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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1042975 |
審判番号 | 不服2000-16264 |
総通号数 | 21 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1992-04-13 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-10-12 |
確定日 | 2001-08-09 |
事件の表示 | 平成 2年特許願第229994号「プログラマブル記憶装置」拒絶査定に対する審判事件[平成 4年 4月13日出願公開、特開平 4-111028]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本願は、平成2年8月30日の出願であって、その請求項1に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものと認める。(以下、「本願発明」という。) 「データを記憶するデータメモリと、 アドレス生成データを記憶するプログラムメモリとを備えた記憶装置において、 予め前記プログラムメモリにアドレス生成データを記憶した後、前記プログラムメモリに記憶したアドレス生成データに応じて前記データメモリの読み出しまたは書き込みを行うことを特徴とするプログラムブル記憶装置。」 2.引用例 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願の日前である昭和61年8月12日に頒布された「実願昭60-8032号(実開昭61-128745号)のマイクロフィルム」(以下、「引用刊行物」という。)には、次の事項が記載されている。 (1)「本考案の要点は処理装置に接続された資源をアクセスする場合に必要なアドレスを、予めアドレス発生用のメモリに記憶させておき、処理装置はメモリのアドレスを制御するカウンタが割付けられたアドレスをアクセスするのみで、アドレス発生用のメモリに記憶し、アクセスする場合に必要なアドレスを発生することにより、処理装置のアドレス計算を省略することにある。」(第3頁第3行目乃至第10行目) (2)「処理装置1がアドレス発生回路を介して記憶装置7をアクセスする場合、アドレスは処理装置1よりアドレスバス10を介して制御回路2に入力され、制御回路2はコントロール信号11によりカウンタ3のイニシャライズおよびカウント制御、コントロール信号12により記憶装置4のセレクト、コントロール信号13によりマルチプレクサ6の出力信号の選択をそれぞれ行なう。 コントロール信号11により、カウンタ3をイニシャライズ後、制御回路2により、カウンタ3をカウントする信号を出力するためのアドレスを処理装置1が出力する。カウンタ3はコントロール信号11によりカウントされ、その出力はアドレスバス14を通して記憶装置4のアドレス入力に入力される。コントロール信号12はカウンタ3をカウントするためのアドレスが入力されると記憶装置4をアクセスするための信号を出力し、予めデータを書き込んであった記憶装置4はアドレスバス14より入力したアドレスに対応するデータを、処理装置1が記憶装置7をアクセスするためのアドレスとしてデータバス15に出力する。マルチプレクサ6は、コントロール信号13によりデータバス15からの入力をアドレスバス17に出力し、記憶装置7は以上のアドレス発生回路を通して出力されたアドレスに対しデータの入出力を行う。」(第4頁第5行目乃至第5頁第10行目) (3)「また、記憶装置4は、予めデータが書き込まれている装置であるが、処理装置1により書き込みが可能な装置でもよい。」(第5頁第14行目乃至第16行目) この記載事項によると、引用刊行物には、 データを記憶する記憶装置と、 アドレスを記憶するアドレス発生用のメモリとを備えた記憶装置において、 予め前記アドレス発生用のメモリにアドレスを記憶した後、前記アドレス発生用のメモリに記憶したアドレスにより前記記憶装置の読み出しまたは書き込みを行うことを特徴とするプログラマブル記憶装置 の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 なお、引用刊行物には「プログラマブル」という記載はないが、アドレス発生用のメモリに予め記憶したアドレスにより自動アクセスを図ることができるので、引用発明をプログラマブル記憶装置の発明と認定した。 3.対比 本願発明と引用発明とを対比すると、本願発明のデータメモリ及びプログラムメモリは、それぞれ、引用発明の記憶装置及びアドレス発生用のメモリに相当し、どちらも、データメモリの読み出しまたは書き込みを行うためのデータを、予めプログラムメモリに記憶しておく点で一致し、次の点で相違する。 相違点: 本願発明は、プログラムメモリに予め記憶しておくデータが「アドレス生成データ」で、そのアドレス生成データに応じてデータメモリの読み出しまたは書き込みを行うのに対して、引用発明は、プログラムメモリに予め記憶しておくデータが「アドレス」で、そのアドレスによりデータメモリの読み出しまたは書き込みを行う点 4.当審の判断 データメモリをアクセスするアドレスを内部で生成する装置において、アクセスに必要なアドレスを予め生成して記憶しておき、そのアドレスによりデータメモリの読み出しまたは書き込みを行うこと(特開昭59-178544号公報参照)も、アクセスに必要なアドレスを生成するためのデータを記憶しておき、そのアドレス生成データに応じてデータメモリの読み出しまたは書き込みを行うこと(特開昭61-75940号公報参照)も、いずれも周知であって、どちらを採用するかは当業者が適宜決定すべき選択事項にすぎないから、引用発明において、プログラムメモリに記憶しておくデータをアドレス生成データとし、そのアドレス生成データに応じてデータメモリの読み出しまたは書き込みを行うようにすることは、当業者ならば容易に想到し得るものである。 5.むすび したがって、本願発明は、引用発明に基づいて本件出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2001-06-12 |
結審通知日 | 2001-06-19 |
審決日 | 2001-06-27 |
出願番号 | 特願平2-229994 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 多賀 実 |
特許庁審判長 |
松野 高尚 |
特許庁審判官 |
堀田 和義 大橋 隆夫 |
発明の名称 | プログラマブル記憶装置 |
代理人 | 河合 信明 |
代理人 | 福田 修一 |
代理人 | 京本 直樹 |