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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B29D
審判 全部申し立て 2項進歩性  B29D
管理番号 1041477
異議申立番号 異議1999-74004  
総通号数 20 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1997-06-17 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-10-22 
確定日 2001-07-07 
異議申立件数
事件の表示 特許第2886505号「抵抗制御エンドレスベルト材」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについてした平成12年9月14日付けの決定に対し、本件に係る別途訂正審判による訂正が確定した後、東京高等裁判所において決定取消しの判決(平成12年(行ケ)第414号、平成13年5月10日判決言渡)があったので、更に審理した結果、次のとおり決定する。 
結論 特許第2886505号の本件別途訂正審判による訂正後の請求項1、2に係る特許を維持する。 
理由 A.手続きの経緯(特許第2886505号)
1.平成2年12月27日 原特許出願(特願平2-414872号)
2.平成8年8月29日 本件分割出願(特願平8-228864号)
3.平成11年2月12日 特許の設定登録(特許第2886505号)
4.平成11年10月22日等 特許異議の申立(河野祥子) 外6名より
5.平成12年3月27日 取消理由通知
6.平成12年4月28日 意見書及び訂正請求
7.平成12年5月26日 訂正拒絶理由通知
8.平成12年8月7日 意見書
9.平成12年9月14日 異議決定(特許全部取消)
10.平成12年10月30日 東京高裁へ出訴(平成12年(行ケ)第414号)
11.平成12年11月30日 訂正審判請求(訂正2000-39147号)
12.平成13年2月19日 訂正審決(訂正認容)
13.平成13年4月11日 訂正確定登録
14.平成年13年5月10日 東京高裁判決(異議決定取消)

B.本件発明
本件発明は、訂正審決(訂正認容)の確定により、平成12年11月30日付け訂正請求書に記載された訂正後の明細書の特許請求の範囲1、2に記載された下記のとおりのものと認める。
また、上記平成12年4月28日付けの訂正請求は、実質的に取り下げられたものと認める。
【請求項1】導電性フィラーを配合した熱可塑性樹脂組成物からなり、その長手方向の直径の変化量が±0.5mmであると共に、その長手方向及び円周方向の表面抵抗の変化量が±1オーダー以内であり、その円周方向の肉厚の変化率が±5%であり、電子写真式複写機、レーザープリンタ等の感光体装置、中間転写装置、転写分離装置又は帯電装置の構成要素として使用されるエンドレスベルトの素材として適用されることを特徴とする継ぎ目部を有さない抵抗制御エンドレスベルト材。
【請求項2】導電性フィラーを配合した熱可塑性樹脂組成物を溶融してチューブ状に押し出し、このチューブの内外周面を温調冷却しつつ固化させ、チューブ状を維持したままで連続して引き取り、輪切り状に切断して形成したことを特徴とする請求項1に記載の継ぎ目部を有さない抵抗制御エンドレスベルト材。

C.特許異議申立の概要
1.特許異議申立人河野祥子(以下、「申立人河野」という)
(1)本件訂正前の請求項1、2及び4の発明は、甲第1号証〜甲第3号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これら請求項に係る特許は、特許法第29条第2項に違反してなされたものである。
2.特許異議申立人有限会社ツヤチャイルド(以下、「申立人ツヤチャイルド」という)
(1)本件訂正前の請求項1〜4の発明に係る出願は、適法な分割出願とはいえず、出願日の遡及は認められないから、これらの発明は原出願の公開公報(甲第1号証)に記載された発明、あるいはその発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明に係る特許は、特許法第29条第1項第3号、あるいは同法第29条第2項に違反してなされたものである。
(2)本件訂正前の請求項1〜4の発明は、甲第1号証〜甲第6号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これら請求項に係る特許は、特許法第29条第2項に違反してなされたものである。
3.特許異議申立人キャノン株式会社(以下、「申立人キャノン」という)
(1)本件訂正前の請求項1〜4の発明は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これら請求項に係る特許は、特許法第29条第2項に違反してなされたものである。
(2)本件訂正前の請求項1〜4の発明は、先願明細書(甲第3号証)に記載された発明であるから、これら請求項に係る特許は、特許法第29条の2に違反してなされたものである。
(3)本件明細書には記載不備があり、本件訂正前の請求項1〜4に係る特許は、特許法第36条に違反してなされたものである。
4.特許異議申立人須田正義(以下、「申立人須田」という)
(1)本件訂正前の請求項1及び2の発明は、甲第1号証〜甲第4号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これら請求項に係る特許は、特許法第29条第2項に違反してなされたものである。
(2)本件訂正前の請求項1及び2の発明は、先願明細書(甲第5号証)に記載された発明であるから、これら請求項に係る特許は、特許法第29条の2に違反してなされたものである。
(3)本件訂正前の請求項1及び2の発明に係る出願は、適法な分割出願とはいえず、出願日の遡及は認められないから、これらの発明は甲第5号証又は甲第6号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明に係る特許は、特許法第29条第2項に違反してなされたものである。
(4)本件明細書には記載不備があり、本件訂正前の請求項1及び2に係る特許は、特許法第36条に違反してなされたものである。
5.特許異議申立人伊藤礼子(以下、「申立人伊藤」という)
(1)本件訂正前の請求項1〜4の発明は、甲第1号証に記載された発明であるから、これらの発明に係る特許は、特許法第29条第1項第3号に違反してなされたものである。
(2)本件訂正前の請求項1〜4の発明は、甲第1号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明に係る特許は、特許法第29条第2項に違反してなされたものである。
(3)本件訂正前の請求項1〜4の発明は、先願明細書(甲第2号証)に記載された発明であるから、これら請求項に係る特許は、特許法第29条の2に違反してなされたものである。
6.特許異議申立人境恒徳(以下、「申立人境」という)
(1)本件訂正前の請求項1〜4の発明は、先願明細書(甲第1号証)に記載された発明であるから、これら請求項に係る特許は、特許法第29条の2に違反してなされたものである。
(2)本件訂正前の請求項1〜4の発明は、甲第2号証に記載された発明であるから、これらの発明に係る特許は、特許法第29条第1項第1号に違反してなされたものである。(合議体注:こ特許法第29条第1項第1号という記載は誤記であり、正しくは特許法第29条第1項第3号であろう)
(3)本件訂正前の請求項1〜4の発明は、甲第2号証及び甲第3号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明に係る特許は、特許法第29条第2項に違反してなされたものである。
(4)本件明細書には記載不備があり、本件訂正前の請求項1〜4に係る特許は、特許法第36条に違反してなされたものである。
7.特許異議申立人阿部正一(以下、「申立人阿部」という)
(1)本件訂正前の請求項1〜4の発明に係る出願は、適法な分割出願とはいえず、出願日の遡及は認められないから、これらの発明は原出願の公開公報(甲第1号証)に記載された発明、あるいはその発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明に係る特許は、特許法第29条第1項第3号、あるいは同法第29条第2項に違反してなされたものである。
(2)本件明細書には記載不備があり、本件訂正前の請求項1〜4に係る特許は、特許法第36条に違反してなされたものである。

D.本件分割要件の検討
本件は原特許出願(出願日;平成2年12月27日、特願平2-414872号)の分割出願として特許出願されたものであるが、申立人ツヤチャイルドなどから、本件は適法な分割出願ではない旨の主張がなされているのでまず検討する。
上記原特許出願の明細書(特開平4-255332号公報参照)には、次の事項が記載されている。
a.「【産業上の利用分野】本発明は、電子写真式複写機、レーザープリンタ等の感光体装置、中間転写装置、転写分離装置、帯電装置等において使用するエンドレスベルトの素材の製造方法に関するものである。」(段落【0001】)
b.「【課題を解決するための手段】(前略)エンドレスベルトの表面抵抗レベルを±1オーダー以内に制御可能なことを見出したのである。」(段落【0008】)
c.「すなわち、本発明のエンドレスベルト材の製造方法は、導電性フィラーを配合した熱可塑性樹脂組成物を溶融し、押出機に装着した環状ダイより下方にチューブ状に押し出し、このチューブの外周面に温調した気体を吹き付けるとともに、チューブの内側に供給圧力と供給流量を制御した気体を連続的に供給・排除させ、次いで、調温されたマンドレルに接触させるとともに、マンドレルに接触を開始する近傍のチューブの外周面に再度温調した気体を吹き付け、しかる後、チューブ状を維持したままで連続的に引き取って輪切り状に切断することにようにしたことを特徴とする抵抗制御エンドレスベルト材の製造方法である。」(段落【0009】)
d.「得られたチューブの長手方向の直径変化は±0.5mmであり、円周方向の肉厚変化は±5%であった。又、表面抵抗計ハイレスタHAプローブ(三菱油化(株)製)を用い、測定電圧100V、測定時間10秒で評価したところ、長手方向および円周方向の表面抵抗は3×108〜8×108Ω/□の範囲にあり電子写真式複写機用の抵抗制御エンドレスベルトとして十分満足のいくものであった。」(段落【0046】)
原出願明細書の上記a.b.及びd.の記載からみて、本件訂正後の上記【請求項1】に係る発明(以下、「本件訂正発明1」という)は、原出願明細書に記載されていると認められ、また、上記a.b.c.及びd.の記載からみて、本件訂正後の上記【請求項2】に係る発明(以下、「本件訂正発明2」という)は、原出願明細書に記載されている発明であると認められる。
そして、原出願の特許発明(特許番号2886350号)は、特許請求の範囲に記載された特定の構成を有する「抵抗制御エンドレスベルト材の製造方法」の発明であって、本件訂正発明1及び2とは、異なる発明であると認められる。
したがって、本件出願は、適法な分割出願であると認められ、その出願日は、原出願の出願日である平成2年12月27日に遡及する。

E.甲各号証記載の発明の内容
1.申立人河野の提出した甲号証
甲第1号証:特開昭64-26439号公報
積層シームレスフィルムベルトと題する発明が記載されており、「内径265mm、厚さ20μmの二軸延伸チューブ状フィルムを熱処理したものの厚み精度が±3μmである」(実施例2)旨の記載(アの記載)が認められる。
甲第2号証:特開昭63-246748号公報
「(1)軸線まわりに回転駆動されその内面の半径が前記軸線方向に一様である回転型内に、まず、液状の有機光導電材料を入れて回転型の内面に有機光導電層を形成し、その有機光導電層が固化した後で、液状導電性材料を入れて基層を形成し、その基層が固化した後で離型することを特徴とする無端状有機感光体の製造方法。」(特許請求の範囲第1項)、
「光導電層の厚みを全面にわたって均一にしかも無欠点で容易に形成することができる。」(第3頁左上欄10〜11行)、
「回転型12の内面は高精度であって、円筒度および表面粗度が向上されている。」(第3頁左下欄5〜6行)、
「最終的に得られた無端状有機感光体の電荷移動層23の外径は60.1mmφであり、その電荷移動層23の表面の表面粗度は0.3μmであり、外周面の円筒度は左右1mmを除き、5μm以下であった。」(第6頁左上欄18〜同頁右上欄2行)の記載が認められる。
甲第3号証:特開昭63-311263号公報
「カーボンブラックを5〜20wt%含有し、表面抵抗率Rs(Ω/□)が107≦Rs≦1015の範囲にある芳香族ポリアミドフィルム又は芳香族ポリイミドフィルムからなることを特徴とする電子写真記録装置用中間転写体。」(特許請求の範囲)、
「抵抗にむらがあったり、表面が粗れる(中略)などの問題がある。」(第2頁3〜5行)、
「得られたフィルムからエンドレスベルトを作製し、」(第6頁右下欄18〜19行)の記載(イの記載)が認められる。
2.申立人ツヤチャイルドの提出した甲号証
甲第1号証:特開平4-255332号公報
本件原出願の公開公報(公開日;平成4年9月10日)である。
甲第2号証:シャープ技報 Vol.42(1989年9月25日発行)第105〜110頁
フルカラー複写機CX7500の開発と題する報文であり、
「2つのベルトの周長は理想的には2:1の比になっているべきであるが、実際には多少の誤差が伴う。そのためコピーを続けて行くうちに2つのベルトの相対位置がずれて来て、感光体ベルトの継ぎ目が画像を作る領域に出て来てしまう。これを防ぐためにコーピー中、作像の隙間で感光体ベルトの位置を少しずらして調整を行っている。しかし、ベルトの周長誤差が余り大きいと調整量が大きくなって色ずれの原因になるため、1/1000の精度で周長の管理を行っている。」(第107頁右欄10〜18行:ウの記載)、
「(2)転写ベルト
ローラー転写を採用しているため、1×109〜1×108Ωの抵抗値にベルト全面が入る必要があった。ベルト材はポリカーボネイトにカーボンを分散したものであるが、この範囲内に抑え込むことは極めて難しい。そこで、フィルム膜厚、フィルム加工温度やカーボン形状等を変えて最適条件を決定した。」(第110頁左欄22行〜右欄1行)の記載が認められる。
甲第3号証:特開平1-228823号公報
「押出機に装着した環状ダイより押出されたチューブ状ポリカーボネートフィルムの内側に供給圧力と、供給量とを制御した気体を連続的に供給・排出させながら冷却マンドレルに接触されて冷却固化させチューブ状態を維持したままで連続して引取るようにしたことを特徴とするチューブ状ポリカーボネートフィルム製造法。」(特許請求の範囲第1項)、
「得られたフィルムは直径の変化が±0.5%であり、円周方向の厚み変化が±5%、(中略)直径と厚さを均一とし、折り目のないチューブ状ポリカーボネートフィルムであった。」(第6頁右上欄末行〜左下欄9行:エの記載)、
「本発明は直径と厚さの均一な折り目のないチューブ状ポリカーボネートフィルムを製造することができるから、所要長さに切断し輪切り状とし、電子機器の感光ベルトとすると全長全幅に亘って一様な機能を発揮させることができ、継ぎ目、折り目がないから駆動ベルトとしても好適である等、工業資材として多くの用途に用いることができる。」(第6頁左下欄11〜18行)の記載が認められる。
甲第4号証:特開平1-268760号公報
「絶縁性高分子成形材料中に、下記の(A)成分および(B)成分が含有されて半導電性が付与されていることを特徴とする半導電性高分子材料組成物。
(A)体積固有抵抗が10-6〜10-1Ω・cmの良導電材粉末。
(B)体積固有抵抗が101〜104Ω・cmの導電化亜鉛の疎水処理粒子。」(特許請求の範囲)、
「これを用いて例えば現像ロールのスリーブ等を製造する場合において、電機特性の均一性を備え、しかも温度、湿度変化による体積固有抵抗、表面抵抗の変動幅の極めて小さいものを製造することができる。その結果、高画質の複写像を形成することができ、また、フルカラー型の電子写真複写機にも対応できるようになる。」(第6頁左下欄2〜9行)の記載が認められる。
甲第5号証:特開平1-142569号公報
導電性ロールと題する発明が記載されている。
甲第6号証:日本接着協会誌 Vol.23 No.3(1987) 23〜31頁
「導電性から見た粒子分散系高分子材料におけるぬれと分散性」と題する報文が記載されている。
3.申立人キャノンの提出した甲号証
甲第1号証:特開平1-228823号公報
申立人ツヤチャイルドの提出した甲第3号証と同じ。
甲第2号証:シャープ技報 Vol.42
申立人ツヤチャイルドの提出した甲第2号証と同じ。
甲第3号証:特開平3-89357号公報(出願日;平成1年9月1日、公開日;平成3年4月15日)
「(1)導電性カーボンを配合したポリカーボネートの継目のないチューブ状フィルムを軸方向と直角の方向に所定長さに切断して得られ、フィルム各部の表面電気抵抗が105〜1013Ω/□の範囲にあり且つ表面電気抵抗の最大値に対する最小値の比が0.01以上の範囲にあることを特徴とする、継目のない半導電性ベルト。
(2)複写機器の映像機能性ベルトとして使用される請求項(1)のベルト。」(特許請求の範囲)、
「環状ダイスからの押出し成膜する際、定径、定厚等の寸法精度を得るためには、インサイド若しくはアウトサイドマンドレルにより規制するのが望ましい。」(第3頁左上欄12〜16行)、
「またフィルムの厚さの変動も体積電気抵抗に影響を与え、ひいては表面電気抵抗の変動をもたらす恐れがあるので、厚み精度のコントロールにも注意を要する。」(第3頁左下欄下から2行〜右下欄2行)、
「以上のような条件で製造することにより、表面電気抵抗値、体積電気抵抗値等のバラツキを少なくコントロールすることができ、かつ、良好な表面精度、すなわち表面の平滑性を維持でき、加えて径、厚さ等の寸法精度に優れたチューブ状フィルムの製造が可能となる。勿論電気抵抗値、表面精度、寸法精度等にこだわらない場合は、どのようにチューブ状にフィルム化しても自由であるが、複写機等における映像機能性ベルト、メモリー機能、静電コントロール機能、搬送等に用いる場合は、上記各性能を供えることが望ましい場合が多い。」(第4頁6〜17行)の記載が認められる。
甲第4号証:特開平4-255332号公報
申立人ツヤチャイルドの提出した甲第1号証と同じ。
甲第5号証:特許第2592000号公報(甲第3号証に係る出願の特許公報)
甲第6号証:特許第2592000号公報に対する異議申立書
甲第7号証:特開昭63-311263号公報
申立人河野の提出した甲第3号証と同じ。
4.申立人須田の提出した甲号証
甲第1号証:特開昭57-11349号公報
「記録層と導電層と支持体より成り、該導電層が60〜98重量部の有機高分子バインダーに2〜40重量部の導電性微粉末を分散した系で構成され、その表面固有抵抗値が106〜108オームであることを特徴とする静電記録体。」(特許請求の範囲)の記載が認められる。
甲第2号証:特開平1-228823号公報
申立人ツヤチャイルドの提出した甲第3号証と同じ。
甲第3号証:特開昭59-190103号公報
「(技術分野)本発明は無端ベルト感光体、搬送用無端ベルト等の無端ベルトに関するものであり、特にその蛇行修正装置に関するものである。
(従来技術)無端ベルトは少なくとも2本のローラに掛け渡されて張られ、走行するものであるが、各ローラが完全に平行であり、また無端ベルトが左右周長の差のない完全な円筒体に相当する精度を有する場合のみベルト走行は左右に寄らないで、即ち、蛇行しないで行われる。」(第1頁左下欄下から6行〜右下欄5行)の記載が認められる。
甲第4号証:特開昭62-158015号公報
柔軟肉薄管の押出し装置及び押出し方法と題する発明が記載されており、「例えば、精巧な高速の電子写真式複写機、複写器及びプリンタに使用される光受容体基盤のような静電写真部材は、その上の導電層が光学的露光装置、帯電装置、クリーニング装置及び画像転写ステーションから正確な距離に保持されるように、均一な厚さ及び直径を有していなければならない。従って、これらの距離は光受容体ベルトの巾及び周に沿って均一であることが必要であり、しわのようなどんな欠陥もあってはいけない。更にまた、高速の電子写真式複写機、複写器及びプリンタは、特に長時間高速運転中に、ベルトを正しく支持及び追跡するために、均一な円錐性を有するベルト、即ちベルトの一方の側から他方の側までの直径が均一であることを必要とする。更にまた、最新の電子写真式複写機、複写器及びプリンタのベルト支持駆動装置上に正しく嵌合するために、光受容体ベルトの直径の再現性が必要となる。」(第3頁左下欄11行〜右下欄8行)、
「以上のような事情から、高度の許容度標準を満足させる肉厚及び管径を有する継ぎ目なし、肉薄、しわなしのベルトを形成するために、特に、最新の精密高速の電子写真式写像装置の寸法的均一性の要求条件に適合する管のための改善されたより効果的な装置に対する要望が常にある。」(第4頁右下欄13〜18行)の記載が認められる。
甲第5号証:特開平4-93210号公報
「(1)有機高分子材料中に導電性微粉末を分散させた原材料を主成分とすると共に、遠心成形してなるシームレスベルトであって、その表面抵抗値が107Ω/□以下であり、その表面粗さが2.0μ以下であることを特徴とする導電性シームレスベルト。
(2)有機高分子材料が熱可塑性樹脂である請求項(1)に記載の導電性シームレスベルト。」(特許請求の範囲)
「本発明に係るシームレスベルトの用途としては特に制限はないが、好ましくは複写機等の感光性ベルト(電子写真感光体)の基材、転写ベルト、定着ベルトやOA機器等各種プリンターの記録体ベルトの基材等、いわゆる機能性ベルトとして特に広範な利用が期待されている。」(第3頁左上欄6〜11行)、
「<実施例1>ポリエーテルサルフォン12gをN-Nジメチルアセトアミド80gに溶解し、しかる後ケッチンブラックEC0.18gを添加してボールミルを用いて撹拌し、十分に分散させて原材料溶液(原液)とした。(中略)導電性シームレスベルトを得た。得られたシームレスベルトは外径99mm、厚さ100μ、表面電気抵抗104Ω/□、厚さバラツキ±5μ、外径バラツキ±0.1mm、表面粗さ0.9μで、表面精度、寸法精度の極めて優れたものであった。」(第3頁左上欄下から2行〜右上欄下から3行)
上記記載を総合すると、甲第5号証には、「導電性フィラーを配合した熱可塑性樹脂組成物からなり、表面電気抵抗が104Ω/□であり、その長手方向の直径の変化量が±0.1mmであると共に、その円周方向の肉厚の変化率が±5%であり、電子写真式複写機、プリンタ等の感光体装置の構成要素として使用されるエンドレスベルトの素材として適用されることを特徴とする継ぎ目部を有さない抵抗制御エンドレスベルト材。」の発明(以下、「甲第5号証先願発明」という)が記載されていると認められる。
甲第6号証:特開平4-255332号公報
申立人ツヤチャイルドの提出した甲第1号証と同じ。
5.申立人伊藤の提出した甲号証
甲第1号証:シャープ技報 Vol.42
申立人ツヤチャイルドの提出した甲第2号証と同じ。
甲第2号証:特開平3-89357号公報
申立人キャノンの提出した甲第3号証と同じ。
甲第3号証:特開昭62-156682号公報
「(1)導電性フィラーを含む熱可塑性エラストマーまたはアイオノマーよりなる内側の導電体層と、熱可塑性樹脂よりなる外層の誘電体層とによって構成され、両層が無端環状に一体に結合されている転写ベルト。」(特許請求の範囲第1項)の記載が認められる。
6.申立人境の提出した甲号証
甲第1号証:特開平3-89357号公報
申立人キャノンの提出した甲第3号証と同じ。
甲第2号証:特開平1-228823号公報
申立人ツヤチャイルドの提出した甲第3号証と同じ。
甲第3号証:特開平1-309083号公報
「1 熱可塑性樹脂(A)98〜75重量%に、ポリエーテルエステルアミドまたはポリエーテルアミド(B)2〜20重量%およびスルフォン酸金属塩0〜3重量%を配合してなる熱可塑性樹脂フィルムまたはシート状物からなり、かつ該フィルムまたはシート状物の体積固有抵抗が1×1010〜1×1014Ωcmの範囲にあることを特徴とする制電性エンドレスベルト。」(特許請求の範囲第1項)の記載が認められる。
甲第4号証:特開平2-106530号公報
「1 ビニリデンフロライド99〜70モル%にヘキサフルオロプロペン1〜30モル%を共重合せしめた共重合体から主としてなるフィルムで構成されてなる制電性エンドレスベルト。」(特許請求の範囲第1項)、
「上記エンドレスベルト基材から所定寸法に切断したカットシートの両端を高周波接着機を用いて接合し、制電性エンドレスベルトを得た。」(第7頁右上欄17〜19行)の記載が認められる。
7.申立人阿部の提出した甲号証
甲第1号証:特開平4-255332号公報
申立人ツヤチャイルドの提出した甲第1号証と同じ。

F.対比・判断
1.本件訂正発明1に対して
(1)申立人河野の申立に対して
本件訂正発明1は、「長手方向の直径の変化量が±0.5mm(合議体注:±0.5%ではない)であり、円周方向の肉厚の変化率が±5%」という要件(以下、「本件寸法均一要件」という)、及び長手方向及び円周方向の表面抵抗の変化量が±1オーダー以内という要件(以下、「本件表面抵抗変化量要件」という)をも備えた継ぎ目部を有さない抵抗制御エンドレスベルト材である。
これに対して、甲第1号証の発明は、寸法精度の高いシームレスフィルムベルトであるが、寸法精度として具体的に示されているのは、円周方向の肉厚の変化率が±15%(アの記載参照)というだけのものであって、本件寸法均一要件及び本件表面抵抗変化量要件のいずれをも示唆するものではない。
甲第2号証には、円筒度及び表面粗度が向上した無端状有機感光体の発明が記載されているけれども、表面粗度は肉厚の変化率とは関係しないものであるから、甲第2号証に、本件寸法均一要件が記載されているとは認められないし、本件表面抵抗変化量要件については示唆するところもない。
甲第3号証には、電子写真記録装置用中間転写体において、「抵抗にむら」があることは好ましくないと記載されているだけで、本件寸法均一要件及び本件表面抵抗変化量要件を示唆する記載はなく、しかもこの転写体は継ぎ目を有するものであると認められる(イの記載参照)。
前者は、上記二つの要件をも含んだ構成をとることにより、本件明細書記載の効果を奏し得ているものと認められる。
したがって、本件訂正発明1は、甲第1号証〜甲第3号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
(2)申立人ツヤチャイルドの申立に対して
a.本件出願は、上記のとおり適法な分割出願であって、出願日の遡及は認められるから、原出願の公開公報(甲第1号証)は、本件出願後に頒布された刊行物である。
したがって、本件訂正発明1は、本件出願前に頒布された刊行物に記載された発明であるとはいえない。
b.甲第2号証には、フルカラー複写機における転写ベルトの抵抗値が、ベルト全面において1×109〜1×108になっているとの記載がなされているが、本件寸法均一要件を示唆する記載はなく、しかも、この転写体(感光ベルト)は「感光体ベルトの継ぎ目」という記載があることから継ぎ目部を有するものであると認められる(ウの記載参照)。
甲第3号証には、継ぎ目部を有さないエンドレスベルト材の発明が記載されており、得られたフィルムの円周方向の厚みの変化率は±5%であるものの、直径の変化は±0.5%であって、本件訂正発明1における直径の変化(±0.5mm)とは相違し(エの記載参照)、しかも本件表面抵抗変化量要件を示唆する記載はみられない。
甲第4号証及び甲第5号証の発明はロールの発明であって、本件訂正発明1のベルト材の発明とは異なるものであり、しかも、本件寸法均一要件については示唆するところもない。
甲第6号証には、本件訂正発明1の構成を示唆する記載は見られない。
そして、本件訂正発明1は、上記二つの要件をも具備した構成をとることにより、本件明細書記載の効果を奏し得ているものと認められる。
したがって、本件訂正発明1は、甲第1号証〜甲第6号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
(3)申立人キャノンの申立に対して
a.甲第1号証には、継ぎ目部を有さないエンドレスベルト材の発明が記載されており、得られたフィルムの円周方向の厚みの変化率は±5%であるものの、直径の変化は±0.5%であって、本件訂正発明1の直径の変化(±0.5mm)とは相違し(エの記載参照)、しかも本件表面抵抗変化量要件を示唆する記載はみられない。
また、甲第2号証には、フルカラー複写機における転写ベルトの抵抗値が、ベルト全面において1×109〜1×108になっているとの記載がなされているが、本件寸法均一要件を示唆する記載はなく、しかも、上記のとおりこの転写体は継ぎ目部を有するものであると認められる。
そして、本件訂正発明1は、上記二つの要件をも具備した構成をとることにより、本件明細書記載の効果を奏し得ているものと認められる。
したがって、本件訂正発明1は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
b.先願明細書(甲第3号証)に記載された発明は、本件表面抵抗変化量要件を具備した継ぎ目部を有さない抵抗制御エンドレスベルト材であり、しかもベルトの径及び厚みについても寸法精度が必要である旨の記載もなされている。
しかしながら、その寸法精度に関して、精度として必要とされる数値、特に本件寸法均一要件と一致するような具体的な数値は記載されていないので、この先願明細書(甲第3号証)に記載された発明が、直ちに本件訂正発明1と同一の発明であるとすることはできない。
c.本件特許請求の範囲は訂正され、訂正後の本件訂正発明1は(本件訂正発明2も)、上記のとおり原出願明細書に記載されていた発明であると認められるから、本件明細書には申立人キャノンの主張するような記載不備があるとはいえない。
(4)申立人須田の申立に対して
a.甲第1号証の発明は、その表面固有抵抗値が106〜108オームである静電記録体が記載されているけれども、この106〜108オームという抵抗値は、単に大きさを示しているものであって、バラツキの範囲を示しているものであるとは認められないから、この数値が、本件表面抵抗変化量要件を意味するものとはいえず、また、甲第1号証には本件寸法均一要件を示唆する記載はない。
甲第2号証には、継ぎ目部を有さないエンドレスベルト材の発明が記載されており、得られたフィルムの円周方向の厚みの変化率は±5%であるものの、直径の変化は±0.5%であって、本件訂正発明1の直径の変化量(±0.5mm)とは相違し(エの記載参照)、しかも本件表面抵抗変化量要件を示唆する記載はみられない。
甲第3号証には、無端ベルトが左右周長の差のない完全な円筒体に相当する精度を有する場合のみベルト走行は蛇行しないで行われることを教示するのみで、具体的に本件寸法均一要件を示唆する記載はない。
甲第4号証には、電子写真式複写機等に用いるベルトは、均一な厚さ及び直径(ベルトの一方の側から他方の側までの直径)を有する必要のあることが記載されているものの、具体的に本件寸法均一要件を示唆する記載はなく、また、本件表面抵抗変化量要件についての記載はみられない。
そして、本件訂正発明1は、上記二つの要件をも具備した構成をとることにより、本件明細書記載の効果を奏し得ているものと認められる。
したがって、本件訂正発明1は、甲第1号証〜甲第4号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
b.本件訂正発明1と前記甲第5号証先願発明とを対比すると、本件訂正発明1の長手方向の直径の変化量が「±0.5mm」であるのに対して、該先願発明の長手方向の直径の変化量が「±0.1mm」である点、及び、本件訂正発明1では、長手方向及び円周方向の表面抵抗の変化量が±1オーダーであるのに対して、該先願発明では、表面抵抗として「107Ω/□以下」と規定しているだけで、その変化量については記載されていない点で相違している。
したがって、本件訂正発明1は、甲第5号証先願発明と直ちに同一の発明であるとすることはできない。
c.本件出願は、上記のとおり適法な分割出願であって、出願日の遡及は認められるから、甲第5号証及び原出願の公開公報(甲第6号証)は、本件出願後に頒布された刊行物である。
したがって、本件訂正発明1は、甲第5号証又は甲第6号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものではない。
d.本件特許請求の範囲は訂正され、訂正後の本件訂正発明1は(本件訂正発明2も)、上記のとおり原出願明細書に記載された発明であると認められるから、本件明細書には申立人須田の主張するような記載不備があるとはいえない。
(5)申立人伊藤の申立に対して
a.及びb.甲第1号証記載の発明は、フルカラー複写機における転写ベルトであって、抵抗値が、ベルト全面において1×109〜1×108になっているものであるが、本件寸法均一要件を示唆する記載はなく、しかも、この転写体(感光ベルト)は継ぎ目を有するものであると認められる(ウの記載参照)。
そして、本件訂正発明1は、上記二つの要件をも具備した構成をとることにより、本件明細書記載の効果を奏し得ているものと認められる。
したがって、本件訂正発明1は、甲第1号証に記載された発明であるとも、甲第1号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。
c.先願明細書(甲第2号証)に記載された発明は、前者における表面抵抗変化量要件を具備した継ぎ目部を有さない抵抗制御エンドレスベルト材であり、しかもベルトの径及び厚みについても寸法精度が必要である旨の記載もなされている。
しかしながら、その寸法精度に関して、精度として必要とされる数値、特に本件寸法均一要件と一致するような具体的な数値は記載されていないので、この先願明細書(甲第2号証)に記載された発明が、直ちに本件訂正発明1と同一の発明であるとすることはできない。
(6)申立人境の申立に対して
a.先願明細書(甲第1号証)に記載された発明は、本件表面抵抗変化量要件を具備した継ぎ目部を有さない抵抗制御エンドレスベルト材であり、しかもベルトの径及び厚みについても寸法精度が必要である旨の記載もなされている。
しかしながら、その寸法精度に関して、精度として必要とされる数値、特に本件寸法均一要件と一致するような具体的な数値は記載されていないので、この先願明細書(甲第1号証)に記載された発明が、直ちに本件訂正発明1と同一の発明であるとすることはできない。
b.甲第2号証には、継ぎ目部を有さないエンドレスベルト材の発明が記載されており、得られたフィルムの円周方向の厚みの変化率は±5%であるものの、直径の変化は±0.5%であって、本件訂正発明1の直径の変化量(±0.5mm)とは相違し(エの記載参照)、しかも本件表面抵抗変化量要件を示唆する記載はみられない。
したがって、本件訂正発明1は甲第2号証に記載された発明であるといえない。
c.甲第2号証には、上記のとおり、円周方向の厚みの変化率は±5%であるものの、直径の変化は±0.5%であって、本件訂正発明1の直径の変化量(±0.5mm)とは相違し、しかも本件表面抵抗変化量要件を示唆する記載はみられない。
また、甲第3号証には、制電性エンドレスベルトの発明が記載されているけれども、本件寸法均一要件及び本件表面抵抗変化量要件のいずれも記載されておらず、それらを示唆する記載もみられない。
そして、本件訂正発明1は、上記二つの要件をも具備した構成をとることにより、本件明細書記載の効果を奏し得ているものと認められる。
したがって、本件訂正発明1は、甲第2号証及び甲第3号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
d.本件訂正発明1における「表面抵抗の変化量が±1オーダー」とは本件明細書の段落【0043】の記載からみても、変化量が「100倍以内」であることを意味するものであることは自明であり、また、本件明細書の発明の目的、構成、効果の記載において他に格別の不備あるとはいえないから、本件明細書には申立人境の主張するような記載不備があるとはいえない。
(7)申立人阿部の申立に対して
a.本件出願は、上記のとおり適法な分割出願であって、出願日の遡及は認められるから、原出願の公開公報(甲第1号証)は、本件出願後に頒布された刊行物である。
したがって、本件訂正発明1は、甲第1号証に記載された発明、又は、甲第1号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
b.原出願明細書の段落【0044】には、マンドレルの外径が135mmφであると記載されているから、マンドレルに接して成形されて得られたベルトの径が135mmであることは記載されているに等しいといえるし、本件訂正発明1における「長手方向の直径の変化量が±0.5mm」との記載の技術的意味は、原出願明細書の段落【0046】の記載及び本件特許明細書段落【0047】の記載からみて、得られたチューブの長手方向の直径の測定値のバラツキ、つまり測定値の平均値からの変位量が±0.5mmである、つまり±0.5mmよりも大きくなく、また±0.5mmよりも小さくない」ことは明らかであるから、本件明細書には申立人阿部の主張するような記載不備があるとはいえない。
また、他に本件訂正発明1を独立して特許を受けることができないものとする理由を発見しない。
2.本件訂正発明2に対して
本件訂正発明2は、本件訂正発明1の抵抗制御エンドレスベルト材に対して、更に「導電性フィラーを配合した熱可塑性樹脂組成物を溶融してチューブ状に押し出し、このチューブの内外周面を温調冷却しつつ固化させ、チューブ状を維持したままで連続して引き取り、輪切り状に切断して形成した」という事項を付加して技術的に限定したものであるから、更に検討するまでもなく、上記「本件訂正発明1に対して」において記載した理由と同様の理由により特許を受けることができないものとすることはできない。

G.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件請求項1、2に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1、2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2000-09-14 
出願番号 特願平8-228864
審決分類 P 1 651・ 113- Y (B29D)
P 1 651・ 121- Y (B29D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 加藤 友也  
特許庁審判長 小林 正巳
特許庁審判官 仁木 由美子
喜納 稔
登録日 1999-02-12 
登録番号 特許第2886505号(P2886505)
権利者 三菱化学株式会社
発明の名称 抵抗制御エンドレスベルト材  
代理人 吉田 維夫  
代理人 樋口 外治  
代理人 石田 敬  
代理人 伊藤 克博  
代理人 西山 雅也  
代理人 鶴田 準一  
代理人 須藤 阿佐子  
代理人 金田 暢之  
代理人 石橋 政幸  

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