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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 B01D 審判 全部申し立て 2項進歩性 B01D |
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管理番号 | 1044663 |
異議申立番号 | 異議2000-71056 |
総通号数 | 22 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1992-10-19 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-03-13 |
確定日 | 2001-03-07 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2948675号「発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第2948675号の請求項1に係る特許を維持する。 |
理由 |
(1)手続の経緯 特許2948675号の請求項1に係る発明についての出願は、平成3年3月20日に特許出願され、平成11年7月2日に特許の設定登録がなされ、その後、特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年7月31日に訂正請求がなされ、訂正拒絶理由通知がなされ、その指定期間内である平成13年1月29日に手続補正がなされたものである。 (2)訂正の適否についての判断 ア.訂正請求に対する補正の適否について 特許権者は、訂正請求書中の訂正事項aについて、その第7行目の、その第18行目の、訂正請求書の訂正事項bについて、その第6〜7行目の、その第16〜17行目の、「・・・から流出される濾液から流出される・・・」を誤記の訂正を目的として、「・・・器から流出される・・・」と補正するものであり、当該訂正請求書に対する補正は、訂正の請求の要旨を変更するものではないから、特許法第120条の4第3項において準用する同法第131条第2項の規定に適合する。 イ.訂正の内容 訂正事項a 明細書の特許請求の範囲の請求項1に係る記載 「菌体を利用した発酵工程にて生成られる発酵液または蛋白系有価物を含む抽出液を被処理原液とし、同原液を濾過器内へ循環供給して同濾過器内に収容したフィル夕の濾過膜の一側に沿って流動させ、この間前記濾過膜の両側の圧力差により同濾過膜の一側から他側へ透過させて濾過するとともに、 循環供給液中に前記濾過器から流出される濾液に対応する量の希釈液を添加して行う発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法において、 前記希釈液として前記原液の導電率と同一または同原液の導電率に近似する導電率を有する希釈液を採用する ことを特徴とする発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法。」を、 「菌体を利用した発酵工程にて生成される発酵液または蛋白系有価物を含む抽出液を被処理原液とし、同原液を濾過器内へ循環供給して同濾過器内に収容したフィル夕の濾過膜の一側に沿って流動させ、この間前記濾過膜の両側の圧力差により同濾過膜の一側から他側へ透過させて濾過するとともに、 循環供給液中に前記器から流出される濾液に対応する量の希釈液を添加して行う発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法において、前記希釈液として前記原液の導電率と同一または同原液の導電率に近似する導電率を有する希釈液を採用するとともに、 添加倍率(原液量に対する希釈液の累積添加量)が2以上となるよう希釈液を添加する ことを特徴とする発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法。」と訂正する。 訂正事項b 明細書の段落番号【0005】の 「【課題を解決するための手段】本発明は、菌体を利用した発酵工程にて生成られる発酵液または蛋白系有価物を含む抽出液を被処理原液とし、同原液を濾過器内へ循環供給して同濾過器内に収容したフィル夕の濾過膜の一側に沿って流動させ、この間前記濾過膜の両側の圧力差により同濾過膜の一側から他側へ透過させて濾過するとともに、循環供給液中に前記器から流出される濾液に対応する量の希釈液を添加して行う発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法において、前記希釈液として前記原液の導電率と同一または同原液の導電率に近似する導電率を有する希釈液を採用することを特徴とするものである。」を、「【課題を解決するための手段】本発明は、菌体を利用した発酵工程にて生成される発酵液または蛋白系有価物を含む抽出液を被処理原液とし、同原液を濾過器内へ循環供給して同濾過器内に収容したフィル夕の濾過膜の一側に沿って流動させ、この間前記濾過膜の両側の圧力差により同濾過膜の一側から他側へ透過させて濾過するとともに、循環供給液中に前記濾過器から流出される濾液に対応する量の希釈液を添加して行う発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法において、前記希釈液として前記原液の導電率と同一または同原液の導電率に近似する導電率を有する希釈液を採用するとともに、添加倍率(原液量に対する希釈液の累積添加量)が2以上となるよう希釈液を添加することを特徴とするものである。」と訂正する。 訂正事項c 明細書の段落番号【0001】及び【0004】の「生成られる」を「生成される」と訂正する。 ウ.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 上記訂正事項aは、特許請求の範囲に「添加倍率(原液量に対する希釈液の累積添加量)が2以上となるように希釈液を添加する」という構成を付加してさらに限定を付したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。この点については、特許明細書の段落番号【0010】の表1に記載されており、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。訂正事項bは上記訂正事aに伴って、発明の詳細な説明の記載を該訂正に整合させるための訂正であるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正であって、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。 訂正事項cは誤記の訂正を目的とするものである。 エ.むすび 以上のとおり、上記訂正は、平成6年改正法附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120の4第3項において準用する平成6年改正法による改正前の特許法第126条第1項ただし書および 第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 (3)特許異議申立についての判断 ア.特許異議申立の理由の概要 特許異議申立人は、甲第1号証「特開平1-101879号公報」及び甲第2号証(「膜による分離法」、(株)講談社サイエンティフィック、1989年8月1日発行、第198頁〜200頁)を提出し、請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と同一か、または、甲第1〜2号証に記載された発明に基づき、当業者であれば容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第1項第3号または同条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、特許を取り消すべき旨主張する。 イ.甲1〜3号証に記載された発明 甲第1号証には、以下の事項が記載されている。 「生物工学的に生産された有用物質を十字流マイクロ濾過および/または限外濾過により培養培地から分離する方法。」 「マイクロ濾過において、培養培地の希釈の為およびダイアフィルトレーション液として、塩溶液を用いること」 「特に、蛋白質を安定化する塩溶液によるダイアフィルトレーションにより、良好な結果が得られる。」 甲第2号証には以下の事項が記載されている。 「小分子溶質の除去や・・・タンパク質溶液の量を一定に保つように自動的に希釈しながら濾過を行う方が便利である。」 「環境が完全に無塩状態になると変性するタンパク質が多いから、水の代わりに希薄な緩衝液か無害な塩の溶液(例えば0.1MNaCl)を用いるほうが無難である。」 ウ.対比・判断 (a)請求項1に係る発明(以下、本件発明という)について 本件特許の発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。 本件発明と甲第1号証に記載された発明とを対比すると、両者は、菌体を利用した発酵工程において生成される発酵液を被処理原液とし、原液を希釈しながら、発酵液中の有価物を回収するクロス濾過方法で一致し、次の点で相違する。 相違点1:本件発明では、クロス濾過方法において、濾過効率の著しい向上を目的として、希釈液として前記原液の導電率と同一または同原液の導電率に近似する導電率を有する希釈液を採用するのに対し、甲第1号証に記載の発明では、蛋白質の安定化のために塩溶液を希釈液として用いており、導電率に関しては何ら記載がない点。 これら相違点につき検討する。従来の濾過方法においては、被処理液のイオン濃度と、希釈水として用いる水のイオン濃度が著しく異なるために、濾過処理過程において濾過効率が大きく低下するという課題があったところ、本件発明は、該課題を解決することを目的とするものであって(明細書【0004】参照)、該課題を、希釈液として原液の導電率と同一または同原液の導電率に近似する導電率を有する希釈液を用いることにより解決するものである(明細書段落【0005】参照)。 これに対し、甲第1号証記載の発明は、蛋白質の安定化のために塩溶液を用いるものであって、本件発明と目的が相違するものであり、また、該号証には、希釈液として用いる塩溶液の導電率については何ら示唆する記載もない。 また、甲第2号証に記載の発明は、塩溶液を希釈液として用いているが、それは蛋白質の安定化の為であって、本件発明と目的が異なるばかりでなく、塩溶液の導電率については何ら示唆するところがない。 よって、本件発明は、甲第1〜2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4)むすび 以上のとおりであるから、請求項1に係る発明の特許は、特許異議申立の理由及び証拠によっては、取り消すことができない。 また、他に本件発明の特許を取り消すべき理由および証拠を発見しない。 したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めない。 よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】菌体を利用した発酵工程にて生成される発酵液または蛋白系有価物を含む抽出液を被処理原液とし、同原液を濾過器内へ循環供給して同濾過器内に収容したフィルタの濾過膜の一側に沿って流動させ、この間前記濾過膜の両側の圧力差により同濾過膜の一側から他側へ透過させて濾過するとともに、循環供給液中に前記濾過器から流出される濾液から流出される濾液に対応する量の希釈液を添加して行う発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法において、前記希釈液として前記原液の導電率と同一または同原液の導電率に近似する導電率を有する希釈液を採用するとともに、添加倍率(原液量に対する希釈液の累積添加量)が2以上となるよう希釈液を添加することを特徴とする発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、菌体を利用した発酵工程にて生成される発酵液または蛋白系有価物を含む抽出液等を原液とし、同原液から発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法に関する。 【0002】 【従来技術】クロスフロー濾過方法の一形式として、被処理液である原液を濾過器内へ循環供給して同濾過器内に収容したフィルタの濾過膜の一側に沿って流動させ、この間前記原液を同濾過膜の両側の圧力差により同濾過膜の一側から他側へ透過させて濾過するとともに、循環供給液中に前記濾過器から流出される濾液に対応する量の希釈液を添加して行う発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法がある。当該濾過方法は一般にはダイアフィルトレーション法といわれ、通常希釈液として水を用いている。従って、当該クロスフロー濾過方法は別名加水法ともいわれている。 【0003】当該クロスフロー濾過方法は原液中に溶解している有価物を一旦溶液状態で回収するもので、濾過処理過程において循環供給液中の被分離物質の濃度が漸次増大して濾過効率を低下させることを回避するため循環供給液中に希釈液を添加して同循環供給液中の被分離物質の濃度を略一定に保持し、被分離物質の濃度の増大に起因する濾過効率の低下の要因を解消することを意図したものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の当該濾過方法においては希釈液として通常の水が採用されているため、被処理液である原液がイオン濃度の高いものである場合には濾過処理過程において循環供給液のイオン濃度が漸次低下して最後には添加する水に相当するイオン濃度、実質的には零またはそれに近い状態となる。かかる状態は被処理液である原液のイオン濃度とは著しく相違することになり、原液中の被分離物質の形状等特性がイオン濃度による影響を大きく受けるものである場合には、濾過処理中に被分離物質の特性が順次変化して設定されたフィルタによる分離に支障を生じさせ、濾過効率を著しく低下させることになる。かかる被分離物質が混在する原液としては、具体的には菌体を利用した発酵工程にて生成される発酵液を挙げることができる。従って、本発明の目的は、かかる発酵液等を原液とするクロスフロー濾過において、濾過効率を著しく向上させることにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、菌体を利用した発酵工程にて生成される発酵液または蛋白系有価物を含む抽出液を被処理原液とし、同原液を濾過器内へ循環供給して同濾過器内に収容したフィルタの濾過膜の一側に沿って流動させ、この間前記濾過膜の両側の圧力差により同濾過膜の一側から他側へ透過させて濾過するとともに、循環供給液中に前記濾過器から流出される濾液から流出される濾液に対応する量の希釈液を添加して行う発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法において、前記希釈液として前記原液の導電率と同一または同原液の導電率に近似する導電率を有する希釈液を採用するとともに、添加倍率(原液量に対する希釈液の累積添加量)が2以上となるよう希釈液を添加することを特徴とするものである。 【0006】 【発明の作用・効果】本発明のクロスフロー濾過方法によれば、循環供給液の導電率は原液の導電率と同一またはこれに近似し、被分離物はイオン濃度による特性変化の影響を受けることはなくて原液における特性と同様の特性を保持する。このため、かかる特性に基づいて設定されているフィルタにおいては設定された濾過機能がそのまま発揮され、従来のこの種形式のクロスフロー濾過方法のごとく濾過処理過程において濾過効率を大きく低下することはなく、濾過効率を著しく向上させることができる。 【0007】 【実施例】菌体を利用した発酵工程にて生成られる下記の発酵液を被処理原液とし、図1に示すクロスフロー濾過装置を使用してダイアフィルトレーション法によるクロスフロー濾過方法を実施した。なお、当該クロスフロー濾過装置においては、原液タンク11、循環ポンプ12、第1濾過器13および第2濾過器14が互いに直列的に接続されて循環経路を構成しており、また原液タンク11には濾過処理過程で流出する濾過液量に相当する分の希釈液が順次添加される構成になっている。 【0008】 (1)原液 酵素:分子量10万のアルカリプロテアーゼを溶解 被分離物質:菌体、濃度2.9wt%含有…但しドライ換算 pH:7.5 導電率:10mS/cm (2)濾過条件 フィルタ:平均細孔径0.1μmのセラミック質のモノリス型フィルタで、径4mmの貫通孔を19個有する長さ1000mmのものを各濾過器13,14にそれぞれ1本づつ使用 濾過面積:合計0.48m2 循環流速:5m/sec 濾過差圧:1kg/cm2 循環供給液の温度:30℃ (3)希釈液 ▲1▼食塩水:0.6wt%、導電率11mS/cm ▲2▼市水:導電率0.2mS/cm 【0009】これらの実験においては希釈液の添加倍率と酵素透過率、これに対応する酵素回収率を測定および算出して比較した。その結果を表1および図2,図3の各グラフに示す。なお、添加倍率は原液量に対する希釈液の累積添加量として算出し、また透過倍率は循環供給液中の残存原液中の酵素濃度を基準とする酵素量に対する透過量として算出した。 【0010】 【表1】 【0011】表1および図2,3を参照すれば明かなように、希釈液として原液の導電率に近似する導電率を有する食塩水を採用した場合には、希釈液の添加倍率が増大しても透過率の低下は小さく酵素の最終回収率は約96%であるのに対して、希釈液として原液の導電率とは大きく相違する市水を採用した場合には、希釈液の添加倍率が増大すると透過率の低下が大きく酵素の最終回収率は約82%にすぎなかった。 【0012】かかる事実から、希釈液として原液の導電率と同一またはこれに近似する導電率の希釈液を採用することにより、濾過処理過程における透過率の低下が抑制されて酵素の最終回収率が増大することが判明した。なお、かかる事実に基づいて当該原液に対する希釈液として食塩水に換えて塩化カリウムの水溶液、リン酸、クエン酸、ホウ酸等の緩衝液等を採用した場合にもほぼ同様の結果が得られることを知得した。かかる事実の解明は未だ十分になされていないが、上記酵素は原液が有する導電率の液中においては最小の塊状態を呈していて、導電率が低下するに伴い漸次大型の塊状態になり、この結果濾過状態に影響を及ぼしているものと推定される。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の方法を実施するために使用したクロスフロー濾過装置の概略構成図である。 【図2】希釈液として食塩水を採用した場合の酵素透過率および回収率の経時的変化を示すグラフである。 【図3】希釈液として市水を採用した場合の酵素透過率および回収率の経時的変化を示すグラフである。 【符号の説明】 11…原液タンク、12…循環ポンプ、13,14…濾過器 |
訂正の要旨 |
訂正事項a 特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲の請求項1に係る記載 「菌体を利用した発酵工程にて生成られる発酵液または蛋白系有価物を含む抽出液を被処理原液とし、同原液を濾過器内へ循環供給して同濾過器内に収容したフィルタの濾過膜の一側に沿って流動させ、この間前記濾過膜の両側の圧力差により同濾過膜の一側から他側へ透過させて濾過するとともに、 循環供給液中に前記濾過器から流出される濾液に対応する量の希釈液を添加して行う発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法において、前記希釈液として前記原液の導電率と同一または同原液の導電率に近似する導電率を有する希釈液を採用する ことを特徴とする発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法。」を、 「菌体を利用した発酵工程にて生成される発酵液または蛋白系有価物を含む抽出液を被処理原液とし、同原液を濾過器内へ循環供給して同濾過器内に収容したフィルタの濾過膜の一側に沿って流動させ、この間前記濾過膜の両側の圧力差により同濾過膜の一側から他側へ透過させて濾過するとともに、 循環供給液中に前記器から流出される濾液に対応する量の希釈液を添加して行う発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法において、前記希釈液として前記原液の導電率と同一または同原液の導電率に近似する導電率を有する希釈液を採用するとともに、 添加倍率(原液量に対する希釈液の累積添加量)が2以上となるよう希釈液を添加する ことを特徴とする発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法。」と訂正する。 訂正事項b 明瞭でない記載の釈明を目的として、明細書の段落番号【0005】の 「【課題を解決するための手段】本発明は、菌体を利用した発酵工程にて生成られる発酵液または蛋白系有価物を含む抽出液を被処理原液とし、同原液を濾過器内へ循環供給して同濾過器内に収容したフィルタの濾過膜の一側に沿って流動させ、この間前記濾過膜の両側の圧力差により同濾過膜の一側から他側へ透過させて濾過するとともに、循環供給液中に前記器から流出される濾液に対応する量の希釈液を添加して行う発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法において、前記希釈液として前記原液の導電率と同一または同原液の導電率に近似する導電率を有する希釈液を採用することを特徴とするものである。」を、 「【課題を解決するための手段】本発明は、菌体を利用した発酵工程にて生成される発酵液または蛋白系有価物を含む抽出液を被処理原液とし、同原液を濾過器内へ循環供給して同濾過器内に収容したフィルタの濾過膜の一側に沿って流動させ、この間前記濾過膜の両側の圧力差により同濾過膜の一側から他側へ透過させて濾過するとともに、循環供給液中に前記濾過器から流出される濾液に対応する量の希釈液を添加して行う発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法において、前記希釈液として前記原液の導電率と同一または同原液の導電率に近似する導電率を有する希釈液を採用するとともに、添加倍率(原液量に対する希釈液の累積添加量)が2以上となるよう希釈液を添加することを特徴とするものである。」と訂正する。 訂正事項c 誤記の訂正を目的として、明細書の段落番号【0001】及び【0004】の「生成られる」を「生成される」と訂正する。 |
異議決定日 | 2001-02-16 |
出願番号 | 特願平3-81557 |
審決分類 |
P
1
651・
113-
YA
(B01D)
P 1 651・ 121- YA (B01D) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 杉江 渉 |
特許庁審判長 |
江藤 保子 |
特許庁審判官 |
野田 直人 山田 充 |
登録日 | 1999-07-02 |
登録番号 | 特許第2948675号(P2948675) |
権利者 | 日本碍子株式会社 |
発明の名称 | 発酵液中の有価物を回収するクロスフロー濾過方法 |
代理人 | 杉村 暁秀 |
代理人 | 杉村 暁秀 |
代理人 | 杉村 興作 |
代理人 | 杉村 興作 |
代理人 | 杉村 純子 |
代理人 | 杉村 純子 |