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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04Q |
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管理番号 | 1039151 |
審判番号 | 不服2000-16722 |
総通号数 | 19 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1992-06-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-10-19 |
確定日 | 2001-06-27 |
事件の表示 | 平成 2年特許願第311524号「タッチパネル操作部付き電子機器」拒絶査定に対する審判事件〔平成 4年 6月30日出願公開、特開平 4-183095、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1.手続の経緯、本願発明 本願は、平成2年11月19日の出願であって、本願の請求項1に係る発明は、平成9年11月18日、及び平成12年11月20日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるものと認められる。 「複数の操作キーを画像表示する表示手段と、該表示手段によって表示された各操作キーについて押圧操作されたことを検出することができる操作検出手段からなるタッチパネル操作部を有し、 前記表示手段は、或る操作キーの押圧操作を行い、当該押圧操作が行われた操作キーが前記タッチパネル操作部のキーである場合、前記タッチパネル操作部の当該押圧操作が行われた前記操作キーから指を離した後、所定時間、当該押圧された操作キーにかかる表示部分の一部又は全部を点滅表示させ、どの操作キーを操作したかを確認させることを特徴とするタッチパネル操作部付き電子機器。」 2.引用例記載の発明 これに対して、原査定の拒絶理由に引用された特開昭63-165916号公報(以下、「引用例1」という。)には、引用例1の明細書及び図面の記載によれば、「タッチスクリーンに表示されたメニューにオペレータが接触するとその接触されたメニューが明るい実線で囲まれ、オペレータの接触位置の移動に伴って明るい実線も移動し、接触が絶たれた位置のメニューが選択されるタッチスクリーン制御機器の制御確認表示方法。」の発明(以下、「引用例1記載の発明」という。)が、同じく実願昭61-41875号(実開昭62-154549号)のマイクロフイルム(以下、「引用例2」という。)には、その明細書及び図面の記載によれば、「接触されたタッチキーを点滅表示するタッチ入力装置。」の発明(以下、「引用例2記載の発明」という。)が、同じく特開平1-251896号公報(以下、「引用例3」という。)には、その明細書及び図面の記載によれば、「液晶表示パネルに制御モードを意味するモード選択スイッチ及び、これら制御モードごとに異なる制御内容を意味する変換スイッチのキャラクタを表示し、押圧されたキャラクタを点滅表示するようにしたワイヤレ・スリモコン装置。」の発明(以下、「引用例3記載の発明」という。)が、同じく引用された特開平2-148214号公報(以下、「引用例4」という。)には、その明細書及び図面の記載によれば、「タッチスクリーンに表示された機器の絵を接触するとその接触された機器の絵が点滅表示され、接触位置の移動に伴い点滅表示も移動し、接触が断たれた位置の機器にコントロール信号を送信するホームコントローラ。」の発明(以下、「引用例4記載の発明」という。)が、記載されているものと認められる。 3.本願発明と引用例記載の発明との比較 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)と引用例1ないし4記載の発明とを比較すると、本願発明は、操作キーから指を離した後、所定時間、当該押圧された押圧キーに係る表示部分の一部又は全部を点滅するのに対して、引用例1ないし4記載の発明は、いずれも、操作キーを指が接触しているときに押圧した操作キーに係る表示部分を表示する点で、少なくとも相違する。 4.検討 そこで検討するに、本願発明の、操作キーから指を離した後、所定時間、当該押圧された押圧キーに係る表示部分の一部又は全部を点滅することとについて、本願明細書には「通常の押圧スイッチによるキーボードのような操作キー自体の形状としての凹凸がないため、誤って隣の操作キーを操作してしまうことが多い。ところが使用者にとってはタッチパネルから指を離した後に、今、どの操作キーを操作したか確認することができないため、電子機器が自分の求めていない動作をしても原因が解らなかったり、場合によっては誤操作に気づかないまま各種操作がつづけられ、結果的に誤動作が生じてしまうなどが発生するという問題がある。」([発明が解決しようとする問題点])の記載があり、この記載によれば、本願発明は、タッチパネルから指を離した後に、今、どの操作キーを操作したかを確認するための表示であると認められるところ、引用例1ないし4記載の発明は、いずれも、操作キーを指で押圧している時点の操作キーの確認表示であって、操作キーから指を離した後のことについて何らの記載も示唆もなく、また、本願発明の表示の仕方が周知の事項であるともいえないことから、本願発明は、引用例1ないし4記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 5.むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、引用例1ないし4記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 他に拒絶すべき理由を発見することはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2001-06-05 |
出願番号 | 特願平2-311524 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H04Q)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 大日方 和幸、岩井 健二 |
特許庁審判長 |
佐藤 秀一 |
特許庁審判官 |
山本 春樹 武井 袈裟彦 |
発明の名称 | リモートコマンダー |
代理人 | 脇 篤夫 |