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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 H01F 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 H01F |
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管理番号 | 1035697 |
異議申立番号 | 異議1998-75091 |
総通号数 | 18 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1993-12-10 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1998-10-12 |
確定日 | 2001-03-16 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第2744945号「磁性多層膜」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第2744945号の請求項1ないし2に係る特許を取り消す。 |
理由 |
【1】手続きの経緯 本件特許第2744945号「磁性多層膜」の発明は、平成4年8月3日(優先権主張、1992年3月16日、日本国)に特許出願されたものであって、平成10年2月13日にその特許(請求項の数2)の設定登録がなされ、平成10年4月28日に特許公報が発行され、その後その特許(全請求項)について平成10年10月12日に林孝三郎より特許異議の申立がなされ、その全請求項について平成12年6月26日付で取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年9月5日に訂正請求がなされ、さらに平成12年10月18日付で訂正拒絶理由の通知がなされ、これに対する特許権者から応答はなかったものである。 【2】訂正の適否についての判断(その1) <訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否についての判断> (1)訂正の要旨 本件訂正の要旨は、訂正請求書に記載された訂正事項a〜bのとおりであって、その訂正内容は、特許請求の範囲の請求項1に係る発明についてその構成を限定等することにより、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を行うことを目的とするものである。 (2)検討 以下、訂正事項a〜bについて検討する。 (i)訂正事項aは、特許請求の範囲の請求項1に記載された「磁性多層膜」を「形状をストライプ状として前記磁性体に一軸磁気異方性をもたせた」ものに限定することにより、特許請求の範囲の減縮を行うものである。 (ii)訂正事項bは、前記した請求項1における構成の限定に伴い、明りょうでない記載の釈明のためになされたものである。 (iii)したがって、訂正事項a〜bに係る訂正は、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、また新規事項を追加するものではなく、さらにこれらの訂正は実質的に特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。 (3)まとめ 以上のとおりであって、上記訂正は、特許法第120条の4第3項において準用する特許法第126条第2項及び第3項の規定に適合するものと認められる。 【3】訂正の適否についての判断(その2) <独立特許要件についての判断> [引用刊行物] (1) 刊行物1 「アモルファス軟磁性薄膜の異方性分散と強磁性共鳴」日本応用磁気学会誌 Vol.14、No.2、1990、P289〜292(異議申立人林孝三郎が提出した甲第1号証) (2) 刊行物2 「軟磁性アモルファススパッタ膜の透磁率と異方性分散」日本応用磁気学会誌 Vol.13、No.2、1989、P307〜310(異議申立人林孝三郎が提出した甲第2号証) (3) 刊行物3 特開昭49-78877号公報(異議申立人林孝三郎が提出した甲第3号証) (4) 刊行物4 「薄膜磁気ヘッド用パーマロイ膜の透磁率と磁歪定数」日本応用磁気学会誌 Vol.7、No.2、1983、P99〜102(本特許権者の特許第2784386号に係る異議申立事件[平成11年異議第70363号]における甲第2号証、参照) (1)訂正明細書の請求項1乃至2に係る発明 訂正明細書の請求項1乃至2に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1乃至2に記載された事項により特定される「磁性多層膜」であって、次のとおりのものである。 「【請求項1】基板上に、シート状磁性体と同じくシート状非磁性絶縁体とを交互に積層してなる磁性多層膜において、この磁性多層膜を強磁性共鳴周波数以下の周波数で使用する場合、前記磁性体の厚さが強磁性共鳴周波数における表皮深さ以下であり、かつ前記非磁性絶縁体の厚さが前記磁性体間の電気的絶縁を保ち得る厚さ以上であって、形状をストライプ状として前記磁性体に一軸磁気異方性をもたせたことを特徴とする磁性多層膜。 【請求項2】磁性体の飽和磁束密度を4πMsとし、ジャイロ磁気定数をγ、異方性磁場をHkとするとき、強磁性共鳴周波数fk=(γ/2π)(4πMs・Hk)1/2以下の周波数で使用する場合、ρm、μrを磁性体の抵抗率、比透磁率、μ0を真空の透磁率とするとき、磁性体の表皮深さδの最小値は{2ρm/(2πfk・μr・μ0)}1/2であり、前記磁性体の厚さが前記表皮深さの最小値以下であり、かつ前記非磁性絶縁体の厚さが前記磁性体間の電気的絶縁を保ち得る厚さ以上であることを特徴とする請求項1記載の磁性多層膜。」 (2)刊行物記載の発明 (2-1)上記刊行物1には、「CoZr/SiO2積層膜であって、磁性層(CoZr)の膜厚が100nm(0.1μm)、非磁性層(SiO2)の膜厚が50nm(0.05μm)であり、10周期積層して全磁性層厚を1μmとし、磁性層(膜)の飽和磁化4πMsが10kG、抵抗率ρm(ρ)が100μΩcm、異方性磁場Hkが7Oeである磁性多層膜」が記載されている。(第289頁右欄第19行〜第290頁左欄第7行、第290頁右欄第1〜2行、第291頁右欄第24〜25行、第292頁左欄第4〜5行参照) (2-2)上記刊行物2には、磁性膜の強磁性共鳴周波数を表わす式が記載されている。(第307頁右欄下から4〜8行参照) (2-3)上記刊行物3には、磁性膜の表皮深さ(表皮効果の厚さ)を表わす式が記載されている。(第2頁左上欄第20〜右上欄下から15行参照) (2-4)上記刊行物4には、形状をストライプ状として磁性体に一軸磁気異方性をもたせることが記載されている。 (3)対比・判断 (3-1)請求項1に係る発明について (対比) 請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)と上記刊行物1記載の発明とを対比すると、両者は、何れも「シート状磁性体と同じくシート状非磁性絶縁体とを交互に積層してなる磁性多層膜」である点で一致するものの、次の(i)(ii)の点で相違するものと認められる。 (i)本願発明にあっては、基板上に磁性体と非磁性絶縁体とを積層し、磁性多層膜を強磁性共鳴周波数以下の周波数で使用する場合、磁性体の厚さが強磁性共鳴周波数における表皮深さ以下であり、かつ非磁性絶縁体の厚さが磁性体間の電気的絶縁を保ち得る厚さ以上であるものとしているのに対して、刊行物1記載の発明にあっては、具体的数値をもって構成されている点。 (ii)本願発明にあっては、形状をストライプ状として前記磁性体に一軸磁気異方性をもたせたものであるのに対して、刊行物1記載の発明にあっては、このような形状に係る構成が明らかでない点。 (判断) 以下、相違点について検討する。 相違点(i)について、刊行物1に記載の磁性多層膜(CoZr/SiO2積層膜)は試料として各種特性を得ているものであるが、薄膜磁気ヘッドとして用いることが例示されていることから、実質的に基板上に積層されるものが開示されているといえる。 また、刊行物1の磁性多層膜における磁性体(磁性層)は、飽和磁化4πMsが10kG、抵抗率ρmが120μΩcm、異方性磁場Hkが7Oeであるので、その強磁性共鳴周波数fkは、fk=(γ/2π)(Hk(4πMs+Hk))1/2≒760MHzとなり(本件特許公報第3頁第15行の(4)式及び上記刊行物2の式参照)、その比透磁率μr′は、μr′≒4πMs/Hk=1400となり、その表皮深さδは、δ={2ρm/(2πfk・μr′・μ0)}1/2=0.488μmとなるので(本件特許公報第2頁第5行の(2)式及び上記刊行物3の式参照)、刊行物1の磁性多層膜における磁性体の厚さ(0.1μm)は、表皮深さδ(0.488μm)以下となり、一方、刊行物1の磁性多層膜における非磁性絶縁体(非磁性層)は、素材(SiO2)が本願発明の実施例の非磁性絶縁体と同じであり、厚さ(0.05μm)も磁性体間の電気的絶縁を保ち得る厚さである(本件特許公報第3頁左欄第33行、右欄第16〜20行参照)ので、結局、刊行物1の磁性多層膜も、強磁性共鳴周波数以下の周波数で使用する場合、磁性体の厚さが強磁性共鳴周波数における表皮深さ以下であり、かつ非磁性絶縁体の厚さが磁性体間の電気的絶縁を保ち得る厚さ以上であるものといえることから、この両者の前記相違は単に表現を異にするものであって構成上格別な相違があるものとは認められない。なおまた、前記相違点(i)が仮に構成上の相違となるものであるとしても、このように磁性体の厚さを規定するよう構成することは当業者が適宜になし得る設計上の事項であると認められる。 相違点(ii)について、磁性膜の形状として、この形状をストライプ状として磁性体に一軸磁気異方性をもたせるように構成することは、例えば上記刊行物4に開示されているように従来より周知の技術的事項であるから、本願発明における磁性膜の形状として当該周知の技術的事項であるストライプ状とすることは当業者が適宜になし得ることと認められる。 したがって、本願発明は、上記刊行物1乃至4に記載された発明に基づいて当業者が容易になし得るものと認められる。 また、本願発明のように構成することによる作用効果も、当業者が予測しうるものであって格別のものとは認められない。 (3-2)請求項2に係る発明について 請求項2に係る発明は請求項1を引用するものであって、請求項1においてさらに強磁性共鳴周波数を、磁性体の飽和磁束密度4πMs、ジャイロ磁気定数γ、異方性磁場Hkを用いた式fk=(γ/2π)(4πMs・Hk)1/2として表現し、磁性体の表皮深さを、強磁性共鳴周波数fk、磁性体の抵抗率ρm、比透磁率μr、真空の透磁率μ0を用いた式δ={2ρm/(2πfk・μr・μ0)}1/2と規定するものであるが、このように構成することは前記請求項1における相違点(i)で検討したように構成を数式によって表現しているにすぎず、この点において構成上さらに相違するものとは認められない。なおまた、この点が仮に構成上の相違となるものであるとしても、このような数式により構成を規定することは当業者が適宜になし得る設計上の事項であると認められる。 したがって、この点の構成及び前記請求項1に係る発明と同様の前記相違点(i)は当業者が適宜になし得る設計上の事項であり、また前記相違点(ii)は当業者が適宜になし得ることと認められるから、当該請求項2に係る発明は、上記刊行物1乃至4に記載された発明に基づいて当業者が容易になし得るものと認められる。 (3-3)まとめ 以上のとおりであって、訂正明細書の請求項1乃至2に係る発明は、いずれも上記刊行物1〜4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものと認められる。 (4)結論 以上のとおり、訂正事項a〜bにより訂正された訂正明細書の請求項1乃至2に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、この訂正は、特許法第120条の4第3項で準用する特許法第126条第4項の規定に適合しないので、当該訂正は認められない。 【4】本件特許異議の申立てについて (1)異議申立の理由の概要 本件請求項1乃至2に記載の発明は、その出願前公知の甲第1号証に記載された発明と同一であるから特許法第29条第1項の規定により特許を受けることができず、またもし仮に本件請求項2に記載の発明が同一でないとしても、本件請求項2に記載の発明は、その出願前公知の甲第1〜3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができず、特許法第114条第2項の規定により本件特許は取り消されるべきものである。 (なお、本件特許及び特許異議申立てに係る手続きの経緯は、前記【1】記載のとおりである。) (2)本件特許発明 本件特許請求の範囲の請求項1乃至2に係る発明は、特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至2に記載された次のとおりのものである。 「【請求項1】基板上に、シート状磁性体と同じくシート状非磁性絶縁体とを交互に積層してなる磁性多層膜において、この磁性多層膜を強磁性共鳴周波数以下の周波数で使用する場合、前記磁性体の厚さが強磁性共鳴周波数における表皮深さ以下であり、かつ前記非磁性絶縁体の厚さが前記磁性体間の電気的絶縁を保ち得る厚さ以上であることを特徴とする磁性多層膜。 【請求項2】磁性体の飽和磁束密度を4πMsとし、ジャイロ磁気定数をγ、異方性磁場をHkとするとき、強磁性共鳴周波数fk=(γ/2π)(4πMs・Hk)1/2以下の周波数で使用する場合、ρm、μrを磁性体の抵抗率、比透磁率、μ0を真空の透磁率とするとき、磁性体の表皮深さδの最小値は{2ρm/(2πfk・μr・μ0)}1/2であり、前記磁性体の厚さが前記表皮深さの最小値以下であり、かつ前記非磁性絶縁体の厚さが前記磁性体間の電気的絶縁を保ち得る厚さ以上であることを特徴とする請求項1記載の磁性多層膜。」 (3)検討 (3-1)引用刊行物 当審の取消理由で引用した刊行物は、前記【3】における刊行物1乃至3である。なお、当該引用刊行物において引用する記載内容も前記【3】と同様であるから、前記記載を援用する。 (3-2)対比・判断 (3-2-1)本件特許明細書の請求項1に係る発明について (対比) 請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)と上記刊行物1に記載された発明とを対比すると、両者は、何れも「シート状磁性体と同じくシート状非磁性絶縁体とを交互に積層してなる磁性多層膜」であるものの、次の点で一応の相違が認められる。 本願発明にあっては、基板上に磁性体と非磁性絶縁体とを積層し、磁性多層膜を強磁性共鳴周波数以下の周波数で使用する場合、磁性体の厚さが強磁性共鳴周波数における表皮深さ以下であり、かつ非磁性絶縁体の厚さが磁性体間の電気的絶縁を保ち得る厚さ以上であるものとしているのに対して、刊行物1に記載された発明にあっては、具体的数値をもって構成されている点。 (判断) この相違について、刊行物1に記載の磁性多層膜(CoZr/SiO2積層膜)は試料として各種特性を得ているものであるが、薄膜磁気ヘッドとして用いることが例示されていることから、実質的に基板上に積層されるものが開示されているといえる。 また、刊行物1の磁性多層膜における磁性体(磁性層)は、飽和磁化4πMsが10kG、抵抗率ρmが120μΩcm、異方性磁場Hkが7Oeであるので、その強磁性共鳴周波数fkは、fk=(γ/2π)(Hk(4πMs+Hk))1/2≒760MHzとなり(本件特許公報第3頁第15行の(4)式及び上記刊行物2の式参照)、その比透磁率μr′は、μr′≒4πMs/Hk=1400となり、その表皮深さδは、δ={2ρm/(2πfk・μr′・μ0)}1/2=0.488μmとなるので(本件特許公報第2頁第5行の(2)式及び上記刊行物3の式参照)、刊行物1の磁性多層膜における磁性体の厚さ(0.1μm)は、表皮深さδ(0.488μm)以下となり、一方、刊行物1の磁性多層膜における非磁性絶縁体(非磁性層)は、素材(SiO2)が本願発明の実施例の非磁性絶縁体と同じであり、厚さ(0.05μm)も磁性体間の電気的絶縁を保ち得る厚さであるので(本件特許公報第3頁左欄第33行、右欄第16〜20行参照)、結局、刊行物1の磁性多層膜も、強磁性共鳴周波数以下の周波数で使用する場合、磁性体の厚さが強磁性共鳴周波数における表皮深さ以下であり、かつ非磁性絶縁体の厚さが磁性体間の電気的絶縁を保ち得る厚さ以上であるものといえることから、この両者の前記相違は単に表現を異にするものであって実質的な相違であるものとは認められない。 したがって、請求項1に係る発明と上記刊行物1に記載された発明とは実質的に同一の発明であると認められるから、請求項1に係る発明の特許は特許法第29条第1項第3号の規定に違反してなされたものである。 なおまた、前記した相違が仮に実質的な相違点となるものであれば、当該相違点は当業者が適宜になし得る設計上の事項であると認められるから、請求項1に係る発明は、上記刊行物1乃至3に記載された発明に基づいて当業者が容易になし得るものと認められる。そして、請求項1に係る発明のように構成することにより奏する作用効果も当業者が容易に予測できるものと認められる。したがって、請求項1に係る発明の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。 (3-2-2)本件特許明細書の請求項2に係る発明について 請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明にあって、強磁性共鳴周波数を、磁性体の飽和磁束密度4πMs、ジャイロ磁気定数γ、異方性磁場Hkを用いた式fk=(γ/2π)(4πMs・Hk)1/2として表現し、磁性体の表皮深さを、強磁性共鳴周波数fk、磁性体の抵抗率ρm、比透磁率μr、真空の透磁率μ0を用いた式δ={2ρm/(2πfk・μr・μ0)}1/2として表現しているにすぎず、この点においてさらに相違するものとは認められない。 したがって、この点の構成によっても、請求項2に係る発明と上記刊行物1に記載された発明とは実質的に同一の発明であると認められるから、請求項2に係る発明の特許は特許法第29条第1項第3号の規定に違反してなされたものである。 なおまた、前記請求項1に係る発明と同様に、前記した相違が仮に実質的な相違点となるものであれば、当該相違点は当業者が適宜になし得る設計上の事項であると認められるから、当該請求項2に係る発明は、上記刊行物1乃至3に記載された発明に基づいて当業者が容易になし得るものと認められる。そして、請求項2に係る発明のように構成することにより奏する作用効果も当業者が容易に予測できるものと認められる。したがって、請求項2に係る発明の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。 (3-3)まとめ 以上のとおりであって、特許請求の範囲の請求項1乃至2に係る発明は、何れも上記刊行物1に記載された発明と同一の発明であり、あるいは上記刊行物1乃至3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件請求項1乃至2に係る発明の特許は、何れも特許法第29条第1項第3号あるいは特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。 【5】まとめ 以上のとおりであるから、本件特許請求の範囲の請求項1乃至2に係る発明の特許は、何れも特許法第29条第1項第3号あるいは特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであって、特許法第113条第2号の規定に該当するので、取り消されるべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2001-01-26 |
出願番号 | 特願平4-226487 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
ZB
(H01F)
P 1 651・ 113- ZB (H01F) |
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 田中 友章 |
特許庁審判長 |
吉村 宅衛 |
特許庁審判官 |
治田 義孝 飯尾 良司 |
登録日 | 1998-02-13 |
登録番号 | 特許第2744945号(P2744945) |
権利者 | 日本電信電話株式会社 |
発明の名称 | 磁性多層膜 |
代理人 | 澤井 敬史 |