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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  H05F
審判 全部申し立て 2項進歩性  H05F
管理番号 1039316
異議申立番号 異議2000-74091  
総通号数 19 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2000-04-07 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-11-08 
確定日 2001-05-01 
異議申立件数
事件の表示 特許第3041782号「除電方法及び除電装置」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第3041782号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。 
理由 1.本件発明
本件は、平成10年9月18日に出願され、平成12年3月10日に設定登録されたものであって、その発明は明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1〜4に記載された次のとおりのものであると認める。
「【請求項1】
放電用電極の後方から送風して、放電用電極による放電で生成された正負のイオンを強制的に前方へ吹き出し、接地されたメッシュ状電極を通して除電対象物に当てることを特徴とする除電方法。
【請求項2】
放電用電極の後方から送風して、放電用電極による放電で生成された正負のイオンを強制的に前方へ吹き出し、バイアスがかけられたメッシュ状電極を通して除電対象物に当てることを特徴とする除電方法。
【請求項3】
正負のイオンを生成する放電用電極と、その前方に配置して接地されたメッシュ状電極と、放電用電極の後方から送風して正負のイオンをエアーと共にメッシュ状電極側に吹き出すファンとを備えてなることを特徴とする除電装置。
【請求項4】
正負のイオンを生成する放電用電極と、その前方に配置してバイアスをかけられたメッシュ状電極と、放電用電極の後方から送風して正負のイオンをエアーと共にメッシュ状電極側に吹き出すファンとを備えてなることを特徴とする除電装置。」

2.申立ての理由の概要
特許異議申立人シムコジャパン株式会社は証拠として甲第1号証(特開平6-208898号公報)、甲第2号証(静電気学会講演論文集’86)を提出し、請求項1〜4に係る発明の特許は特許法第29条第1項3号の規定に違反してなされたものであり、特許異議申立人森本明雄は証拠として甲第1号証(特開平4-306596号公報)、甲第2号証(特開平5-116906号公報)、甲第3号証(特開平7-115946号公報)を提出し、請求項1,3に係る発明の特許は特許法第29条第1項3号の規定に違反してなされたものであるとともに請求項1〜4に係る発明の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、請求項1〜4に係る発明の特許を取り消すべき旨主張している。

3.申立人が提出した甲号各証記載の発明
ア.申立人シムコジャパンが提出した甲第1、2号証には、以下の事項が記載されている。
(1)甲第1号証(以下「刊行物1」という)には以下の点が記載されている。
i)「図1〜図3は,本発明の帯電物品の中和装置の一実施例を示したものである。
1は交流電圧が印加される放電極,2はアースまたは直流電源に接続される対極である。カーテン気流形成用のスリット状開口部3をもつ筒状の送気チヤンバー4に対して,複数本の放電極1がスリットの長手方向に沿って所定間隔で並ぶようにしてスリット状開口部3内に連設されている。」(第3頁左欄段落【0016】)、
ii)「各放電極1から間隙をあけて接地または直流電源に接続される対極2が取付けられている。」(第3頁右欄段落【0020】)、
iii)「対極2は図3に見られるように格子状を有して(いる)」(第3頁右欄段落【0021】)、
iv)「高圧の交流電圧を放電極1に印加すると放電極1と対極2との間には電界が形成され、放電極1の放電端12にコロナ放電が生じる。」(第4頁右〜左欄段落【0031】)。
(2)甲第2号証(以下「刊行物2」という)には以下の点が記載されている。
i)「静電気帯電物体の障害除去対策の一つとしてイオン流除電器(以下除電器と略す)による電荷の中和法が用いられているが、帯電物体周囲のイオン流動特性は詳細には解明されていないと思われる。そこで計算との対応を考慮して比較的単純な平行平板金網電極系を構成し、そこへ気流により正負イオン群を吹き込んだ場合の金網電流波形を測定し、計算機シミュレーションとの比較検討を行ったので、その結果を報告する。」(第229頁下から18〜13行)、
ii)「実験装置の概要を図1に示す。金網電極1の大きさは除電器の風速分布よりほぼ全部の正負イオン群の到達が可能である面積として50×50cmにした。金網電極2は除電器の吹出口部分を除去し、面積は電極1と同じにした。金網電極3は除電器の吹出口にあり、イオン流の風量をあまり抑制しないように網目を大きめにした。帯電物体がある場合は、気流による速度成分に、帯電物体の周囲電界とイオン移動度によるイオン速度成分が加わる。イオン運動に与えるこの電界効果を調べるため、除電器側の金網電極2,3を接地し、金網電極1にバイアス電圧を印加した。」(第229頁下から12〜5行)。
イ.申立人森本明雄が提出した甲第1〜3号証には以下の点が記載されている。
(3)甲第1号証(以下「刊行物3」という)には、「交流式イオン発生装置およびこれを用いた清浄空間内の帯電物品の除電設備」に関して、図1〜18と共に次の事項が記載されている。
i)「クリーンルーム内はフイルターで浄化された清浄空気流がほぼ一方向性に流れているので,この清浄空気流の上流側(通常はフイルターの空気吹出し面に近い位置)にコロナ放電によって空気をイオン化するイオナイザを配置し、ここでイオン化した空気の流れを帯電物体の表面と触れさせることにより、帯電物体上の静電気を中和しようとするものである。すなわち、物体表面がプラスに帯電していればマイナスにイオン化した空気によって中和し、マイナスに帯電していればプラスにイオン化した空気によって中和して、物体表面の静電気を除電しようとするものである。」(第3頁左欄段落【0004】)、
ii)「〔交流式イオナイザでは正イオンと負イオンの発生量が相違する現象〕
図1は,放電極1と対極2とからなる一つの放電対において発生する空気イオンを電流量として測定するための実験装置を示しており,図2はその略断面を示したものである。金属製の針状放電極1の先端極率半径は0.045mmで,対極2は太さ1mmのステンレス線を75mm角の正方形の形状に曲げ加工したものである。放電極1と対極2のギャップ長は25mmであり,この放電対の上方から垂直に気流速度0.3m/sで空気流を流しながら,放電極1に,図2のようにコンデンサ3 (容量2000pF) を介して,AC高電圧(50Hz)が印加された。対極2から下流側へ25mm離れた位置に目の細かい25cm角の金属性金網4が張り渡され,この金網4において対極2をくぐり抜けた空気イオンをことごとく捕捉する。」(第5頁左欄段落【0021】)、
iii)「この実験において,対極2に吸収される正負イオンの電流量と,対極2をくぐり抜けて下方に運ばれる正負イオンの電流量すなわち金網4に吸収される正負イオンの電流量を図示のように電流計Aと整流器Dをもつ回路によって測定する。」(第5頁左欄段落【0022】)、
iv)「イオナイザ下流側の帯電物体に到達しうる空気イオン濃度は正の方が負よりも大きいことになる。これが交流式イオナイザのもつ宿命的な欠陥である。従来の交流式イオナイザでは, イオナイザ下流側の帯電物体に到達しうる空気イオンは正イオン濃度が負イオン濃度の10倍以上となることもあり, このような場合, イオナイザ下流側の帯電物体は除電されるどころか数十ボルトから200ボルト程度の正の電位に帯電したままになることすらある。」(第5頁右欄〜第6頁左欄段落【0028】)、
v)「この問題は先の特願平1-265189号や特願平1-265190号の処法のように放電極に印加する交流高電圧に負側に偏った直流成分(バイアス電圧)を加えることによって,或いは対極側に直流電圧を印加することによって事実上解決できたが,本発明では,i=i1+i2, i=0の関係,更には放電端でのi++i-=i=0の関係に着目し,対極側に吸収されるイオン電流i1の大きさを極性毎に,つまりi1+とi1-を別個に,増減することによって,これに対応してイオナイザ下流側の帯電物体に到達し得る空気イオンの正と負の濃度を減増するという全く別の観点にたって,一層簡便にこの問題を解決したものである。」(第6頁左欄段落【0029】)。
(4)甲第2号証(以下「刊行物4」という)には、「オゾン発生装置」に関して、第1〜11図と共に以下の点が記載されている。
i)「図1(A)及び図2は本発明の実施例の構成を概略的に示したもので、この例では平板状の基体1と、該基体1の一面1aに形成された誘導電極2と、基体の他面1bに形成された放電電極3とによりオゾナイザOZが構成されている。基体1の放電電極3が設けられた面1bに対向させた状態で平板状の集塵電極4が基体1と平行に配置されている。」(第4頁左欄段落【0024】)、
ii)「上記基体1と集塵電極4とは適宜の手段により相互間に所定の間隔を保持した状態に位置決め固定され、オゾナイザOZと集塵電極4とによりオゾン発生集塵部10が構成されている。基体1と集塵電極4との間に酸素を含むガス(通常は空気)が供給される。」(第4頁左欄段落【0029】)、
iii)「図6に示したような電圧V23がオゾナイザの誘導電極2と放電電極3との間に印加されると、図2に示したように、放電電極2に沿って無声放電Sが生じる。放電電極と集塵電極との間に供給された空気等の酸素を含むガスが放電Sに触れると、ガス中の酸素がオゾン化される。
無声放電Sが生じている領域は負電界プラズマ領域となっていて、正イオンよりも負イオンの方が多く存在するため、この領域の近傍を通過するガス中に塵埃dが含まれていると、該塵埃dが負に帯電する。集塵電極4は負に帯電した塵埃dから見ると正電位にあるため、帯電した塵埃は集塵電極4に引き寄せられて吸着される。従って放電電極3と集塵電極4との間を通過したガスはオゾンを含み、塵埃が除去された清浄なガスとなる。」(第4頁右欄段落【0034】〜第5頁左欄段落【0035】)、
iv)「上記の実施例では、集塵電極4を誘導電極2と同電位(零電位)に保っているが、図1(B)に示したように、集塵電極4と接地間に直流電源12を挿入して集塵電極4を接地に対して正にバイアスすることにより、集塵電極4を誘導電極2に対して正電位に保つようにしても良い。このように集塵電極4を正電位に保つと、負に帯電した塵埃をより強い力で吸着できるため、除塵効果を増大させることができる。」(第6頁左欄段落【0048】)、
v)「図1に示した例では、集塵電極4が基体1と同様に平板状に形成されているが、図7に示したように、集塵電極4の断面が円弧状を呈するようにしてもよい。
図1または図7に示したような集塵電極4を用いる場合、該集塵電極4を網状に形成して、基体1と集塵電極4との間に供給したガスを集塵電極4の網目を通して外部に流出させるようにしても良い。」(第6頁左欄段落【0050】)、
vi)「上記の各実施例では、集塵電極を設けて集塵機能を持たせるようにしたが、集塵電極を設けることなく、もっぱらオゾンの発生と負イオンの発生とを行わせるようにしても良い。即ち上記のように、オゾナイザの放電電極を負電位に保った状態で振動する交流電圧を放電電極と誘導電極との間に印加すると、無声放電が生じる領域が負電界プラズマ領域となり、この領域では正イオンよりも負イオンが多量に存在するため、オゾナイザの近傍に正電位のグリッドを配置することにより、負イオンを取り出すことができる。例えば図1(B)の実施例において、集塵電極4を導体からなるグリッド(格子体)により置き換えると、該グリッドにより負イオンを加速して外部に取り出すことができる。」(第7頁右欄段落【0065】)、
(5)甲第3号証(以下「刊行物5」という)には、「微生物繁殖防止装置およびその方法」に関して、第1〜30図と共に、以下の点が記載されている
「実施例1と同様に、金属針電極2と金属平板接地電極25との間に、数kVの高圧の交流電圧を印加すると、電離室23内で電子の放電が起こり、気体1がイオン化される。この気体1中には、上述したように、電子の衝突電離作用によって発生する正イオンと、電子の付着作用によって発生する負イオンがほぼ同程度存在する。
そして、イオン化された気体27は電離室23とオゾン分解室28の間の通気路22に配置された1対の金属網35,36に導かれる。ここで、金属網35,36は図6(b)に示すように、例えば、10メッシュ程度の目の粗い格子状となっており、イオン化された気体27が容易に通過できる構成になっている。
また、金属網36には直流電源37、数10V〜数100Vの正の直流電圧が印加されているので、金属網35と金属網36の間に、該金属網36から金属網35に向かう電界が発生している。
従って、この電界中にオゾンを含むイオン化された気体27が流入すると、電界の作用により、正イオンは接地した金属網35の方へ向って移動し、該金属網35に衝突して消滅する。一方、負イオンは、正の直流電圧が印加された金属網36の方へ向って移動するが、金属網36は網の目が粗く、かつ負イオンの移動方向と気体27が流れる方向が同一であるため、負イオンは金属網36に衝突することなく、気体27の流れにより金属網36を通過し損失することはない。
このようにして、オゾン及び負イオンを含むイオン化された気体27は、オゾン分解室28によりオゾンが除去され、負イオンのみを含むイオン化された気体30となって放出される。
なお、上記実施例7では、取り付け間隔が数cmである1対の金属網35,36に数10V〜数100Vの直流電圧を印加した場合について示したが、1対の
金属網35,36間に数万V/m〜十数万V/mの電界強度を発生させるように、金属網35,36の間隔と直流印加電圧の値を調整してもよい。」(第9頁左欄段落【0084】〜【0088】)。

4.当審の判断
ア.特許法第29条第1項3号について
(1)請求項1に係る発明(以下「発明1」という)及び請求項2に係る発明(以下「発明2」という)について
発明1および発明2と刊行物1〜5に記載の発明とを対比すると、後者はいずれも、イオンを「メッシュ状電極を通して除電対象物に当てる」除電方法の構成を備えていない。
したがって、発明1及び発明2は、刊行物1〜5に記載された発明ではない。
なお、刊行物1には前記3.ア.(1)iii)に摘記したように、帯電物品の中和装置の「対極」が格子状であることが記載されているが、当該「対極」は同iv)に摘記したように放電極との間に電界を形成し、これによって放電極の放電端にコロナ放電が生じるものであるから「放電用電極」である。
これに対して、発明1および発明2の「メッシュ状電極」は、2つの放電用電極の前方に別に設けたものであって「放電用電極」とは異なるものであるので、刊行物1の発明の「対極」は、発明1および発明2の「メッシュ状電極」には相当しない。
同様に、刊行物2には前記3.ア.(2)i)に摘記したように、除電器と、3つの「金網電極」からなる「平行平板金網電極系」が記載されているが、当該「平行平板金網電極系」は同ii)に摘記したように、「金網電極1」にのみバイアス電圧を印加し、イオン運動に与える電解効果を調べるために設けた実験装置にすぎず、除電装置の構成要素として常用するものではない。
これに対して、発明1および発明2の「メッシュ状電極」は単体で、除電対象物にとって過剰なイオンを吸収するものであり、除電装置の構成要素として常用するものなので、刊行物2の「平行平板金網電極系」は、発明1および発明2の「メッシュ状電極」であるとは認められない。
また、刊行物3には前記3.イ.(3)ii)に摘記したように、放電極、対極および「金属製金網4」が記載されているが、当該「金属製金網4」は「〔交流式イオナイザでは正イオンと負イオンの発生量が相違する現象〕」を調べるための実験装置のものであり「対極2をくぐり抜けた空気イオンをことごとく捕捉する。」ものである。
これに対して、発明1および発明2の「メッシュ状電極」は、一部のイオンが通過するものであり、除電装置の構成要素として常用するものなので、刊行物3の「金属製金網4」は、発明1および発明2の「メッシュ状電極」であるとは認められない。
さらに、刊行物4、刊行物5に記載の発明は「除電方法」に関する発明ではなく、発明1および発明2の、イオンを「メッシュ状電極を通して除電対象物に当てる」除電方法の構成を備えていない。
(2)請求項3に係る発明(以下「発明3」という)及び請求項4に係る発明(以下「発明4」という)について
発明3および発明4と刊行物1〜5に記載の発明とを対比すると、(1)で述べたように、刊行物1、刊行物2、刊行物3に記載の発明の「対極」、「平行平板金網電極系」、「金属製金網(4)」は、いずれも発明3および発明4の「メッシュ状電極」とは異なり、刊行物4、刊行物5に記載の発明はいずれも「除電装置」に関する発明ではないので、刊行物1〜5に記載の発明はいずれも「除電装置」の構成としての「メッシュ状電極」を備えていない。
したがって、発明3および発明4は、刊行物1〜5に記載された発明ではない。
イ.特許法29条第2項について
(1)発明1及び発明2について
発明1および発明2と刊行物3〜5に記載の発明とを対比すると、前記4.ア.(1)で述べたように、後者はいずれも、イオンを「メッシュ状電極を通して除電対象物に当てる」除電方法の構成を備えていない。
かかる相違点により、前者は「過剰なイオンを、除電対象物の帯電状況に応じてメッシュ状電極にて吸収できる。その結果、帯電している除電対象物の除電に作用する正負のイオンは、除電対象物自体の電荷との間で、正負のイオンバランスが部分的にも自然にとれていることになるため、除電対象物の元の帯電状況の如何を問わず、ムラなくしかも逆帯電させることなく綺麗に除電できる」という作用効果を奏する。
そして、刊行物4に記載の発明は、負イオン発生及び集塵を目的とした「オゾン発生装置」に関するものであり、また、刊行物5に記載の発明は、「微生物繁殖防止装置及びその方法」に関するものであって、それぞれ「集塵電極4」、「金属網35,36」を有しているが、いずれも負イオンを取り出すことを目的としたもので、除電対象物自体の電荷との間で、正負のイオンバランスを取ることについての示唆はないので、当業者が、これらを刊行物3の除電装置と組み合わせることを容易に想到しえたとは認められない。
よって、刊行物3〜5に記載の発明から、当業者が発明1および発明2を容易になしえたとは認められない。
(2)発明3及び発明4について
発明3および発明4と刊行物3〜5に記載の発明とを対比すると、前記4.ア.(2)で述べたように、後者はいずれも、「除電装置」の構成としての「メッシュ状電極」を備えていない。
かかる相違点により、前者は(1)でも述べた作用効果を奏する。
そして、(1)でも述べたように刊行物4、刊行物5に記載の発明は除電装置ではなく、当業者が、これらを刊行物3の除電装置と組み合わせることを容易に想到しえたとは認められない。
よって、刊行物3〜5に記載の発明から、当業者が発明3および発明4を容易になしえたとは認められない。

5.むすび
したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1乃至4に係る発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1乃至4に係る発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2001-03-28 
出願番号 特願平10-265090
審決分類 P 1 651・ 121- Y (H05F)
P 1 651・ 113- Y (H05F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 石井 孝明  
特許庁審判長 田中 秀夫
特許庁審判官 熊倉 強
藤本 信男
登録日 2000-03-10 
登録番号 特許第3041782号(P3041782)
権利者 春日電機株式会社
発明の名称 除電方法及び除電装置  
代理人 日比 紀彦  
代理人 清末 康子  
代理人 岸本 瑛之助  
代理人 岸本 守一  
代理人 渡辺 彰  
代理人 森田 雄一  
代理人 原田 信市  

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