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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04Q
管理番号 1044123
審判番号 不服2000-7783  
総通号数 22 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1992-04-23 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-05-25 
確定日 2001-08-23 
事件の表示 平成 2年特許願第245342号「遠隔監視制御システムの制御用端末器」拒絶査定に対する審判事件[平成 4年 4月23日出願公開、特開平 4-123697]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成2年9月14日の出願であって、その請求項1に係る発明は、特許請求の範囲1に記載された事項により特定される次のとおりのものと認められる。(以下、「本願発明」という。)
「中央制御装置と、固有アドレスが設定された複数の端末器とを一対の信号線を介して接続し、中央制御装置から各端末器を個別に順次アクセスして監視データ及び制御データを時分割多重伝送して負荷の動作の監視制御を行う遠隔監視制御システムの負荷が接続される制御用端末器であって、一端面から内部に信号線が挿通される筒部が突設され、この筒部の基部にナット等を螺合するねじ部が形成されたケースを備えて成ることを特徴とする遠隔監視制御システムの制御用端末器。

2.当審の拒絶理由
一方、当審において平成13年2月21日付けで通知した拒絶の理由の概要は、本願発明は、本願の出願前に頒布された刊行物である、実願昭63-80053号(実開平2-1985号)のマイクロフィルム(以下「刊行物1」という。)、及び特開平2-7320号公報(以下、「刊行物2」という。)に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

3.刊行物記載の発明
(1)上記刊行物1には「第7図は、この種の遠隔監視制御システムの構成例を示す図であり、中央制御装置1と、固有アドレスが設置された複数の監視用端末器2および制御用端末器3とが一対の信号線4にて接続されており、中央制御装置1から信号線4に送出される伝送信号Vsは、第8図(a)に示すように、信号送出開始を示すスタートパルス信号ST、信号モードを示すモードデータ信号MD、端末器2,3を呼び出すアドレスデータ信号AD、負荷L1,L2,L31,L32,・・・を制御する制御データ信号CD、チェックサムデータ信号CSおよび端末器2,3からの返送信号期間を設定する返送待機信号WTよりなる複極(±24V)の時分割多重信号であり、パルス幅変調によってデータが伝送されるようになっている。各端末器2,3では、信号線4を介して受信された伝送信号Vsのアドレスデータと自己の固有アドレスデータとが一致したときその伝送信号Vsの制御データを取り込むとともに、伝送信号Vsの返送待機信号WTに同期して監視データ信号を電流モード信号(信号線4間を適当な低インピーダンスを介して短絡して送出される信号)として返送するようになっている。」(2頁5行ないし3頁5行)、「第9図は制御用端末器3の回路構成を示すもので、制御用端末器3は、信号線4を介して伝送される伝送信号Vsから回路電源を形成する電源回路10と、伝送信号Vsを受信して信号処理を行うとともに返送信号VRを形成して送信する信号処理回路11と、固有アドレスを設定するアドレス設定部12と制御データのビットを選択する負荷番号設定部13と、負荷制御用の出力リレー15をドライブするドライブ回路14と、動作状態を監視する監視回路16とで形成されており・・・監視用、制御用端末器2,3の固有アドレスのユーザ設定部を同一に設定するだけで両端末器2、3を容易に対応させることができ、同一値に設定された監視用端末器2から返送された監視データに基いて制御端末器3に接続されている負荷が制御できるようになっている。」(4頁下から5行ないし6頁4行)があり、これらの記載によれば、刊行物1には、「中央制御装置と、固有アドレスが設定された複数の端末器とを一対の信号線を介して接続し、中央制御装置から各端末器を個別に順次アクセスして監視データ及び制御データを時分割多重伝送して負荷の動作の監視制御を行う遠隔監視制御システムの負荷が接続される制御用端末器」の発明(以下、「刊行物1に記載された発明」という。)が記載されているものと認められる。
(2)また、上記刊行物2には、「第1図及び第2図は本発明の一実施例を示すもので、リモコンリレー本体1が収納され制御用リード線L1が導出される筒部3を具備したケース2を上記筒部3の中央にて分割し、上記筒部3に外挿される取付カバー4の基部に雄ねじ部5を設けたものである。ここに実施例にあたっては、分割頭部3a中央の外面にそれぞれ突起6を設けている。また、分割ケース2a、2bは、接点端子8が配設されている端子台部および筒部3中央をかしめ鋲7にてかしめ固定して一体化されるようになっている。」(2頁右上欄8行ないし18行)の記載があり、これらの記載によれば、上記刊行物2には、一端面から内部に信号線が挿通される筒部が突設され、この筒部の基部にナット等を螺合するねじ部が形成されたケースの発明(以下、「刊行物2に記載された発明」という。)が記載されているものと認められる。

4.対比
そこで本願発明と刊行物1に記載された発明とを対比すると、以下の点で一致ないし相違する。
(1)一致点
中央制御装置と、固有アドレスが設定された複数の端末器とを一対の信号線を介して接続し、中央制御装置から各端末器を個別に順次アクセスして監視データ及び制御データを時分割多重伝送して負荷の動作の監視制御を行う遠隔監視制御システムの負荷が接続される制御用端末器。
(2)相違点
制御用端末器のケースに関して、本願発明は、一端面から内部に信号線が挿通される筒部が突設され、この筒部の基部にナット等を螺合するねじ部が形成されたケースを備えて成るのに対して、刊行物1に記載された発明は、そのようになっていない点で相違する。

5.当審の判断
上記相違点について検討するに、一端面から内部に信号線が挿通される筒部が突設され、この筒部の基部にナット等を螺合するねじ部が形成されたケースの発明は、刊行物2に開示されているように公知であると認められ、刊行物1に記載された制御用端末器の発明に適用することに格別の創意工夫を要するともいえないことから、刊行物1に記載された発明の制御用端末器に、刊行物2に記載されたケースの発明を適用して、本願発明の構成とすることに格別の困難性はなく当業者であれば容易に想到し得るものである。

6.むすび
したがって、本願は、当審で通知した上記拒絶の理由によって拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2001-06-20 
結審通知日 2001-06-26 
審決日 2001-07-09 
出願番号 特願平2-245342
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H04Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩井 健二  
特許庁審判長 佐藤 秀一
特許庁審判官 武井 袈裟彦
山本 春樹
発明の名称 遠隔監視制御システムの制御用端末器  
代理人 森 厚夫  
代理人 西川 惠清  

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