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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L
管理番号 1038779
審判番号 不服2000-9633  
総通号数 19 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1998-03-17 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-06-28 
確定日 2001-06-12 
事件の表示 平成 9年特許願第258568号「半導体装置」拒絶査定に対する審判事件〔平成10年3月17日出願公開、特開平10-74900、発明の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、昭和62年3月30日に出願した特願昭62-79140号の一部を平成9年9月24日に新たな特許出願としたものであって、原審において、平成11年12月21日付けで拒絶理由通知がなされ、平成12年5月30日付けで拒絶査定されたものである。
そして、その発明の要旨は、平成12年2月10日付け及び、特許法第17条の2の規定によって平成12年7月26日付けの手続補正書で補正された明細書及び図面の記載からみて、本願特許請求の範囲の第1項に記載された次のとおりのものと認められる。(以下『本願発明』という)
「半導体基板と、前記半導体基板の表面を複数の素子領域に分離するための絶縁体分離領域と、各前記素子領域の表面に形成された第1の絶縁層と、各前記素子領域の両端の前記絶縁体分離領域上に形成された溝と、前記第1の絶縁層を覆いかつ前記絶縁体分離領域の一部を覆う第1の導電層と、前記溝の側壁部を覆いかつその溝の上部に比べて下部の方が厚い、前記第1の導電層に接続している第2の導電層と、前記第1および第2の導電層上を覆う第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層を覆う第3の導電層とを備えていることを特徴とする半導体装置。」
なお、請求項2〜5は、実施態様項であるから、本願発明に含めて検討する。
2.引用刊行物記載の発明
これに対し、原査定の拒絶の理由で引用された特開昭61-140168号公報(以下『引用例1』という。)には、半導体記憶装置に関し、特にダイナミックRAMのメモリセルキャパシタが記載されている。
そして、特許請求の範囲には、「第一導電型の半導体基板表面に形成されたセル間分離絶縁膜と、該セル間分離絶縁膜に囲まれた基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、該ゲート電極の両側方の基板表面に形成された第2導電型の拡散層と、前記セル間分離絶縁膜及びその下部の基板にわたって形成された溝と、該溝に面する基板表面に形成された絶縁膜と、該溝の内面を含むセル間分離絶縁膜上にキャパシタゲート絶縁膜を介在させて形成されたセルプレートのゲート電極及びキャパシタゲート電極からなるキャパシタ部とを具備したことを特徴とする半導体記憶装置。」が記載されている。
同じく引用された特開昭60-225461号公報(以下『引用例2』という)には、半導体RAM装置の製造方法が第1図とともに記載されている。そして、その特許請求の範囲には「半導体基板上にフィールド酸化膜を形成する工程と、該フィールド酸化膜に前記基板に達する溝を形成する工程と、該形成された溝の底部に酸化膜を形成する工程と、その後、前記溝の内面に第1ポリシリコン層、誘電体層、第2ポリシリコン層を順次積層し、キャパシタを形成する工程とを含むことを特徴とする半導体RAM装置の製造方法」と記載され、第1図の(E)〜(J)から第1ポリシリコン層11が均一の厚さに形成されていることが読みとれる。
同じく引用された特開昭62-36870号公報(以下『引用例3』という)には、書き換え可能なメモリ装置の製造方法が、第1図とともに記載されている。
そして、第2頁右下欄第12行〜第3頁左上欄第1行には「全面に第1のポリシリコン膜26を成長させる。ポリシリコン膜26は後にフローティングゲートとなる。ポリシリコン膜26の成長には、例えば減圧CVD方によりシラン(SiH4)を635℃で分離させる。その後、ポリシリコン膜26にリンを拡散させ、そのポリシリコン膜26のシート抵抗を30〜50Ω/□とする。(ニ)次に、同図(D)に示されるように、フォトエッチング法によりポリシリコン膜26を溝16内で切断して分離させる。」と記載され、第1図(D)には、溝16内に厚さが均一のポリシリコン層26が形成されていることが読みとれる。
同じく引用された特開昭62-52972号公報(以下『引用例4』という)には、半導体記憶装置が第2図とともに記載され、第2図のフローティングゲート2は溝15の下部へ向かって厚さが薄く形成されていることが読みとれる。
3.対比
本願発明と引用例1に記載された発明を対比する。引用例1に記載の「セル」、「分離絶縁膜」、「ゲート絶縁膜」、「セルプレートのゲート電極」、「キャパシタゲート絶縁膜」、「キャパシタゲート電極」は、本願発明の「素子領域」、「絶縁体分離領域」、「第1の絶縁層」、「第1の導電層および第2の導電層」、「第2の絶縁層」、「第3の導電層」に相当する。
よって、本願発明と引用例1に記載の発明は、「半導体基板の表面に複数の素子領域に分離するための絶縁体分離領域と、各素子領域の表面に形成された第1の絶縁層と、各素子領域の両端の絶縁体分離領域に形成された溝と、第1の絶縁層を覆いかつ絶縁体分離領域の一部および溝の側壁部を覆う導電層とそれを覆う第2の絶縁層と、第2の絶縁層を覆う導電層を備えている半導体装置」の点で一致し、以下の点で相違する。
(相違点)
本願発明では、「溝の側壁部を覆いかつその溝の上部に比べて下部の方が厚い導電層」を有するのに対して、引用例1に記載の発明では、この形状について特定されていない点において相違する。
4.当審の判断
(相違点について)
引用例2〜4においても、「溝の側壁部を覆いかつその溝の上部に比べて下部の方が厚い形状の導電層」は記載も示唆もされていない。
そして、本願発明は、上記構成を採用することにより、明細書第10段落にも記載されているように、「第1導電層7同士の間の化学食刻幅が約1.0μmでも十分に第2導電層9を形成することができ、かつ第3導電層が断線を生じることがなく形成することができる」という引用例1〜4には無い効果を奏するである。
したがって、本願発明が引用例1〜4に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることができない。
(前置報告について)
次に、前置報告書において、審査官は、特開昭61-88554号公報(以下『引用例5』という)、特開昭60-68647号公報(以下『引用例6』という)を引用例として追加し、引用例5,6には、溝部において上部よりも下部の方が厚い導電層の発明が記載されているとしている。
しかしながら、引用例5の第5図H-2を見ると、上部が丸くなっており下部の方が厚い導電層のようにも見えるが、直角方向のH-1を見ると、上部の方がかえって厚い導電層であることが見てとれる。また、引用例6の第3図の記載も、導電層17の上部は丸くなっているものの上部でも丸くなっている部分より下は、下部とを比較すると実質的には厚さは等しく、上部より下部の方が厚い導電層が記載されているとはいえない。また、引用例5,6に記載の発明では、側壁部の導電層が絶縁層を覆いかつ絶縁体分離領域の一部を覆う導電層と接続されておらず、これらの導電層同士を接続する動機付けもない。
よって、上記引用例5及び6を参酌しても、上記の結論は変わらない。
5. 結び
以上のとおりであるから、本願発明は引用例1〜4に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
また、ほかに本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2001-05-30 
出願番号 特願平9-258568
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 北島 健次  
特許庁審判長 内野 春喜
特許庁審判官 西脇 博志
岡 和久
発明の名称 半導体装置  
代理人 森田 俊雄  
代理人 伊藤 英彦  
代理人 深見 久郎  
代理人 吉田 博由  
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