ハイパーテキスト型情報検索環境」としてのウェブサーバ部77は、第1の実施の形態で述べたウェブサーバ部46と同様に、プリンタ71内にウェブサーバ機能を実現するためのものである。ウェブサーバ部77には、HTTPリクエスト受信部78と、HTTPレスポンス作成部79と、URL解釈部80と、管理テーブル81とが設けられている。 【0122】 第1の実施の形態と同様に、管理テーブル50には、例えば、印刷解像度、カラー指定、中間階調のアルゴリズム指定等の各種設定値が「制御情報」として登録されており、これら各設定値には、それぞれ所定のURLが予め対応付けられている。情報端末61からHTTPリクエスト受信部78等を介して入力されたURLは、「変換手段」としてのURL解釈部80によって所定の設定値に変換され、この設定値は設定部76に入力される。「制御手段」としての設定部76が、入力された設定値を駆動部制御部74に入力することにより、ユーザーが指定した印刷条件で印刷が行われる。 【0123】 2-2 作用 次に、図10〜図12に基づいて本実施の形態の作用を説明する。図10は、情報端末61側の処理を示すフローチャートである。 【0124】 情報端末61からプリンタ71に対して、印刷すべきデータが転送される(S31)。具体的には、ウェブブラウザ63で印刷ファイルを開き、この印刷ファイルをHTTPのPUTコマンド等を利用してプリンタ71に転送することができる。また、これに限らず、例えば、FTP(File Transfer Protocol)やLPR等の他の手段によって印刷データを転送してもよい。なお、LPRとは、バークレー・ラインプリンタ・デーモンサービスと呼ばれる印刷キュー管理プログラムをいい、RFC(Request for Comments)1179として、インターネットの標準プロトコルとなっている。 【0125】 次に、HTTPリクエストをプリンタ71に転送する(S32)。このS32で転送されるHTTPリクエストは、印刷画像の予測結果であるサムネイル画像の転送を要求するものである。即ち、S31で先に転送した印刷ファイルを、例えば、720dpiで印刷した場合、360dpiで印刷した場合、カラー印刷した場合、モノクロ印刷した場合等の種々の印刷条件による印刷予測結果を要求している。 【0126】 そして、プリンタ71からサムネイル画像のHTML形式ファイルが転送されてくるのを待つ(S33)。HTML形式ファイルが転送されてきた場合には、HTML形式ファイルを画面表示し(S34)、該HTML形式ファイルに埋め込まれたタグを検出して(S35)、タグによってリンクされたサムネイル画像の画像ファイル転送を要求する(S36)。プリンタ71から情報端末61にサムネイル画像が転送されると(S37)、このサムネイル画像は、順次画面に表示される(S38)。全てのサムネイル画像を受信するまで、前記S35〜S38の処理が繰り返される。 【0127】 図12に示すように、種々の印刷設定によるサムネイル画像が表示されると、ユーザーは、ポインティングデバイス等によって所望する印刷設定のサムネイル画像を選択する(S40)。そして、この選択されたサムネイル画像に設けられたURLが情報端末61からプリンタ71に転送されると、プリンタ71による印刷が実行される。 【0128】 なお、図10に示すフローチャートでは、印刷ファイルの転送からサムネイル画像の選択までを一連の処理として図示しているが、図5に示すフローチャートと基本的に同一である。ただ、図5に示すフローチャートと異なるのは、最初に印刷ファイルを転送する点である。 【0129】 次に、図11は、プリンタ71側の処理を示すフローチャートである。まず、情報端末61からのHTTPリクエストを受信すると(S51)、URLが抽出される(S52)。この抽出されたURLは、URL解釈部80によって所定の設定値に変換され(S53)、設定部76によって駆動部制御部74にセットされる(S54)。全てのURLを設定値に変換するまでS53,S54の処理が繰り返される(S55)。 【0130】 そして、サムネイル画像の一覧を要求するプレビューであるか否かを判定し(S56)、プレビューが要求されている場合には、イメージ作成部75によって種々の印刷設定に応じたサムネイル画像を作成する(S57)。各サムネイル画像は、JPEGやGIF等の所定フォーマットの画像データに変換される(S59)。そして、HTTPレスポンス作成部79によりHTTPレスポンスが作成され(S60)、このHTTPレスポンスはネットワーク接続部72等を介して情報端末61に転送される(S61)。 【0131】 なお、プレビュー要求であるか否かの判定ステップS56は、廃止することができる。図10のS32でサムネイル画像一覧の転送を要求する場合は、図11のS51からS52〜S56をスキップしてS57に移ることができる。 【0132】 一方、URLによって間接的に印刷実行が要求されている場合には、指定された設定値に基づいた印刷が実行される(S58)。 【0133】 このように構成される本実施の形態でも、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。 【0134】 3.第3の実施の形態 次に、図13、図14は、本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、URLの簡便な入力環境構築用プログラムをウェブサーバ部46に用意した点にある。 【0135】 ウェブサーバ部46には、操作用プログラム91が実装されている。この操作用プログラム91は、例えば、米国Sun Microsystems社が開発したJavaプログラム(アプレット)のように、ウェブブラウザ63で実行可能なアーキテクチャニュートラルなプログラムとして作成されている。 【0136】 ウェブサーバ部46から操作用プログラム91を情報端末61にダウンロードすることにより、図14に示すような操作環境、URL入力環境を実現することができる。各設定値に対応するボタンをポインティングデバイス等で操作することにより、ユーザーは、未だBookmarkに登録されていないURLでも容易に入力することができる。 【0137】 4.第4の実施の形態 次に、図15〜図18に基づいて本発明の第4の実施の形態を説明する。本実施の形態の特徴は、画像情報入出力装置側のウェブサーバ機能によってウェブページを提供し、このウェブページを介して処理内容の選択、確認を行うようにした点にある。 【0138】 4-1 構成 画像情報入出力装置としてのスキャナ装置111は、ウェブサーバ部112と、解釈部115と、駆動制御部44と、画像データ読取部43とを備えて構成されている。ここで、ウェブサーバ部112には、「ウェブページ発生手段」としてのウェブページ生成部114が設けられている。ウェブページ生成部114は、入力された「資源要求情報」としてのURLに応じて所定のウェブページを生成し、情報端末61側に送信するようになっている。 【0139】 URL解釈部49は、管理テーブル113に基づいて入力されたURLを制御コマンド等に変換する。変換された制御コマンドは、解釈部115に入力されて解釈される。 【0140】 管理テーブル113は、図16に示すように構成することができる。例えば、スキャナ装置111のIPアドレスは、予め設定された先頭のウェブページを送信するコマンドに対応付けられている。後述のように、このIPアドレスのみが入力された場合には、例えば、INDEX.htmlのような先頭のメニューページが情報端末61に転送される。「SCAN」はスキャン処理であることを示すコマンドに、「300」は読取り解像度300dpiに、「600」は読取り解像度600dpiに、「Dither」はディザ処理に、「Error」は誤差拡散法に、それぞれ対応付けられて記憶されている。なお、図16は、制御コマンド等の一部を例示列挙したものであり、本発明はこれに限定されない。 【0141】 4-2 作用 次に、図17及び図18に基づいて、本実施の形態の作用を説明する。まず、情報端末61からHTTPリクエストを受信すると(S71)、この受信したリクエストからURLが抽出される(S72)。次に、スキャンを実行するか否かが判定される(S73)。例えば、入力されたURL中にスキャン実行を指示するコマンドが含まれている場合、または、スキャン実行に必要な全ての選択がなされている場合に、スキャンの実行であると判定することができる。 【0142】 スキャンを実行しない場合は、S73で「NO」と判定され、入力されたURLの構造を解析して履歴情報を抽出する(S74)。後述のように、解像度や中間階調の処理方法等の各種パラメータを選択した履歴を検出する。そして、検出された履歴情報を含むようにして新たなURLを生成し(S75)、このURLをウェブページに対応付ける(S76)。このようにして生成されたウェブページは、情報端末61に送信される(S83,S84)。 【0143】 一方、前記S73でスキャン実行であると判定された場合は、入力されたURLを先頭から順番に制御コマンドに変換して(S77)、バッファに保存していく(S78)。URLが全て制御コマンドに変換されると(S79)、これらの各制御コマンドは解釈部115に渡され(S80)、スキャンが実行される(S81)。スキャンの結果得られた画像は、所定形式の画像ファイルとして生成去れ(S82)、ウェブページの一部または全部として情報端末61に送信される(S83,S84)。 【0144】 図18には、情報端末61とスキャナ装置111との間で行われる通信の状況が模式的に示されている。 【0145】 まず、情報端末61からスキャナ装置のIPアドレスのみを含むURLをスキャナ装置111に入力する。IPアドレスのみのURLは、インデックスページの送信要求に対応付けられているため、スキャナ装置111は、インデックスページWP1を情報端末61に送信する。インデックスページWP1では、スキャナ処理画面の選択とヘルプ画面の選択とを行えるようになっている。 【0146】 そして、ユーザーがインデックスページWP1に「SCAN」として表示されたスキャナ処理を選択すると、この選択されたURL(http://xxx/SCAN/)がスキャナ装置111に送信される。この転送要求を受信したスキャナ装置111は、スキャナ処理の第1ページWP2を生成して情報端末61に送信する。この第1ページWP2では、600dpi及び300dpiの2種類の読取り解像度を選択できるようになっている。 【0147】 ここで、スキャナ装置111は、受信したURLの構造を解析して履歴情報を抽出し、この履歴情報を含んだ新たなURLを生成してウェブページWP2を生成している点に注意しなければならない。図示の例で言えば、「http://xxx/SCAN/」というURLから「SCAN」という履歴情報が抽出される。そして、第1ぺ一ジWP2に貼り付けられる各URLは、履歴情報を含んでいる。即ち、読取り解像度600dpiを指示するためのURLは、「http://xxx/SCAN/600/」として構成され、読取り解像度300dpiを指示するためのURLは、「http://xxx/SCAN/300/」として構成される。 【0148】 そして、ユーザーが読取り解像度600dpiを選択すると、「http://xxx/SCAN/600/」というURLがスキャナ装置111に入力される。図示例では、解像度の選択の次に中間階調処理の選択を行うようになっているため、スキャナ装置111は、次の選択メニューである中間階調処理のページWP3を生成して情報端末61に送信する。この第2ページWP3では、ディザ処理と誤差拡散法の2種類の処理方法を選択できるようになっている。上記同様に、この第2ページWP3に対応付けられる各URLは、履歴情報を含んで構成されている。即ち、第2ページWP3を生成する時点での履歴情報は「SCAN/600」であるから、ディザ処理を選択するためのURLは、「http://xxx/SCAN/600/Dither/」として構成され、誤差拡散法を選択するためのURLは、「http://xxx/SCAN/600/Error/」として構成されている。 【0149】 従って、例えば、ユーザーがディザ処理を選択すると、全ての選択履歴を含んでなる「http://xxx/SCAN/600/Dither/」というURLがスキャナ装置111に入力される。そこで、スキャナ装置111側では、このURLを制御コマンドに変換して解釈部115に入力し、要求されたスキャン処理を実行する。 【0150】 なお、URLの表現方法は上記の例に限定されない。例えば、「http://xxx/action=SCAN/resolution=600/algorithm=Dither/」という形式を採用してもよい。即ち、パラメータの種類を示す情報(action,resolution,algorithm)とパラメータの値(SCAN,600,Dither)とをセットにして表現することにより、URLを見ただけで処理内容を明確に把握することができる。 【0151】 このように構成される本実施の形態でも、URLを介して制御コマンドを間接的に指定するため、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。 【0152】 これに加えて、本実施の形態では、以下の効果を奏する。 【0153】 第1に、スキャナ装置111は各ウェブページを生成して情報端末61に送信するため、このウェブページ中のURLを選択するだけで所望の動作を行わせることができる。即ち、ウェブページには、読取り解像度や中間階調処理方法等の所定の処理内容が表示され、各処理内容には所定のURLがそれぞれ対応付けられているため、ユーザーは、所望の処理内容を選択するだけでよく、複雑なURLを手入力する必要がない。従って、誤操作を防止し、使い勝手が向上する。 【0154】 第2に、URLは、過去に選択された処理内容の履歴情報を含んで構成されているため、後述する他の実施の形態のように、ウェブサーバ側でURLの履歴を保存する必要がなく、メモリ消費量等を節約することができる。 【0155】 なお、各パラメータの初期値を予め設定しておくことにより、全てのパラメータを選択せずにスキャン処理を行わせるように構成することもできる。 【0156】 5.第5の実施の形態 次に、図19に基づいて、本発明の第5の実施の形態を説明する。本実施の形態の特徴は、スキャナ処理のウェブページに、処理可能な処理パターンの一覧を予め表示しておくことにある。 【0157】 図19は、本実施の形態における情報端末61とスキャナ装置111との通信状況を模式的に示す説明図である。インデックスページWP1からスキャナ処理を選択すると、スキャナ装置111は、スキャナ処理のメニューページWP11を生成して情報端末61に送信する。このウェブページWP11には、スキャナ装置111で実行可能な全ての処理パターンが一覧表示されている。 【0158】 即ち、ウェブページWP11には、600dpi及び300dpiの2種類の読取り解像度と、ディザ処理及び誤差拡散法の2種類の中間階調処理方法とを組み合わせてなる合計4種類の処理パターンが表示されている。各処理パターンには、それを実現するための情報を含んだURLが対応付けられている。例えば、読取り解像度600dpiでディザ処理を行う処理パターンには「http://xxx/SCAN/600+Dither/」というURLが、また、読取り解像度300dpiで誤差拡散法を行う処理パターンには「http://xxx/SCAN/300÷Error/」というURLが、それぞれ対応付けられている。 【0159】 従って、ユーザーが所望の処理パターンを選択すると、該処理パターンに対応付けられたURLがスキャナ装置111に入力され、所定の制御コマンドに変換されてスキャン処理が実行される。 【0160】 このように構成される本実施の形態でも、上述した第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。これに加えて、本実施の形態では、処理パターンの一覧を予め表示するため、各ウェブページの階層を辿って選択を行う必要がなく、使い勝手が向上する。 【0161】 なお、第4の実施の形態と第5の実施の形態とを結合させることもできる。即ち、読取り解像度等の主要なパラメータは処理パターンの一覧として表示し、それ以外のパラメータは、下の階層に位置するウェブページで選択するように構成することもできる。 【0162】 6.第6の実施の形態 次に、図20〜図22に基づいて本発明の第6の実施の形態を説明する。本実施の形態の特徴は、ネットワークに接続されたスキャナ装置やプリンタ等の事務機器を管理する管理サーバを設けた点にある。 【0163】 6-1 構成 図20は、本実施の形態による画像情報処理システムの全体構成を示すブロック図である,管理サーバ121は、ネットワーク100に接続するためのネットワーク接続部122と、ウェブサーバ部123とを備えている。ウェブサーバ部123には、HTTPリクエスト受信部124と、HTTPレスポンス作成部125と、URL解釈部126と、ジョブ管理部127と、管理テーブル128と、ウェブベージ生成部129とが設けられている。 【0164】 管理テーブル128は、URLと制御コマンド等とを対応付けて管理するものである。管理テーブル128には、スキャナ装置131とプリンタ132の双方の制御コマンドが記憶されている。ウェブページ生成部129は、後述の如く、所定のウェブページを生成して情報端末61に送信するためのものである。 【0165】 URL解釈部126は、情報端末61から入力されたURLを管理テーブル128に基づいて制御コマンドに変換するためのものである。変換された制御コマンドは、ジョブ管理部127からネットワーク接続部122を介して所定の事務機器に送信される。例えば、ジョブ管理手段として表現可能なジョブ管理部127は、ネットワーク100に接続された各事務機器の稼働状態等を把握するためのものである。 【0166】 スキャナ装置131は、ネットワーク接続部42と、解釈部115と、駆動制御部44と、画像データ読取部43とを備えて構成されている。即ち、本スキャナ装置131は、ウェブサーバ機能を備えている必要はない。同様に、プリンタ132も、通常のネットワークプリンタと同様に、ネットワーク接続部と、受信バッファと、解釈部と、プリントエンジン等とを備えて構成されている。 【0167】 6-2 作用 図21には、情報端末61と管理サーバ121とスキャナ装置131との間の通信状況が模式的に示されている。 【0168】 まず、情報端末61から管理サーバ121のウェブサーバ部123に対して総合ぺージWP21の転送を要求すると、管理サーバ121は総合ページWP21を情報端末61に送信する。総合ページWP21とは、図22に示すように、例えば、スキャナ装置とプリンタのように、ネットワーク100に接続された事務機器が種類毎に示されたものである。 【0169】 ユーザーが総合ページWP21からスキャナメニューWP22を選択すると、管理サーバ121はスキャナメニューWP22を情報端末61に送信する。図22に示すように、スキャナメニューWP22には、ネットワーク100に接続された各スキャナ装置の名称等が表示されている。そして、ユーザーが所望のスキャナ装置131を選択すると、管理サーバ121は、選択されたスキャナ装置131の操作メニューWP23を情報端末61に送信する。図22に示すように、操作メニューWP23には、スキャン処理のための各パラメータを選択するボタンと、稼働状況等を問い合わせるボタンとが表示されている。スキャン処理を選択した場合には、図18に示したと同様に、一枚または複数枚のウェブページからパラメータを選択することができる。 【0170】 図22中に示す読取り解像度の選択ページWP24のように、ユーザーが所望のパラメータを選択すると、このパラメータを示すURLが管理サーバ121に入力される。管理サーバ121のURL解釈部126は、入力されたURLを所定の制御コマンドに変換する。変換された制御コマンドは、所定のスキャナ装置131に送信される。スキャナ装置131は、制御コマンドを解釈してスキャン処理を実行し、スキャンによって得られた画像ファイルを管理サーバ121に転送する。管理サーバ121は、スキャナ装置131から受信した画像ファイルを情報端末61に転送する。 【0171】 一方、スキャナ装置131やプリンタ132の稼働状況等を問い合わせる場合は、ユーザーは、操作メニューWP23中の「問い合わせ」を選択する。これにより、管理サーバ121のジョブ管理部127は、指定された機器の稼働状況等を情報端末61に送信する。即ち、指定された機器に割り当てられたジョブの数、ジョブの大きさ等の管理データや待ち時間の予測値等が情報端末61側に通知される。なお、図21ではスキャナ装置131を例示したが、図22に示すように、プリンタ132にも同様のウェブページWP31〜WP33が用意されている。 【0172】 本実施の形態でも、URLを介して各機器の制御コマンドを間接的に指定できるため、第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。これに加えて、本実施の形態では、スキャナ装置131やプリンタ132を管理する管理サーバ121を設け、管理サーバ121が提供するウェブページから所望のURLを入力することにより各機器を操作するため、通常のネットワークプリンタやネットワークスキャナをウェブブラウザを介して簡単に操作でき、さらに、各機器の稼働状況や待ち時間等を容易に把握することができる。 【0173】 なお、スキャナ装置131やプリンタ132の各機器側にもウェブサーバ部を搭載し、各機器131,132と管理サーバ121と情報端末61との間で、HTTPに従った通信を行うように構成してもよい。この場合、管理サーバ131は、プロキシサーバとして働かせることができる。 【0174】 7.第7の実施の形態 次に、図23に基づいて本発明の第7の実施の形態を説明する。本実施の形態の特徴は、処理内容を選択する度にプレスキャンを実行し、プレスキャンにより得られた画像ファイルをウェブページとして情報端末に送信する点にある。 【0175】 図23のフローチャートには、本実施の形態によるスキャナ側処理が示されている。 【0176】 情報端末61からのHTTPリクエストを受信すると(S91)、URLが抽出される(S92)。抽出されたURLは、先頭から順番に制御コマンドに変換されてバッファに保存される(S93,S94,S95)。そして、プレスキャンを行うか否かが判定される(S96)。例えば、ウェブページ中にスキャン開始ボタンを設けておき、このスキャン開始ボタンが操作されていない場合は、プレスキャンであると判定することができる。 【0177】 プレスキャンであると判定された場合は、入力されたURLから履歴情報を抽出して(S97)新たなURLを生成し(S98)、この新たなURLを対応付けたウェブページを生成する(S99)。そして、入力されたURLに基づく制御コマンドを解釈部115に入力し(S100)、スキャンを実行する(S101)。このS101におけるスキャンは、プレスキャンとなる。ここで、全てのパラメータがユーザーによって指定されていない場合でも、ブレスキャンを行うことができる。即ち、各パラメータの初期値は予め設定されており、ユーザーによって特に指定されたパラメータ以外のパラメータには、初期値が用いられてプレスキャンを実行することになる。 【0178】 そして、プレスキャンにより得られた画像を所定の画像ファイルとして生成し(S102)、HTTPレスポンスを作成して(S103)、情報端末61に送信する(S104)。ここで、プレスキャンの画像ファイルを指定するURLは、S99で作成されたウェブページに設けられている。従って、ユーザーは、読取り解像度等のパラメータを選択する度に、該選択結果に基づくプレスキャン画像を得ることができる。 【0179】 一方、スキャン開始ボタンを操作等することによりスキャン実行であると判定された場合は、前記S97〜S99まではスキップされ、S100に移る。 【0180】 このように構成される本実施の形態でも、前記第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。これに加えて、本実施の形態では、読取り解像度等のパラメータを選択する度にプレスキャンを実行するため、処理結果を確認しながらパラメータを選択することができる。 【0181】 8.第8の実施の形態 次に、図24に基づいて本発明の第8の実施の形態を説明する。本実施の形態の特徴は、選択された処理内容の履歴をスキャナ装置側で保存する点にある。 【0182】 図24のフローチャートには、本実施の形態によるスキャナ側処理が示されている。本処理は、図17中に示すS71〜S73とS77〜S84の各ステップを含んでいる。 【0183】 本実施の形態では、スキャンを実行しないものとしてS73で「NO」と判定された場合に、URLにより選択された処理内容が抽出されてバッファに保存される(S110)。即ち、各URLが指定する処理内容は、それぞれバッファに一時的に保存され、スキャンを実行すると判定された場合に、保存された処理内容が制御コマンドに変換されるようになっている(S77〜S79)。例えば、「http://xxx/300/」というURLが入力された場合は、「/300/」の部分が保存され、次に、「http://xxx/Error/」というURLが入力された場合は、「/Error/」の部分が保存される。そして、スキャンを実行する場合は、保存されたURLの各部分が制御コマンドに変換されて解釈部115に入力される。 【0184】 従って、本実施の形態では、入力されたURLの履歴情報を含んだ新たなURLを発生させてウェブページを生成する必要はない。 【0185】 このように構成される本実施の形態も、前記第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。 【0186】 9.第9の実施の形態 次に、図25に基づいて本発明の第9の実施の形態を説明する。本実施の形態の特徴は、情報端末側でURLの選択履歴を監視しておき、機器側のウェブサーバ部の要求に応じて選択履歴を含んだURLを転送する点にある。 【0187】 図25は、情報端末61側で実行されるURL監視処理を示すフローチャートである。例えば、この監視処理プログラムは、情報端末61がスキャナ装置111に最初にアクセスしたときに、スキャナ装置111から情報端末61側に送り込んで起動させることができる。 【0188】 まず、情報端末61側でURLが入力されたか否かを監視しており(S121)、URLが入力された場合には、このURLの履歴情報を情報端末61側のメモリに保存する(S122)。即ち、例えば、「http://xxx/600/」というURLが情報端末61側で入力された場合は、「/600/」の部分が保存される。URLが入力される度に、そのURLは情報端末61側に記憶されていく。 【0189】 一方、URLが入力されない場合は、スキャナ装置111のウェブサーバ部112から履歴情報の転送要求がされたか否かを判定する(S123)。履歴情報の転送を要求された場合には、保存された履歴情報を読み出して(S124)、選択内容を全て含んだ新たなURLを生成し(S125)、このURLをスキャナ装置111側に転送する(S126)。なお、S122では、URLの一部ではなく、URLの全部を保存してもよい。 【0190】 このように構成される本実施の形態でも前記第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。これに加えて、本実施の形態では、情報端末61側でURLの選択履歴を監視し、最後に全ての選択履歴を含んだURLをスキャナ装置111側に送信するため、スキャナ装置111側のメモリ資源やCPU資源の消費を節約することができる。 【0191】 なお、当業者であれば、各実施の形態に記載された本発明の要旨の範囲内で種々の追加、変更等が可能である。 【0192】 例えば、図13に示すように、記録媒体93に本発明を実現するためのプログラム等を記憶させておき、該記録媒体93の記憶内容をI/F92、情報端末61を介してスキャナ装置41にロードすることができる。また、直接スキャナ装置41に所定のプログラムをダウンロードすることもできる。記録媒体93としては、例えば、フロッピーディスク、CD-ROM、DVD-ROM、メモリカード等の有形的記録媒体のほかに、通信回線を用いてダウンロードする等の通信媒体を含めることができる。 【0193】 さらに、画像情報入出力装置にアクセスするために必要なパスワードや暗証番号を用意し、アクセス権を有する者のみが画像情報入出力装置の操作を行うことができるように構成することもできる。 【0194】 また、ウェブサーバ部内に、画像情報入出力装置のステータス情報、例えば、給紙サイズ、トナー残量等を表示するステータス表示用のHTML形式ファイルを用意しておけば、情報端末から画像情報入出力装置のステータスを容易に確認することができる。また、マニュアルやエラーリカバリー手順(トラブルシューティング)を表示するHTML形式ファイルを、前記ステータスに応じて情報端末側に送り分けることもできる。即ち、両面印刷機構等の実装済みオプションの種類、印刷用紙の種類等の各ステータスに応じて、必要となり得るオンラインマニュアルのみを情報端末で閲覧可能に構成することもできる。 【0195】 さらに、前記各実施の形態では、スキャナ装置及びプリンタの2種類の画像情報入出力装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、液晶ディスプレイ等の種々の画像情報入出力装置にも広く適用することができる。例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の場合には、シャッター速度、露出、静止画像か動画像か、音声入力を行うか否か等の各設定値をウェブブラウザ等の閲覧検索手段によって間接的に指定することができる。また、液晶ディスプレイ等の場合には、表示解像度、階調等の設定値をウェブブラウザにより間接的に操作することができる。 【0196】 【発明の効果】 以上説明した通り、本発明に係る画像情報入出力装置、画像情報入出力装置の制御方法及び画像情報処理システムによれば、ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能なURL(Uniform Resource Locator)であって複数の項目の設定値を一度に指示する構造々もつURLによって画像処理手段の作動を制御するための制御情報を間接的に指定できるため、専用のドライバソフトウェア等を情報端末に実装する必要がなく、統一された操作環境下でシームレスに画像情報入出力装置を操作することができる。 【0197】 特に、ハイパーテキスト型の情報検索環境を画像情報入出力装置に実装し、該情報検索環境を利用するためのURLを用いて制御情報を間接的に指定できるため、情報端末に新たなプログラムを実装する必要がなく、操作性を向上することができる。従って、ドライバソフトウエア等の制御プログラムの使用方法を新たに習得する必要がない。また、情報端末側に搭載するメモリ量を少なくすることができる。 【0198】 さらに、選択された処理内容の履歴情報を含んでなるURLによって制御情報を間接的に指定するため、情報端末側及び画像情報入出力装置側のいずれも処理内容の選択履歴を保持する必要がなく、システム構成を簡素化することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の機能構成を説明するための機能ブロック図である。 【図2】 本発明の他の機能構成を説明するための機能ブロック図である。 【図3】 本発明の第1の実施の形態に係る画像情報処理システムをスキャナ装置に適用した場合のブロック図である。 【図4】 管理テーブルの構成等を示す説明図である。 【図5】 情報端末側の処理を示すフローチャートである。 【図6】 スキャナ装置側の処理を示すフローチャートである。 【図7】 スキャン予測画像であるサムネイル画像を一覧表示した画面状態の説明図である。 【図8】 所望する設定値により得られた画像を表示した画面状態の説明図である。 【図9】 本発明の第2の実施の形態に係る画像情報処理システムをプリンタに適用した場合のブロック図である。 【図10】 情報端末側の処理を示すフローチャートである。 【図11】 プリンタ側の処理を示すフローチャートである。 【図12】 印刷見本であるサムネイル画像を一覧表示した画面状態の説明図である。 【図13】 本発明の第3の実施の形態に係る画像情報処理システムをスキャナ装置に適用した場合のブロック図である。 【図14】 操作用プログラムによりウェブブラウザ内に構築されるURL入力環境の画面状態を示す説明図である。 【図15】 本発明の第4の実施の形態に係る画像情報処理システムをスキャナ装置に適用した場合のブロック図である。 【図16】 管理テーブル等の構成を示す説明図である。 【図17】 スキャナ側処理を示すフローチャートである。 【図18】 ウェブページとURLの送信状態等を示す説明図である。 【図19】 本発明の第5の実施の形態に係る画像情報処理システムにおけるウェブページとURLの送信状態等を示す説明図である。 【図20】 本発明の第6の実施の形態に係る画像情報処理システムを示すブロック図である。 【図21】 情報端末と管理サーバとスキャナ装置との間の通信状態を模式的に示す説明図である。 【図22】 ウェブページの階層構造を示す説明図である。 【図23】 本発明の第7の実施の形態に係る画像情報処理システムにおけるスキャナ側処理を示すフローチャートである。 【図24】 本発明の第8の実施の形態に係る画像情報処理システムにおけるスキャナ側処理を示すフローチャートである。 【図25】 本発明の第9の実施の形態に係る画像情報処理システムにおけるURL監視処理を示すフローチャートである。 【符号の説明】 1 画像情報入出力装置 2 情報検索環境 3 画像処理手段 4 管理テーブル 5 変換手段 6 制御手段 7 見本画像生成手段 8 見本画像一覧情報生成手段 9 転送手段 11 情報端末 12 閲覧検索手段 21 画像情報入出力装置 22 画像処理手段 23 管理テーブル 24 受信手段 25 処理一覧情報生成手段 26 変換手段 27 制御手段 31 情報端末 32 処理一覧情報転送要求生成手段 33 選択手段 34 選択情報入力手段 35 保存手段 41 スキャナ装置 43 画像データ読取り部 44 駆動制御部 45 設定部 46 ウェブサーバ部 49 URL解釈部 50 管理テーブル 61 情報端末 63 ウェブブラウザ 71 プリンタ 73 プリントエンジン 74 駆動制御部 75 イメージ作成部 76 設定部 77 ウェブサーバ部 80 URL解釈部 81 管理テーブル 93 プログラム記録媒体 100 通信回線 111 スキャナ装置 112 ウェブサーバ部 113 管理テーブル 114 ウェブページ生成部 115 解釈部 121 管理サーバ 123 ウェブサーバ部 126 URL解釈部 127 ジョブ管理部 128 管理テーブル 129 ウェブページ生成部 131 スキャナ装置 132 プリンタ |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 ▲1▼特許請求の範囲の請求項1,3,6,13の「検索情報」及び請求項17,21,25,29の「資源要求情報」の構成を、「ウェブブラウザのブックマーク保存機能を用いて保存可能」であり、「複数の項目の設定値を一度に指示する構造をもつURL(Uniform Resource Locator)」に限定する。 ▲2▼上記訂正に合わせて、請求項2,4,7,14の「検索情報」及び請求項18,19,20,22,23,24,26,27,28,30〜32の「資源要求情報」を「URL」に訂正する。 ▲3▼請求項8〜12,15及び16を削除する。 ▲4▼発明の詳細な説明の【課題を解決するための手段】及び【発明の効果】の欄の記載を上記特許請求の範囲の訂正に合せて訂正する。 |
異議決定日 | 2000-12-06 |
出願番号 | 特願平10-11407 |
審決分類 |
P
1
652・
161-
YA
(G06F)
P 1 652・ 121- YA (G06F) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 高瀬 勤 |
特許庁審判長 |
徳永 民雄 |
特許庁審判官 |
斎藤 操 村上 友幸 |
登録日 | 1999-07-30 |
登録番号 | 特許第2959545号(P2959545) |
権利者 | セイコーエプソン株式会社 |
発明の名称 | 画像情報入出力装置及び画像情報入出力装置の制御方法及び画像情報処理システム |
代理人 | 宮川 長夫 |
代理人 | 上村 輝之 |
代理人 | 大塚 康徳 |
代理人 | 丸山 幸雄 |
代理人 | 上村 輝之 |
代理人 | 宮川 長夫 |
代理人 | 大塚 康弘 |