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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1042544 |
審判番号 | 審判1999-15466 |
総通号数 | 21 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1997-07-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-09-30 |
確定日 | 2001-07-16 |
事件の表示 | 平成 8年特許願第 7380号「電子メール着信確認装置」拒絶査定に対する審判事件[平成 9年 7月31日出願公開、特開平 9-198327]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.経緯、要旨 本願発明は、平成8年1月19日に出願され、平成11年3月9日及び平成11年10月27日に手続補正書をもって補正されたものである。 このうち、平成11年10月27日付手続補正書は、別途補正却下の決定をもって却下されたことから、本願発明の要旨は、平成11年3月9日付手続補正書により、補正された特許請求の範囲に記載されたとおりのものであると認められるところ、その請求項1に記載された発明(以下、第1発明という。)は、下記のとおりのものである。 「所定のイベントの発生に基づいて電子メール・サービスへの接続手続きを実行する手段と、指定されたユーザ宛の電子メールの蓄積を判別する手段と、前記判別に基づいて電子メールの蓄積をユーザに知覚させる手段とを変復調器の機能を有する電気機器に備えたことを特徴とする電子メール着信確認装置。」 2.引用例 本願出願前の平成1年4月12日に出願公開された特開平1-93947号公報(平成10年11月20日付け拒絶理由通知書の引用文献1。以下、引用例という。)には、下記の点が記載されている。 a.「利用者毎にメッセージを格納するメールボックスを持つセンタ装置に通信回線を介して接続される電子メール用端末装置において、予め設定された1以上の利用者に関する情報に基づいて、前記センタ装置に対し、当該利用者毎のメッセージの着信の有無を予め設定された周期で問い合わせると共に、当該問い合わせ結果を含む情報を出力する制御手段と、前記制御手段から出力される情報を表示する表示手段とを具備することを特徴とする電子メール用端末装置。」(特許請求の範囲の欄。) b.「以下、表示専用の場合のCPU211の制御手順について説明する。(1)センタ装置との間にバスを設定する。・・・(2)・・・センタ装置1にログインする。・・・(4)メッセージ検索コマンドをセンタ装置1に送出することにより、センタ装置1にメールボックス11中のメッセージリストを読みださせて送出させ、更にこれを受信する。このメッセージリストは、当該利用者のメールボックスに蓄積されたメッセージ数と・・・(5)当該利用者に対するメッセージ数がゼロでなければ、利用者の名前に対応させてメッセージありの表示を表示部218の表示画面に行う。・・・(6)ログアウトコマンドを送出し、当該利用者に対するアクセスを終了する。(公報、第3頁左上欄第17行乃至左下欄第12行。なお、丸数字をカッコ数字で表記した。) 3.対比、判断 前記引用例に記載された「表示手段」は、第1発明の「ユーザに知覚させる手段」に相当する。 第1発明の「所定のイベントの発生」は、発明の詳細な説明の項の記載によれば、「所定のイベントの発生たとえばタイマのタイムアップ、設定時刻の到来等」(【0011】の欄を参照。)であることから、引用例に記載された「予め設定された周期で問い合わせる」ことは、第1発明の「所定のイベントの発生」に相当する。 また、引用例の記載bによれば、引用例に記載されたものも、第1発明の「電子メール・サービスへの接続手続きを実行する手段」と「指定されたユーザ宛の電子メールの蓄積を判別する手段」とを備えているものであるところから、両者は、「所定のイベントの発生に基づいて電子メール・サービスへの接続手続きを実行する手段と、指定されたユーザ宛の電子メールの蓄積を判別する手段と、前記判別に基づいて電子メールの蓄積をユーザに知覚させる手段とを備えたこ電子メール着信確認装置」である点で一致し、第1発明には、「変復調器の機能を有する電気機器」である点が記載されているのに対し、引用例に記載されたものは、そうではない点で相違する。 該相違点につき検討するに、変復調器の機能を有する電気機器を設けることにより、端末装置をオンにしておく必要をなくすることは、本願出願前周知技術である。 この点については、例えば、特開平3-3450号公報(平成11年6月3日付拒絶理由通知書中の引用文献1。本願出願前の平成3年1月9日に出願公開。)に記載されたモデムは、コンピュータの電源が入っていない場合でもメール到着を知ることができ(公報、第2頁右下欄第18行乃至第3頁左上欄第2行。)、また本願出願前の平成7年12月22日に出願公開された特開平7-334439号公報に記載された通信装置は、パソコンの電源部とは別個の電源部を有する通信装置により、パソコンの電源が入っていない状態であってもメールを受信することができる(公報、第1頁の【要約】の欄。)ものであることを参照されたい。 したがって、第1発明は、前記引用例に記載された事項に前記周知技術を採用することにより、当業者が容易に構成し得たものである。 また、該構成を採用することによる作用効果も、格別のものではないから、第1発明は、当業者が容易に発明をすることができたものである。 したがって、第1発明は、前記引用例に記載された事項に前記周知技術を採用することにより、当業者が容易に構成し得たものである。 また、該構成を採用することによる作用効果も、格別のものではないから、第1発明は、当業者が容易に発明をすることができたものである。 3.まとめ 以上のとおりであるから、第1発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2001-04-20 |
結審通知日 | 2001-05-08 |
審決日 | 2001-05-31 |
出願番号 | 特願平8-7380 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 鳥居 稔 |
特許庁審判長 |
川嵜 健 |
特許庁審判官 |
吉村 宅衛 稲葉 和生 |
発明の名称 | 電子メール着信確認装置 |