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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G11B
管理番号 1042895
審判番号 不服2000-16774  
総通号数 21 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1992-04-07 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-10-19 
確定日 2001-07-12 
事件の表示 平成2年特許願第222828号「光ディスク記録及び/又は再生装置」拒絶査定に対する審判事件[平成4年4月7日出願公開、特開平4-105284]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 《1》 手続の経緯・本願発明
本願は、平成2年8月24日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成12年11月16日付けの手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、本願の特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のもの(以下、「本願発明」という。)と認める。
「【請求項1】
収納された光ディスクを外方に臨ませる開口部を開閉するシャッタが設けられたディスクカートリッジが挿入され、上記挿入されたディスクカートリッジを保持して上記光ディスクの記録又は再生位置と当該記録又は再生位置の上方の上記ディスクカートリッジの挿入又は排出位置との間を移動するホルダと、
上記ホルダの上記ディスクカートリッジの上記ホルダへの挿入方向と平行な側面に設けられ、上記シャッタの開閉を行うシャッタ開放手段と、
上記ディスクカートリッジの上記ホルダへの挿入方向とほぼ直交する方向に移動自在に配される光ヘッドと、
上記記録又は再生位置に移動された上記ホルダに保持された上記ディスクカートリッジ内の光ディスクが装着され上記光ディスクを回転駆動する回転駆動手段と、
上記ホルダに保持されている上記ディスクカートリッジを排出する方向に付勢手段によって付勢され、先端側に設けられ上記ホルダに挿入された上記ディスクカートリッジと当接する当接部を有し、上記ホルダの上記ディスクカートリッジの上記ホルダへの挿入方向前端側の隅部と対応する位置に回動自在に配されて上記ホルダから上記ディスクカートリッジを排出するイジェクトレバーと、
移動操作されることによって上記ホルダを上記記録又は再生位置と上記挿入又は排出位置との間を移動させるイジェクト部材と、
上記イジェクトレバーによって上記イジェクト部材を上記ホルダの上記挿入又は排出位置にロックし又はロック解除させるロックレバーとを
備えている光ディスク記録及び/又は再生装置。」


《2》 原査定の拒絶の理由で引用された文献
1.特開平2-89249号公報(以後、「引用例1」という。)には、以下の事項が記載されている。
(1)
「(b.磁気ディスクカセット)[第2図、第4図、第8図、第9図]
19は上記した電子スチルカメラ1に使用される磁気ディスクカセットである。
20は磁気ディスクカセット19のカセットケースであり、合成樹脂によって扁平な四角形の箱状をしている。21は記録媒体としての磁気ディスクであり、・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
26はカセットケース20に摺動自在に設けられたシャッターであり、上記ヘッド挿入孔25、25を開閉する(第2図はヘッド挿入孔25、25を閉じた状態で、第4図はヘッド挿入孔25、25を開いた状態で示していある。)ためのものである。」(第4頁右上欄第6行〜左下欄第12行)

(2)
「(c-3.カセットローディング機構)[第4図乃至第9図]
(c-3-イ.構造)[第4図乃至第9図]
40は外筺2内に設けられたカセットローディング機構であり、上記磁気ディスクカセット19を記録再生部へ装着し、また、記録再生部に装着されている磁気ディスクカセット19を外筺2外へイジェクトするための機構である。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
49はカセットホルダであり、左右の底片50、50と左右両側板51、52と天板53とから成り、前後が開口し左右に長く上下が薄い扁平な角筒状をしている。
カセットホルダ49の・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
56はスライダーであり、底板57と左右両側板58、59とから成り、底板57の中央部には大きな挿通孔60が形成されている。
また、左右両側板58、59はその前後に・・・・・・・・傾斜した駆動スリット61、61、...が形成されている。
そして、かかるスライダー56は、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カセット支持台42に対して前後方向へ摺動自在に支持されている。そして、このスライダー56の左右両側板58、59に形成された駆動スリット61、61、・・・にもカセットホルダ49の前記ピン55、55、・・・が摺動自在に係合されている。しかして、カセットホルダ49のピン55、55、・・・はカセット支持台42の案内スリット48、48、・・・とスライダー56の駆動スリット61、61、・・・とが重なったところに位置することになる。
62は引張コイルスプリングであり、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・スライダー56には前方へ向けての移動力が付勢されている。
66はストッパー片であり、略L字状をしており、その屈曲部がカセット支持台42の底板43の前端部左端の下面に回動自在に支持されている。そして、該ストッパー片の66の後方に向かって延びる一方の腕片67の後端部左側に係合切欠68が形成されている。
69はスライダー56の底板57の左側縁の前端寄りの位置から下方へ向けて突設された係合突片であり、スライダー56の駆動スリット61、61、・・・がカセット支持台42の案内スリット48、48・・・の水平部・・・・・・・・・・、即ち、スライダー56が最も後方へきている位置で、前記係合突片69がストッパー片66の係合切欠68と係合、該係合によって、引張コイルスプリング62の引張力がスライダー56を前方へ移動させるのが阻止されている。
70はカセットセンサーであり、カセットホルダ49内への磁気ディスクカセット19の挿入を検知するためのものである。該カセットセンサー70はその基端部がカセット支持台42の底板43の左前端に立設された支持軸71に回動自在に支持されている。
72は引張コイルスプリングであり、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これによって、カセットセンサー70の先端部70aがカセットホルダ49の前端開口からカセットホルダ49内に入る方向に回動する回動力が付勢されている。
75はカセットセンサー70の基端よりの位置の下縁から下方へ向けて突設された突片であり、・・・・・・・・・・・・・該突片75は孔76の後縁に当接した状態で前記ストッパー片66の屈曲部から右方へ向かって延びた他方の腕片77の先端部に後方から稍離間して対向している。
78はトーションスプリングであり、該トーションスプリング78の・・・・・・・・・・・、一方の腕78bはストッパー片66の一方の腕片67の右側縁に弾接し、他方の腕78cは前記カセットセンサー70の突片75に後側から弾接されている。これによって、ストッパー片66には一方の腕片67の先端が左方へ移動しようとする回動力が付勢されている。」(第5頁第右上欄13行〜第6頁右下欄第7行)

(3)
「(c-3-ロ.動作)[第8図、第9図]
しかして、磁気ディスクカセット19が外筺2の後面部17に形成されたカセット挿入口16を通して外筺2内に、そして、カセットホルダ49に挿入される。(第8図(A)、(第9図(A)参照)。
そして、磁気ディスクカセット19がカセットホルダ49内に挿入されて行くと、図示しないシヤッター開け機構により、磁気ディスクカセット19のシャッター26が相対的に開放位置へと移動されて行き、ヘッド挿入孔25、25が開放されていく。」(第6頁右下欄第8行〜第19行)

(4)
「そして、磁気ディスクカセット19がカセットホルダ49内にかなり挿入されると、カセットケース20の前方を向いている端面20aがカセットセンサー70の先端部70aに当接して(第8図(B)、第9図(B)参照)、このカセットセンサー70を引張コイルスプリング72の引張力に抗して回動せしめる。そして、この回動によって、カセットセンサー70の突片75が略前方へ移動して行き、ストッパー片66の他方の腕片77に近づいて行って、やがて該腕片77に接触しこれを略前方へ向けて押圧する。
そして、ストッパー片66は、その他方の腕片77の先端部が略前方へ向けて押圧されると、一方の腕片67の先端部が略右方へ向けて移動するように回動し、やがて一方の腕片67の先端部に形成された係合切欠68とスライダー56の係合突片69との係合が外れる。(第8図(C)、第9図(C)参照)。
係合切欠68と係合突片69との間の係合が外れると、スライダー56の前進を阻止するものが無くなるので、引張コイルスプリング62引張力によってスライダー56が前進せしめられる。
そして、スライダー56が前進すると、スライダー56の駆動スリット61、61、・・・がカセットホルダ49のピン55、55・・・を押圧するので、・・・・・・・・・・・・を下方に向かって移動する。これによって、カセットホルダ49は横倒しL字状の経路を初めは前方に向かって次いで下方へ向かって移動し、これと共に、カセットホルダ49に保持された磁気ディスクカセット19もこれと同じ経路を移動する(第8図(D)、第9図(D)参照)。」(第7頁左上欄第1行〜第7頁右上欄第17行)(ストッパーピン66はストッパー片66の誤りであり、上記のように認定した。)

(5)
「そして、ピン55、55、・・・が案内スリット48、48、・・・の垂直部48b、48b、・・・の下端に達した(第8図(E)、第9図(E)参照)ところで、磁気ディスクカセット19の磁気ディスク21のセンターコア23が図示しない記録再生部のスピンドル80に装着されると共に、磁気ヘッド81がカセットケース20のヘッド挿入孔25からカセットケース20内に入り磁気ディスク21と接触する(この状態は図示していない。)。そこで、記録又は再生動作が開始すると、スピンドル80が回転し、そして、磁気ヘッド81が磁気ディスク21に円形のトラック状に記録を行い又は円形トラックを走査しながら再生を行う。」(第7頁右上欄第18行〜第7頁左下欄第11行)

(6)
「上記した記録又は再生が終了してイジェクト指令が出される(上記したイジェクトボタン18がスライド操作されることによって出される。)と、図示しない駆動機構によって、上記スライダー56が後方へ向けて移動せしめられる。
スライダー56が後方へ向かって移動すると、スライダー58の駆動スリット61、61、・・・が初めはカセットホルダ49のピン55、55、・・・をカセット支持台42の案内スリット48、48、・・・の・・・・・・・・・・・・移動せしめる。
そして、スライダー56が後端まで達すると、スライダー56の係合突片69がストッパー片66の係合切欠68と係合する。
また、この間に、磁気ディスクカセット19にはカセットセンサー70の先端部70aを介して引張コイルスプリング72の弾発力が及び、これによって、磁気ディスクカセット19はカセットホルダ49の後端から半分位が突出せしめられ、従って、磁気ディスクカセット19の後半部がカセット挿入口16から外筺2外へ突出せしめられる。従って、この外筺2外へ突出した部分を手で持って磁気ディスクカセット19を外筺2から引き出すことができる。」(第7頁左下欄第12行〜第7頁右下欄第20行)

(7)
第4図の分解斜視図の、ディスクカセット19のカセットホルダ49への挿入方向と、ディスクカセット19のヘッド挿入孔25の位置関係から、磁気ヘッド81が、ディスクカセットのカセットホルダへの挿入方向に対して直交して配置されていることが判る。第7図には、磁気ヘッド81がスピンドル80と平行に、ディスクカセットの19の挿入方向に対して直交した配置にあることが示されている。


2.特開平2-73560号公報(以後、「引用例2」という。)には、以下の事項が記載されている。
(1)
「今、カセットを枠体28内に挿入していくと、枠体28内の凸部28bにカセットの防塵シャッター9の端部が当たり、カセットをより挿入していくに従って防塵シャッター9は開かれていく。」(第2頁右下欄第19行〜第3頁左上欄第2行)

(2)
第8図には、枠体28内の凸部28bがカセットケース1の挿入方向と平行な側面に示されている。


3.特開昭63-229659号公報(以後、「引用例3」という。)には、以下の事項が記載されている。
(1)
「〔問題を解決するための手段〕
本発明は前記目的を達成するために、磁気シートを回転自在に収納するとともに磁気ヘッド用窓部にスライド可能なシャッタを有する磁気シートパックを、磁気シートパック挿入排出位置から磁気シートを回転駆動軸に装填する位置に案内するパックホルダの側部に配設される1本の線ばねから成り、前記線ばねはヘアピン状に折曲げられ、その一方の先端に前記シャッタのロックを解除してパック挿入時にシャッタを開く第1の爪が折曲げられるとともに、他方側の先端に前記シャッタの側面に設けられた孔に係合してパック排出時にシャッタを閉じる第2の爪が折曲げられ、前記第1の爪及び第2の爪がそれぞれ前記パックホルダの案内溝に突出して該案内溝に進退する方向に弾性を有するようにしたことを特徴としている。」(第2頁左下欄第1行〜第16行)


《3》 引用例1に記載の発明
上記《2》1.(2)には、部材69について、おおよそ以下のように示されている。69はスライダー56の係合突片であり、スライダー56が最も後方にきている位置で、ストッパー片66の係合切欠69と係合し、スライダー56の前方への移動を阻止する。
上記《2》1.(4)を参照すると、磁気ディスクカセット19の挿入により、磁気ディスクカセットがカセットセンサー70の先端部70aに当接して、カセットセンサー70を回動させ、カセットセンサー70の突片75がストッパー片66の腕片77を押圧し、ストッパー片66の一方の腕片67とスライダー56の係合突片69との係合が外れる。係合が外れると、スライダー56の前進を阻止するものが無くなるので、スライダー56が前進せしめられる。そして、スライダー56が前進すると、カセットホルダ49が初めは前方に向かって、次いで下方へ向かって移動することが、大略示されている。
さらに、上記《2》1.(6)を参照すると、イジェクト指令により、スライダー56が後方へ向けて移動すると、カセットホルダ49が上方、後方に移動し、スライダー56が後方まで達すると、スライダー56の係合突片69がストッパー片66と係合すると、磁気ディスクカセットは、カセットホルダ49の後端から半分位突出せしめられ、突出した部分を手で引き出すことができることが、大略示されている。
上記《2》1.(2)(4)(6)を総合すると、スライダー56は最も後方にきている位置で、ストッパー片66の係合切欠68とスライダー56の係合突片69が係合し、スライダー56の前方の移動が阻止されており、磁気ディスクカセット19の挿入により、カセットセンサー70が回動し、ストッパー片66とスライダー56の係合が外れ、スライダー56が前進せしめられ、カセットホルダ49も前進させられる、また、イジェクト指令により、スライダー56が後方に移動し、スライダー56が移動するとカセットホルダ49も移動し、スライダー56が後端まで移動すると、スライダー56の係合突片59がストッパー片66の係合切欠68と係合し、スライダー56の前進を阻止させるストッパー片66が示されている。
そして、上記《2》1.(3)(5)(7)を合わせて参照すると、磁気ヘッド81は、磁気ディスクカセット19の挿入方向とほぼ直交する方向に移動自在に配され、ディスクの半径方向に移動し記録再生を行うことが示されている。

上記《2》1.(1)〜(7)の記載から、引用例1である特開平2-89249号公報には、磁気ディスクカセットをホルダを用いて装着する装置に関して、
「収納された磁気ディスクを外方に臨ませるヘッド挿入孔を開閉するシャッターが設けられたディスクカセットが挿入され、上記挿入されたディスクカセットを保持して上記磁気ディスクの記録再生部の位置と当該記録再生部の上方の上記ディスクカセットの挿入又は排出位置との間を移動するカセットホルダと、
上記シャッターの開閉を行うシャッター開け機構と、
上記ディスクカセットの上記カセットホルダへの挿入方向とほぼ直交する方向に移動自在に配される磁気ヘッドと、
上記記録再生部に移動された上記ホルダに保持された上記ディスクカセット内の磁気ディスクが装着されるスピンドルと、
上記カセットホルダに保持されている上記ディスクカセットを排出する方向に引張コイルスプリングによって付勢され、上記ホルダに挿入された上記ディスクカセットと当接する先端部を有し、上記カセットホルダの上記ディスクカセットの挿入方向前端側の隅部と対応する位置に回動自在に配されて上記カセットホルダから上記ディスクカセットを排出するカセットセンサーと、
移動操作されることによって上記カセットホルダを上記記録再生部の位置と上記挿入又は排出位置との間を移動させるスライダーと、
ストッパー片とを備え、
上記ストッパー片は、上記スライダーは最も後方にきている位置で、上記ストッパー片の係合切欠と上記スライダーに設けた係合突片が係合し、上記スライダーの前方への移動が阻止され、上記磁気ディスクカセットの挿入により、上記カセットセンサーが回動し、上記ストッパー片と上記スライダーの係合が外れて、上記スライダーが前進せしめられ、上記カセットホルダも前進させられる、また、イジェクト指令により、上記スライダーが後方に移動し、上記スライダーが移動すると上記カセットホルダも移動し、上記スライダーが後端まで移動すると、上記スライダーの係合突片が上記ストッパー片の係合切欠と係合し、上記スライダーの前進を阻止することを特徴とする
磁気ディスク記録及び/又は再生装置。」の発明(以下、引用例1の発明という。)が記載されていると認められる。


《4》 対 比
本願発明と引用例1の発明を対比すると、
引用例1の発明の「ディスクカセット」「カセットホルダ」「シャッター開け機構」「カセットセンサー」「スライダー」「スピンドル」は、
本願発明の「ディスクカートリッジ」「ホルダ」「シャッタ開放手段」「イジェクトレバー」「イジェクト部材」「回転駆動手段」に相当し、
引用例1の発明の「上記スライダーは最も後方にきている位置で、上記ストッパー片の係合切欠と上記スライダーに設けた係合突片が係合し、上記スライダーの前方への移動が阻止され、上記磁気ディスクカセットの挿入により、上記カセットセンサーが回動し、上記ストッパー片と上記スライダーの係合が外れて、上記スライダーが前進せしめられ、上記カセットホルダも前進させられる、また、イジェクト指令により、上記スライダーが後方に移動し、上記スライダーが移動すると上記カセットホルダも移動し、上記スライダーが後端まで移動すると、上記スライダーの係合突片が上記ストッパー片の係合切欠と係合し、上記スライダーの前進を阻止する」の「ストッパー片」は、カセットホルダの移動を磁気カセットの挿入又は排出位置にロックする部材であり、本願発明の「上記イジェクトレバーによって上記イジェクト部材を上記ホルダの上記挿入又は排出位置にロックし又はロック解除させるロックレバー」の「ロックレバー」に相当し、
両者は、ホルダを用いてディスクカートリッジを装着するディスク装置で共通するから、両者は、
「収納されたディスクを外方に臨ませる開口部を開閉するシャッタが設けられたディスクカートリッジが挿入され、上記挿入されたディスクカートリッジを保持して上記ディスクの記録又は再生位置と当該記録又は再生位置の上方の上記ディスクカートリッジの挿入又は排出位置との間を移動するホルダと、
上記シャッタの開閉を行うシャッタ開放手段と、
上記ディスクカートリッジの上記ホルダへの挿入方向とほぼ直交する方向に移動自在に配されるヘッドと、
上記記録又は再生位置に移動された上記ホルダに保持された上記ディスクカートリッジ内のディスクが装着され上記ディスクを回転駆動する回転駆動手段と、
上記ホルダに保持されている上記ディスクカートリッジを排出する方向に付勢手段によって付勢され、先端側に設けられ上記ホルダに挿入された上記ディスクカートリッジと当接する当接部を有し、上記ホルダの上記ディスクカートリッジの上記ホルダへの挿入方向前端側の隅部と対応する位置に回動自在に配されて上記ホルダから上記ディスクカートリッジを排出するイジェクトレバーと、
移動操作されることによって上記ホルダを上記記録又は再生位置と上記挿入又は排出位置との間を移動させるイジェクト部材と、
上記イジェクトレバーによって上記イジェクト部材を上記ホルダの上記挿入又は排出位置にロックし又はロック解除させるロックレバーとを
備えているディスク記録及び/又は再生装置。」の発明で一致し、

以下の点で、相違する。
(1)本願発明では、光ディスクに関する記録及び/又は再生装置であるのに対して、、引用例1の発明では、磁気ディスクに関する記録及び/又は再生装置である点。

(2)シャッタ開放手段が、本願発明では、ホルダのディスクカートリッジのホルダへの挿入方向と平行な側面に配置されるのに対して、引用例1の発明には配置について記載されていない点。


《5》 当審の判断
相違点について検討する。
相違点(1)について
カートリッジに収納した光ディスクも引用例を示すまでもなく周知であり、磁気ディスクも光ディスクも記録原理こそ異なるものの、記録媒体の形状及び装置は同じであることから、引用例1の発明において、ディスクカセットに収納されるディスクを、磁気ディスクに変えて光ディスクとし、光ディスク記録及び/又は再生装置とすることは、格別困難であると認めることはできない。

相違点(2)について
ディスク装置において、シャッタ開放手段を、ホルダのディスクカートリッジのホルダの挿入方向と平行な側面に配置することは例えば引用例2,3にも記載されているように周知であり、、引用例1の発明において、シャッター開放手段をホルダ内のディスクカセットの挿入方向と平行な側面に配置することは、容易に推考できることと認められる。


《6》 む す び
したがって、本願発明は、引用例1の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2001-05-11 
結審通知日 2001-05-15 
審決日 2001-05-28 
出願番号 特願平2-222828
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G11B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小山 和俊  
特許庁審判長 麻野 耕一
特許庁審判官 相馬 多美子
伊東 和重
発明の名称 光ディスク記録及び/又は再生装置  
代理人 伊賀 誠司  
代理人 小池 晃  
代理人 田村 榮一  

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