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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 D06M |
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管理番号 | 1039284 |
異議申立番号 | 異議2001-70324 |
総通号数 | 19 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1998-07-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2001-01-31 |
確定日 | 2001-05-21 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第3070665号「合成繊維の加工方法」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第3070665号の請求項1、2に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.本件特許第3070665号の発明〔平成8年12月27日出願、平成12年5月26日設定登録(請求項の数2)〕は、特許明細書の記載からみて、その特許請求の範囲請求項1、2に記載されたとおりのものと認める。 2.特許異議申立人は、甲第1号証(特開平7-300772号公報)、甲第2号証(特開平7-76651号公報)、甲第3号証(特開平6-100596号公報)及び甲第4号証(「化学大辞典 8」、昭和59年3月15日 共立出版株式会社発行、第736頁)を提出して、請求項1、2に係る発明は、甲第1〜4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであると主張している。 3.甲第1号証には、単繊維群、糸、或いは布帛等の繊維製品に絹フィブロインを付着し固定する際に、該繊維製品に、絹フィブロイン、固着剤、及び前記固着剤の硬化剤を含有する処理液を付着した後、前記繊維製品に付着した処理液に、スチーミング等の硬化処理を施し、処理液中の固着剤を硬化させることを特徴とする絹フィブロイン加工方法(特許請求の範囲請求項1)が記載され、「本発明の目的は、繊維製品に付着した絹フィブロインの耐久性を容易に向上させることができ、且つ充分な絹用の風合等を呈する繊維製品が得られる絹フィブロイン加工方法を提供することにある。」(第2頁右欄第3〜6行)、「処理液中の絹フィブロインは、絹フィブロイン溶液として配合される。かかるフィブロイン溶液としては、公知の絹フィブロイン溶液を使用できるが、絹フィブロイン溶液用の溶媒としては、・・・を使用できる。」(第3頁左欄第3〜12行)、「絹フィブロイン溶液と併用される固着剤としては、多価アルコール系エポキシ化合物又はイソシアネート基を有する熱反応性ウレタン化合物を好適に使用することができる。」(第3頁右欄第9〜12行)との記載がなされ、 甲第2号証には、(1)・・・(4)蛋白質又は・・・を架橋剤と混合し、・・・てなる機能性蛋白質素材からなる群より選ばれた少なくとも1種の機能性蛋白質素材を添加してなるポリウレタン(特許請求の範囲請求項1)が記載され、 甲第3号証には、機能性蛋白質素材の製造法の発明(特許請求の範囲参照)が記載され、 甲第4号証には、ポリウレタンについて記載されていることが認められる。 しかしながら、甲第1〜4号証には、請求項1に係る発明の特定事項である「所定の一般式(1)で表されるエポキシ化合物およびポリオキシエチレン基を含みイソシアネート基がブロックされた熱反応型ウレタンからなる群から選ばれる少なくとも1種とおよび架橋性官能基および/または重合性官能基を有する化合物により架橋された機能性蛋白質素材とを含む水溶液で処理」することの記載、又はこれを示唆する記載はなされていないものと認められる。 特許異議申立人は、請求項1に係る発明は、甲第1号証記載の絹フィブロインを甲第2、3号証記載の機能性蛋白質素材に代替したものに過ぎず、当業者が容易になし得たものであると主張しているが、甲第1号証記載の発明において絹フィブロインは必須の成分であり、これを前記機能性蛋白質素材に代替する理由ないし動機はないというべきであるから、前記主張は採用することができない。 そして、請求項1に係る発明は、前記特定事項により、明細書に記載されたとおりの効果を奏し得たものと認められるから、請求項1に係る発明は、甲第1〜4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の特定事項を限定してなるものであるから、請求項1に係る発明についての判断で示したと同様の理由により、甲第1〜4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 4.また、他に請求項1、2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2001-04-26 |
出願番号 | 特願平8-351505 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
Y
(D06M)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 中島 庸子 |
特許庁審判長 |
高梨 操 |
特許庁審判官 |
仁木 由美子 加藤 志麻子 |
登録日 | 2000-05-26 |
登録番号 | 特許第3070665号(P3070665) |
権利者 | 日華化学株式会社 |
発明の名称 | 合成繊維の加工方法 |