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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H01L
管理番号 1035491
異議申立番号 異議2000-73801  
総通号数 18 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1998-03-10 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-10-10 
確定日 2001-02-05 
異議申立件数
事件の表示 特許第3030545号「接合ウエーハの製造方法」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第3030545号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 (1)手続きの経緯
本件特許第3030545号の請求項1に係る発明についての特許は、平成2年2月28日に特許出願された特願平2-45778号の一部を、平成9年7月19日に新たな特許出願としたものであって、平成12年2月10日にその特許権の設定登録がなされ、その後、譲原陽一より特許異議の申立てがなされたものである。
(2)本件発明
本件発明は、特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】フッ酸水溶液に浸漬する工程を有するデバイス作製工程に用いられる接合ウエーハの作製方法であって、いずれも単結晶シリコンからなる第1鏡面ウエーハと第2鏡面ウエーハとを用意し、第2鏡面ウエーハの少なくとも片面鏡面側に酸化膜を形成し、第2鏡面ウエーハを、前記酸化膜が中間層になるように第1鏡面ウエーハの鏡面に重ね合わせた後、これら第1、第2鏡面ウエーハを酸化性雰囲気中で1100℃〜1200℃に加熱して両者を接着した後、第2鏡面ウエーハにおける第1鏡面ウエーハとの接着面と反対側の面を研磨して第2鏡面ウエーハを薄膜化することを特徴とする接合ウエーハの製造方法。(以下「本件発明」という)」
(3)特許異議申立ての理由の概要
特許異議申立人は、証拠として甲第1乃至第5号証を提出し、本件発明は、甲第1乃至第5号証に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるから、本件発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反して、特許を受けることができないものであると主張している。
(4)甲各号証記載の発明
甲第1号証として提出された、特公昭50-13155号公報には、半導体集積回路の製造方法が第1乃至4図とともに開示されている。そして同公報1頁左欄28行〜37行には、「第1図Aに示す如く、半導体基体11の上に厚さ150μ以下の他の半導体基体12を重ね合わせ、その接触面13は少なくとも1200番以上の粒径の小さい研磨粉で研磨して置く。特に鏡面仕上げが好適である。
この状態で酸化性雰囲気で加熱して酸化させると、第1図Bの如く基体11,12の外面に半導体酸化膜14-1が成長し、また両基体の接触面にも同様な酸化膜14-2が成長して両基体を結合する。」と記載され、1頁右欄18行〜22行には、「I.シリコン接着面に予めSiO2膜被着の可否表Iに示す如く双方の面にSiO2が予め被着されていると接着させることは不可と考えられ、少なくとも一方の面はSiO2の厚さ500Å程度以下であることが望ましい。」と記載され、2頁右欄3行〜5行には、「また以下の試料についても同様であるが、これらの試料は全て120℃において酸化されその酸化速度は約175Å/分であった。」と記載され、3頁右欄17行〜24行には、「なお、これらの方法で上側の半導体基体は、集積回路として使用されるのは50μ以下であり、実際30μ程度までは処理可能であるが必要に応じて厚い基体を用い結合後不要部を無水塩酸、六弗化硫黄等のガスでエッチングするとか、また硝酸と弗化水素酸系のエッチング液でエッチング除去することも有効であるし、さらに弗化水素酸等を用いた電解エッチング法もまた有効である。」と記載されている。
甲第2号証として提出された、特開昭48-40372号公報の2頁左上欄11行〜13行には、「例えば2枚のシリコンのような半導体薄板(6)(6′)を例えば酸化膜のような絶縁被膜(7)を介して重ねて乗せ、」と記載され、2頁右上欄20行〜左下欄3行には、「第3図の(a)、(b)、(c)は夫々加熱温度「次に筒体(12)外周に設けられた高周波加熱コイル(15)からの誘導によって加熱体(4)(4′)(9)及び枠(8)を加熱せしめ半導体薄板(6)(6′)を約1100℃以上温度に加熱せしめる。」と記載され、2頁左下欄9行〜右下欄2行には、「第3図の(a)、(b)、(c)は夫々加熱温度、加圧、過熱時間と半導体薄板-絶縁被膜間の接着度との関係を示す図で、・・・。第8図(a)に示すように接着度は約1050℃の加熱温度で急激な変化を示し、約1100℃では若干のばらつきはあるにしても約90%以上になり、更に約1150℃以上では殆んどばらつきもなくなると共に約100%に到達する。」と記載され、2頁右下欄13行〜16行には、「この場合半導体基板(6)(6’)の相対向する接着面は例えば♯1000ラップ程度の研磨面でも一応は接着するが、接着強度及び薄板の機械的破損という点からは、鏡面研磨しておくことが最も望ましい。」と記載されている。
甲第3号証として提出された、特開昭57-10980号公報の2頁右下欄5行〜11行には、「(17)は、Si平板からなり感圧素子(16)を支持する支持体、(18a)は、支持体(17)の一方の主面上に形成され、温度1250℃程度の不活性ガスの雰囲気中において数十気圧の圧力で、感圧素子(16)の第2のSiO2膜(14b)と一体化された第3のSiO2膜、(18b)は支持体(17)の他方の主面上に形成された第4のSiO2膜、」と記載され、同3頁左上欄8行〜14行には、「また、支持体(17)および第3のSiO2膜(18a)のそれぞれの熱膨張係数の差による第3のバイメタル作用と、支持体(17)および第4のSiO2膜(18b)のそれぞれの熱膨張係数の差による第4のバイメタル作用とが互いに打ち消し合うので、これらのバイメタル作用によって、支持体(17)が変形するのを小さくすることができる。」と記載されている。
甲第4号証として提出された、特開昭61-5544号公報の2頁左下欄19行〜右下欄15行には、「以下本発明の実施例を第1図を参照して説明する。第1図(a)に示すように、第1のシリコン単結晶基板11と第2のシリコン単結晶基板12を用意する。この例では、第2のシリコン基板12の表面に酸化膜等の絶縁膜13が形成されている。これらの基板の相対向する面は鏡面研磨されている。これらの基板11,12を第1図(b)に示すように密着させ200℃以上の温度で熱処理して接合させる。室温で密着させるだけでもかなりの接合強度が得られるが、200℃以上で熱処理することにより、接合強度が著しく改善される。但し熱処理温度の上限は、クリープなどを生じないように1300℃とすることが必要である。このように形成された基板接合体のうち、本実施例では基板12に素子を形成する。そのために第1図(c)に示すように、基板12を必要な厚さになるまで研磨、エッチング等により削り取る。」と記載され、3頁右上欄6行〜12行には、「そして、図の矢印で示す方向に油圧Pを加えて素子を破壊させ、素子の接合時の熱処理温度と破壊強度の関係を調べた。・・・。200℃以下では破壊圧は5kg/cm2未満で接合部が剥がれるのに対し、200℃以上では強度が急激に増大し、しかもその破壊は結晶自体の破壊であった。」と記載されている。
甲第5号証として提出された、電子デバイス・半導体デバイス合同研究会資料(資料番号EDD-89-42,SPC-89-51)第27頁〜第34頁、「ウェハ接着技術とその適用の現状」1989年10月25日社団法人電気学会発行には、2枚のシリコンウエハ同士を貼りあわせるウェハ接着技術についての現状が記載されている。
(5)対比・判断
本件発明と甲第1乃至5号証記載の発明とを対比すると、甲第1乃至5号証には、本件発明の技術課題とする、フッ酸水溶液に浸漬する工程において耐浸食性が高い接合ウエーハの作製について記載も示唆もされていない。(甲第1号証は、接合ウエーハの処理工程において、フッ酸水溶液に浸漬する場合があることを単に記載したにすぎず、フッ酸水溶液に浸漬する工程において耐浸食性が高い接合ウエーハの作製を示唆するものではない。)
そして本件発明では、請求項1記載の工程を採用することにより、「結合強度、及び接合界面のエッチング液に対する耐浸食性が高く、集積回路素子用の基板として優れた接合ウエーハを得ることができる」という、明細書記載(段落0028参照)の作用効果を奏するものである。
よって、本件発明が甲第1乃至第5号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。
(6)むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1に係る発明についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1に係る発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2001-01-12 
出願番号 特願平9-209954
審決分類 P 1 651・ 121- Y (H01L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小田 裕小野田 誠  
特許庁審判長 内野 春喜
特許庁審判官 浅野 清
岡 和久
登録日 2000-02-10 
登録番号 特許第3030545号(P3030545)
権利者 長野電子工業株式会社 信越半導体株式会社
発明の名称 接合ウエーハの製造方法  

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