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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B21B
管理番号 1041168
異議申立番号 異議2000-70562  
総通号数 20 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1998-01-13 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-02-08 
確定日 2001-01-24 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2933015号「スリーブロール」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2933015号の請求項1ないし2に係る特許を取り消す。 
理由 1.手続きの経緯
特許第2933015号の請求項1、2に係る発明についての出願は、平成8年6月26日に出願され、平成11年5月28日にその発明について特許の設定登録がされ、その後、その請求項1及び2に係る発明についての特許に対して、異議申立人 羽鳥義一により特許異議の申立がなされ、平成12年7月14日に取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年9月13日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正請求について

2-1.訂正事項
本件訂正請求は、本件出願の願書に添付された明細書(以下、「訂正前明細書」という。)を、訂正請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めるものであり、具体的な訂正事項は下記(1)〜(2)に示すとおりである。
(1)訂正事項a
訂正前の請求項1に記載の「導入されるように構成された」を
「導入されるようにし、可動スリーブ後端部をシャフトにねじ結合で取付けられた締付けナットで締付けることによってロールリングを固定するように構成された」と訂正する。
(2)訂正事項b
訂正前明細書【0012】欄の「導入されるように構成された」を「導入されるようにし、可動スリーブ後端部をシャフトにねじ結合で取付けられた締付けナットで締付けることによってロールリングを固定するように構成された」と訂正する。

2-2.訂正の適否について
(1)訂正事項aについて
訂正事項aはロールリングの固定構造を具体的に記載したものであるから、当該訂正は特許請求の範囲の減縮に相当する。
そして、訂正前明細書の【0018】欄には、「この圧力により可動スリーブ4はロールリング1、スペーサーリング3をフランジ10側へ移動させる。この移動した量だけ締付けナット6と可動スリーブ4との間に隙間が生じる。この隙間の分だけ締付けナット6をさらに締め付けることが可能となる」とあって、可動スリーブ4の締め付けナット側の端部(後端部)を締付けナットで締付けることによってロールリング1を固定する様子が示され、また、図1および図2から、締付けナット6はシャフト2にねじ13で結合されていることは明らかだから、訂正事項aによるロールリングの具体的な固定構造については、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、また、特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない
(2)訂正事項bについて
訂正事項bは、上記訂正事項aに対応して、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明中の記載とを整合せしめたものであり、明りょうでない記載の釈明に該当する。
(3)以上より、訂正事項a、bは、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明に該当するものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、また、特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもないから、当該訂正は特許法120条の4第2項及び第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するものである。
よって、本件訂正を認める。

3.異議申立について

3-1.本件発明
訂正が認められることから、本件請求項1、2に係る発明は、訂正明細書の請求項1、2にそれぞれ記載された次のとおりのものである。(以下、それぞれ「訂正発明1」「訂正発明2」という。)
「【請求項1】
硬質材料を用いて形成されたロールリングを、シャフト外周にシャフトの一方側に固定されたフランジとシャフトの他方側に設けられた締付けナットとの間で締付け固定しているスリーブロールにおいて、前記締付けナットと前記ロールリングとの間に、外側にシャフト軸方向に移動可能に可動スリーブを密封形状に配した内ナットをねじ結合により取付け、前記可動スリーブと前記内ナット間に加圧流体が導入されるようにし、可動スリーブ後端部をシャフトにねじ結合で取付けられた締付けナットで締付けることによってロールリングを固定するように構成されたことを特徴とするスリーブロール。
【請求項2】
請求項1記載の締付けナット用ねじ部の外径が内ナット用ねじ部の外径よりも小さいことを特徴とする請求項1記載のスリーブロール。」

3-2.取消理由の概要/証拠方法
本件請求項1,2に係る発明は、以下に示す異議申立人 羽鳥義一の提出した甲第1〜3号証にそれぞれ相当する刊行物1〜3に記載のものから当業者が容易に発明することができるものであるから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法第113条第1項第2号に該当することから、同法第114条第2項の規定により取り消されるべきものである。
(証拠方法)
刊行物1:特開平 8-164406号公報
刊行物2:実願昭55-143754号
(実開昭57- 65706号)のマイクロフィルム
刊行物3:実公昭63- 3690号公報

3-3.取消理由についての判断

3-3-1.各刊行物の記載

3-3-1-1.刊行物1の記載

(1-ア)【0013】【0014】【0022】【符号の説明】 各欄、第1図
スリーブロールの構成として
a)「図1において、締付ナット17のスペーサリング5に向く側には、シリンダ機構18が設けられ、シリンダ機構18は、締付ナット17のスペーサリング5に向く端面17aにて円周方向に形成されたリング状の溝19と、溝19にシャフト1の軸線方向に摺動自在に嵌め込まれたピストンリング20と、ピストンリング20により溝19の底部に形成された加圧流体導入のための空間21とから構成されている。また、空間21を密閉空間とする必要上、ピストンリング20の溝19との摺動面には、Oリング22,23が装着されている。さらに、締付ナット17には空間21内に油圧あるいは空圧等の加圧流体を導入するための管路24が設けられている。そして、シリンダ機構18の作動によりスペーサリング5がピストンリング20により押圧された際には、締付ナット17とスペーサリング5との間に割りリング26が介装される。」
b)「一方のラビリンスリング2aはシャフト1に一体に形成され、他方のラビリンスリング2bは締付ナット17の外側に配置されるとともにシャフト1の外周1aにねじ止め固定されている。」 c)「なお、本発明の圧延ロールは上記実施例に限定されるものではなく、例えば、スリーブロールが1つであるときには、スペーサリングを省略することも可能である。」

(1-イ)【0015】〜【0017】欄
前記実施例における組立の固定と解体方法として
a)「次に、上記のように構成された圧延ロールBによるスリーブロール3の固定方法について説明する。まず、シャフト1の外周laに、スベーサリング28、スベーサリング4、スリーブロール3、スベーサリング5、締付ナット17、およびラビリンスリング2bをこの順に装着し、スリーブロール3等に対して締付ナット17を遊びがないように締付けるとともに、その後締付ナット17に対してラビリンスリング2bを遊びがないように締付ける。そして、管路24から例えば圧力400kg/cm2〜1200kg/cm2の油圧を加えると、ラビリンスリング2aと締付ナット17との間には剛体のみが密に装着されているのでピストンリング20の押圧力がそのまま伝えられ、シャフト1において、ラビリンスリング2aが一体に形成されている部分がイ方向へ押圧されるとともに、締付ナット17およびラビリンスリング2bが螺着されている部分が口方向へ押圧されるので、シャフト1が軸方向に伸ばされ、これによりシャフト1が元に戻ろうとする復元力が生じてスリーブロール3に対する締付力が強くなる。」
b)「シャフト1を伸ばすためにピストンリング20を拡張した際には、締付ナット17とスペーサリング5との間には隙間ができ、その隙間に割リング26が介装される。その後、空間21に加えた油圧を減圧するとピストンリング20による押圧力が弱まるが、割リング26の介在によりラビリンスリング2aと締付ナット17との間の距離が変わらないので、シャフト1の復元力が維持され、シリンダ機構18による押圧力を解放したのちもスリーブロール3が強固に締結固定される。」
c)「一方、スリーブロール3を取り外す際には、シリンダ機構18を作動してスベーサリング5を押圧することにより締付ナット17とスベーサリング5との間に遊びを生じさせて、割リング26を抜取る。その後、空間21に加えた油圧を減圧させてシリンダ機構18による押圧力を解放すると、シャフト1が元に戻り復元力がなくなるので、締付ナット17およびラビリンスリング2bにかかる押圧力がなくなり、締付ナット17およびラビリンスリング2bを容易に回転して締付固定状態から解放することができる。そして、スリーブロール3等をシャフト1から取外す。」

3-3-1-2.刊行物2の記載

(2-ア)明細書6頁9行〜9頁3行、第1図
スリーブロールの実施例として
「第1図はこの考案の第1の例であり・・・中略・・・スリーブロールはロール本体1と、超硬合金製のスリーブ2と、固定ナット3と、・・・中略・・・スリーブ2とロール本体1のフランジ部4における側面との間に組み込まれる弾性体5と、この弾性体5を圧縮するような固定ナット3とスリーブ2との間に組み込まれる液圧機構6とで構成されている。前記ロール本体1は、スリーブ2の嵌合部7と固定ナット8を螺合する雄ねじ8を適当な距離を隔てて設け、嵌合部7の一端にスリーブ2を直接または弾性体5を受けるフランジ部4を突設して形成されている。スリーブ2は図示の場合、両側にスペーサリング9を備えているが、これは省くことができる。・・・中略・・・弾性体5は軸方向に押圧されると収縮し、この収縮によって反発弾性を蓄積するものであり・・・中略・・・前記液圧機構6は、ロール本体1の固定ナット3とスリーブ2の間に嵌挿されるものであり、ロール本体1のこの部分には外周で固定ナット3寄りの位置に環状の突出部10が設けられ、突出部10には円周方向に一定の間隔で切欠11が形成されている。液圧機構6は、突出部10の外側に嵌挿される内部リング12と、この内部リング12に外嵌する外部リング13とで構成され、外部リング13はスリーブ側の内周にリング状の突出部14をもち、外周からこの突出部14の内面側で開口する液体圧入孔15が設けられている。上記内部リング12は固定ナット3側の外周面に外部リング13における突出部14の固定ナット3側の面に対面したフランジ16を持ち、第3図のようにスリーブ側の内周にロール本体1の切欠11に対して丁度嵌合し、軸方向に通過し得る位相の間欠的な突起17が設けられている。内部リング12は突起17を切欠11に嵌め合わせてスリーブ2側に通過させ、通過位置で内部リング12を僅かに回動させて突起17と切欠11の位置を変移させると、突起17と突出部10が掛合し、内部リング12は固定ナット3側の方向に対して移動できない固定状態になる。外部リング13は内部リング12に対して軸方向に移動が自在となるように外嵌し、フランジ16と突出部14の間に液圧が供給されると外部リング13がスリーブ2側に移動し、弾性体5を直接又はスリーブ2を介して圧縮するようになっている。」

(2-イ)明細書10頁16行〜12頁18行
前記実施例における組立と解体方法として
「この考案のスリーブロールは上記のような構成であり、スリーブロールの組立を行うには、ロール本体1の嵌合部7に弾性体5とスリーブ2を嵌挿した後液圧機構6を挿入し、雄ねじ8の部分に固定ナット3をねじ込む。上記液圧機構の挿入は、内部リング12と外部リング13を互いに嵌め合わせ、内部リング12をロール本体1に嵌挿し、先ず突起17を切欠11に合わせて外嵌挿し、内部リング12を突起17が突出部10を通過する位置にまで押込み、次に内部リング12を回動させてロール本体1の切欠11と突起17の位置を第3図のように変化させ、液圧機構6を固定ナット3の方向に対して抜止状態とする。固定ナット3をねじ込んでスリーブ2と固定ナット3で外部リング13を挟み込んだ状態で外部リング13の液体圧入孔15を液圧供給源と接続し、フランジ16と突出部14の間に液圧を供給する。この液圧供給で外部リング13はスリーブ2側に向けて移動し、弾性体5を軸方向に圧縮する。弾性体5は軸方向の寸法が縮まり自然状態に戻ろうとする反発弾性を蓄積する。液圧機構6が縮んだ分だけ固定ナット3をねじ込み、固定ナット3とスリーブ2で外部リング13を狭圧した状態で液圧の供給を解放する。これにより圧縮された弾性体5の反発弾性により、スリーブ2は外部リング13に押しつけられ、スリーブ2の両側に生じる側圧によりスリーブ2はロール本体に固定される。逆にスリーブ2を取外す場合は、液圧機構6に液圧をかけ、弾性体5を圧縮して固定ナット3と外部リング13の側圧を解き、固定ナット3を取外す。次に液圧の供給を解放すると弾性体5の反発力によりスリーブ2は固定ナット3の方向へ押し出され、かつ固定ナット3、液圧機構6、スリーブ2、弾性体5、本体フランジ部4に連結して作用していた側圧が解放される。しかるのち内部リング12を回動させ、突起17と切欠11の位置合わせを行った状態で液圧機構6を抜取り、この後スリーブ2と弾性体5を順に移動させ抜取ればよい。」

3-3-1-3.刊行物3の記載

(3-ア)実用新案登録請求の範囲
スリーブロールの構成として
「硬質材料を用いて形成されたスリーブをロール本体に、軸方向の収縮で反発弾性を蓄積する弾性体の押圧力によって機械的に固定するようにした組立式のスリーブロールにおいて、ロール本体のスリーブと外ナットの間に、中央部近辺に突起を有する内ナットと内ナットのスリーブ側突起端面に対向した軸心方向へ向く突起を有する摺動リングを設けかつ摺動リングと内ナットが回転に対し同期固定されるような1個もしくは複数個のキーを有する油圧機構を構成し、この油圧機構によって弾性体を軸方向に圧縮し、弾性体に軸方向反発力を蓄積させることによりスリーブをロール本体に固定するようにしたことを特徴とするスリーブロール。」

(3-イ)第3欄第39行〜第4欄第24行、第2図
スリーブロールの実施例として
「以下この考案の実施例を第2図に基づいて説明する。図示のように、スリーブロールは、ロール本体3と1箇または複数の孔型を有する超硬合金製のスリーブ2と、外ナット6と、外ナットとスリーブとの間又は、スリーブとロール本体3のフランジ部18における側面17との間に組込まれる1個又は複数個の弾性体11,12と、この弾性体を圧縮するよう外ナット6とスリーブ2との間に組込まれる液圧機構19とで構成されている。スリーブ2は図示の場合両側にスペーサーリング4を備えているが、これは省くことができる。・・・中略・・・前記液圧機構19は外ナットとスリーブ2の間に嵌挿されるものである。
液圧機構19は、ロール中間部20の外側に螺装される内ナット5と、この内ナット5に外嵌する摺動リング9とで構成され、摺動リング9はスリーブ側の内周にリング状の突出部15をもち、外周からこの突出部15の内ナット5の突起側の側面で開口する液体圧入孔16が設けられている。」
そして、第2図にはロール本体3のフランジ部18側とは逆の他端側に設けられた前記内ナット5の外周に外ナット6が摺動リング9に当接押圧可能に螺着設置されていることが示されている。

(3-ウ)第4欄第41行〜第5欄第11行
前記実施例における組立の固定と解体方法として
「上記液圧供給で摺動リング9はスリーブ2側に向けて移動し、弾性体11,12を軸方向に圧縮する。弾性体は軸方向の寸法が縮まり自然状態に戻ろうとする反発弾性を蓄積する。
摺動リング9が移動した分だけ外ナット6をねじ込み、外ナット6とスリーブ2で摺動リングを挟圧した状態で液圧の供給を解放する。これにより圧縮された弾性体11,12の反発弾性により、スリーブ2は摺動リング9に押付けられスリーブ2の両側に生じる側圧によりスリーブ2はロール本体3に固定される。逆にスリーブ2を取外す場合は、液圧機構19に液圧をかけ、弾性体11,12を圧縮して外ナット6と摺動リング9の側圧を解き、外ナット6を取外す。」

(3-エ)第5欄第21行〜第6欄第1行
外ナット6とフイレットリング13との関係について
「本考案の側である第2図ではフイレットリング13は外ナットの側面に当たってロール本体3に嵌装されているが、当該フイレットリング13を外ナット6に一体化もしくはボルト等で螺合させた構造とすることにより、前述のスリーブ2のロール本体3への装着、また抜取に際し、フイレットリング13の着脱作業が不要となり、スリーブロール組立、解体の作業性に際し有利になる。」

3-3-2.対比・検討

3-3-2-1.刊行物3に記載の発明
上記(3-ア)〜(3-ウ)より、刊行物3には、
「超硬合金を用いて形成されたスリーブ2を、ロール本体3外周にロール本体3の一方側に固定されたフランジ部18とロール本体3の他方側に設けられた外ナット6との間で締付け固定しているスリーブロールにおいて、前記外ナット6と前記スリーブ2との間に、内ナット5のうちの摺動リング9と係合する部分を取付け、外側にロール本体3軸方向に移動可能に摺動リング9を密封形状に配した内ナット5をねじ結合により取付け、前記摺動リング9と前記内ナット5間に加圧流体が導入されるようにし、摺動リング9後端部を内ナットの他の部分にねじ結合で取り付けられた外ナット6で締め付けることによってスリーブ2を固定するように構成されたことを特徴とするスリーブロール」が記載されており、これを以下「刊行物3発明」という。(下線部は、後述する訂正発明1,2との相違点に対応する箇所である。)
3-3-2-2.訂正発明1について
[1]一致点・相違点
刊行物3に記載の「スリーブ2」、「ロール本体3」、「フランジ部18」、「外ナット6」、「摺動リング9」及び「内ナット5」は、それぞれ訂正発明1の「ロールリング」、「シャフト」、「フランジ」、「締付けナット」、「可動スリーブ」及び「内ナット」に相当することはそれらの構成と作用からみて明らかである。
よって、上記「3-1.本件発明」と「3-3-2-1.刊行物3に記載の発明」とから、訂正発明1と刊行物3発明とを対比すると、一致点・相違点は以下のようになる。
(一致点)
硬質材料を用いて形成されたロールリングを、シャフト外周にシャフトの一方側に固定されたフランジとシャフトの他方側に設けられた締付けナットとの間で締付け固定しているスリーブロールにおいて、外側にシャフト軸方向に移動可能に可動スリーブを密封形状に配した内ナットをねじ結合により取付け、前記可動スリーブと前記内ナット間に加圧流体が導入されるようにし、可動スリーブ後端部を締付けることによってロールリングを固定するように構成されたことを特徴とするスリーブロール である点。
(相違点)
訂正発明1は、
締付けナットとロールリングとの間に、内ナットを取付け、可動スリーブ後端部をシャフトにねじ結合で取り付けられた締付けナットで締付けるものであるのに対し、
刊行物3発明は、
締付けナットとロールリングとの間に、内ナットのうちの可動スリーブと係合する部分を取付け、可動スリーブ後端部を内ナットの他の部分にねじ結合で取り付けられた締付けナットで締め付けるものである点。

[2]相違点の検討
以下、上記の相違点について検討する。
ロールリング(スリーブ2)を締め付け固定した状態での締付け力のロールリング(スリーブ2)からシャフト(ロール本体3)への伝達経路は、
訂正発明1においては、
ロールリング-------→可動スリーブ---------→締付けナット-------→(ねじ)-----------------→シャフトであり、
刊行物3発明においては、
ロールリング(スリーブ2)→可動スリーブ(摺動リング9)-→締付けナット(外ナット6)→(ねじ)→内ナット(内ナット5)→(ねじ)→シャフト(ロール本体3)となる。
すなわち、訂正発明1に対して刊行物3発明においては、内ナット(内ナット5)が、締付けナット(外ナット6)をねじ結合で取付ける部分を有する故に、内ナット(内ナット5)の分だけ余分に経由して締付け力が伝達されているから、締付け力の伝達経路を短くするように構造を簡素化することは当業者であれば当然に思考することである。
また、上記内ナット(内ナット5)の分の経由のない上記訂正発明1と同じ締付け力の伝達経路(ロールリング(スリーブ)→可動スリーブ(外部リング13)→締付けナット3(固定ナット3)→(ねじ)→シャフト(ロール本体1))が、刊行物2(第1図、(2-ア)、(2-イ)参照)に記載のスリーブロールにおいても採用されているものである。
そして、刊行物2に記載の上記「固定ナット3」は、シャフトに相当する「ロール本体1」外周のねじ部に取り付けられており(上記(2-ア)参照)、さらに、同様に刊行物1においても、締付けナットに相当する「ラビリンスリング2b」を、シャフトに相当する「シャフト1」外周のねじ部に取り付けること(上記(1-ア)b)参照)が示されている。
したがって、構造の簡素化の要請があり、そのための構造も知られているのだから、刊行物3発明において、刊行物1又は2に記載の締付け力の伝達経路を具体化する「締付けナットと前記ロールリングとの間に、外側にシャフト軸方向に移動可能に可動スリーブを密封形状に配した内ナットをねじ結合により取付け」「可動スリーブ後端部をシャフトにねじ結合で取り付けられた締付けナットで締め付ける」構造を採用することに何ら困難性は認められない。
よって、上記相違点は当業者が容易に想到し得る程度のことである。
そして、訂正発明1の効果は上記各刊行物の記載から予測し得る程度であって格別のものではない。
したがって、訂正発明1は刊行物1〜3に記載のものに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

3-3-2-3.訂正発明2について
訂正発明2は訂正発明1に更に「請求項1記載の締付けナット用ねじ部の外径が内ナット用ねじ部の外径よりも小さいこと」なる構成を付加限定したものであるが、同一シャフト部材に対して複数のリング状部材をねじ結合等により係合組立する場合において、それらの係合径に段差を設けて組立上の能率向上等を図ることは周知慣用手段であり、また、刊行物3にはシャフト(ロール本体3)への螺合径が内ナット(内ナット5)のそれよりも小さい「フイレットリング13」を「外ナット6」と一体化もしくは螺号させた構造とすること(上記(3-エ)及び第2図参照)も示されているから、刊行物3発明においてシャフト(ロール本体3)への係合個所としての締付けナット(外ナット6)用のねじ部の外径を内ナット(内ナット5)のねじ部の外径より小さくして組立上の能率向上を図ることは当業者が設計上必要に応じて適宜に選択採用できる程度のことである。
したがって、訂正発明2は刊行物1〜3に記載のものに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおり、訂正発明1、2は刊行物1〜3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、訂正発明1、2に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第1項第2号に該当するから、同法第114条第2項により特許を取り消すべきものである。
よって、結論の通り決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
スリーブロール
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 硬質材料を用いて形成されたロールリングを、シャフト外周にシャフトの一方側に固定されたフランジとシャフトの他方側に設けられた締付けナットとの間で締付け固定しているスリーブロールにおいて、前記締付けナットと前記ロールリングとの間に、外側にシャフト軸方向に移動可能に可動スリーブを密封形状に配した内ナットをねじ結合により取付け、前記可動スリーブと前記内ナット間に加圧流体が導入されるようにし、可動スリーブ後端部をシャフトにねじ結合で取付けられた締付けナットで締付けることによってロールリングを固定するように構成されたことを特徴とするスリーブロール。
【請求項2】 請求項1記載の締付けナット用ねじ部の外径が内ナット用ねじ部の外径よりも小さいことを特徴とする請求項1記載のスリーブロール。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超硬合金、硬質合金、セラミックスなどの硬質材料からなる耐摩耗性に優れたロールリングをシャフトの外周に装着して構成される組立式の圧延ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】
シャフトの外周に上記硬質材料からなるロールリングを嵌め、これを適宜の手段で固定して、そのロールリング表面で圧延を行う組立式の圧延ロール(スリーブロールと称す。)は、実開昭57-65706号公報あるいは本願発明とは構成が異なる実公昭59-40096号公報、特公昭60-20084号公報、実公昭63-3690号公報、特公平5-17405号公報に示されたものがある。
【0003】
前記実開昭57-65706号公報には、図9及び図10に示すように、シャフト本体2の締付けナット6とロールリング1の問に内部リング23(本発明の内ナットに相当)と外部リング24を配し、油圧を用いてロールリングをシャフト本体に締付固定する構成が開示されている。シャフト本体2には、締付けナット6寄りの位置で円周方向に一定の間隔で切欠26が形成された環状の突出部21が設けられている。
【0004】
内部リング23は、締付けナット6側に大径部を有し、第10図のように内周にシャフト本体2の切欠26に対して嵌合し、軸方向に通過し得る間欠的な複数の突起部22が設けられた構成となっている。この内部リング23の外側にはOリングを介して外部リング24が密封的に外嵌され、この外部リング24は内面側にリング状の突出部25を持ち、外面側からこの突出部25の外端側で開口する加圧流体導入通路15が設けられた構成となっている。
【0005】
以上の構成で、加圧流体導入通路15に加圧流体を加えることで、外部リング24がロールリング1を押圧する方向に移動され、この移動部分を締付けナット6で締付けることにより、強固な組立固定を行なっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
実開昭57-65706号公報では、その内部リング23はスリーブロール組み立ての際、シャフト軸方向に油圧の軸力等の力を受ける。すなわち内部リング23は突起部22でその力を受けることになる。しかし、内部リング23の内面側の突起部22がシャフトの突起部21の間に交互に入り込む必要性があるため、内部リング23の内周面全周にわたって突起部22を設けることは不可能であり、力を受ける部分は多くても1/2周以下分の面積となる。さらに、突起部22の根本部分に応力が集中して破損しやすい。
【0007】
また、油圧(加圧流体)を作用させて、スリーブロールを組み立て、最後に油圧を解除した状態では、内部リング23には力がほとんど作用していない。このため、外部リング24との間に設けられたOリングとの摩擦力のみにより固定された状態であり、きわめて不安定である。
【0008】
例えば、圧延中に内部リング23が振動等によって、周方向に回転すると、突起部22と突起部21との位置関係がずれ、突起同志が接触しなくなり内部リング23は軸方向にフリーとなる可能性がある。その場合、ロールリングを外す際に油圧を作用させても内部リング23がシャフトの軸方向に移動して締付けナット6に押し付けられてしまう。その結果、締付けナット6が緩まず、解体不可能に陥るという欠点がある。
【0009】
また、ロールリング内径が締付けナット6の内径に近い場合、突起部22と21の段差を確保することがシャフト2の強度的な理由で困難となり、適用が難しくなるという寸法的制限も存在する。
【0010】
さらにロールリング等を固定する際に、内部リング23と外部リング24とで構成された部分において、突起部22をシャフトに設けられた突起部21に掛合させることにより固定するのであるが、油圧ユニットを回転させる際に、その回転方向に、当たり面等を作成しにくいこと等により、回転量の調節が困難である。
【0011】
回転量が不適切となり、突起部22と突起部21との位置関係がずれて、一部分しか掛合していない場合には、油圧の軸力を受ける面積が小さくなり、突起部21や22が破損する可能性が高くなるという組み立て時の信頼性の問題がある。本発明は、これらの問題点を解消したスリーブロールを提供することを目的としたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、締付けナットとロールリングとの間に、外側にシャフトの軸方向に移動可能に可動スリーブを密封形状に配した内ナットをねじ結合により取付け、可動スリーブと内ナット間に加圧流体が導入されるようにし、可動スリーブ後端部をシャフトにねじ結合で取付けられた締付けナットで締付けることによってロールリングを固定するように構成されたことを特徴とするものである。締付けナット用ねじ部の外径を内ナット用ねじ部の外径よりも小さく設定するのも有効である。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、本発明のスリーブロール組み立て済みの図で、図2は図1の点線の円でしめした部分の拡大図である。スリーブロールは硬質材料を用いて形成されたロールリング1(例えば外径350mm程度)をシャフト2上に嵌合してシャフト2の一方の端部側に設けられたフランジ10(例えば巾40mm程度)と、シャフト2の他方の端部側から着脱可能に取付けられ締付けナット6(例えば巾50mm位)との間で締め付け固定して構成される。さらに締付けナット6とロールリング1を押さえるスペーサーリング3との間には、内ナット5(例えば巾50mm位)がねじ結合により、シャフトに取付けられる。
【0014】
内ナット5の外側には、軸方向に可動できる可動スリーブ4(例えば巾50mm位)がOリング11を介して密閉形状で嵌合されている。この可動スリーブ4は内ナット5の小径部51に嵌合する内径部41と内ナット5の大径部52に嵌合する内径部42とからなり、内ナット5と可動スリーブ4とによって加圧流体導入のための空間12が形成されるように形成されている。
【0015】
本発明のスリーブロールの組立は、まず、シャフト2の外周に硬質材料を用いて形成されたロールリング1(例えば巾70mm位)、スペーサーリング3(例えば巾70mm位、但、ロールリング間のものは140mm位)をセットする。なお、スペーサーリングは必須のものではなく、スペーサーリング無しのものも良い。
【0016】
次に可動スリーブ4が嵌め合わされた内ナット5を、シャフトのねじ部13に内ナット5がシャフト段部14に当たるまで、又は可動スリーブ4の前端部がスペーサーリング3に当たるまでねじ込む(図3)。次に、前記ねじ部13に締付けナット6を可動スリーブ4の後端部に当たるまでねじ込む。
【0017】
図2の間隔(1)27及び間隔(2)28は、いずれも次に示すように加圧流体導入空間12に油圧がかかった場合に可動スリーブ4が移動するに十分な間隔が必要で、且つ、間隔28の方を間隔27より広くしておく。
【0018】 前記の所定の組立が行なわれた後、可動スリーブ4に設けた加圧流体導入通路15を通して油圧により圧力を加える。この圧力により可動スリーブ4はロールリング1、スペーサーリング3をフランジ10側へ移動させる。この移動した量だけ締付けナット6と可動スリーブ4との間に隙間が生じる。この隙間の分だけ締付けナット6をさらに締め付けることが可能となる(図2)。この後加圧流体導入空間12の圧力を減圧すればロールリング1やスペーサーリング3が強固に固定される。
【0019】
なお、スリーブロール組み立て完了時にも若干の間隔28が残っている必要がある。すなわち、スリーブロールを組み立て、その後解体時に油圧をかけるが、その油圧が有効に作動するように、すなわち、可動スリーブ4が移動し締付けナット6が緩められるようにするためである。上記間隔、28が組み立て完了時に残っていない時には、スリーブロールの解体が不可能となる危険性が出てくるのである。
【0020】
本発明は、両側ナット構造(例えば、実公昭59-40096号公報)を避けることが可能となり、片側のフィレットリングのみを外すだけでロールリング等の着脱作業が可能となり段取り時間の短縮になる。また、内ナット5の小径部51の寸法をスペーサーリング3あるいはロールリング1の嵌合部のシャフト外径より小さくすることができ、その分だけ、加圧流体導入空間をシャフト径方向に大きく設定できるので、その加圧流体作用面積が大きくなり、結果的に同一圧力でより大きな固定力を得ることもできる。
【0021】
図4で示すものでは、締付けナット6が螺合されるシャフトのねじ19の部分の外径は、内ナット5が螺合されるねじ8の部分の外径よりも小径となっている。
【0022】
そのため、内ナット5のねじ部が締付けナット用ねじ19の部分の外端に触れずに嵌合できるので、内ナット5は、内ナット用ねじ部8にねじ込むだけとなり、ねじ込み距離を短くできる。従って、短時間でねじ込めるため、段取り時間が短縮が可能となる。
【0023】
図5は、スペーサーリング3とフランジ部材10の間のシャフト2の外周に軸方向反発エネルギーを蓄積する板バネ等の弾性部材16を、フランジ部材10の変形を防止する為の保護スペーサーリング17を介して設けている。
【0024】
この図5でのスリーブロールの組み立ては、図1すなわち、図2,図3に要部を示した場合と同様に行うのであるが、最後に加圧流体導入空間12の圧力を減圧すれば、弾性変形した弾性部材16が復元し、その復元による弾性力によってロールリング1やスペーサーリング3が強固に固定されることになる。使用中のスリーブロール全体の熱膨張に起因するロールリングの固定力の変動を抑制することもできる。
【0025】
図6では、硬質材料を用いて形成されたロールリング1がそれ以外の材料からなるテーパースペーサーリング18に挟持されている。この場合シャフト2とロールリング1との同軸度が向上し、さらにロールリングの周方向に圧縮応力が作用するので、圧延材の精度向上とロールリングの破損防止が図れる。
【0026】
図7で示すものは、フランジ部材10がナット状に形成されており、シャフト2にねじ固定されている。
【0027】
図8で示すものは、フィレットリング7(スリーブロールの回転を支える軸受ベアリングヘの外部からの異物混入による、該軸受ベアリング破損等を防止する保護用となるもの。)が一体成形された締付けナット9がねじ19に固定されている。フィレットリング7を付す時間が不要となり、結果的に段取り時間短縮が図れる。すなわち、締付けナットとフィレットリングを一体成形した場合は、スリーブロール脱着の際に、フィレットリングの着脱作業が省略される。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、内ナットをねじ結合でシャフト本体に取付けることにより、従来(実開昭57-65706号公報)の突起部の位置合わせによる結合方法と比して、ねじで力を分散したので、突起部の根本部への応力集中等による破損が少なくなり、強度的に安定したものとなる。又、シャフト部のネジ付け等を行うだけで、シャフトに大きい突出部による段差やフランジを取付ける(実公昭59-40096号公報)等で示されたシャフト全体の寸法的制約が少なく、シャフト自体の本来の強度を損なうこともない。
【0029】
更に、本願発明の組み立てられた状態では、締付けナットとシャフトとの間に内ナットが挟まれている状態になっているので、内ナットが回転してシャフトの軸方向に移動することはなく、従って、解体不能に陥ることはない。
【0030】
この発明は、以上説明したように、硬質材料からなるロールリングをシャフトに強固に固定できることはもちろん、ロールリングの着脱が容易に実施でき、着脱のための油圧機構のシャフトに対する取付け強度の安定性にすぐれている。更にシャフト自体の強度を損なうような加工をシャフトに施していないことにより、スリーブロールとしての強度も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図である。
【図2】図1の要部を拡大した図である。
【図3】図2の油圧をかける前のものである。
【図4】締付けナット用シャフト部ねじの外径が内ナット用シャフト部ねじの外径より小径とした実施例を示す図である。
【図5】弾性部材を使用した図である。
【図6】テーパー状のスペーサーリングを使用した図である。
【図7】フランジをねじによりシャフトに固定した図である。
【図8】フィレットリングと締付けナットが一体に形成された実施例を示す図である。
【図9】従来の構成図である。
【図10】図9の部分的拡大断面図である。
【符号の説明】
1…ロールリング
2…シャフト
3…スペーサーリング
4…可動スリーブ
5…内ナット
6…締付けナット
7…フィレットリング
8…内ナット用部ねじ部
9…フィレットリング一体ナット
10…フランジ
11…Oリング
12…加圧流体導入空間
13…締付けナット及び内ナット共用ねじ部
14…シャフト段部
15…加圧流体導入通路
16…弾性部材
17…保護スペーサーリング
18…テーパースペーサーリング
19…締付けナット用ねじ部
27…間隔(1)
28…間隔(2)
41,42…可動スリーブ内径部
51…内ナットの小径部
52…内ナットの大径部
 
訂正の要旨 本件訂正請求は、本件出願の願書に添付された明細書を、明りょうでない記載の釈明を目的として、訂正請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めるものであり、具体的な訂正事項は下記(1)〜(2)に示すとおりである。
(1)訂正事項a
訂正前の請求項1に記載の「導入されるように構成された」を「導入されるようにし、可動スリーブ後端部をシャフトにねじ結合で取付けられた締付けナットで締付けることによってロールリングを固定するように構成された」と訂正する。
(2)訂正事項b
訂正前明細書【0012】欄の「導入されるように構成された」を「導入されるようにし、可動スリーブ後端部をシャフトにねじ結合で取付けられた締付けナットで締付けることによってロールリングを固定するように構成された」と訂正する。
異議決定日 2000-12-04 
出願番号 特願平8-165796
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (B21B)
最終処分 取消  
前審関与審査官 國方 康伸  
特許庁審判長 影山 秀一
特許庁審判官 中村 朝幸
中澤 登
登録日 1999-05-28 
登録番号 特許第2933015号(P2933015)
権利者 住友電気工業株式会社
発明の名称 スリーブロール  
代理人 中野 稔  
代理人 上代 哲司  
代理人 中野 稔  
代理人 上代 哲司  

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