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審決分類 審判 補正却下不服 判示事項別分類コード:2  G04B
審判 補正却下不服 判示事項別分類コード:11  G04B
審判 補正却下不服 判示事項別分類コード:12  G04B
管理番号 1039110
審判番号 補正2000-50039  
総通号数 19 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1992-08-11 
種別 補正却下不服の審決 
審判請求日 2000-05-30 
確定日 2001-05-28 
事件の表示 平成 3年特許願第 40118号「時計ケース」において、平成11年12月2日付けでした手続補正に対してされた補正の却下の決定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
平成2年(1990年)3月6日 第1国(スイス国)出願
平成 3年 3月 6日 パリ条約による優先権主張を伴い出願
平成11年11月11日 手続補正書の提出
平成11年12月 2日 手続補正書の提出
平成12年 3月 7日 平成11年11月11日付け手続補正の補正 却下の決定
平成12年 3月 7日 平成11年12月 2日付け手続補正の補正 却下の決定
平成12年 5月30日 平成11年11月11日付け手続補正の補正 却下の決定に対する審判請求
(審判2000-50040号)
平成12年 5月30日 平成11年12月 2日付け手続補正の補正 却下の決定に対する審判請求
(審判2000-50039号)

2.平成11年12月2日付け手続補正に対する補正却下の決定の理由
原審における却下の理由は以下のとおりである。
「(1)この補正において、請求項1には「受け座」なる記載がある。しかし、「受け座」なる構成が存在することは、願書に添付された明細書又は図面に記載されておらず、またこれらの記載から自明でもない。
(2)この補正において、請求項1には「受け座の面が・・・張り出し部を区画形成している」なる記載がある。しかし、受け座の面が張り出し部を有することは、願書に添付された明細書又は図面に記載されておらず、またこれらの記載から自明でもない。
したがって、この補正は、明細書の要旨を変更するものと認められ、特許法第53条第1項の規定により、上記結論の通り決定する。」

3.当審の判断
3-1.原審における却下の理由(1)について
願書に最初に添付した明細書には、
「リム(1) がその一方の側面の長さの一部に設けられた少なくとも1つの間隙(4、11)を備え、該間隙に、時計ケースに固定される時計ガラス(5)又は底部(13)の軸方向張出し部の一側が当てられ、」(【請求項1】)、
「したがって、特許請求の範囲の請求項1に記載のはめ込まれた装飾要素を有する時計ケースを開示するのが本発明の目的である。」(第【0005】段落)、
及び、
「これら間隙3と4とは装飾要素6を受け入れ、リム1に近い方の装飾要素6の表面は間隙3及び4の表面と相補的になっている。図2に示されるように、装飾要素6の上側表面は時計ガラス5の下側に近接しており、こうして時計ガラスが第2の間隙4と保持用目穴4a を通してはずれ落ちることがないようにする。」(第【0009】段落)、
と記載されている。

当該記載と図面の記載からみて願書に最初に添付した明細書及び図面には、
イ)リム1の一部には間隙4が設けられ、
ロ)該間隙4には装飾要素6がはめ込まれ、
ハ)装飾要素6の上側表面には時計ガラス5の張出し部の下側が当てられ、
ニ)時計ガラス5が装飾要素6をリム1の間隙4と保持用目穴4aにより、はずれ落ちることがないよう保持している、
ことが記載されている。
しかしながら、願書に最初に添付した明細書又は図面には「時計ガラス」は記載されているが、「受け座」は記載されておらず、また「時計ガラス」を「受け座」に置き換えることが自明とも言うことができない。

この点に関して、審判請求人は、図面において符号5で示されるもの(以下要素5とする)が「時計ガラス」ではなく、時計ガラスが嵌込まれる縁枠、すなわち「受け座」であることが当業者にとって自明であることを、概略以下の理由を挙げて主張している。
・要素5は、リング(環状体)であることは明らかである。一方、「時計ガラス」は時計の文字盤を被覆するガラス又は合成材料の板であり、決してリング状のものでない。
・時計ガラスを図示すれば要素5の内側にその右側面に接して描かれるべきものであり、また図1では最も内側の鎖線より内方にある部分が時計ガラスに該当する部分となる。
・要素5が装飾要素6を上から押し、リム1の底部との間で装飾要素6を挾持している点からすれば、要素5は機械的強度を有するものでなくてはならず、これがガラスのような脆弱な材料ではないことも明らかである。

審判請求人の上記主張について検討する。
まず、「時計ガラス」と「受け座」とは明確に区別される語句であり、かつ願書に最初に添付した明細書及び図面には「時計ガラス」の用語を用いて一貫して矛盾なく使用されている。
また、願書に最初に添付した明細書及び図面の「時計ガラス」に関する記載を見ても、明細書には「時計ガラス」が「環状体」であることを示唆する記載が存在せず、図1、2は時計ケースの部分図であるから「時計ガラス」が「環状体」であるということはできない。そして、「時計ガラス」がリング状のものでないことは審判請求人の主張のように明らかであって、明細書及び図面にも「環状体」を示唆する記載がないのであるから、図2に一点鎖線で記載された部材は「時計ガラス」の一部を省略したものとも解釈することができるので、「時計ガラス」が「環状体」であることが図面から明らかであるということはできない。
同様に、願書に最初に添付した明細書及び図面には、「時計ガラス」が「時計の文字盤を被覆するガラスを嵌込む縁枠」としての機能を有する旨の記載、すなわち「受け座」であることを伺わせる記載は見られない。
さらに、一般にガラスが文字盤を被覆する材料に使用される程の強度を持っていることからすると、装飾要素がはずれ落ちるのを防ぐ(明細書第【0009】段落)といった本願構成での用い方において、ガラスでは強度が不足して不都合であるとは直ちに言うことはできない。
このように、要素5で示されるものが「受け座」でなければならない根拠は無論のこと、「時計ガラス」であることを妨げる特段の理由も、ともに見いだすことができず、審判請求人の上記主張は採用できない。

3-2.原審における却下の理由(2)について
上述のように「受け座」なる構成が、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載されておらず、またこれらの記載から自明でもない以上、「受け座の面が張り出し部を有すること」についても、願書に添付された明細書又は図面に記載されておらず、またこれらの記載から自明でもない。

4.結論
以上のとおりであるから、上記平成11年12月2日付けでした手続補正は特許法第53条第1項の規定により却下すべきものとした原決定は妥当である。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2000-11-30 
結審通知日 2000-12-12 
審決日 2001-01-04 
出願番号 特願平3-40118
審決分類 P 1 7・ 2- Z (G04B)
P 1 7・ 12- Z (G04B)
P 1 7・ 11- Z (G04B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 五閑 統一郎太田 恒明  
特許庁審判長 平井 良憲
特許庁審判官 吉村 和彦
榮永 雅夫
発明の名称 時計ケース  
代理人 西山 雅也  
代理人 石田 敬  
代理人 中山 恭介  
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